マイア下院議長は新社会保障改革採決で最高380票の胸算用

ダヴィ・アルコルンブレ上院議長(DEM:民主党=アマパ州選出)並びにロドリゴ・マイア下院議長(DEM:民主党=リオデジャネイロ州選出)が新社会保障改革案の国会での承認に必要な得票を認めたのは初めてとなった。

ロドリゴ・マイア下院議長は、今日の時点で新社会保障改革案承認に賛成票を投じる下院議員を314人~320人と可決に必要な308票を上回ると票読みをしているが、今後の改革案修正で最高380票、15%低く見積もっても340票に達すると楽観的な胸算用をしている。

マイア下院議長は、新社会保障改革の下院議会での投票を国会が休会する7月18日までにするために与野党と調整を行っているが、賛成票が増えてきている要因として、政治駆引きではなく野党議員もブラジルの経済回復の必要性に賛同してきていると説明している。

アルコルンブレ上院議長は、下院で可決された新社会保障改革案の上院議会での議論開始は8月中を見込んでおり、上院議会での新社会保障改革案の投票は、議論開始後60日以内の終了を見込んでいる。

マイア下院議長は、新社会保障改革案が国会で承認されれば海外投資家の対内直接投資は、ここ数年の600億ドル~800億ドルから1,500億ドル~2,000億ドルと2.5倍に上昇すると見込んでいる。

またアルコルンブレ上院議長並びにマイア下院議長は、構造改革の第二弾として早期の税制改革の国会承認を目指しており、税制改革向けの上下院統一の特別委員会設置を決定している。

社会保障年金改革特別委員会のサムエル・モレイラ報告官は、税制改革による国庫庁の歳入減少を補うために、収益率の非常に高い銀行業界に対して、純益に対する社会納付金(CSLL)の税率を15%から20%に引上げて、年間50億レアルの歳入増加の必要性を訴えている。

社会保障年金改革特別委員会では、今週中の投票が予定されていたにも関わらず、連邦政府並びに地方政府(州・市)統一の新社会保障改革案の調整が遅れているために、7月1日の投票が濃厚となっている。(2019年6月26日付けエスタード紙)

鉱山動力省では天然ガス開発の新規投資を328億レアル

連邦政府は、天然ガス市場の民営化を促す「ガス新市場プログラム(Programa Novos Mercado de Gas」を発表、ペトロブラス石油公社が川上から川下まで独占している天然ガス市場開放で、328億レアルの投資に結び付くと鉱山動力省(MME)は予想している。

このガス新市場プログラムにはガスパイプライン並びに液化天然ガス(LNG)ターミナル、天然ガス製油所など国内外の投資家に開放して、一般家庭向けプロパンガスの価格引き下げや大口製造業向け天然ガス価格引き下げによる競争力の強化を図る狙いがある。

ペトロブラスが天然ガス生産、ガスパイプラン、天然ガス製油所、輸送やガソリンポスト網を敷いて寡占化状態になっているために、ガス関連の価格決定で独占的な状況になっており、競争原理が働いていない。

ガス新市場プログラムによる天然ガス部門の民営化促進政策に対して、大手外資系のShell社並びに Galp社、 Repsol 社、プレソルト原油・天然ガス開発でペトロブラスと共同開発している外資系企業は、低価格でペトロブラスに天然ガス供給を余儀なくされていた。

サンパウロ州サントス海盆のプレソルトのカルカラ鉱区で共同開発しているノルウエー資本Equinor社並びに世界最大の石油メジャーExxon Mobil社は、挙ってガスパイプラインに参入する可能性が大きい。

しかしペトロブラスは一般家庭向けガス供給事業では、ガス輸送企業4社並びにガス配給企業19社を抱えて独占状況となっており、グループ傘下のGaspetro社の51%の株式放出が予想されている。

ペトロブラスはボリヴィアで生産される天然ガスをブラジルまで輸送するガスパイプライン事業Transportadora Brasileira Gasoduto Bolivia-Brasil(TBG) の51%の株式を所有している。

ペトロブラスは、ブラジル国内では天然ガス輸送向けパイプライン事業分野でNova Transportadora do Sudeste(NTS)社の10%の株式を所有、株式の90%をフランス資本Engie社並びにカナダの年金ファンドCaisse de Depot e Placement du Quebec(CDPQ)で構成されるコンソーシアムに86億ドル(330億レアル相当)で売却したTransportadora Associada de Gas(TAG)の10%の株式を所有している。

