7月のINSSの赤字は過去12年間で最も小幅

7月の社会保障院(INSS)の赤字はギド・マンテガ財務相が今年の国内総生産(GDP)伸び率を4.5%から4.0%に下方修正したにも関わらず、7月の14万人の新規雇用の増加が牽引して、過去12年間では最も赤字幅が減少している。

7月のINSSの赤字は20億8,500万レアルと前年同月比25%減少して、7月の月間の赤字幅が1999年の15億レアル(インフレ指数など調整済み)に次ぐ減少を記録している。

また今年7カ月間のINSSの赤字は欧米諸国の景気の先行き不透明感増加や国内経済の減速傾向にも関わらず、前年同期比19%減少の218億6,000万レアルまで減少して、2004年の218億7,000万レアルに次ぐ記録となっている。

今年の社会保障院のインフレ指数を差引いた実質累積赤字は昨年の440億レアルから大幅減少の380億レアルから390億レアルが予想されている。

今年7カ月間のINSSの年金・恩給などの支出は前年同期比4.1%増加の1,530億レアル、収入の納付金総額は9.4%増加の1312億レアルを記録している。

しかし2012年の最低サラリー調整はインフレ指数の全国消費者物価(INPC)指数プラス2年前の国内総生産(GDP)伸び率で計算されるために、昨年のGDP伸び率は7.5%、今年のINPCが6.0%以上と予想されているために14%の最低サラリー調整が見込まれており、年金・恩給受給者の大半が最低サラリー受給者であるために、INSSの赤字幅は大幅に増加すると予想されている。(2011年8月26日付けエスタード紙)


 

iPadの国内生産開始は2012年に先送り

台湾資本Foxconn社がサンパウロ州ジュンジャイ市でアップル社のタブレット端末 iPadの生産を7月から開始予定、同社の強い要請で連邦政府はタブレット端末向け基本プロセス(PPB)の減税並びに暫定令による社会統合基金 (PIS)/社会保険融資納付金(Cofins)の優遇税制適用で31%の減税を暫定令MP534号で発令していた。

しかしジュンジャイ市の金属労連では9月からiPodsや iPhonesなどの生産を開始するにも関わらず、iPad向けのチップや電子部品の供給体制が整っていないために、iPadの生産開始は2012年に延長されると予想している。

Foxconn社はGlobal Jundiáiコンドミアムの31倉庫でHP社やDell社からの委託生産を行っているが、Apple社の委託生産には800人の従業員で月産8万台から10万台の生産を予定している。

同社では初期の設備投資に600万ドルを投資、生産ラインの従業員の平均サラリーは1,045レアル、金属労連では会社側と労働条件などについて話し合いを継続、中国で発生した従業員へのプレッシャーを排除した労働環境を整備する。

Foxconn社は今後5年間に総額120億ドルを投資してセルラーや薄型TV用のLCDパネルの生産を予定、電気電子部門の貿易赤字は110億ドルに達しているために、メルカダンテ科学技術相はブラジル国内での半導体の生産を実現して、貿易赤字の解消やラテンアメリカ諸国への輸出を熱望しており、12メーカーがブラジルでのタブレット端末の生産を検討している。(2011年8月25日付けヴァロール紙)


 

中国のエアコントップメーカーのMidea社がブラジルで事業拡大

中国エアコン生産トップのMidea(美的グループ)は白物・小物家電で今後の市場拡大が期待できるブラジルでのマーケットシェアを伸ばすために、「調理関連」、「空調関連」、「家事関連」、「美容/健康関連」の家電販売で、ポートフォーリオ拡大戦略を採用する。

昨年のMidea社のブラジル国内でのエアコン販売は3億5,000万レアル、しかし世界での売上が170億ドルであるために、ブラジルでの販売は売上全体の2%にも達していない。

Midea社ではブラジル国内で冷蔵庫並びに洗濯機メーカーの買収を検討、また年末までにはホテルや家庭向け小型冷蔵庫やコーヒーメーカー、炊飯器やジャーポット、ホットプレート/グリルの販売を予定、またブランド名をマーケットに浸透させるために、マーケット部門強化のために、売上の1.5%から5.0%に引上げて同部門への投資拡大を行う。

同社ではエアコン、扇風機などの空調関連機器の販売以外に、2010年には各種調理器を投入、また昨年にはCarrier社の南米地域オペレーションに2億2,300万ドルを投資して、51%の資本参加をしている。

Carrier社は南大河州カノア工場並びにマナウス工場を擁しており、業務用並びに家庭用スプリット型エアコンの生産を開始して、エアコン製品の輸入比率を下げる予定である。(2011年8月25日付けヴァロール紙)


 

実質賃金の上昇で消費増加

ブラジル地理統計院(IBGE)7月の雇用統計の発表によると、新規雇用が14万人と前年同月の18万1,800人から大幅に減少しているにも関わらず、国内消費の減少傾向に結びついていない。

