論評【変革が求められる労組】

スエリー・カルダス*

労働改革は労働組合改革と二人三脚で推進する必要がある。両社は分離できないのだ。

国会で優先的審議の対象になる議案に年金制度改革が入っており、テーメル政権はここへ来て、労働制度改革についても2017年内の可決を目標に掲げるという公約を示した。だが、労働組合改革については一切触れていない。

車の両輪のように、この2つの改革は切っても切れない関係で、同じ環境に身を置き、足並みを揃えて進んでいくべきものだ。仮にそうでない場合、力不足或いは準備不足、もぐり、汚職にまみれた労組に加入する労働者は、雇用者側との交渉にあたって不利益を被り見捨てられることになるだろう。しかもこのような状態の労組が大部分なのであり、その上、ブラジルの津々浦々、とりわけ労働者が自身の権利など考えたこともないような、より貧困な地域を中心に蔓延しているのだ。

古くから、そして様々な取り組みはあったが、労働法の改正に向けた議論は、現状、求められているものとは程遠い。だが、この問題を研究して理解している人は、以下の4点を認識している。1)極めて複雑かつ代償が大きいために、統合労働法(CLT)全体を改正するという考えは捨てたほうが良い。2)この点を認識した場合の最初の戦略は、CLTが付与する主要な権利(労働時間と有給休暇、13か月給与、FGTS、その他)の維持である。3)第2の戦略は、現実的かつこれらの権利を保障するよう対応することだが、とりわけ些末な問題と特定の業種の労働者に対して時により活かされる様な問題については法律においていずれも白紙にしておくことである。4)専門家の提案は、理解しやすく運用しやすい形を取る。これは、労使協定が法律に優先するということだ。換言すれば、仮に双方(雇用者組合及び労働組合)が合意に達した場合、法律で否定されているとしても合意が有効になる。例を挙げよう。ワークシェアリングの制度を改定し、労働者に不利益が生じない限り、伝統的な週44時間を変更できるのだ。

労使協定が法律に優先するなら、法律で保護された権利まで変えてしまう権限を備えるため、それは労働制度改革の核心部分になる。しかも、交渉力が不均衡なことも明らかで、強力な労組は恩恵を確保し、交渉力がなければ不利益が生じることは明白である。そのため、今この時点で、労組に代表するだけの能力を備えさせ、加入者のために交渉に積極的に参加するインセンティブを与えることが極めて重要なのだ。

我が国の労組の構造は、労組と連盟、連合会と垂直統合型であり、複数の中央労組により乱立しているだけでなく、企業への対応に迫られる労働者を守るのではなく組合費を私物化しようという目的と野心にまみれている。労組に激震が走るだろうが、この労組改革を本当に推進するなら最初のステップは、加入しているかどうかにかかわらず全ての労働者から徴収されるこの加入費を廃止することだろう。ルーラ元大統領は、彼がサン・ベルナルド市の労組のリーダーだった当時は廃止を支持しており、加入費がもぐりの組合の製造装置になっていると主張していた。ところが彼は、大統領の椅子に納まると反対のことをやり始めた。中央労組を喜ばせるために加入費の交付を拡大したのだ。

ブラジルには現在、およそ1万1,000の労組が存在し、この内8,500労組で、少なくとも委員長と理事が10年以上にわたって居座っている。言い換えるなら、組合の役員はビジネスになっており、生活手段であり、彼らに富をもたらすものになっているのだ。リオデジャネイロ州のニテロイ市商業労組のリッタ・デ・カッシア・ロドリゲス・アルメイダ委員長のケースがそれに当たる。12年前から委員長を務め、月額5万レアルを受け取り、息子を副委員長として採用して2万1,000レアルの報酬を与えている。この種の役員は、組合加入者のごく一部から選出されることで役職を維持しており、権利が軽んじられている非加盟の無数の商業労働者にはできれば近づきたくないと考えているような人物だ。(2017年1月7日付けエスタード紙)

*スエリー・カルダス:ジャーナリスト、リオデジャネイロ・カトリック大学(PUC-RJ)教授
 

 

