【輸出業者が「為替カルテル」による損失で数百億レアル規模の損害賠償を請求へ】

金融機関による為替操作によって被った損失について、輸出業者らで組織する団体は、およそ700億レアルと推算している。

2007年から2013年にかけて為替相場を操作するために複数の銀行で組織するグループが市場に共同で介入した容疑で経済防衛管理審議会(Cade)がこれらの銀行を調査した問題で、ブラジルの輸出業者らは、この「為替カルテル」によって引き起こされた損失に関連しておよそ700億レアルと算出した賠償を求めて提訴する。ブラジル貿易協会(AEB)のロベルト・ジアネッティ・ダ・フォンセッカ副会長によると、「輸出業者は、1ドルに対して本来受け取るべき額よりも少ないレアルを受け取っており、中には、損失を計上した業者もある」と指摘する。

正確な被害額については現在計算中。今回の推計額は、同協会の平均な年間輸出額の推計額である500億ドル、更に為替カルテルによってこの期間に引き起こされた損失を1ドル当たり0.20レアルと想定して算出した。これらのデータを考慮して、年間100億レアルという輸出会社の損害額が算出された。Cadeでは現在、2つのプロセスから為替市場のカルテルの調査を進めている。ひとつは、国際銀行を含めてアメリカで行われ、これまでに銀行が56億ドルの課徴金の支払いで合意している。

もうひとつの調査は、2016年12月に始まったもので、ブラジル国内における相場を金融機関が操作した容疑である。Cadeがエポカ誌に明らかにしたところでは、「反競争的行為が行われた強力な証拠がある」状況という。これには、少なくとも次の金融機関5社が関与した。すなわち、BBMとBNPパリバ・ブラジル、BTGパクチュアル、シティバンク、HSBCバンク・ブラジルである。更に、「程度は低いが可能性として」他の金融機関5社が関与した証拠がある。こちらは、ABNアムロ・レアル、フィブラ、イタウBBA、サンタンデル・ブラジル、ソシエテ・ゼネラル・ブラジルである。

Cadeは、これらの金融機関が「少なくとも」2008年から2012年にかけて、情報サービスの「チャット(chat)」を通じて為替取引のドル相場を申し合わせていたとして調査を進めている。これらの銀行は、時に、「市場における単一のプレーヤーのように」振舞った。

Cadeがこの問題の最終判断を下していないため、輸出会社は訴訟に入る最良のタイミングを検討している。それでもジアネッティ副会長は、最難関と位置付けられるカルテルの存在が既に証明されたと確信している。銀行が為替相場を申し合わせる談合を行ったことがこの2つの調査で確認され、課徴金減免制度での合意も行われている。「徹底した調査が行われている」と、訴訟問題を主導するブラジル履物工業協会(Abicalçados)のエイトール・クライン会長は言う。

これに対して、BNP及びBTGはコメントを控えると回答した。BBMの窓口は、この問題に関する広報担当者が不在と応じた。HSBCを買収したブラデスコは、行政あるいは司法による調査を受けているためこの問題については意見を差し控えるとコメントした。ABNアムロは、2007年にサンタンデルから買収したABNアムロ・レアルと何の関係もないとコメントした。更にシティバンクとイタウBBA、サンタンデル、フィブラ、ソシエテ・ゼネラルは、締め切りまでに何の返答もしなかった。(2017年4月5日付けエスタード紙)

 

2月の鉱工業生産伸び率は僅かに0.1%増加に留まる

ブラジル地理統計院(IBGE)の鉱工業部門生産調査(PIM)によると、今年2月の鉱工業生産は前月比僅かに0.1%増加に留まり、Valor Data対象の22エコノミストの平均伸び率予想の0.5%を大幅に下回っており、今後の鉱工業生産の回復は緩やかな曲線を描くと予想されている。

しかし今年1月の鉱工業生産は、前年同月比1.4%増加して2014年3月以来34カ月間連続の生産減少から一転して増加に転じていたものの、2月の鉱工業生産は前年同月比マイナス0.8%を記録している。

2月の鉱工業生産が前月比で僅かに0.1%増加に留まった要因として、鉱業部門並びに非耐久消費財部門が低調に推移した。今年第1四半期の鉱工業生産伸び率は下方修正を余儀なくされる。

2月の鉱工業生産のセクター別比較では、調査対象の22セクターのうち13セクターで前月比増加に転じ、特に自動車セクターは前月比6.1%増加、機械・装置セクターは9.8%増加、一方食品セクターはマイナス2.7%、鉱業セクターもマイナス0.5%となっている。

バンクオブアメリカ・メリルリンチ(BofA)社チーフエコノミストのデイヴィッド・ベーカー氏は、2月の鉱業生産がマイナス0.5%を記録したのは鉄鉱石セクターが要因であったものの、3月はすでに回復基調になっており、今年の鉱工業生産伸び率を1.0%と予想している。

