2015年のサービス部門のGDP伸び率はマイナス3.6%を記録

サービス業部門の各企業は、収益確保のために生産コストを最終消費者に価格転嫁を図ってきたにも関わらず、継続する経済リセッションや高止まりするインフレ指数、クレジット金利の上昇、失業率の増加、実質賃金減少による可処分所得の減少で価格転嫁ができなくなってきている。

2015年のサービス業部門のGDP伸び率は前年比マイナス3.6%を記録、ブラジル地理統計院(IBGE)月間サービス調査(PMS)として、統計を取り始めた2012年以降では最大の落込みを記録している。

GDPの中での広義のサービス部門セクターとしては、「卸売・小売業セクター」並びに「運輸業」、「サービス業」、「電気・ガス・水道業」、「金融・保険業」、「不動産業」、「情報通信業セクター」に分類されている。

2015年の一般家庭向けアウトソーシング事業は前年比マイナス5.3%、情報・通信サービス業は前年と変わらず、娯楽業並びに飲食店、旅館、洗濯・理容・美容、その他の対個人サービス業はマイナス4.3%、郵便業並びに業務用物品賃貸業、自動車・機械修理、その他の対事業所サービス業はマイナス6.1%、その他のサービス業はマイナス9.0%となっている。

鉱工業部門の落込みに伴ってサービス業部門向け需要が減少してきて価格転嫁が難しくなってきており、サービス業企業にとって今後の収益性が更に圧迫されるとRC ConsultoresエコノミストのMarcel Caparoz氏は見込んでいる。

2015年の北東部地域のサービス業部門のGDP伸び率は前年比マイナス5.5%、南部地域はマイナス4.0%、北部地域はマイナス3.8%、アマパ州はマイナス11.8%、マラニョン州はマイナス11.3%、アマゾナス州はマイナス9.8%となっている。(2016年2月18日付けヴァロール紙)

JAL(日本航空株式会社)が訪問

2016年2月17日、JAL日本航空株式会社ブラジルの稲垣 利展代表とキャビンアテンダントの布施 友理香氏が会議所を訪問、平田事務局長が応対した。

サンパウロ日本人学校で航空教室を開催するにあたり来伯した布施氏は現役のキャビンアテンダントで、JALの企業紹介や旅客機のしくみなどをわかりやすく解説した教材を平田事務局長へ贈呈した。平田事務局長からはこれからの日伯関係強化のためにも人材交流は不可欠、是非日本ーブラジル直行便の再開へむけ働きかけて頂く様依頼した。

左から平田事務局長/JAL日本航空株式会社ブラジルの稲垣 利展代表/キャビンアテンダントの布施 友理香氏

Foto: Rubens Ito / CCIJB

ネルソン・ファリア・デ・オリベイラ氏が会議所を訪問

国際カルチャセンター(Centro Internacional de Cultura – CIC)のネルソン・ファリア・デ・オリベイラ(Nelson Faria de Oliveira)所長が2016年2月17日に商工会議所を訪問、応対した村田俊典会頭、平田藤義事務局長に"Encontro dos Descobrimentos – O Japão e o Mundo Ocidental(第2弾)"の紹介を行った。今年6月24日~26日にかけてリスボンをはじめとするポルトガル各地で「日本と西洋世界」をテーマに講演や視察会などが繰り広げられる。

左から平田事務局長、村田会頭、オリベイラ所長 (Foto: Rubens Ito/CCIJB)

部会長シンポジウム発表資料作成に26人が参加して機械金属部会開催

今年初めての機械金属部会(渡辺健司部会長)は、2016年2月17日午後3時から5時過ぎまで26人が参加して業種別部会長シンポジウムの発表資料作成で意見交換会を開催、参加者はメインテーマ「2015年の回顧と2016年の展望」、副題: 「景気低迷期だから見えてくるビジネス機会、経済回復期はいつか? 日系企業はどう備えるか? 」についてそれぞれ自社の業績や展望を発表した。