来週、中銀の通貨政策委員会(Copom)で政策誘導金利(Selic)の調整が予定されているが、欧米での経済減速予想や連邦政府が今年のGDPを下方修正したにも関わらず、インフレ圧力が依然強いために、金融関係者は12.5%に据え置かれると予想している。

7月の正規雇用のインフレ指数を差引いた実質平均賃金は前月比2.2%、前年同月比4.0%の1,612レアル、賃金総額は2.7%増加の366億レアルに達しているにも関わらず、ある程度のレベルの労働者でも企業間の奪い合いとなっているために、雇用が売り手市場となっており、ますます賃金上昇につながっている。

7月の鉱工業部門の雇用は前年同月比0.1%増加、前月比ではマイナス1.3%、建設部門は5.5%増加、マイナス0.2%、商業部門は1.7%、0.4%それぞれ増加、サービス部門は7.3%、0.7%とそれぞれ増加、7月の雇用増加比率は5月から減少傾向となってきているにも関わらず、サンパウロ大都市圏の新規雇用が2.2%増加して牽引している。(2011年8月26日付けエスタード紙)


 

金利の高止まりはクレジットカードと特別小切手利用を縮小

昨年末のクレジット部門に対するマクロ・プルーデンス政策採用や今年初めから継続する政策誘導金利(Selic)の連続引上げによる年利12.50%までの上昇で、金利が最も高いクレジットカードや特別小切手と呼ばれる口座借越残クレジット使用の縮小につながっている。

7月のクレジット全般の伸び率は0.7%増加、平均年利は39.7%、しかし口座借越残クレジットの年利は延滞率の増加に伴って、188%と過去12年間で最も上昇している。

民間銀行のクレジット伸び率は減少傾向となっているが、7月の公立銀行のクレジット伸び率は1.9%と過去7カ月間の平均1.2%を上回っており、過去12カ月間では23.6%増加の1,000億レアルを上回っている。

また銀行全体の7月の過去12カ月間のクレジット伸び率は19.8%と連邦政府目標の今年のクレジット伸び率15%を上回っており、7月の個人向けクレジットは前月比3.8%増加、自動車を除く耐久消費財購入クレジットは10.5%と大幅に増加している。

7月の個人向けクレジットは0.9%、法人向けクレジットは0.5%それぞれ増加、またクレジット残高はGDP比47.3%に相当する1兆8,540億レアルと6月のGDP比47.1%から更に増加している。

しかし米国やヨーロッパの経済活動レベルの縮小で8月並びに9月のブラジル国内の消費減少が見込まれており、今後はクレジット全体の伸び率は減少するにも関わらず、多くのエコノミストは今年の伸び率は17%から18%を予想している。(2011年8月25日付けエスタード紙)


 

連邦政府は新国家マイクロクレジットプログラムの金利を大幅に引き下げる

2004年に開始された零細企業や個人事業主向けの国家マイクロクレジットプログラムのニューヴァージョンに相当する”Programa Crescer”と呼ばれる低金利クレジットで生産性の向上や雇用促進を目的に、昨日、ジウマ・ロウセフ大統領の肝いりで暫定令として発表された。

この暫定令による金利は年利60%から8%、クレジット申請手数料(TAC)はクレジット総額の3%から1%とそれぞれ大幅に引き下げられるが、年間売上が12万レアルの零細企業や個人事業主への融資はリスクの大きいために、民間銀行に対しても中央銀行への強制預託金の2%の貸し出しを義務付ける。

個人事業主への運転資金のクレジットは最大1万5,000レアル、返済期間や支払い方法は銀行側との話し合いに託され、2013年までにはCクラスを中心に340万人が恩恵を受けると予想されている。

連邦政府は4公立銀行に対して強制預託金の2.0%をこのプログラム向けクレジットと義務付けており、ノルデステ銀行(BNB)、アマゾニア銀行、連邦貯蓄金庫(Caixa)並びにブラジル銀行(BB)となっている。

BNB銀行は強制預託金2%に相当する3億4,600万レアルを大幅に上回る8億5700万レアル、BB銀行は11億レアルを上回る12億レアルをすでに貸し付けている。

しかしCaixa金庫は強制預託金2%に相当する4億レアルを下回る3億5,000万レアル、アマゾニア銀行は1,100万レアルを大幅に下回る250万レアルに留まっているために、クレジット拡大をしなければならない。

連邦政府はプログラムの補助金として、国庫庁からクレジットの大幅な金利引き下げのために、さらに年平均5億レアル、2013年までに15億レアルを負担すると予想されている。(2011年8月25日付けエスタード紙)


 

BTGパクツアル銀行はチリ資本Celfin Capitalと合併交渉

昨日、ブラジル資本のBTGパクツアル銀行はチリ資本のCelfin Capitalとの合併交渉を発表、合併が成立すればラテンアメリカ最大の投資銀行の誕生となる。

BTG銀行にとって規模の小さいCelfinとの合併は実質的に買収となり、コロンビアやペルーに進出しているCelfinを握中に収めることは、ラテンアメリカでの事業展開の足掛かりを築くことになる。

