アフリカ諸国のインフラ整備向けにクレジット拡大

社会経済開発銀行(BNDES)は、アフリカ諸国でのインフラ整備向けの資本財やサービス輸出に対するクレジット枠の拡大を予定しているが、クレジットの保証として石油並びに石炭供給などで相手国政府と交渉している。

ブラジルは、アフリカ諸国の電力エネルギー開発並びに上下水道の整備、輸送や衛生部門向けのインフラ整備の投資に対するクレジット枠の拡大を積極的に進めており、先週の金曜日にBNDES銀行はアンゴラ政府と20億ドルのクレジット供与でサイン、2013年から4年間に亘って資金を提供するが、アンゴラ政府は1日当たり2万バレルの石油供給を約束している。

今回の20億ドルのアンゴラ政府へのクレジット供与は2006年から開始されてから5回目のクレジットとなり、今までに52億ドルのクレジットが承認されており、今後はアンゴラの民間企業向けに、クレジットの供与が拡大すると予想されている。

2011年のBNDES銀行のアフリカ諸国向けクレジット総額は27億ドル、そのうちアンゴラには全体の17.3%に相当する4億6,600万ドルが供与、今年は6億ドルに達すると予想されている。

BNDES銀行は、ヴァーレ社のモザンビーク国内のモアチーゼの石炭鉱山開発向けにクレジット枠を予定、またゼネコン大手のオデブレヒト社が建設を予定しているナカラ空港向けに、1億2,000万ドルから1億5,000万ドルのクレジット枠をモザンビーク政府向けに供与する。

またBNDES銀行はアンドラーデ・グッチエレス社がモザンビークで水力発電所建設を手掛けるプロジェクトに対して5億ドル、カマルゴ・コレア社の同国北部での水力発電所建設のクレジット保証には石炭の供給を要求している。

BNDES銀行は、ガーナ国内のインフラ整備プロジェクトに対して10億ドルのクレジット供与を行う保証として、石油の供給を要求している。(2012年5月2日付けヴァロール紙)

 

連邦政府はPLR分配金の所得税を減税か

連邦政府は、従業員利益分配金(PLR)の所得税の減税を検討しており、明日、ジウマ・ロウセフ大統領は、労働組合の代表者と会合を持って減税について話し合う。

組合側ではPLR分配金の所得税の免税を主張しているにも関わらず、連邦政府は、6,000レアルまでのPLR分配金については免税に応じると見込まれているが、6,000レアル以上のPLR分配金については減税を実施すると予想されている。
連邦政府は、PLR分配金の減税による国庫庁の歳入の減少は50億レアルと予想、しかし組合側では18億レアルと予想して、双方で歳入の減少の予想で大きな開きがある。

メーデーの前日に、ジウマ・ロウセフ大統領は、ブラジルの民間銀行の金利は依然として容認し難いほど高く、経済が最大限の潜在能力を発揮できるよう、海外の低金利水準に合わせるべきだとの考えを示し、4月18日に過去最低水準近くの9%に引き下げられた政策金利を反映して、貸出金利を下げるように民間銀行に求めている。

統一労働本部(CUT) 並びに組合の力(Força Sindical)は、ジウマ大統領がブラジルの民間銀行の世界最高の高金利を非難したことについて、拍手喝采を送っており、Força Sindicalの理事長であるパウロ・ペレイラ・ダ・シルバ下院議員は、「ブラジルの民間銀行の高金利をこのように非難したのはジウマ大統領が初めてである」と称賛している。 (2012年5月2日付けエスタード紙)

 

 

CIR 056/12: 講演会「ブラジル金融市場講座」開催のご案内

CIR – 056/12

2011年5月2日

会員各位

ブラジル日本商工会議所

金融部会 部会長 遠藤 秀憲

 

講演会「ブラジル金融市場講座」開催のご案内

 

拝啓 時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。

さて、金融部会では、今年度、ブラジルの金融市場についての理解をより深めて頂くべく、経済情勢や金利・為替動向に関する講演を、2回シリーズで開催することにしております。

 

今回は、第1回として、「☆これで分かる!☆ブラジル金融市場講座1~金利・為替相場の決定要因~」と題して、世界でも有数に洗練されたブラジル金融市場の特徴に加え、現在の金利、為替相場に影響を与えている様々な要因、今後の見通しにつき、講演会を開催いたしますので、ご案内申し上げます。

 