2015年の回顧では、ペトロブラス関連企業の財政悪化による発注停止、石油掘削船の引渡し停止、公営銀行ファイナンスの金利上昇や与信強化、ドル高の為替でインフラ整備や新規投資案件停止、電力料金値上げ、唯一好調なパルプ業界、自動車・パーツ産業低迷による基幹産業ダメージ、世界の鉄鋼製品需給バランス崩壊による中国からの輸入鉄鋼製品急増による国内マーケットの影響などが話題となった。

2016年の展望では、国際石油コモディティ価格の低迷、電力料金の値上げ、継続する高金利、インフレ高止まり、投資向けクレジットの完全停止、造船や石油・天然ガス開発部門投資に対するラヴァジャット捜査継続による悪影響、自動車や鉄鋼部門の投資計画の見直しや先送り、困難な未入金回収、高炉など製鉄設備の停止、中国のパルプ需要の継続、ペトロブラスの汚職捜査の影響によるゼネコンの企業再生法の申請、風力発電を中心とした省エネプロジェクト案件の増加、ラヴァジャットによる経済モラル・社会構造改革への期待・諦め、財務体質改善による国内外の信用回復への期待、2018年以降にずれ込む景気回復、重工産業は我慢の年の声が多数を占め、厳しい1年が予想されている。

最後に成塚副部会長は3月6日開催のゴルフコンペについて説明、また平田藤義事務局長は、ICMS税代行納税制度(ST)に中間財適用除外の改善提案に向けたアンケート調査ついて協力を要請した。

参加者は渡辺部会長(カワサキ)、成塚副部会長(キョーセラ)、児玉氏(三菱重工)、牧野氏(CBC)、根岸氏(AZBIL)、木村氏(KITO)、木村氏(KOMATSU)、岡本氏(MMC)、鈴木氏(NIPPON STEEL&SUMITOMO METAL)、菅井氏 (ナガワ)、伊藤氏(SINTO)、元山氏(KBK DO BRASIL)、小湊氏(KBK DO BRASIL)、末次氏(オリエンタルモーター)、永安氏(TMEIC)、石原氏(TOYOTA MATERIAL HANDLING)、片山氏(MHI SUL AMERICANA)、井川氏(アマダ)、根本氏(カワサキ)、坂根氏(KOBELCO)、蛭子領事(サンパウロ総領事館)、藍原副領事(サンパウロ総領事館)、平田事務局長、天谷アドバイザー、吉田調査員、大角編集担当

左から渡辺部会長(カワサキ)/成塚副部会長(キョーセラ)

昨年の小売販売は2001年以降では最悪を記録

ブラジル地理統計院(IBGE)の月間小売販売調査によると、クレジット販売による金利上昇並びに高止まりするインフレ指数、実質賃金の減少、正規雇用の減少などの要因で、2015年の小売販売は前年比4.3%と大幅に減少して2001年から統計を取り始めて最悪の落込みを記録している。

また2015年の自動車ならびに建材を含む広範囲小売販売は、前年比8.6%と大幅に減少して2004年以降では最大の落込みを記録、経済回復が不透明な経済リセッションの継続が鮮明となっている。

14.25% に据え置かれた政策誘導金利(Selic)や1月のインフレ指数が1.0%を突破、新車販売の不振、世界的な株価の低迷や継続する国際コモディティ価格の低迷などの要因で、2016年上半期の小売販売は継続して低調に推移すると予想されている。

全国商業財・サービス・観光・商業連合(CNC)エコノミストのファービオ・ベンテス氏は今年の小売販売は前年比3.9%減少、自動車ならびに建材を含む広範囲小売販売は7.8%減少を予想している。

2015年12月の自動車ならびに建材を含まない小売販売は、11月のブラックフライディーによる大幅割引セールの影響で前月比マイナス2.7%、前年同月比マイナス7.1%、2015年通期ではマイナス4.3%、前記同様に燃料・潤滑油セクターは0.5%増加、マイナス1.0%、マイナス6.2%、スーパー・食品・飲料・嗜好品セクターはマイナス1.0%、マイナス3.7%、マイナス2.5%であった。

また前記同様に繊維・衣料・履物セクターはマイナス2.1%、マイナス10.3%、マイナス8.7%、家具・家電セクターはマイナス8.7%、マイナス17.7%、マイナス1.4%、医薬品・香水・医療機器セクターは0.4%増加、3.1%増加、3.0%増加している。

