経済の発展は、鶏の跳躍のようなぬか喜びになる程度の成長は論外として、少なくとも2010年から2015年にかけて犯してきた最悪のミスの数々を繰り返さない程度に政府が教訓を学んで初めて可能になる。最も重大な過失の1つは、特定の業界あるいはグループに対する租税政策と融資政策で、これは国庫財務局の破滅的な出血を伴う巨大な浪費を伴っただけでなく、生産性と競争力の大きな低下をもたらした。「産業政策」という用語の使用に当たって慎重、かつ時には不信感すらにじませているミシェル・テーメル大統領の最初の対応を見る限り、ブラジル経済はより安全なものになりそうだ。
2012年から2015年にかけて、ブラジルの産業部門の生産性は、政府が盛んにインセンティブを与え保護貿易政策を導入したにもかかわらず、2013年のわずか1年を除いていずれも低下している。製造業にとって不況は、ジルマ・ロウセフ大統領が率いた第1次政権下で既に始まっており、2016年も継続している。あらゆる見通しを総合すると、回復の端緒が確認されるのは2017年以降になる見込みだ。
国内産業の保護メカニズムを少なくとも部分的に維持すべきだという連邦政府への圧力は過去に絶えたことはなく、今後、さらに強まるだろう。全国自動車工業会(Anfavea)のアントニオ・メガーレ会長は、「確かに市場を開放する必要があるが、それは緩やかなものであるべきだ」と言う。同会長は、世界貿易機関(WTO)での貿易紛争を巻き起こすという観点からも、市場の自由化が必要だと認める。だが、必要であるがそれは単に2012年10月の自動車業界向けの技術開発投資振興計画イノヴァル・アウトで増強された保護手段のみを減じるにとどめるべきというのが同会長の考えである。
市場の開放は確かに必要で、むしろ、メルコスルにおける対外共通関税(TEC)を廃止する以上のところまで突き詰めるべきだ。アルゼンチンとの自動車貿易協定は、何度も延長までしているものだが平凡な内容で、しかも欠陥がある協定にもかかわらず、現在も有効かつ関係国はこのぬるま湯の関係に甘んじている。
貿易協定を倍々で拡大し、自動車貿易協定の枠組みを飛び越えることが不可欠だ。労働者党(PT)政権の第三世界主義は、過去15年、ブラジルを世界のあらゆる国々と協定を祝す舞台から遠ざけた。これによりブラジルは、世界の生産チェーンに参加するのを制限され、競争力を失った。多くの人が、減退を恐れるよりも見かけ上の居心地の良さに魅力を感じて、こうした政策を受け入れた。
一例として挙げると、2015年の場合、各種の減税措置により国庫財務局には、1,032億6,000万レアルの負担となった。こうした減税やその他の恩典が付与されたにもかかわらず、国内工業生産は2014年を8.2%下回った。2016年の場合、減税規模は、2015年12月時点に換算して、994億2,000万レアル相当になる見込みだ。一方、工業生産はさらに落ち込み、2013年の水準を3%下回っている。2013年は、2012年が前年比2.3%減だったのに対して、前年比2.3%増と増加に転じていた。だが、これらのいずれの年も、国産の自動車と機械・設備を中心に、様々な製品の消費に対して減税措置やクレジットが付与されてきたのである。
ペトロブラスが工業政策の手段にされたことは、とりわけ有害だった。石油公社が調達する資材には一定水準の国産化比率が達成されている必要があり、調達コストを引き上げただけでなく、結果的に投資能力を削減した。汚染は、石油派生品の価格統制にも及び、ラヴァ=ジャット汚職捜査で白日の下にさらされたように、PTの政策の庇護のもとに様々な略奪行為が展開されたことも明白である。しかしながら石油に関連づけられた工業政策は、それ単独で、ペトロブラスに対する巨額の損害と国家経済への甚大な被害を与えた。
連邦政府が選び出した特定の超大手企業への金銭的支援は、既にその大部分に詳細な分析が加えられた。この種の対応は、非能率的、かつ高価なのに、工業政策の根幹をなしていた。
常識、あるいは経験から導き出される政策がとるべき道は、あらゆる業種に恩恵が行き渡る水平的公平な経済政策と呼ばれるものである。インフラへの投資や、優れた教育政策、機能的な租税、効率的な公共支出、低いインフレ率などが、これには含まれる。数多くの国で、これらの正しさが立証されている。これらによって、むしろ、まじめさと適切さが加わり安直な二枚舌を使う余地が減少するのだ。(2016年8月23日付けエスタード紙)
