2月の鉱工業生産伸び率のセクター別比較では、資本財セクターは前月比6.5%増加、前年同月比2.9%増加、2月の過去12カ月間ではマイナス5.2%を記録している。

前記同様に中間財セクターは0.5%増加、マイナス2.5%、マイナス4.9%、耐久消費財セクターは7.1%増加、19.8%増加、マイナス8.7%、非耐久消費財セクターはマイナス1.6%、マイナス2.5%、マイナス3.2%を記録していた。

2月の非耐久消費財セクターが前月比マイナス1.6%を記録した要因として、医薬品・香水・衛生用品セクターがマイナス3.7%、食品セクターがマイナス2.7%を記録していた。(2017年4月5日付けヴァロール紙)

輸出業者は為替カルテル関連銀行に対して700億レアルの賠償金請求か

ブラジルの輸出業者が加入するブラジル貿易会(AEB)では、2007年~2013年にかけて商業銀行が為替カルテルを形成したために、輸出業者の為替損益が700億レアルに達していると日本の公正取引委員会に相当する経済防衛行政審議会(Cade)に訴えている。

ブラジル貿易会(AEB)のロベルト・ジアネッテ・フォンセッカ副会長は、輸出業者はドルの為替に対するレアル通貨での支払いで、1ドル当たり20センターボスの損害を被っていると指摘している。

2007年~2013年にかけての8年間の輸出業者の損害額は計算中であるが、損害額が年間100億レアルと仮定して、7年間では50億ドルに達すると予想、米国の同様のカルテル形成による訴訟では、商業銀行が56億ドルの支払い判決を受けている。

ブラジル貿易会(AEB)は、昨年12月に経済防衛行政審議会(Cade)に為替カルテルを訴えており、BBM銀行並びに BNP Paribas銀行、BTG Pactual銀行、 Citi-Bank、 HSBC Bank Brasilの5行がカルテルを形成した疑惑が持たれている。

またABM AMRO Real銀行並びにFibra銀行, Itau BBA 銀行、Santander Brasil銀行、 Societe Generale Brasil銀行の5行も為替カルテルに参加した疑惑が持たれているにも関わらず、殆どの商業銀行はコメントを差し控えている。(2017年4月5日付けエスタード紙)

不動産業界関係者は業界の回復兆しを強調

昨年末から継続するインフレ指数並びに政策誘導金利(Selic)の引下げサイクル入り、テーメル大統領による経済成長加速プログラム(PAC)の大衆住宅建設プログラム“私の家、私の暮らし” による大衆住宅60万戸の建設発表などの要因で、不動産業界関係者は、今年の不動産業界は、回復基調に突入すると強調している。

昨日、「2017年不動産サミット」に参加した連邦貯蓄金庫のジルベルト・オチ総裁は、今年の連邦貯蓄金庫による不動産向けクレジットは拡大すると強調、今年初め2カ月間の住宅向けクレジットは昨年同期を上回っている。

今年初め2カ月間の連邦貯蓄金庫による住宅向けクレジット総額は、すでに140億レアルに達しており、今年は昨年の810億レアルを上回る840億レアルに達すると連邦貯蓄金庫のジルベルト・オチ総裁は説明している。

今年の大衆住宅建設プログラム“私の家、私の暮らし” による住宅建設は60万戸が予定されており、そのうちFaixa1向け住宅は17万戸、サラリーが4,000レアルまでのFaixa2並びにサラリーが9,000レアルまでのFaixa 3向け住宅は43万戸の建設予定で、今年の住宅建設は大幅に拡大するとMRV Engenharia社のルーベンス・メニン会長は確信している。

大衆住宅建設プログラム“私の家、私の暮らし” による住宅建設が開始されればマンパワーの必要な建設業界の雇用拡大で、現在の失業者が1,350万人で13%以上の失業率が低下し、ブラジル経済は好循環サイクルに入るとメニン会長は説明している。

またブラジルでは今後20年間に亘って3,500万人向け大衆住宅建設需要があり、世界第4位の住宅建設需要があるとメニン会長は説明、また不動産業界の企業が加盟するサンパウロ不動産関連業者組合(Secovi-SP)のフラヴィオ・アマウリ会長は、フェルナンド・ハダジ前市長時代の都市計画プランは、ジョアン・ドリア新市長によって見直しされると予想している。(2017年4月5日付けエスタード紙)

 

事務局便り JD-020/17   第6回中南米日系社会との連携調査団への参加募集

                                            JD-020/17
                                            2017年4月5日
会員各位

以下の通り、JICA様より第6回中南米日系社会との連携調査団への参加募集のご案内を頂きました。
ご関心のある会員企業は、直接下記リンクをご参照の上、直接JICA様へご応募・お問い合わせくださいます様お願い致します。

