最低サラリー以上の年金・恩給調整は最低サラリー調整と同率

昨日、下院議会では最低サラリー以上の年金・恩給受給者に対する2016年以降の年金引き上げ率について調整が行われたが、下院議員206人が最低サラリーと同率の調整に賛成票を投じ、下院議員179人が反対票を投じたため最低サラリーと同率の調整が承認された。

また同時に暫定例672号による2019年までの最低サラリー調整の計算方法の延長も承認され、最低サラリー以上の年金・恩給調整率が最低サラリーと同率の調整となれば年間92億レアルの収支増加につながる。

最低サラリーの計算方法は過去2年間のGDP伸び率と前年のインフレ率をもとに計算されるために、2016年の最低サラリーは大幅な修正を余儀なくされると予想されている。

最低サラリー以上の年金・恩給受給者は年金・恩給受給者の1/3に相当する1,000万人が恩恵を受けており、2016年以降は毎年、社会保障院の赤字拡大に拍車をかけると社会保障院(INSS)のカルロス・ガバス大臣は説明している。

また社会保障院にとって、年金支給計算方向の変更である「モメンタリ方式」(国会で承認された85/95方式と呼ばれる方式の派生方式)、2017年から年金受給までの最低加入年数を漸進的に引き上げる採用で更なる支出で財政が更に圧迫されるために、年金・恩給システムが維持できなくなる危惧されている。

与党のPT(労働者党)は連立与党のPMDB(ブラジル民主運動党 )並びにPSD(社会民主党)と下院での投票開始前に反対に投票することで示し合わせていたにも関わらず、造反議員が続出してジウマ大統領の求心力が疑問視されている。(2015年6月25日付けエスタード紙)

インフラWGのインフラコンセッションセミナーに27人が参加して開催

インフラWGのインフラ民営化計画の第2次ロジススティック投資計画(PIL-2)の関連コンセッションセミナーは、2015年6月24日午後4時から6時30分まで27人が参加して開催、ブラジル政府が発表した総額1984億レアルに及ぶインフラへの大型投資、民営化計画に伴う種々入札案件に係わるセミナーはTozziniFreire弁護士事務所インフラ担当のアントニオ・シントラ弁護士並びにアドリアナ・コレア弁護士を講師に迎えて開催した。

初めにTozziniFreire弁護士事務所インフラ担当のアントニオ・シントラ弁護士は、「ブラジルにおけるインフラプロジェクト」について、第2次ロジススティック投資計画(PIL-2)では道路、空港、港湾並びに鉄道向けに総額1984億レアルを投資、鉄道向け投資総額は864億レアル、鉄道向け投資総額は661億レアル、港湾向け投資総額は374億レアル、空港向け投資総額は85億レアルが予定されていると説明した。

道路向けの主要プロジェクトでは今年内に5道路コンセッションの入札が計画されており、投資総額は196億レアル、2016年は11件の入札で312億レアル、すでに建設済みの道路の近代化やメンテナンスなどに153億レアルの予算が確保されている。

鉄道建設では南北鉄道のアナポリス-エストレーラ・ドエステ-トレス・ラゴアスを結ぶ区間の投資総額は49億レアル、南北鉄道のパルマス-アナポリス並びにバルカレーナ-アサイランジア結ぶ区間の投資総額は78億レアル、太平洋側と大西洋側を結ぶ中国、ブラジル並びにペルーが投資を予定しているBIOCENICA鉄道建設のブラジル側の投資総額は400億レアルに達するが、環境問題や各国税関システムの統合問題などで事業遂行の困難が予想されている。

港湾関連プロジェクトでは大穀倉地帯の中西部地域の農産物を地理的に欧州に近い北部回廊からの輸出のためにパラー州の港湾整備が注目を集めており、2016年以降の港湾入札では多くの北東部地域の港湾や南東部地域の港湾、9州に及ぶ公共港湾ターミナルリース契約延長などが予定されている。

空港コンセッション入札では、2016年にサルバドール市並びにフォルタレーザ市、フロリアノポリス市、ポルト・アレグレ市の国際空港のコンセッション入札が予定されており、入札条件の変更、第1次ロジススティック投資計画(PIL-1)と第2次ロジススティック投資計画(PIL-2)の変更点、融資条件、コンセッション契約の変更点などについて説明した。

TozziniFreire弁護士事務所インフラ担当のアドリアナ・コレア弁護士は、「ブラジルにおけるインフラプロジェクトの環境ライセンス」について、インフラプロジェクトは潜在的汚染事業とみなされ、ライセンシュ取得には環境調査が前提となり、複雑な調査の場合は環境インパクトレポートの取得義務があり、ライセンス取得手続き中は公聴会が必要でEIA/RIMAのレポート内容はライセンス取得期間に大きな影響を及ぼすことなどを説明した。