なお、講演終了後、講演者への直接の質疑応答、情報交換のために、簡単に飲み物も用意させていただき、短い時間ではありますが、懇親の場も設けさせていただきますので、皆様奮ってご参加いただきますようお願い申し上げます。

敬具

 

-記-

 

1.         日時 2012年5月25日() 午後4時から5時半まで

(終了後、簡単な情報交換の場を予定しております。)

2.         場所 ブラジル日本商工会議所大会議室(Av.Paulista,475, 13andar.  São Paulo-SP

3.         講師 川原 一浩氏(Banco de Tokyo-Mitsubishi UFJ Brasil Diretor Tesouraria

4.         テーマ ☆これで分かる!☆ブラジル金融市場講座1

金利・為替相場の決定要因

5.         言語 日本語のみ

6.         費用 30レアル(お1人様)

7.         定員 45名(お申し込み順)

 

なお、7月24日(火)に第2回「(仮題)☆これで分かる!☆ブラジル金融市場講座2~レアル相場の基礎知識~」を開催する予定です。

 

 

申込み:出欠を事務局チサト宛(電話: 31786233 または E-mail: secretaria@camaradojapao.org.br で5月18日(金)までにお願いいたします。

 

お支払い:参加費を添えて、5月18日(金)までに事務局宛お申込下さいAv.Paulista,475,13andar. São Paulo

 

銀行振り込みの場合、E-mail: secretaria@camaradojapao.org.br 又はファックス: (11) 3284-9424にて振り込み証明書をお送り願います。

口座番号  Banco do Brasil Agência: 1196-7 C.c: 14650-1
                CNPJ : 61.009.031/0001-06 C
âmara de Comércio e Indústria Japonesa do Brasil

以上

 

古川国家戦略担当大臣と会議所役員が意見交換

6月開催のリオ+20が迫っている中、野田政権下で初の閣僚が来伯した。古川元久国家戦略担当相は1996年、30歳の若さで衆議院議員選挙において初当選、同年民主党結成に参加、2009年に五選されている。同年9月に内閣官房国家戦略室長を歴任、10年、内閣官房副長官を経て11年9月から現職に至る。
官邸機能を強化、総理直属の国家戦略室を設置、官民の優秀な人材を結集し、新時代の国家ビジョンを作成、政治主導で予算の骨格を策定するとする与党民主党の最も重要な国家戦略担当大臣だ。
29日、イブラプエラ公園内の開拓戦没者慰霊碑、日伯文化・福祉協会内の移民資料館やサンパウロ市内から約70Kmに所在する世界第3位の航空機メーカーのエンブラエル社を訪問後、一連の日系社会団体との懇談の後に当会議所の常任理事と意見交換を行った。
同大臣は冒頭挨拶で21世紀は新興国の時代、BRICs諸国の中でも日本にとって最も重要な国で日本移民104年の歴史がどれだけブラジル経済に影響を与えているか計り知れず、先人の苦労により築かれた遺産に敬意を表明する一方ブラジルをはずして日本の国家戦略は考えられないと述べた。
他国とブラジル間の直行便、中国や韓国勢の進出状況、最も遠くて近い国の真の戦略的パーとーナー関係、失われた80年代(ブラジル)と日本のバブル後遺症、金融業界の過去と現状および将来、金利政策、中小企業進出支援、欧米諸国のブラジルに対する目線、アジア諸国と自己完結型のブラジルとの違い、東日本大震災と原発問題、TPP、日本のビジネスモデル、ブラジルの産業政策、構造改革、長期視点の日伯協力関係、マインドセット、企業のコンプライアンス、リスクマネージメント、グローバル競争下のオール日本としての官民一体のあり方と戦略的な予算配分等々を幅広く意見交換を行った。
4月24日サンパウロ工業連盟(FIESP)が発刊・監修した南米諸国連合(Unasul)が2022年を目標に社会・経済開発・政治統合に向けた「南米インフラ統合8軸計画」の冊子(350頁)をパッケージ型インフラ海外展開の一助に贈呈した。
南米インフラ・計画審議会(COSIPLAN)が策定したプロジェクトの総額は1160億ドルの規模。昨年11月ブラジリアで開催された同審議会の第2回閣僚会議において2012年から22年までの最優先・基本プロジェクト31件(個別88件)が決まり、FIESPによる試算投資額は約210億ドルに及ぶ。このプロジェクトが完遂すればパナマ運河経由に匹敵する太平洋へのアクセスが可能となる。(詳細:https://www.fiesp.com.br/indices-pesquisas-e-publicacoes/8-eixos-de-integracao-da-infraestrutura-da-america-do-sul/