ホンダサウスアメリカ社のフェリッペ・バルボーザ アナリストが訪問

ホンダサウスアメリカ社マーケティング部のフェリッペ・バルボーザ アナリストが2017年1月6日に商工会議所を訪問した。フェリッペ氏は、1月27日に開催予定のABDIとカマラの自動車部品サプライヤー育成事業合同会合について、会合の進行、プレゼン内容、どのように議論を進めていくかなど、応答した平田藤義事務局長と吉田章則調査員と意見交換会を行なった。

平田事務局長は、ABDIのグド総裁が会議所を訪問したり、ABDIとカマラの関係は強化されてきており、
この機会を通じて、ABDIとカマラメンバーとの積極的でざっくばらんな議論に発展していくことを期待しているとした。

ABDIのグド総裁が会議所を訪問された際の詳細は、下記リンク参照。
http://jp.camaradojapao.org.br/news/visitas-a-camara/?materia=16338

Fujiyoshi Hirata, Akinori Yoshida e Felipe Barbosa

Foto: Rubens Ito / CCIJB

日系5団体とサンパウロ総領事館主催の新年祝賀会

日系5団体とサンパウロ総領事館が毎年恒例で共催する新年祝賀会が2017年1月6日、文協大講堂で行われ関係諸団体や一般人など大勢が参加し新年を祝った。

祝賀会では、呉屋新城春美文協会長と中前隆博総領事が挨拶を述べ、コーラスの合唱や会食をはさみ賑やかにとり行われた。

会議所からは、松永愛一郎会頭(ブラジル三菱商事)が代表で出席、また平田事務局長や会議所会員企業も出席した。

(写真提供 望月二郎氏)

 

昨年11月の鉱工業部門生産はマイナス0.2%

ブラジル地理統計院(IBGE)鉱工業(製造業)部門生産調査(PIM)によると、昨年11月の鉱工業生産は前月比マイナス0.2%と前月のマイナス1.2%に続いて低調に推移、昨年最終四半期のGDP伸び率は大幅なマイナスになる可能性が指摘されている。

昨年第3四半期の鉱工業部門のGDP伸び率はマイナス0.8%を記録、12月の鉱工業生産が前月比0.5%増加すると仮定すると、昨年最終四半期のGDP伸び率はマイナス1.9%が予想されている。

昨年11月の鉱工業生産伸び率が前月比マイナス0.2%に留まったために、来週の中銀の通貨政策委員会(Copom)での政策誘導金利 (Selic)引き下げに拍車がかかると予想されている。

Valor Data社による23金融機関やエコノミスト対象の調査では、昨年11月の鉱工業部門生産は1.8%増加、サンタンデール銀行エコノミストのロドルフォ・マルガット氏は2.2%それぞれ増加を予想していた。

昨年11月の鉱工業部門セクター別の生産伸び率比較では、食品セクターは前月比0.3%増加して10月のマイナス3.3%から大幅上昇に転じていた一方で、石油派生品セクターはマイナス3.3%と最も落ち込んでいた。

昨年11月の自動車車両セクターは前月比6.1%増加した影響で、鉱工業部門の設備稼働率は51.3%を記録、鉱工業部門生産がマイナス1.8%を記録した10月の設備稼働率48.7%から1.8%と大幅に上昇した。

為替管理を緩和したアルゼンチンとメキシコ向けの自動車輸出拡大の影響で、昨年11月の自動車生産は、好調に推移したと産業開発研究所(Iedi)エコノミストのラファエル・カグジン氏は指摘している。

しかし昨年11月の自動車生産は前年同月比ではマイナス1.1%、過去12カ月間ではマイナス7.5%に留まっており、自動車メーカーは鉄鉱石価格並びに鉄鋼製品価格上昇前に増産したために、今後も自動車生産につながるかModalAsset社のダニエル・シルヴァ氏は疑問視している。

昨年最終四半期の鉱工業部門生産はマイナス0.8%を予想、鉱工業部門生産が回復するのは、2017年下半期になるとModalAsset社のダニエル・シルヴァ氏は予想している。

昨年11月の資本財生産は前月比マイナス4.8%、昨年第3四半期の資本財生産は前四半期比マイナス4.9%、前記同様に中間財生産はマイナス4.0%、マイナス5.0%、鉱工業部門はマイナス4.4%、マイナス5.3%であった。