電力エネルギー調査公社(EPE)では、製造業向けガス価格の46%は精製ガス価格、税金は24%、ガス配給会社の利益は17%、輸送費は13%となっているが、各州政府がガス配給事業を民営化すれば価格低下に繋がると説明している。(2019年6月26日付けヴァロール紙)

GM社並びにVW社は今年の自動車輸出は50万台を割ると予想

自動車輸出を牽引するGM社並びにVW社は、アルゼンチンの為替危機による国内経済の停滞並びに9月の大統領選の不透明な行方が牽引して、今年の自動車輸出は全国自動車工業会(Anfavea)の予想を大幅に下回ると悲観的な見方をしている。

全国自動車工業会では、今年の自動車輸出を前年比6.8%減少の55万5,000台と予想、しかしGM社並びにVW社では、今年の自動車輸出はアルゼンチン不況が予想以上に長引いているために50万台を割ると予想している。

ブラジルGM社のマルコス・ムニョス副社長は、今年のアルゼンチン向け自動車輸出は増加する要素が皆無で、自動車輸出回復は2020年の先送りを予想している。

今年初め5か月間のブラジルの自動車輸出は、前年同期比42%減少の17万3,400台に留まっており、今年の自動車生産は9.0%増加、国内販売は11.4%増加を見込んでいる。

全国自動車工業会(Anfavea)のルイス・カルロス・モラエス会長は、新社会保障改革案が国会を通過すれば新たな輸出台数予想を発表すると説明している。(2019年6月26日付けエスタード紙)

2019年上期税制変更セミナーに110人が参加して開催

日伯法律委員会( 藏掛忠明委員長)並びにコンサルタント部会長(吉田幸司部会長)共催による2019年上期税制変更セミナーは、2019年6月25日午後1時30分から6時過ぎまでマクソウドホテルに110人が参加して開催、前半の進行役はPwC Brasilジャパンデスク担当パートナーのMarco Antonio Fernandes Quadros副委員長並びにコンサルタント副部会長のEYの西口阿弥パートナー、副委員長のブラジル丸紅のルイス・フジオ・サトウ総務担当マネージャーが務めた。

講演トップバッターは、MATTOS FILHO (MATTOS FILHO, VEIGA FILHO, MARREY JR. E QUIROGA ADVOGADOS)弁護士事務所のGabriela Silva de Lemos,パートナーは、クレジット活用するための支払不要な税金や障害について、法令13.670号/2018による支払い向けクレジットの停止、CSLLの純益計算法、金利回復の判例などについて説明。SOUTO CORREA ADVOGADOS税務担当のPedro Demartini弁護士は、負債や支払い義務課税に対する最新強制支払い手段について、ボルソナロ新政権は公共負債削減のために国庫庁による負債徴収強化するための引き締め強化、規範通達COSIT4号/2018、省令1750号/2018について説明。KPMG間接税担当のMaria Isabel Reis Ferreira Barbosaパートナーは、 ICMS税補償並びに補足についてICMS税補償のコンセプト、リスク納税者のクラシフィケーション、ICMS-STの償還などについて説明。PWCの労働法並びに社会保障担当のMarcel Cordeiroパートナーは、雇用主に対する色々な税制面に於けるベネフィットについて、ストックオプション、希望退職制度、高等教育向け教育補助、食事補助などのe-Socialでのクラシフィケーション、改正労働以降の見解の相違などについてそれぞれ講演、質疑応答ではクレジット金利、ICMS税の償還、従業員に対するベネフィットなどが挙げられた。

コーヒーブレークを挟んで午後4時10分から進行役は、副委員長のKPMG労働法並びに社会保障担当のワルテル・マサオ・シミヅパートナーが務め、EYのFernando Pompeo取締役は、電子的情報管理による工業保税倉庫向け特別関税制度(RECOF-SPED)並びに税制恩典やオペレーションについて、SISCOMEXの推移、ブラジルの輸出のGDP比並びに他国との比較、オフショアマーケット回復、サービス及び無形資産の貿易に伴う収支総合統計処理システム(SISCOSERV)、電子的情報管理による工業保税倉庫向け特別関税制度(RECOF-SPED)のコンセプトなどについて説明。MACHADO MEYER (MACHADO MEYER SENDACZ E OPICE ADVOGADOS)弁護士事務所税務担当のCamila Galvãoパートナーは、天然ガス市場開放と税制について、代替エネルギーの過渡期に於ける天然ガス市場開放による効果、ガスパイプライン輸送による州税のICMS税の分割、ガス輸出州及びガス消費州のICMS徴収の調整などについて説明。PINHEIRO NETO ADVOGADOS税務担当のTiago Moreira Vieira Rochaシニア弁護士は、海外からの投資に対する最終ベネフィット先について、マネーロンダリングやテロ資金供与対策に関する国際的な基準策定機関のファイナンシャル・アクション・タスクフォース(FATF)の設立、2000年にブラジルはFATF加盟、最終的なベネフィットなどについて説明。最後はDELOITTE (DELOITTE TOUCHE TOHMATSU)  税務担当 のGuilherme Giglioパートナーは、予期せぬPIS並びにCOFINSに関するクレジットの最新判例についてそれぞれ講演、質疑応答ではコンドミニアム関連課税やベネフィット恩恵などが挙げられた。