商工会議所参加者:近藤正樹会頭、伊藤友久副会頭、藤井晋介副会頭、村田俊典専任理事、伊吹洋二専任理事、廣瀬孝専任理事、平田藤義事務局長

(論評)教育なしに救済は有り得ない

1929年の世界恐慌はアメリカ合衆国に壊滅的な影響を及ぼした。一晩で富が埃となり、工業生産は50%減少、貿易通商は実に70%も縮小した。5000以上もの銀行が倒産。無情な干ばつは農業を完全壊滅。失業率は跳ね上がり25%にも及んだ。

路頭に迷った何百万人に及ぶ失業者を救済するべく、アメリカ政府は予算削減を行い、失業者のために公立図書館の設置増加を決めた。かくして行われた。 公立図書館の蔵書を増やし、スペースと開館時間も拡大した。小都市や農村地の読者へ対応するため、移動図書館がこの時期に生まれた。

この インセンティブはどのような結果をもたらしたか。非常に重要である。約10年間の間に何百万人といた失業者が識字者となった。結果は予想出来る:一連の惨 劇の中で、アメリカ合衆国は最も重要な資産、つまり人的資本を充実化したのである。その人的資本により再成長へと立ち向かった。

このアメ リカ合衆国の歴史には見本となる事柄が多くある。マーシャルプランはヨーロッパで成功を納めた、なぜなら戦争中でも教育を怠らなかったからだ。多くの学校 は爆撃の日でも授業が行われていた。広島と長崎への原爆投下(1945年8月)後、日本は国民の教養をもって立ち上がった。韓国は1950年代の闘争の焼 け跡から復活し、また1998年の危機後も再び再生した。両者に共通するのは国民教育の基礎である。

2012年3月10付雑誌『THE ECONOMIST』の記事を注意深く読んでみた。アメリカ合衆国の興味深い出来事について書かれているのだ。この国を揺るがす不況の中で、2012年現 在、16歳~24歳の国民の60%が(歴史的な数字である!)が国内の大学に進学している。もっと素晴らしいのは2005年から2011年の間で奨学金が 550万ドルから960万ドルへと増えていることだ。入学金へかけるクレジットも明白な形で増加している。同国では、18歳から19歳の若者の50%が大 学へ進学し、また35歳以上の国民の16%が定時制大学で学んでいる。

ご覧の通り、雇用が不足しているこの時、若者は勉学に励むことを選択している。歴史は繰り返すとは証明済みだ。アメリカ合衆国はおそらく現在の不況を人的資本で脱するだろう。一方ヨーロッパ諸国で財政危機に苦しむ各国(ポルトガル、ス ペイン、イタリア、フランス、ギリシャ)が教育部門の予算を軒並みカットするなか、アメリカと同じ不況脱出が出来るかどうかはたして疑問である。

一 方のブラジルの場合、我々は経済の好調な風向きを無駄にしていると言えるだろう。なぜなら、Pro-Uniの一連のインセンティブにも関わらず、大学へ通 学する若年層は15%以下であるからだ。退学率は22%に及び、大半の学生が在籍する私立校では実に26%である。またその私立校でのクラスの空席率は52% にも及ぶ。

このようなしくみは、数値上のみならず、また質においても変わる必要性がある。試験の成績を判断するにあたり、大半の大学 は、学校と生徒による共謀、つまり「教えた」とごまかす学校と「勉強した」とごまかす生徒との共謀により教育レベル・質が成り立っていることを考えねばな らない。とんだ茶番である。

市民権と民主主義という意味で目に見える影響以外にも、教育の改善は、労働における生産性の向上、企業また経 済競争力の強化などすべてにおいて重要である。一方の被雇用者にとっても収入の拡大、キャリアアップに欠かせないものである。競争の世界では教育なしに救 済は有り得ない。(エスタード紙2012年4月24日付け論評記事 ジョゼ・パストーレ氏)