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JICA『第6回中南米日系社会との連携調査団』参加者募集について

この度JICAでは、ブラジルへの進出を検討する民間企業を対象に、ブラジルの市場調査や現地の日系社会を通してビジネスマッチングの機会を図る目的で、『第6回中南米日系社会との連携調査団』(ブラジル派遣)を2017年7月21日から8月6日にかけて派遣いたします。JICAはODAと民間ビジネス活動の連携を推進する中、移住先国で活躍する日系人をパートナーとして、日本の民間企業と連携を促進することで、現地の開発課題の解決に貢献し、さらに中南米への事業展開を実現するといった互恵的な協力の可能性があると考えています。

ブラジルにすでに進出している企業も、応募可能です。
多種多様な分野で活躍される企業の皆様のご応募をお待ちしております。

詳しくは、以下のJICAウェブサイトをご確認ください。

参加者募集のお知らせ:
https://www.jica.go.jp/activities/schemes/priv_partner/news/20170328.html
募集要項:
https://www.jica.go.jp/activities/schemes/priv_partner/news/ku57pq00001zen70-att/20170328_01.pdf

 

 

花田賢二氏が訪問

豊田通商を退職した花田賢二氏が2017年4月4日に商工会議所を訪問、応対した平田藤義事務局長と直近のブラジルの政治経済の動向について意見交換を行った。

Kenji Hanada e Fujiyoshi Hirata

Foto: Rubens Ito / CCIJB

樹神 幸夫副会頭の歓送会開催

帰国するMITSUBISHI INDÚSTRIAS PESADAS DO BRASIL LTDA.の樹神幸夫社長で商工会議所副会頭の歓送会は、2017年4月4日正午からサンパウロ市内のレストランで開催、 樹神幸夫 副会頭は、環境委員長として環境問題への意識高揚と会員相互の親睦を図る目的で3月に植樹イベントを開催。参加者は安田 篤副会頭、大久保 敦福会頭、  粟屋聡専任理事、鈴木ワグネル専任理事、富島 寛専任理事、平田藤義事務局長

3月の貿易収支は71億4,000万ドルの黒字で記録更新

ブラジル商工サービス省(MDIC)の発表によると、3月の貿易収支は、『Operação Carne Fraca』(規格外混入食肉作戦)で発覚した食肉偽造事件にも関わらず、鉄鉱石や原油の国際コモディティ価格上昇が牽引して71億4,000万ドルの黒字を計上、1989年から統計を取り始めて以来の黒字記録を更新している。

3月の輸出総額は前年同月比20.1%増加の200億8,500万ドル、輸入総額は僅かに7.1%増加の129億4,000万ドル、今年初め3か月間の輸出総額は504億7,000万ドル、輸入総額は360億4,000万ドル、貿易黒字は144億2,000万ドルで昨年同期の83億9,000万ドルの約2倍に達している。

3月の貿易収支は予想の65億ドルを大幅に上回り、今年の貿易収支を前回予想の400億ドルから600億ドルと大幅な上方修正をローゼンベルグ・アソシアードス社エコノミストのラファエル・ビスタファ氏は行った。

3月の鉄鉱石の国際コモディティ価格は前年同月比149.6%、原油の国際コモディティ価格も94.2%それぞれ高騰して今後もコモディティ価格は高値を維持すると予想、また大豆生産も予想を大幅に上回っている。

コンサルタント会社テンデンシアス社エコノミストのシルヴィオ・カンポス・ネット氏は、下半期には輸出減少並びに国際コモディティ価格調整などの要因で、今年の貿易収支黒字は、前回予想の477億ドルから507億ドルと30億ドルの上方修正にとどめている。

3月の輸出総額が前年同月比20.1%増加した要因として第一次産品輸出が29.7%増加、今年初め3か月間の輸出は20.4%増加、第一次産品輸出は34.7%増加して輸出を牽引している。

貿易相手国トップの中国への今年初め3か月間の輸出は、前年同月の15億2,000万ドルから59億7,000万ドルと約4倍近い増加を記録した一方で、中国からの輸入は僅かに1.9%増加に留まっている。

今年初め3か月間の中国向け輸出では、大豆並びに鉄鉱石、原油が牽引、鉄鉱石輸出は147.6%、原油輸出は171.7%とそれぞれ大幅に増加、大豆輸出も35.6%増加していた。

今年初め3か月間のアルゼンチン向け貿易収支は、自動車が36.9%並びにトラックが62.7%のそれぞれ輸出増加したため、前年同月の11億ドルから16億9,000万ドルの黒字を記録しているとブラジル貿易会(AEB)のジョゼ・アウグスト・デ・カストロ会長は説明している。