前記同様に情報機器・事務機器・通信機器セクターはマイナス1.4%、マイナス14.9%、マイナス10.9%、書籍類・印刷物・製本セクターはマイナス9.1%、マイナス15.4%、マイナス1.7%、その他の日用雑貨・装身具類セクターはマイナス3.6%、マイナス7.9%、マイナス1.3%となっている。

また前記同様に自動車ならびに建材を含む広範囲小売販売はマイナス0.9%、マイナス11.0%、マイナス8.6%、そのうち四輪・二輪・部品セクターは0.4%増加、マイナス20.0%、マイナス17.8%、建材セクターは1.1%増加、マイナス13.0%、マイナス8.4%となっている。

サンパウロ州商業連合(Fecomercio‐SP)エコノミストのファービオ・ピナ氏は、11%近いインフレで実質賃金が大幅に減少、個人向けクレジットが8.0%減少、また昨年は160万人が失業して改善に兆しが不透明で、今年の小売販売は昨年並みに低調に推移すると予想している。(2016年2月17日付けエスタード紙)

 

今年の財政プライマリー収支はGDP比マイナス1.0%まで許容幅を設けるか

今年の財政プライマリー収支の黒字目標は、中銀並びに国庫庁、社会保障院(INSS)で構成される中央政府がGDP比0.38%の黒字、州政府並びに市町村で構成される地方政府がGDP比0.5%に設定しているが、経済リセッションによる歳入減やインフレ上昇による利払い増加で、黒字の目標達成が非常に困難となっている。

ネルソン・バルボーザ財務相を筆頭とした連邦政府経済班は、今年の財政プライマリー収支は黒字達成が困難なために初めて許容幅を設定することを検討しており、仮に金融取引暫定納付金(CPMF)の徴収再開が出来なかった場合には、最大610億レアルに相当するGDP比マイナス1.0%の赤字設定を余儀なくされている。

中銀では今年のGDP伸び率をマイナス3.0%、政策誘導金利も14%を上回り、インフレ指数も目標を大幅に上回っているために、今年の財政プライマリー収支目標が設定できないほど不確定要素が多すぎる。

連邦政府では金融取引暫定納付金(CPMF)の徴収再開で100億レアル、公共資産の売却益300億レアル、未登録の海外資産のブラジル本国移転による210億レアルなどの臨時収入を見込んでいる。

昨年の3四半期連続の経済リセションや連邦会計検査院(TCU)が粉飾会計と定義して違法性を指摘した繰越残500億レアル以上の一括返済を余儀なくされたために、2015年の財政プライマリー収支はGDP比マイナス1.88%、2014年はGDP比マイナス0.57%の赤字をそれぞれ計上していたが、2013年はGDP比1.77%の黒字であった。(2016年2月17日付けエスタード紙)

 

ICMS税変更で電子商取引部門が混乱に陥っている

憲法改正案87号/2015年の国会承認で変更となったICMS税は、2016年1月以降、ICMS非納税義務となる最終消費者との州間販売では、売手は州間税率に基づきICMSを販売元の州へ納税を行い、なおかつ販売先の州へのICMS(州間税率と販売先州内税率との差)の納税義務が発生して、州間取引で混乱が生じている。

憲法改正案87/2015によるICMS税変更は、電子商取引(イーコマース)にかかるICMS非納税義務となる最終消費者に対する全ての州間取引の歪みを是正することを目的に行われているが、このICMS税変更で販売元の会社が販売先の州のICMSに対する納税義務を負うために、会計上の管理強化を余儀なくされている。

今月4日に零細・小企業支援サービス機関(Sebrae)が行った535イーコマース零細・中小企業対象のICMS税変更調査によると、調査対象の25.2%は他州への販売を中止、8.7%はすべての取引中止に追い込まれている。

また調査対象の83.7%のイーコマース零細・中小企業は、ICMS税変更によるファイナンスのコストアップを挙げ、73.8%は販売戦略の変更を余儀なくされている。

2016年の販売先の州のICMS納税比率は全体の40%、販売元の州のICMS納税は60%、2017年にはその比率が逆転、2018年は販売先の州のICMS納税は80%、2019年には100%になる。