また前記同様に耐久消費財生産は0.5%増加、マイナス11.2%、非耐久消費財生産はマイナス6.3%、マイナス4.6%を記録、ブラデスコ銀行では昨年の最終四半期の鉱工業部門生産をマイナス0.9%、サンタンデール銀行も前回予想のマイナス0.2%からマイナス0.5%に下方修正している。(2017年1月6日付けヴァロール紙)

 

年利が僅か8.30%のポウパンサ預金から407億レアルが逃避

2年以上継続する国内経済リセッションや失業率増加、高止まりするインフレによる実質賃金の目減り、クレジット負債増加、政策誘導金利(Selic)高に伴う他の確定金利付き投資ファンドへの流出などの要因で、一昨年からポウパンサ預金の引き出しが続いている。

昨年1年間のポウパンサ預金の引出額が預金額を407億レアル上回り、2015年の引出残高535億6,000万レアルに次いで、過去21年間では2番目の引出残高を記録している。

昨年1年間のポウパンサ預金の引出総額は1兆9,900億レアル、預金総額は1兆9,500億レアル、しかし13か月目サラリーが分割支給された昨年11月のポウパンサ預金は、積立残高が18億8,000万レアル、12月は106億7,000万レアルの黒字を計上していた。

インフレ指数の高止まりによる実質賃金の目減りで、低所得者層を中心に生活費補助のための引出及び貯金への余裕低下の影響で、ポウパンサ預金からの引出が継続しているとブラジル金融・経営・経理部門エグゼクティヴ協会(Anefac)のミゲル・ジョゼ・リベイロ氏は説明している。

ブラジルで一番手軽な銀行での貯金オプションである1ヶ月定期預金のポウパンサ(poupança)は、最低預入額が極めて低くて非課税、毎月の満期日以前に引き出してしまうとその月の利息は受け取れないにも関わらず、いつでも引き出しが可能な流動性のある預金として一般に広く利用されている。

現在のポウパンサ預金の金利は、政策誘導金利 (Selic)の年利が8.5%以上の場合は年利6.0%プラス参考金利(TR)となっているが、現在のSelic金利は13.75%と非常に大きな金利差が生じているために、ポウパンサ預金からの逃避は当分続くと予想されている。

コンサルタントのEconomatica社では、2016年のサンパウロ平均株価指数の収益は38.94%、銀行間預金ファンドの平均年利は14.0%でポウパンサ預金の年利8.3%を大幅に上回っている。

ブラジル地理統計院(IBGE)から近日中に正式発表される2016年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は6.38%前後が予想されている一方で、インフレ指数を差引いたポウパンサ預金の実質金利は2.0%を下回ると予想されている。(2017年1月6日付けエスタード紙)

ペトロブラスはディーゼル燃料価格を6.1%値上げ

昨年12月に石油製油所のガソリン並びにディーゼル燃料の卸売価格を値上げした1か月後の昨日、ペトロブラス石油公社はディーゼル燃料価格の6.1%値上げを発表、今日6日から実施される。

今回のペトロブラスの石油製油所のディーゼル燃料卸売価格の6.1%の値上げは、ガソリンポストのディーゼル燃料の小売価格3.8%の値上げとなり、1リットル当たり0.12レアル値上げされにも関わらず、ガソリンの卸売価格は据え置かれる。

北半球では冬季のディーゼル燃料価格は需要増加に伴って上昇傾向となるが、ペトロブラスでは石油派生品の国際コモディティ価格やレアル通貨に対するドル為替の変動、国内の石油派生品需要などを加味して価格決定を実施している。

ペトロブラスでは、昨年10月の石油派生品の卸売価格決定のために市場価格決定グループを設立、昨年12月5日にガソリン卸売価格を8.1%、ディーゼル燃料卸売価格を9.5%値上げしたが、ドルに対するレアル為替は4.7%上昇していた。

ペトロブラスは、連邦政府の要請でインフレ指数を抑制するために2011年~2014年にかけて燃料価格を据え置いた影響で非常に膨大な損害を被っていたとブラジル・インフラストラクチャーセンター(CBIE)は指摘、一昨日までペトロブラスのガソリンの卸売価格は、海外市場価格よりも1バレルあたり6ドル、ディーゼル燃料価格は13ドル安く販売しているとCBIEでは説明している。(2017年1月6日付けエスタード紙)

 