BTG銀行の資産総額は700億ドルに対して、Celfinは僅かに115億ドルで昨年の純益は3100万ドルに留まっている。

しかし両投資銀行のM&A取扱件数はイタウーBBA銀行に次いでラテンアメリカでは2位、Celfinは資産が10億ドル以上と予想されているチリのセバスチアン・ピニェーラ大統領の資産運用、LAN航空の合併交渉なども手掛けている。

BTG銀行のアンドレ・エステーヴェス頭取は同銀行に22歳で情報部門の技能職として入社、わずか4年後には共同経営者に上り詰めて、2006年にスイス資本のUBS銀行に26億ドルで同銀行を身売り、3年後には世界金融危機で大打撃を受けたために、UBS銀行から破格の安値で買い戻していた。(2011年8月25日付けエスタード紙)


 

(2011年8月24日)明治大学商学部の中林真理子教授が表敬訪問

明治大学商学部教授・学生部委員の中林真理子商学博士並びに米州開発銀行Financial&Institutionalスペシャリストの六浦吾朗日本代表第二理事が2011年8月24日に商工会議所を表敬訪問、平田藤義事務局長が応対した。

左から米州開発銀行Financial&Institutionalスペシャリストの六浦吾朗日本代表第二理事/明治大学商学部教授・学生部委員の中林真理子商学博士/平田藤義事務局長(fotos Rubens Ito/CCIBJ)

2011年第2四半期の業務・会計監査のために監事会開催

2011年第2四半期の業務・会計監査が2011年8月24日正午から2時まで監事会から中村敏幸監事会議長、藤井敏晴監事、堀内勝監事が参加して開催、監事会開催前に堀内勝監事が予め伝票や関連書類のチェックを済ませていた。

初めに平田事務局長からこの期間中の業務の推移について説明、次いで会計事務所が作成し、提出した貸借対照表、損益それに事務局が準備して常任理事会によって承認された月別会計種目別収支明細書、予算、実績対比表、財産目録、会費滞納現況表並びに2011年の第2四半期の各委員会や部会の予算と実績について、逐一会計担当職員も加えての事務局サイドからの報告があり、それに対する監事側からの質問など相互間で活発な討議が行なわれて審議された結果、監事会は「2011年の第2四半期の会議所の業務の遂行と会計処理は適正であったこと」を承認した。

監事会は慣例に従い各四半期を締めた後3ヶ月おきに開催され、事務局からは平田藤義事務局長、エレー ナ・ウエダ会計担当、日下野成次総務担当が参加した。

左から平田藤義事務局長/中村敏幸監事会議長/藤井敏晴監事/堀内勝監事(fotos Rubens Ito/CCIBJ)

過去12カ月間の対内直接投資は720億ドル

中銀の統計によると7月の海外投資家によるブラジルへの対内直接投資は59億7,100万ドル、今年7カ月間では384億4,800万ドル、過去12カ月間では721億5,500万ドルに達している。

過去12カ月間の直接投資総額は経常収支赤字479億ドルを242億8,000万ドル上回って国内総生産(GDP)比1.0%に相当、世界金融危機の2009年9月のレベルに回復している。

7月の経常収支赤字は34億9,700万ドル、今年7カ月間では289億4,500万ドルの赤字を計上、また8月の経常収支は32億ドルの赤字を予想、しかし対内直接投資は42億ドルと経常収支赤字をカバーする黒字計上が予想されている。

中銀経済部門担当のツ-リオ・マシエル担当は今年の経常収支赤字は欧米の景気の先行き減速並びに中国の経済成長率の鈍化で、ブラジルの貿易黒字の減少を見込んで600億ドル、直接投資は550億ドルを見込んでいる。

しかし2014年のワールドカップ、2016年のオリンピックなどのイベントが目白押しで、インフラ部門への大型投資継続が予想されているブラジルへの直接投資は、欧米企業にとっては魅力的であるために、今後もブラジルへの直接投資は継続すると予想されている。

7月の経常収支のうちで貿易収支は輸出が222億5,200万ドル、輸入が191億1,700万ドルで31億3,500万ドルの黒字を計上、サービス収支は68億5,200万ドルの赤字、そのうちサービス部門は34億8,500万ドル、輸送7億5,700万ドル、旅行は17億600万ドルとそれぞれ赤字、今年7カ月間では213億5,700万ドルの赤字に達している。

レアル高の為替で海外旅行ブームの7月のブラジル人の海外旅行での支出は21億9,600万ドルの赤字、海外旅行者のブラジル国内の支出を差引いた赤字は17億ドル、今年7カ月間では123億8,000万ドル、同差引いた赤字は85億2,000万ドルに達している。

7月の所得収支は33億6,700万ドルの赤字、そのうち利払いは15億9,700万ドル、利益・配当金の海外送金は18億2,200万ドルに達している。(2011年8月24日付けヴァロール紙)