ICMS税変更でイーコマース関連企業の納税は6.5%から19.0%と約3倍の増税につながり、イーコマース関連企業にとっては50億レアルの増税、今年のイーコマース関連の名目売上は前年比18%増加の568億レアルが見込まれている。(2016年2月17日付けヴァロール紙)

第2回運輸サービス部会開催

今年2回目の運輸サービス部会(細谷浩司部会長)は、2016年2月16日午後3時から5時まで13人が参加、2月25日に開催される業種別部会長シンポジウムの最終発表資料作成のために各部門のリーダーが参加して意見交換を行った。

運輸サービス部会の物流部門並びに鉄鋼業界内の構内物流、海運、航空貨物、航空旅客、旅行、ホテル、通信、IT部門の各リーダーが各業界の昨年の回顧と今年の展望について発表、世界的な貿易縮小、中近東を中心とした地政学的問題、石油や鉄鉱石などの国際コモディティ価格の下落、レアル通貨に対するドル高の為替による影響、ジカ熱によるリオオリンピックへの影響などが挙げられた。

参加者は細谷部会長(日通)、川手副部会長(NYK LINE)、長合副部会長(NTT DATA)、小渕氏(NTT DOCOMO)、谷口氏(栄進)、小宮氏(ツニブラ)、堤氏(ツニブラ)、大胡氏(MOL)、藍原副領事(サンパウロ総領事館)、平田事務局長、天谷アドバイザー、吉田調査員、大角編集担当

Kunihiro Chogo, Junichi Kawate e Koji Hosoya

No encontro foram discutidas a retrospectiva de 2015 e as expectativas do setor para o ano de 2016.

 

インタビュー記事【社会学者ジョゼー・デ・ソウザ・マルチンス氏】ベージャ誌

2016年2月3日号

「PTは権力など志向すべきではなかった。あらゆる種類の不正行為を分析し、調査し、そして指摘するという役割に留まり続けるべきだった」

「公的接収のために資本主義に参画することが可能だという考えが醸成された。その意図は、ひとつとなって中から蝕むことだった。これは、何もかもが悪い結果をもたらした」

政権の中のPT社会学者でルーラ前大統領が権力のトップに上るのを間近で目撃したジョゼー・デ・ソウザ・マルチンス氏(77)によると、労働者党(PT)はかつて左派政党だったことはなく、しかも教会活動に源流を持つことで党執行部と活動員が政治的反対意見を受け入れにくくしているのだという。社会学者のジョゼー・デ・ソウザ・マルチンス氏は、ブラジルにおける土地紛争研究の第一人者の1人と位置付けられている。70年代に同氏は、アマゾンの入植地建設活動の前線の研究者として、草分け的存在だった。彼の研究にカトリック教会が関心を持ち、その調査を社会運動家に示した。ブラジル全国司教会議(CNBB)が主催した講義の教師として、同氏は、指導者を育成し、1980年の労働者党(PT)の結党、そして4年後の土地なし農民運動(MST)の結団を間近から見届ける。首脳部と近しい関係にあったにもかかわらず、同氏は、決してこれらの組織には参画しなかった。「私は好戦的な知識人の交渉術に対して嗅覚が鋭い。あっちか、さもなければこっちか。誰かが党派問題を持ち出して争う意思を示しているのなら、最善の方法は、フロレスタン・フェルナンデスがやったように知識人として身を引くことだ」と、この社会学者は言う。先週、書店の店頭に同氏の45冊目の著書が並んだ。タイトルは、「社会のために戦うPTから政権のPTへ」(コンテクスト出版)。同氏が過去14年に及ぶ同党の変遷と変貌を洞察、分析した著作集だ。サンパウロ大学教授を退官したマルチンス氏は、かつてセルソ・ファルタード氏とフェルナンド・エンリッケ・カルドーゾ元大統領も務めた英ケンブリッジ大学のシモン・ボリバル教授職を務める。

ベージャ誌 この本の中でPTが保守政党であると断言されている理由はどこにあるのでしょうか?