回章 CIR-002/17  2017年度第1回金融部会懇談会開催のお知らせ

                                             CIR-002/17
                                             2017年1月4日
金融部会 部会員 各位
                                             ブラジル日本商工会議所
                                             金融部会長 井上 秀司

             2017年度第1回金融部会懇談会開催のお知らせ

拝啓 時下益々ご清栄のこととお慶び申上げます。

来る2月23日(木)に開催予定の2017年度上期業種別部会長シンポジウム開催を控えまして、2017年度第1回金融部会懇談会を1月17日(火)に、下記の通り開催させて頂きたいと存じます。
ご出欠の可否につきまして、1月13日(金)までに 事務局カリーナ (secretaria@camaradojapao.org.br) までご回答頂きたくお願い申し上げます。
 
                        < 記 >

2017年度金融部会 第1回懇談会

日時:2017年1月17日(火曜日) 16時00分 ~ 17時00分

場所:ブラジル日本商工会議所 大会議室(Av. Paulista 475, 13階 São Paulo/SP)

<議題>
1.2017年度新運営体制について

2.2016年度下期金融部会活動報告

3.2017年度金融部会活動方針

4.業種別部会長シンポジウム内容について
テーマ:「2016年の回顧と2017年の展望」

5.その他の事項

 

現代自動車並びにトヨタ浮上でフォードは6位に転落

ブラジル国内の自動車販売は、GM並びにフィアット社、ワーゲン社、フォード社が長年に亘ってトップ4を占めていたにも関わらず、フォード社は2016年に現代自動車並びにトヨタに抜かれて6位に後退した。

2016年のトラックやバスを含む自動車販売では、GM社が市場占有率17.41%に相当する34万5870台を販売してトップに上昇、2位はフィアット社で15.35%、3位にはワーゲン社の11.50%を占めていた。

しかし4位には2015年のフォード社を抜いて販売好調なHB20車を擁する現代自動車が9.96%で浮上、トヨタ社も9.08%で5位に浮上した一方で、フォード社は市場占有率を9.07%に下げて6位に転落、7位にはルノー社が7.55%の市場占有率で続いている。

2015年のトラックやバスを含む自動車販売の市場占有率トップはフィアット社の17.73%、GM社15.66%、ワーゲン14.51%、フォードは10.24%で4位、現代自動車8.26%、トヨタ社は7.10%でルノー社の7.33%を下回っていた。

2015年までトップ4を形成していたGM並びにフィアット、ワーゲン、フォード社の2016年の市場占有率は53.33%まで減少、4位現代自動車の市場占有率は、3位のワーゲン社とわずかに1.54%まで肉薄してきており、今年は逆転する可能性もある。

2015年の4位から昨年は6位に転落したフォード社は、Fiesta車並びに Ecosport車、 Ka車の販売不振の影響で1.0%以上の市場占有率を下げ、2015年の販売台数25万3,600台から昨年は僅かに18万台に留まった。

昨年のバスやトラックを除く新車販売では、フィアット社が市場占有率38.42%でトップ、特にStrada車は5万9,420台を販売、昨年30万4,540台の新車を販売したGM社は、15万3,370台を販売したOnix車が牽引していた。

2016年のバスやトラックを含む新車販売は前年比2019%減少の205万台、昨年12月の新車販売は前年同月比10.24%減少の20万4,397台、しかし前月比では14.73%増加していた。

2016年のブラジル国内のトラック販売は前年比29.92%下落の5万290台、バス販売は32.92%下落の1万3,650台、昨年12月のトラック販売は20.29%下落、昨年12月のバス販売は40.42%下落していた。

全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)の2017年のバスやトラックを含む新車販売は前年比2.4%増加を予想、バス並びにトラック販売は3.15%増加予想しているにも関わらず、昨年10月の予想5.0%増加から大幅に下方修正を余儀なくされている。

2015年1月から2016年6月の自動車販売代理店は1,290店舗の閉鎖を余儀なくされ、僅か18カ月間で12万6,000人の雇用減少に繋がって経済リセッションが継続している。(2017年1月5日付けヴァロール紙)

2016年の外貨流出残は42億5,000万ドル

昨年の海外投資家によるブラジル国内への証券取引や国債購入などによる外貨流入から外貨流出を差引いた外貨流出残は、42億5,000万ドルと2015年の94億1,000万ドルの外貨流入残から一転して、海外投資家の資金引上げにつながっている。

