セルソ・ミンギ
今のところ、不況が井戸の底を打ったという兆候はない。
ジウマ・ロウセフ大統領が罷免され、ミシェル・テーメルが正式に大統領に就任したのだが、問題は依然としてそこにあり、解決を待ち受けている。
過去に当欄でコメントしたことであるが、歳出がインフレ以上に肥大化するのを阻止する憲法修正案(PEC)の可決というだけでもハードルは高く、それどころか、これをもってしても経済の健全化や期待される経済成長が確約されるというものですらない。減税し、これまで先延ばししてきた様々な改革を次々に進める必要があるだろう。すなわち、年金制度改革、労働法改革、税制改革、それに何より、政治改革だ。そして、これら全てを達成するには、連邦政府のトップの首がすげ替わるだけでは不十分だろう。
8月31日に発表されたGDP統計と国民所得統計などがその一部を占める国民経済は、引き続き後ろを向いた状況にあることが示された。GDPは第2四半期に前期比-0.6%で、6四半期連続でマイナス成長。
これまでのところ、経済危機が最悪期を通り越し回復へ向かったという兆候はない。GDP統計を構成する2つの数字から、状況が変化しつつあると見る人もいる。そのひとつは、工業部門の収入の増加。第1四半期と比較して+0.3%で、回復と呼んで良いかもしれない。もうひとつは、総固定資本形成(GFCF)、すなわち投資の拡大。前期比+0.4%で、いよいよ回復の兆候だと言えそうなものだ。
だがこの小さな成長について、新たな経済成長サイクルの始まりだとは断言できるようなものではない。2016年第3四半期のGDP統計に組み入れられる最新の統計では、製造業の動向は引き続き弱含みだということが示されている。投資の拡大も、過去に蓄積された落ち込みと比して、ささやかな伸びにとどまっている。
この投資のわずかばかりの拡大よりも、遊休設備が大規模に存在しているという状況のために、製造業界の回復は一層些細なものになるように思われる。傾向としては、少なくとも次の2四半期はGDPのマイナス成長が続きそうだ。
現在の貯蓄率(わずか15.8%)も投資比率(16.8%)も、将来の成長を確実なものにするという重要な目的を達成するには、これまで同様に極めて不十分な状況だ(年率3%のGDP成長を達成するための生産能力を確保するには、少なくともGDP比22%の投資が必要である)。
ブラジル経済の落ち込みは、唯一、ジウマ政権が下した数々の誤った判断によって沈没したことが原因だ。暴風雨に見舞われれば、帆船の船長なら誰であれ、帆を畳み、舵を定め、余分な積み荷を投棄する。ジウマ大統領は、船を沈没から救うための養生をしなかった。反対に、国外から来る悪影響をさらに増幅させた。
GDPのマイナス成長は、ブラジルが思われている以上に貧困化していることを示す。失業と所得の損失、不況から来るその他の事態に対して社会の最も豊かな層の方が最も貧しい層よりも守られているために、経済危機によって格差がさらに広がるからだ。(2016年9月1日付けエスタード紙)