環境ライセンスにはプライマリーライセンス、インスタレーションライセンス、オペレーションライセンスがありそれぞれのライセンス取得には予想を超える期間を要しており、ライセンス取得促進には環境コンサルタントとの契約が不可欠であり、プロジェクトがインストールされるサイトの調査、先行きの問題及び対策検討のための技術的、法的な問題の削除が非常に困難を伴うと説明、参加者は発表された第2次ロジススティック投資計画(PIL-2)の詳細について積極的に質問を行って素晴らしい説明会となった。

参加者リスト

  • 日立南米社                 岩山明郎   
  • ブラジル三菱重工業             中嶋毅行   
  • ブラジルみずほ銀行             深井泰雄   
  • 〃    〃                     料治年男   
  • ブラジル三井住友銀行        甲斐中哲也 
  • 〃    〃                  星野聡    
  • ブラジル三菱東京UFJ銀行     青山健太郎 
  • ケミカルグラウト(CGC)       藤井健
  • 〃    〃                      森達久
  • 戸田建設                  藤井勇人
  • DELOITTE                    池谷裕一
  • JICAブラジル事務所             石丸卓
  • TOZZINIFREIRE                幕田潤
  • 〃    〃                     アントニオ・シントラ
  • 〃    〃                     アドリアナ・コレア
  • 伊藤忠ブラジル会社             恒枝孝史
  • 〃    〃                  小谷信之
  • ジェトロ サンパウロ         禮田英一
  • ブラジル三菱商事             林健太
  • ブラジル住友商事会社       飯田俊太郎
  • 〃    〃                     金叡京
  • ブラジル三菱商事            櫻井淳
  • ジェトロ・サンパウロ            森下龍樹
  • ブラジル三井物産            大塚未涼
  • ブラジル日本商工会議所   大角総丙
  • ブラジル日本商工会議所   天谷浩之
  • ブラジル日本商工会議所   吉田章則
  •  TozziniFreire弁護士事務所インフラ担当のアントニオ・シントラ弁護士

    TozziniFreire弁護士事務所インフラ担当のアドリアナ・コレア弁護士

    Rubens Ito / CCIJB

中銀では今年のクレジット伸び率は前年比9.0%と予想

中銀では国内経済の停滞や年末には14.0%を突破する政策誘導金利(Selic)の高止まり、与信強化によるクレジット部門の縮小などの要因で、今年の商業銀行のクレジット部門の伸び率は前年比9.0%と過去12年間で最低の伸び率にとどまると予想している。

2008年のリーマンブラザーズ証券会社破産をきっかけとした世界金融危機後のブラジルでは、公立銀行が連邦政府の要請によってクレジットを積極的に拡大してきており、今年も銀行のクレジットは公立銀行が牽引すると予想されている。

また過去数年間は延滞率が低くて長期クレジットの新車購入クレジット並びに住宅建設ブームによる住宅購入向けクレジットが牽引して、商業銀行などのクレジット部門は大幅に伸びていた。

しかし上昇を続けるインフレ指数を抑制するための高金利政策の導入による一般家庭の負債増加、延滞率増加に伴う与信強化による厳しいクレジット承認、国内経済停滞による家庭消費の減退や雇用不安の拡大などの要因で、クレジット部門が縮小してきている。

ファクター銀行エコノミストのジョゼ・フランシスコ・デ・リマ・ゴンサルベス氏は、家庭消費の減退や雇用不安の拡大などの先行きの景況感の悪化に伴って、今年のクレジット部門の伸び率は10%を下回ると予想している。

中銀の前回予想の今年のクレジット部門の伸び率は前年比11.0%であったにも関わらず、今回は9.0%と2.0%も大幅に引き下げており、また昨年のクレジット部門の伸び率は前年比11.3%と5年連続で前年を下回っていた。

5月の商業銀行の平均年利は42.5%と2001年以降では最高の年利を記録、クレジットカードの支払い遅延の年利は360.5%、一般的に特別小切手税と呼ばれる口座借越残クレジット残高の年利は232%となっている。(2015年6月24日付けエスタード紙)

 

ペトロブラスは5か年投資計画の予算40%カットを検討

今年2月末に格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは汚職問題並びに1,000億ドル以上の債務を抱えるペトロブラス石油公社の返済能力に対する懸念で同社の社債の格付けをジャンク級(投資不適格級)の「Ba2」に引き下げていた。