マルチンス氏 労働者党は、共産主義に代わるものとしてABCパウリスタ地域で誕生した。共産主義に対して観念的に反対するものではないが、これまで左派政党だったことはない。公式の視点からは、カトリック教の政党として扱われた。PTはサント・アンドレー市の最初の司教で工員の労働争議における保守系交渉主導者、ドン・ジョルジェ・マルケス・デ・オリベイラ氏に起源を持つ。ドン・ジョルジェは私に、カトリック労働者センターを訪れたABCの労働者とピンポンを楽しんだものだと言ったことがある。労働者に労働争議のために工場の扉を叩くようインセンティブを与えたのは、彼だった。PTが生まれる基礎作りのためにドン・ジョルジェは、ルーラという偶像を、ルーラがそうと気づく前に創造したのだ。

ベージャ誌 PTが左派でないとするなら、右派の見解の違いというだけでこれほど大きな見解の相違を巻き起こすのはなぜでしょう?

マルチンス氏 これに対する説明は、またもや、教会の影響力ということになる。神と悪魔、善と悪の二元論だ。政治を二分法で捉えるため、労働者党員は、多くの局面で、様々な意見をまとめ上げることが苦手なのだ。彼らにとって、仮にPTが左派なら左派というのはPTのことであり、対立するあらゆるものが右派になるのだ。それは例えば、ブラジル民主社会党(PSDB)が右派だというのと同じぐらいナンセンスだ。PSDBはPT同様、徹底して社会民主主義だ。労働者党員の言う右派とは、完全なる創作物だ。ブラジルには、右も左も存在しない。国民の大部分が、そんなことすら認識していない。ルーラ前大統領は外部の意見に耳を傾けることがあるようだが、PTは、自身の見解と異なる意見に対しては全く寛容性がない。これこそ、PTの特徴だ。

ベージャ誌 しかしルーラ前大統領こそ、「彼らは我々に反対して」という議論を最も吹っ掛ける人で…。

マルチンス氏 ルーラ前大統領には、2人の人格が共存している。他の多くの政治的指導者よりもはるかに深くこの国の現実を理解している、集票マシーンとしてのルーラがその1人。もう1人は、権力のルーラだ。こちらは、政治活動の本質に極端な理屈と誤った二分法を駆使する。実際、この手法は権力機構の中でPTが利用する語り口そのものだ。ルーラにとって政治とは、ひとつの演技、ひとつの劇場なのだ。誤った二分法的議論は、政治を遂行する上での方便なのだ。

ベージャ誌 労働者党員がこの国を分裂させていると?

マルチンス氏 ルーラとPTの考えは、階級闘争の視点で語りかけるというものだ。だが、階級闘争と言うからには、階級が存在しなければならない。世界のあらゆる場所で、階級などというものは見えないところへ押しやられているのだ。ある意味、社会階級はもはや存在しない。ブラジルでは、労働者階級が消費を、教育を切望している。社会階級の旗印を掲げて戦っているのではない。エリート、これはPTが頻繁に使用する用語だが、それ自身が分化している。金融資本にひとつの意見がある。産業資本は他の意見を持つ。これらは、それぞれの存在べきところに関心を抱く。労働者も同様だ。PTの主張を裏付けるような、階級構造を持つ枠組みは存在しない。

ベージャ誌 社会を分けようとする彼らの狙いは、どういう結果をもたらしたのでしょうか?

マルチンス氏 PTの政治経典には、2つの対立するブラジルが登場する。労働者党員は、次のような観念の世界を構築した。つまり、ブラジルの大衆は、大衆を利用する裕福で好き放題できる人々と異なるという考えだ。抑圧する側は、労働者党員でないすべての人たちだ。これは、この国を極端に単純化した見方だ。エリートの構成員の多く、それもブラジルのより富裕層の一角を占める人々が、ペトロブラスにおける汚職捜査で証明されたようにPTと深くつながっていることからも、この解釈が余りに単純すぎることを証明している。

ベージャ誌 なぜPTはこうした戦略に固執するのでしょうか?