PDF発表資料は全てポルトガル語

1. MATTOS FILHO (MATTOS FILHO, VEIGA FILHO, MARREY JR. E QUIROGA ADVOGADOS)
Tema: “Tributação do Indébito Tributário e obstáculos para o aproveitamento de créditos”
Expositora: Gabriela Silva de Lemos, Sócia
PDF anexo: Apresentação da Palestra
 
2. SOUTO CORREA ADVOGADOS   
Tema: “Recentes ferramentas de coação ao pagamento de débitos e de responsabilização tributária”
Expositor: Pedro Demartini, Advogado da Área Tributária  
PDF anexo: Apresentação da Palestra 
    
3. KPMG  
Tema: “ICMS Ressarcimento ou Complemento” 
Expositora: Maria Isabel Reis Ferreira Barbosa, Sócia de Tributos Indiretos
PDF anexo: Apresentação da Palestra 
    
4. PWC Brasil
Tema: “Benefícios a empregados – As várias faces da tributação”  
Expositor: Marcel Cordeiro, Sócio responsável pelas Áreas Trabalhista e Previdenciária
PDF anexo: Apresentação da Palestra
     
5. EY 
Tema: “RECOF-SPED e seus benefícios fiscais e operacionais”  
Expositor: Fernando Pompeo dos Santos, Diretor-Executivo
PDF anexo: Apresentação da Palestra  
 
6. MACHADO MEYER (MACHADO MEYER SENDACZ E OPICE ADVOGADOS)
Tema: “A abertura do mercado de gás natural e os tributos”
Expositora: Camila Galvão, Sócia do Setor Tributário 
PDF anexo: Apresentação da Palestra
    
7. PINHEIRO NETO ADVOGADOS 
Tema: “Identificação de Beneficiário Final em investimentos estrangeiros”
Expositor: Tiago Moreira Vieira Rocha, Advogado-Sênior da Área Tributária
PDF anexo: Apresentação da Palestra
   
8. DELOITTE (DELOITTE TOUCHE TOHMATSU)   
Tema: “Créditos extemporâneos de PIS e COFINS à luz da jurisprudência recente”. 
Expositor: Guilherme Giglio, Sócio de Consultoria Tributária
PDF anexo: Apresentação da Palestra


Marco Antonio Fernandes Quadros e Marcel Cordeiro (PwC Brasil), Gabriela Silva de Lemos (Mattos Filho, Veiga Filho, Marrey Jr. e Quiroga Advogados), Aya Nishiguchi (EY), Maria Isabel Reis Ferreira Barbosa (KPMG) e  Pedro Demartini (Souto Correa Advogados) (Fotos: Rubens Ito / CCIJB)

Valter Massao Shimidu (KPMG), Luiz Fujio Sato (Marubeni Brasil), Fernando Pompeo dos Santos (EY), Guilherme Giglio (Deloitte Touche Tohmatsu), Camila Galvão (Machado Meyer Sendacz e Opice Advogados) e Tiago Moreira Vieira Rocha (Pinheiro Neto Advogados)

Rubens Ito / CCIJB – 25/06/2019

 

 

 

 

 

 

 

文協主催の国際日系デーパネルディスカッション「Os Legados de Uma Cultura」

2019年6月25日夜、ブラジル日本文化福祉協会(文協)の大講堂で国際日系デー(6月20日)を祝い、パネルディスカッション「Os Legados de Uma Cultura」が開催された。1,300人収容の大講堂が満席となった。

石川レナト文協会長、野口泰在サンパウロ日本国総領事のスピーチに始まり、ブラジルナレッジマネジメント協会のアンドレ・サイトウ(Andre Saito)会長からの次世代日系人育成を目的としたProjeto Geracao の紹介が行われた。

続いて、石川文協会長、野口総領事、山田県連会長、西尾宮坂国人財団理事長、岩水日伯文化連盟(アリアンサ)副会長、佐藤JICAブラジル所長、野村サンパウロ市議会議員、平田事務局長ほか数名で鏡割りの儀式が行われた。