ペトロブラスの設備投資総額はブラジル製造業全体の10%以上を占めてブラジル経済の大きな原動力となっているにも関わらず、決算発表の遅れやラヴァ・ジャット作戦による汚職問題の発覚の影響で同社の格下げによる信用下落や資金調達のための借り入れコストの上昇で、同社の設備投資計画も縮小を余儀なくされる可能性が上昇していた。

グラッサ・フォスター総裁は、昨年末のペトロブラスの2015年~2019年の5か年計画では2204億ドルの投資総額を発表していたにも関わらず、ラヴァ・ジャット作戦による汚職問題や社債格下げによる景況で資金調達のための借り入れコストの上昇、また石油の国際コモディティ価格の下落、レアル通貨に対するドル高の為替による負債増加などの要因で、負債軽減のための自社資産の早急な放出を迫られている。

今週金曜日にペトロブラスは経営審議会を開催して今後5年間の投資計画の最終予算承認を決定するが、短期負債軽減の改善策を優先させるために当初予算の30%~40%カットに相当する1,300億ドルまでの予算削減になると予想されている。

しかし同社は負債軽減並びに収益性の高い事業以外の自社資産放出を発表しているにも関わらず、ペトロブラスの労働組合側は、同社資産放出に伴う人員削減を阻止するために偽造民営化反対をスローガンにストライキ入りを検討している。

レアル通貨に対するドル高の為替に伴って石油消費の国内需要を満たすための輸入石油コストの上昇、石油の国際コモディティ価格の下落による同社の収益の悪化につながっているために、決算改善のためには早急な自社資産放出による負債軽減を余儀なくされている。

技術革新に伴って岩塩層下(プレソルト)原油開発コストが減少してきているために、ペトロブラスはプレソルト原油開発ならびに石油・天然ガスの増産に資金を集中的に投資する一方で、石油配給事業のガソリンポスト事業部門からの撤退が予想されている。(2015年6月24日付けエスタード紙)

 

第1四半期のBNDES銀行の純益は15億8,500万レアル

今年第1四半期の社会経済開発銀行(BNDES)の純益は、前年同期比僅かに2.0%増加の15億8,500万レアルを記録したにも関わらず、BNDES銀行では国庫庁に対して第1四半期の利益・配当金の送金は行っていない。

今年初め4か月間の公社による国庫庁への利益・配当金の送金総額は製造業やサービス業の不振並びに与信強化によるクレジットの縮小などの要因で22億300万レアルに留まった。

しかし公社による前年初め4か月間の国庫庁への利益・配当金の送金総額は、今年同期の4倍に相当する82億3,100万レアルを記録、そのうちBNDES銀行による利益・配当金の送金は約半分に相当する40億レアルに達していた。

昨年の公立銀行による国庫庁への利益・配当金の送金総額は90億7,900万レアルと公社全体の半分弱に相当する189億3,900万レアルを記録、しかし財政プライマリー収支は赤字を計上していた。

ジウマ第2次政権新経済班を率いるジョアキン・レヴィ財務相は、国内経済の停滞や公共投資削減による緊縮財政策の導入で公社による国庫庁への利益・配当金の送金はあまり期待していないとテンデンシアス・コンスルトリア社エコノミストのファビオ・クレイン氏は説明している。(2015年6月24日付けエスタード紙)

 

三井住友銀行グローバル・アドバイザリー部欧米グループの加藤巌上席部長代理が訪問

三井住友銀行グローバル・アドバイザリー部欧米グループの加藤巌上席部長代理が2015年6月23日に商工会議所を訪問、平田藤義事務局長が応対した。

左から平田藤義事務局長/三井住友銀行グローバル・アドバイザリー部欧米グループの加藤巌上席部長代理

的中率が高いトップ5銀行の2017年の広範囲消費者物価指数(IPCA)は4.5%

中銀の最終フォーカスレポートによると、的中率が高いトップ5銀行の2017年~2019年の広範囲消費者物価指数(IPCA)予想は、連邦政府の目標中央値4.5%前後になる可能性を指摘している。

しかし今年の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、大幅な電力料金やガソリン価格の値上げ、上昇一途のレアル通貨に対するドルの為替、年利が14.0%を突破すると予想されている政策誘導金利(Selic)などの要因で、連邦政府の許容上限値6.5%を大幅に上回ると予想されている。

また9月のサラリー調整の交渉でインフレ指数を上回る実質賃金の上昇幅次第では、今年の広範囲消費者物価指数(IPCA)は9.0%に達する可能性も否定できない状況となっている。