マルチンス氏 少なくとも3種類のPTが存在するが、それについて私は、内部の派閥を意味するとは受け止めていない。ルーラが所属する労働者のPT、共産党に対して特定の批判を持つ知識人のPT、それからカトリックの牧師らとつながりのある庶民のPTだ。ルーラが大統領に当選した際、党内の有力グループ、そして一般の人々が、この勝利をカトリックの予言として受け止めた。土地問題牧師委員会の創立者で委員長を務めるドン・トーマス・バルドゥイーノ氏は、カルドーゾ政権は政治的意思を欠き土地改革を進めなかったと話していたものだ。だがPTが権力の座に就いた2003年、その政治的意思が期待されたが、何も起きなかった。

教会の進歩的な活動家を集めた偉大な政党は、予想されたような改革を実施しなかった。PTの土地改革は、ジョゼー・サルネイ大統領が進めた土地改革と比較しても、数の上でも、規模の上でも劣っている。私が言いたいのは、この問題を政治的意思として語るのではなく、むしろ実際の問題として扱うべきだということだ。フェイジョン豆のように、ブラジルの食糧の大部分を家族営農者が生産しているとしても、我が国に「御利益」をもたらしてくれているのは事業としてのアグリビジネスなのだ。

ベージャ誌 PTが戦略の中で犯した最も深刻なミスとは、何でしょうか?

マルチンス氏 PTが大統領府の住人になる前、大衆の政党が権力の座に就くと期待されていた。素晴らしいユートピアが来るというのが、我々の原動力だった。だが大衆の党であろうとするなら、PTは権力など志向すべきではなかった。あらゆる種類の不正行為を分析し、調査し、そして指摘するという役割にとどまり続けるべきだった。行政府のポストに就く以前、PTは、これらすべての権力が不正の巣窟であると決めつけていた。誰も権力の座に届かない中で、権力を手に入れないふりをしていたのだ。ルーラは、その首魁だった。彼と一切の関係がないかのように、彼は権力を罵った。

ベージャ誌 これほどのスキャンダルがあるにもかかわらず、80年代のユートピアだったPTに幻想を抱く人がいるのはなぜでしょう?

マルチンス氏 政府を支持する街頭デモ行進、あるいは批評するためのものでも、PTほど職業的な水準で組織されスローガンを掲げて訴えるものは存在しない。労働者党員が持つ集団心理で、党は、強力な動員力を備えている。この忠誠心は、ほとんど宗教と言っても良いぐらいだ。これは褒められたことではないが、これこそPTなのだ。これは褒められたことではないが、私はコリンチャンスのファンだ。これは褒められたことではないが、私はカトリック教徒である。

ベージャ誌 PTが腐敗の泥沼に沈んで行くのを、あなたはどのように受け止められたのでしょうか?

マルチンス氏 社会運動組織とPTの内部では、多くの人の間で、公的接収のために資本主義に参画することが可能だという考えが醸成された。その意図は、一体化することで中から蝕むということだった。これは、何もかもが悪い結果をもたらした。事業入札で競合を出し抜くために10%の賄賂を受け取ったが、党に資金を収めればそれが容認されるという手法が、利他的な汚職の可能性として信じられていた。だがそれは汚職そのものであり、既に司法が証明してたように、横領は利他主義と容認できるような規模を上回っていた。

ベージャ誌 党の主だった指導者が汚職で逮捕されました。ルーラ前大統領はどうやってメンサロン(買収工作費)スキャンダルを無傷でやり過ごしたのでしょうか?

マルチンス氏 ルーラは、非常に賢く巧みで、常に、大統領府の裏方で並行して進められていたことに対する責任がないように見える振る舞いをしてきた。確かにこうしたことは、あらゆる政権において、程度の差こそあれ発生する。共和国の大統領は、閣僚の行動の全てに口を挟むことなどできない。こうした戦略は、メンサロンでは一層明白になった。ルーラは、スキャンダルの外縁部にとどまることができた。私は70年代にアマゾンでの土地占領に関して実施した研究で、これと似たような手法を確認している。そこには、巨悪が潜んでいた。

人々は最初、暴力事件の責任は、武器を所持している用心棒のせいだと考えた。その後、農場管理人と考えるようになり、さらに後になって、農場主に責任があると考えるようになった。政府は、この責任の伝達ゲームの最後にいた。ルーラは、これと同じ心理で救われた。ブラジル人は他の政治家が大統領から得た信頼を乱用したと受け止めたのだ。

ベージャ誌 前の大統領時代と同様に、ルーラは、このところ彼の周辺で暴かれつつある汚職事件に対しても、免疫を持ち続けるのでしょうか?