白石テルマ(日本食普及親善大使、レストラン「藍染」オーナー兼シェフ」)による講演では同氏の日系人としての経歴や「もったいない」、「頑張る」、「生きがい」、「感謝」、「一期一会」などの日本人の価値観、フィロソフィーについて語った。

マルシオ・ゴーメス(Marcio Gomes)TVグローボレポーターは5年間の東京特派員体験談や感想を述べ、掃除や部活などの日本の教育システムなどについてのルポ動画も披露。

一方、クローヴィス・デ・バーホス(Clóvis de Barros)サンパウロ大学コミュニケーション学科倫理学教授は日本人の他人に対する思いやりや親切さなどについてユーモアあふれるトークで観客を魅了した。

その後、JCI日本ブラジル青年会議所会長のロドルフォ・ワダ氏、アレシャンドレ・カワセ元会長がモデレーターとなり、白石、ゴーメス両氏と対談を行った。

マガジン・ルイザ社社長のルイザ・トラジャーノ(Luiza Trajano)氏が閉会の言葉を述べ終了した。

 

回章 CIR-62/19   2019年度第3四半期会費ご依頼の件

                              CIR-62/19
                              2019年06月25日

会員各位
                              ブラジル日本商工会議所
                              会頭 村田俊典
                              財務委員長 木下誠

          2019年度第3四半期会費ご依頼の件

拝啓

時下益々ご繁栄のこととお慶び申し上げます。

各位におかれましては、常日頃より当会議所事業にご支援を賜り厚く御礼申し上げます。

2019年度第3四半期の会費に就きましては、2019年第2四半期と同額でお願い致します。

                    記

なお、お支払に就きましては別途ブラデスコ銀行の方から請求がまいりますので、2019年07月10日までに請求書が届かなかった場合にはcobranca@camaradojapao.org.br、アレシャンドレまでご連絡下さい。

時下益々ご繁栄の事とおよろこび申し上げます。

                                   敬具

 

税制改革は新社会保障改革後の下半期の国会承認か

下院議会の各政党リーダーは、今後2週間以内に予定されている新社会保障改革特別委員会での採決後すぐに税制改革案の年内の国会承認に向けて、与野党の政治工作調整を加速すると見込まれている。

新社会保障改革案の国会承認後に、国内経済成長を加速するために税制改革法案の下院議会並びに上院議会での今年下半期の承認の必要性をBaleia Rossi下院議員(MDB:ブラジル民主運動党=サンパウロ州選出)は強調している。

今年5月に税制改革の下院憲法・法務委員会(CCJ)で野党の支持を得て電撃承認された税制改革法案は各州知事や企業経営者を驚かしたが、新社会保障改革案よりもすんなりと国会で承認されると予想されている。

ロドリゴ・マイア下院議長(DEM:民主党=リオデジャネイロ州選出)並びに(PRB:ブラジル共和党=バイア州選出)は、Aguinaldo Ribeiro下院議員(PP:進歩党=ペルナンブーコ州選出)を税制改革特別委員会の報告官に推薦している。

税制改革法案では、連邦税の社会統合計画負担金(PIS)及び社会保障負担金(Cofins)、工業製品税(IPI)、州税の商品サービス流通税(ICMS)と市税のサービス税(ISS)を統合する憲法改正案(PEC)を提出する準備を進めている。

連邦政府と州政府、市役所が統一的に課徴するこの租税は、商品サービス税(IBS:Imposto de Bens e Serviços)と名付けられる。PECは、民度ある財政センター(CCiF)の理事でエコノミストのベルナルド・アピー氏がまとめロドリゴ・マイア下院議長が支持している提案を叩き台にする。

しかしマナウスフリーゾーン向け税制恩典政策の終了以外にもサンパウロ州のジョアン・ドリア州知事が今年3月に発表した自動車メーカー向けの税制優遇措置「インセンチブアウト・プログラム」は、州間の税金戦争に火をつける可能性をはらんでいる。

製造業界では税制改革法案を支持している一方で、最終消費者向けのサービス業界は、未だに公聴会を開催して業界内の意見を纏めていない。(2019年6月24日付けエスタード紙)

EUとメルコスールもFTA締結後ブラジルは15年間で5,000億レアル増加

ヨーロッパ連合とメルコスールとのFTA締結後の15年間でブラジルの貿易は5,000億レアル拡大する効果に繋がると経済省貿易局のLucas Ferraz局長は算盤をはじいている。