昨年下半期はジウマ大統領罷免、ミッシェル・テーメル政権誕生したにも関わらず、ペトロブラス石油公社関連のラヴァ・ジャット作戦関連汚職問題の拡大、継続する失業率増加、ドナルド・トランプ氏(共和党)の次期アメリカ大統領の確定で、米国内での雇用拡大を重視した保護貿易強化、強い自国通貨、巨大な国内インフラ投資などを発表している影響で、新興国を中心に為替や株式市場が混乱をきたしている。

2016年の貿易収支は、輸出入金額とも前年を下回ったにも関わらず、輸入総額の減少幅が輸出総額の減少幅を大幅に上回った影響で、476億9,200万ドルの黒字計上。

昨年の貿易収支黒字476億9,200万ドル計上がなければ、外貨流入から外貨流出を差引いた外貨流出残は515億6,000万ドルに達していたとテンデンシア・コンスルトリア社エコノミストのシルヴィオ・カンポス氏は指摘している。

2016年の輸出総額は1,852億4,400万ドル、1日当たりの平均輸出額は前年比マイナス3.5%、2016年の輸入総額は1,375億5,200万ドル、1日当たりの平均輸入額は、前年比マイナス20.1%と輸出額の落込みを大幅に上回っている。

2016年の輸出総額並びに輸入総額は3年連続で前年割れを記録、2016年の貿易総額は3,227億9,000万ドルで2009年に記録した貿易総額2,807億2,000万ドル以来では、継続する国内の経済リセッション並びに世界貿易縮小の影響を受けて最低の貿易総額まで落ち込んでいる。

中銀の発表によると昨年12月の外貨流入から外貨流出を差引いた外貨流出残は10億9,000万ドルを記録、金融市場からの外貨流出は90億1,000万ドルに達していたが、貿易収支は79億2,000万ドルの黒字を計上して流出残が10億9,000万ドルに留まった。

しかし2017年は、70人以上に及ぶオデブレヒト社幹部による罪の軽減と引き換えとする報償付の供述によるラヴァ・ジャット作戦関連汚職問題の与野党議員への疑惑拡大、保護貿易を唱えるドナルド・トランプ氏の大統領就任による外的要因など不透明感が増している。

昨日中銀は2016年のスワップ為替取引決算を発表、16%のドル安の為替の影響で755億6,000万ドルの利益を計上、2015年の896億6,000万ドルの赤字から一転して黒字を計上、また外貨準備高は3,710億ドルを維持している。(2017年1月5日付けエスタード紙)

 

今年のGDP伸び率の下方修正で500億レアルの予算カット必須

ミッシェル・テーメル新政権エンリケ・メイレーレス財務相経済班による早急な財政改革や経済活性化政策導入で、2017年上半期からブラジルは経済リセッションなから抜け出すと期待されていた。

しかし2017年のGDP伸び率1.6%から予想から現在は1.0%に下方修正され、今年の公共支出200億レアルの予算カットが余儀なくされていたが、メイレーレス財務相は、今年のGDP伸び率を前回予想の1.0%から0.5%前後に留まると下方修正している。

仮に2017年のGDP伸び率が0.5%前後に留まれば、今年の公共支出予算は500億レアル以上のカットが余儀なくされ、2017年の中央政府の財政プライマリー収支の許容赤字1390億レアルの達成が難しくなる。

2017年の予算基本法には、昨年すでに特別恩赦制度(RERCT)による101億5,000万レアルの臨時歳入が計上されているが、国庫庁への歳入は今年下半期になると見込まれている。

また昨年8月には連邦貯蓄金庫の保険部門(Caixa Seguridade)の新規株式公開並びに宝くじ部門Loteria Instantaneaの売却、ペトロブラス石油公社の燃料配給会社BR Distribuidora社の売却で、2017年度には118億レアルの臨時歳入が組み込まれていた。

今年のGDP伸び率を0.7%と設定して大幅な歳入削減を予想、連邦政府はインフラ整備部門のコンセッション入札や特別恩赦制度(RERCT)、減税政策の見直しなどで150億レアルの臨時歳入が必要とテンデンシアス・コンスルトリア社エコノミストのファービオ・クラビン氏は指摘している。(2017年1月5日付けエスタード紙)