ジウマ第2次政権の新経済班のエコノミストは今年5月までの広範囲消費者物価指数(IPCA)の累計は5.33%に達しているにも関わらず、8月から10月にかけて月間平均0.3%~0.4%で推移すると楽観的な予想をしている。

ジョアキン・レヴィ財務相は、今年の財政プライマリー収支の目標黒字であるGDP比1.2%に相当する663億レアルを達成のために増税政策の導入や可能な限りの公共支出削減を図っているが、製造業部門を中心に国内経済の停滞で企業の純益が大幅に減少して国庫庁の歳入の大幅な減少につながっているために目標達成は困難を極めると予想されている。

連邦政府が今年の財政プライマリー収支の目標黒字であるGDP比1.2%に相当する663億レアルを発表した時の今年のGDP伸び率予想は0.5%増加であったにも関わらず、今ではマイナス1.5%に下方修正されており、今年の財政プライマリー収支の目標黒字の大幅な下方修正の必要性をLCA Consultores社エコノミストのブラウリオ・ボルジェス氏は指摘している。(2015年6月23日付けヴァロール紙)

 

BGを買収したシェルのブラジル国内の石油生産は世界の20%を占める

先月、英蘭系石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルは英天然ガス生産大手BGグループを702億ドルで買収することで合意したと発表、石油業界では過去10年で最大の買収劇となった。

ブラジル国内の石油生産ではシェル社の1日当たりの原油生産4万6,400バレルとBG社の13万7,200バレルを合わせた18万3,600バレルに増加、ペトロブラス石油公社に次いで2位に上昇する。

膨大な原油埋蔵量を誇るリブラ鉱区のペトロブラス石油公社の権益は最高の40%、フランス資本 Total社並びに英国/オランダ資本のシェル社は20%、中国海洋石油(CNOOC)並びに中国石油天然ガス集団(CNPC)はそれぞれ10%の権益を所有している。

シェル社は20%の膨大な原油埋蔵量を誇るリブラ鉱区やBGグループが権益を擁しているルーラ油田やサピニョーラ油田などのブラジル国内の原油生産はシェル社にとって世界の原油生産の20%に達する。

またシェル社は今年10月に実施が予定されている第13回石油開発鉱区事業入札に参加を予定しており、ブラジル国内での原油生産の拡大を積極的に進める計画を立てている。

シェル社は2016年~2018年の300億ドルに達する自社資産売却を計画しているにも関わらず、ブラジル国内の自社資産売却は基本的には対象外となっており、石油配給事業や石油・天然ガス開発事業を強化する一方でシェールガス事業からの撤退を検討している。

シェル社の2014年投資総額は350億ドル、今年は200億ドルにとどまると予想されているが、国際石油価格が1バレルあたり現在の60ドルから70ドル~90ドルに回復すれば年間平均350億ドル~400億ドルの投資を予定している。(2015年6月23日付けヴァロール紙)

 

 

今年下半期の対内直接投資は50%増加予想

中銀のツーリオ・マシエル経済班主任は、今年下半期の海外投資家による対内直接投資は大幅に改善すると見込んでおり、今年の対内直接投資総額はGDP比4.12%に相当する800億ドルに達すると予想している。

今年初め5か月間の対内直接投資総額は255億2,000万ドル、月間平均対内直接投資額は51億400万ドル、今年の対内直接投資総額が目標の800億ドルに達するためには残りの月間平均対内直接投資額は77億8,000万ドルに達しなければならない。

昨年初め5か月間の対内直接投資総額は393億3,200万ドルと今年同期を140億ドル近く上回っていたが、伝統的に下半期の対内直接投資額は上半期を上回るとツーリオ・マシエル経済班主任は説明している。

ツーリオ・マシエル経済班主任は今年初め5か月間の対内直接投資総額が255億2,000万ドルにとどまった要因として、降雨不足による電力危機問題、ラヴァ・ジャット作戦での汚職問題などでペトロブラス石油公社並びに関連するゼネコン企業イメージ悪化による海外投資家の投資の先送り、ペトロブラスの会計監査人が汚職疑惑を理由に第3四半期の決算の承認を拒否した問題などが起因している。

中銀では今年の経常収支赤字を前回予想の840億ドルから810億ドルに下方修正、下方修正の要因として本国への利益・配当金送金を225億ドルから210億ドルに下方修正、レアル通貨に対するドル高の為替更新による影響でブラジル人による海外旅行の支出160億ドルを145億ドルに下方している。

また今年の輸出総額を前回予想の2,100億ドルから2,000億ドルに下方修正、輸入総額も2,070億ドルから1,970億ドルに下方修正して貿易収支黒字を30億ドル見込んでいる。(2015年6月23日付けヴァロール紙)