マルチンス氏 権力から離れた彼には、こうした保護装置を失っている。だが民衆に根付く彼のカリスマ性に助けられるだろう。

ベージャ誌 ジウマ・ロウセフ大統領の弾劾プロセスについてはどうお考えでしょうか?

マルチンス氏 2005年にも同じく、ルーラ大統領を政権の座から追い落とそうとする動きがあった。彼がこれを懸念していたことは、極めて明確だった。ルーラは数日間、政治的に麻痺することになった。彼は自身の政権が終了したのだと確信していた。今、我々は再び大統領を弾劾する可能性について議論している。弾劾に対して私が反対、あるいは賛成しているということを言いたいのではない。私はあくまでも、このプロセスの歴史的な結果を考えている。ジウマの後継者ならミシェル・テーメル副大統領だが同様に問題を抱えており、その結果、2人の後継者としては訴訟を抱えるエドゥアルド・クーニャ上院議長になるが彼の抱える問題は2人以上に深刻で、ブラジルが健全に危機を脱出できるような状況になる兆候は全く見られない。

新たな喚問が行われて仮に全員がこうして次々に排除されるのなら、多くの時間を費やすことになるし、それこそ、2018年の選挙が来るのを待つ方が良いことになる。社会と、聡明な政治家は、次の選挙までこの国を運営するだけの能力を備えていると証明する必要がある。このような極めて深刻なプロセスについて、煽るべきではない。

ベージャ誌 野党はPTの政党登録抹消を支持している。政党の将来はいかがでしょうか?

マルチンス氏 仮にPTを解散させることができたとしても、ブラジルには得るものはないだろう。だが同じくわが国は、権力に順応できこれを利用するようなPTが居座ることからも得るものはないだろう。PTは、成熟して近代的な政党に脱皮するという今に至るまで成し遂げられなかった課題を解決すべきだ。過去数年にわたってPTに生じたような問題の責任を、右派に押し付けても無駄だ。すべては、PT自身の身から出た錆だ。それは最も驚くべきことだ。舞台裏で糸を引く敵などいない。PTを破壊している人たちは、PTの友人たちなのだ。

13人が参加して電気電子部会開催

電気電子部会(千野 浩毅   部会長)は2016年2月16日午前9時から11時まで13人が参加して開催、2月25日に開催される業種別部会長シンポジウムの発表資料作成のために、参加者は自社の2015年の回顧並びに2016年の展望について発表した。

2015年の回顧ではレアル通貨に対するドル高の為替による原材料の高騰、経済リセッションによる製造業部門の生産活動停滞、不振を極める自動車産業の影響、高騰を続ける人件費による収益性悪化、Selic金利引き上げに伴う銀行金利上昇、高止まりするインフレ、改善されないブラジルコスト、年末開始のスマートフォン向け優遇税制廃止などが話題となった。

2016年の展望ではレアル安の継続、インフレの高止まり、早急な政治問題解決、更なるブラジルコストの上昇懸念、期待するオリンピック・パラリンピック特需、ICMS税の州間争いによるコスト上昇、多岐に亘る製造業部門の解雇、コスト上昇による価格転嫁、財政悪化対策の増税懸念、2016年は我慢の年で2017年年からの景気回復期待が挙げられた。また政策対話委員会の天谷浩之アドバイザーは、ICMS税代行納税制度(ST)に中間財適用の除外の改善提案に向けたアンケート調査協力について説明した。

参加者は千野部会長(ソニー)、高田副部会長(NECラテンアメリカ)、磯村副部会長(エプソン パウリスタ)、伊藤副部会長(パナソニック)、君崎副部会長(ムラタ ワールド)、菅井氏(ナガイ・ド・ブラジル)、清水氏(オムロン)、大沢氏(キャノン)、蛭子領事(サンパウロ総領事館)、平田事務局長、天谷アドバイザー、吉田調査員、大角編集担当

 

Akio Kimizaki, Keijiro Isomura, Hiroki Chino e Tetsuji Ito

A pauta do encontro versou sobre a retrospectiva de 2015 e as expectativas do setor para o ano de 2016.

 

Fotos: Rubens Ito / CCIJB