ヨーロッパ連合とメルコスールとのFTA締結後のブラジルとヨーロッパ連合との貿易は締結15年後には30%増加、その他の国との貿易額は5.0%増加するとLucas Ferraz局長は見込んでいる。

またブラジルのヨーロッパ連合国向け輸出は関税引き下げで20億レアルの経済効果に繋がるが、ヨーロッパ連合国のメルコスール向け輸出は、関税率の高いメルコスールの引き下げ幅拡大でメルコスールの輸出よりも拡大が予想されている。

ブラジルのヨーロッパ連合国向け輸出では農畜産部門の拡大が見込まれているが、製造業部門並びにサービス業部門の輸出拡大並びに経済協力開発機構(OECD)など国際機関へのブラジルの加盟を後押しする効果に繋がる。

一方ヨーロッパ連合はメルコスールとのFTA締結で、農畜産部門は70億ユーロ(304億レアル相当)の打撃を蒙ると抵抗しており、農業国のフランス並びにアイルランド、ポーランド、ベルギー代表はメルコスールからの牛肉輸出9万9000トンの限定を主張して抵抗している。(2019年6月21日付けヴァロール紙)

 

過去5年間の労働者の実質賃金は10セクター中5セクターで減少

ブラジル地理統計院(IBGE)の全国家庭サンプル調査(Pnad)によると、経済リセッション入りする前の2014年第1四半期並びに今年第1四半期の民間部門の労働者のインフレ指数を差引いた実質賃金比較では、調査対象の10セクター中5セクターで減少している。

今年第1四半期の労働者の実質賃金が減少した要因として、3年以上継続した経済リセッションによる失業率の高止まり並びに労働手帳に記載されない非正規労働者の増加が牽引している。

過去5年間で労働者の実質賃金が大幅に減少したセクターとして、ホテル・貸別荘・レストラン・飲食セクターは16.0%と二桁減少を記録している。

また建設セクターは7.2%減少、輸送関連セクターは16.3%減少した一方で、農畜産セクターは5.2%増加、公務員は7.2%増加して過去5年間の実質賃金が最も増加している。

失業率の高止まり並びに非正規労働者の増加に伴う実質賃金の減少で、外食の経費節減やタクシー利用から公共交通への利用を余儀なくされているとLCA社エコノミストのコスモ・ドナット氏は説明している。

製造業部門や商業部門の失業者は、ブラジル国内経済の不振で正規雇用への就職をあきらめて、ウーバーなどの運転手や露店での飲食業への転職を余儀なくされている。(2019年6月23日付けエスタード紙)

メディカル分科会開催

メディカル分科会(市川分科会会長)は、2019年6月24日16時から、商工会議所大会議室にて会合を開催、17名が参加し活発な議論が交わされた。同分科会は、ANVISAやINMETROへの政策提言を継続して行なってきており、少しずつではあるが進展が見られる。

今回は、5月27日に発表されたINMETRO、Portaria 54/2016のパブリックコンサルテーション(Consulta Publica)対応の為、メディカル分科会としての意見をまとめる為に会合を開催、はじめにマルシオ氏と塩田氏より、これまでに欧米企業やABIMED等と提言してきている9項目について、INMETROの改正案との比較解説が行なわれた。INMETROの改正案について、産業界の9項目全てに改善がなされていないこともあり、各項目の改善内容について、丁寧に議論が行なわれた。

メディカル分科会が作成する意見書については、ABIMEDとも意見調整を行なうため、7月4日に意見摺り合わせ会合を予定している。そして、7月26日までに、分科会として、意見書をINMETROに提出することとなった。

次に、JETRO岩瀬氏より、日伯貿投委において、貿易投資における課題として、医療機器認証制度について意見する場の説明があり、この会合に向けた準備を進めていくことが議論された。分科会としては、あらゆる場において、医療機器制度改善につき、積極的に政策提言を行なっていくことで合意が得られた会合となった。

参加者は、市川分科会長(日本光電)、本川氏(日本光電)、塩田副分科会長(フジフイルム)、マルシオ氏(フジフイルム)、三好副分科会長(テルモ)、安楽副分科会長(島津製作所)、高橋副分科会長代理(パラマウントベッド)、朝倉氏(カネカ)、近藤氏(タカラベルモント)、板垣氏(パナメディカル)八柳氏(GSIクレオス)、岩瀬氏(ジェトロサンパウロ)、斉藤氏(JICAサンパウロ)、上田領事(サンパウロ総領事館)、平田事務局長、日下野総務補佐、吉田調査員。

左から市川分科会長(日本光電)/塩田副分科会長(フジフイルム)/マルシオ氏(フジフイルム)