3月のブラジルの完成品輸出は前年同月比12.3%増加の72億ドル、今年初め3か月間では8.1%増加、また3月の原油の貿易収支は22億9,000万ドル、輸出が64億2,400万ドル、輸入が41億3,500万ドルであった。

3月の輸出総額は前年同月比20.1%増加の200億8,000万ドル、そのうち第一次産品は29.7%増加の100億1,000万ドル、工業製品は11%増加の96億1,000万ドル、そのうち半完成品は7.4%増加の23億7,000万ドル、完成品は12.3%増加の72億4,000万ドルであった。

また3月の輸入総額は前年同月比7.1%増加の129億4,000万ドル、資本財はマイナス10.5%の14億2,000万ドル、中間財は10.6%増加の80億9,000万ドル、消費財は1.0%増加の20億3,000万ドル、燃料・潤滑油は14.4%増加の13億4,000万ドルであった。(2017年4月4日付けヴァロール紙)

 

事務局便り JD-019/17   「ライフスタイルビジュアルブック「サンパウロスタイル」発行のご案内 

                                             JD-019/17
                                             2017年4月4日
会員各位

以下の通り、ジェトロ・サンパウロ事務所より「ライフスタイルビジュアルブック「サンパウロスタイル」発行のご案内を頂きましたので以下ご連絡申し上げます。

ご案内の通り本書は、PDFファイルまたは電子ブックのみの提供となっておりますので、
パソコンやタブレット、スマートフォンから以下のURLにアクセスしてご覧くださいますようお願い致します。

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商工会議所会員の皆様へ
平成29年4月3日
ジェトロ・サンパウロ事務所

ライフスタイルビジュアルブック「サンパウロスタイル」発行のお知らせ

平素より大変お世話になっております。

このたび、当事務所では日本の外食チェーンや小売など日本のサービス産業のブラジルへの展開を支援することを目的として「サンパウロスタイル(新版)」を発行しました。

本書はサンパウロのファッション・食・住・余暇の切り口に写真を中心に紹介するビジュアルブックで、さらに関連経済データや座談会、企業インタビューを交えてサンパウロのライフスタイルの「今」を紹介しています。

当事務所では2016年11月の安倍首相訪亜を契機に「ブエノスアイレススタイル(新版)」を発行しており、今回のサンパウロスタイルが加わることでメルコスール域内2大都市のライフスタイル情報をサービス関連日本企業等に提供できるようになります。

当事務所は今後、両スタイルシリーズ新版発行をベースに、2017年6月(予定)に日本のサービス関連企業に構成されるミッションをサンパウロとアルゼンチン両市で受け入れ入れることを計画しております。
なお本書は、PDFファイルまたは電子ブックのみの提供となっておりますので、パソコンやタブレット、スマートフォンから以下のURLにアクセスしてご覧くださいますようお願いいたします。

サンパウロスタイル(新版)
https://www.jetro.go.jp/world/reports/2017/02/2567bf9dd01ed585.html

ブノエスアイレススタイル(新版)
https://www.jetro.go.jp/world/reports/2016/02/3c35e6d81588b1a5.html

【問い合わせ・連絡先】
ジェトロ・サンパウロ事務所 山本
電話:(11)-3141-0788
Email:Yuya_Yamamoto@jetro.go.jp

 

 

女性の年金受給開始年齢は継続して男性以下か

ミッシェル・テーメル大統領は、累積赤字が天文学的な数字に達する社会保障院(INSS)の赤字解消のために、早急な年金・恩給改革草案を果敢に進めているが、男女とも最低受給年齢65歳では国会通過が不可能と予想されている。

社会自由党(PSL) のダミナ・ペレイラ下院議員は、年金受給年齢が男女とも65歳であれば女性のサラリーも男性と同等でなければならないと反対しており、連立与党の55下院議員のうち42議員が男女とも最低受給年齢65歳に反対している。

連邦政府では、年金・恩給改革案の男女とも最低受給年齢65歳を押し通すことはできないと判断して3通りの代替案を検討しており、国会への最終案を検討している。

そのうちの第1案として、年金の最低受給年齢を男性65歳に対して女性は62歳~63歳。また第2案として1人の子供を養育した女性は5.0%割増、2人の子供を養育した女性は10%割増、3人の子供を養育した女性は15%割増。第3案として将来のある時点で男女とも同一年齢での最低受給年齢の統一案が提示されている。

テーメル大統領並びに与党は、新年金改革法案を国会通過させるためには下院議員512人の2/3に相当する下院議員308人、上院議員49人の賛成票が必要にも関わらず、先月の労働者派遣法案(アウトソーシング)が辛うじて下院を通過していた。

新年金改革法案よりも容易に下院を通過すると予想されていた3月22日に実施された労働者派遣法案(アウトソーシング)採決では、賛成231票に対して反対188票と拮抗していた経緯があった。(2017年4月4日付けヴァロール紙)