(論評)銀行たちのカルテル

つまるところ、本当にカルテルが破られたということだろうか? もし銀行間で宣戦が布告され、顧客を争奪するために利下げが行われるのなら、もしそれが本当のことで永続的であるなら、いよいよ、資本主義の改善すべき点が再構築されるだろう。それはつまり、大衆と預金者に利益をもたらし、ダイナミックな経済へと向かう軌道に乗るための推進力となる「善」であり「古(いにしえ)」の存在、「競争」だ。仮に将来、これらのことが確認され、いずれもが「夏の夜の夢」に帰することなく、また時間の経過とともに消滅するようなマーケティング活動などでないのなら、銀行融資はようやく、消費者への融資や企業の運転資金への融資、経済発展への融資といった本来の役割を果たすことになり、その次のステップとして、インフラと生産への長期融資に波及していかないと誰が言えるだろうか。

ブラジルの銀行業界はいつの時代も、カルテルを結んできた。その金利は、もし事前に申し合わせてなどいないとしても、その差は微々たるもので、五十歩百歩の、ほぼ同じ内容だった。レアル計画の導入後、外資に市場が開放された際、市場競争が再度確立されるという希望が生まれてきた。ところが外資系の銀行各社は、進出するやいなや、すぐに国内銀行と公営銀行の「習癖」に順応した。そしてブラジルは、エコノミスト誌が最新版で「極めて大きい」と評したスプレッド(銀行が資金を調達する際の金利と融資を行う際の金利の差)により、世界で最も金利の高い国になった。

このイギリスの経済誌は、ブラジルのスプレッドに関して極めて大きな懸念を示した。2011年は平均すると、ヨーロッパ諸国では5%未満であり、ラテンアメリカでも5%だというのに、ブラジル国内では30%に達したのだ。ざっと計算したにしても、それは中央銀行の設定する基本金利の水準にもよるのだが、企業向けの融資の場合はブラジル国内で年利40%から50%の金利が設定される一方、周辺国の金利は8%から15%なのだ。ブラジル国内において、各種租税はスプレッドの22%、銀行の利益は34.15%だ。言い換えるなら、融資オペレーションで年利40%が設定されている場合、もし非課税となり銀行各社が利益を半分に抑えるとするなら、その金利は28%に低下することを意味する。ところが金利は依然として高いままだ。というのも、銀行各社と中央銀行がスプレッドに対して3つの別のコストを組み入れていることによる。そのコストとは、管理コストと、債務不履行のコスト、強制預託金のコスト(銀行が中央銀行に対して義務付けられている預金)である。

市場競争が維持され、しかも成功を収めるとしても、エコノミスト誌は、ブラジルがインフレを伴わずに低金利を維持するのは困難とみなしている。争点はこうだ。スプレッドというのはあくまでも結果に過ぎず、問題の本当の本質は、ブラジルの貯蓄率の低さにあるということ。ブラジルは90年代以降、貯蓄率が継続的に16.5%で推移している一方、例えばメキシコでは22.6%である。そして、もしインフレが再び高進するのなら、中央銀行はブラジル経済基本金利(Selic)の利率を引き上げるし、スプレッドの引き下げ努力は無に帰す。

同誌は、更に主張を続ける。ハイパーインフレに見舞われた年代からこのかた、現金をとどめ置かずに迅速に利益を生み出すという風潮は、ブラジル人と銀行、政府の日常に深く刻まれている。その証拠が、償還期限が極めて短く政府が繰り延べを懸念すらしていないという、内債の現状だ。加えて、国内の低い貯蓄率。長期的に見て貯蓄を積み上げるという習慣が徐々に根付くように誘導していくための、しっかりと考え抜かれた枠組みが欠落している。

こうした事情があるものの、スプレッドの引き下げ努力は、歓迎だ。そして、一寸先が霧の中で発表された金利を実際に銀行が適用するのか疑わしいこの時期に、成功に向けて背中をひと押しする何らかの施策が必要になる。中央銀行が、可能な限り短いサイクルで、迅速に、自身のサイトで銀行各社が融資事業に採用している金利に関するランキングを公表し、その発表内容を拡充していくことが、1つのより良い指標になるだろう。冷蔵庫を購入するのにより低価格な店を探して選ぶように、個人向け融資にしろ自動車の購入にしろ、あるいはクレジットカードや源泉徴収型クレジットであれ、目的に応じてより低い金利を設定している銀行を、預金者が選ぶようになる。

もう1つの指標は預金者が、金利と苦情、称賛に関する情報を通知することができ、同じく中央銀行によって公表されるようなチャネルの創出だろう。現段階で大衆に声を届けることは、銀行の公約を証明し、ブラジル国内の金利低下を決定づけるために極めて重要なことである。(4月22日付エスタード紙)

スエリー・カルダス ジャーナリスト。リオデジャネイロ・カトリック大学教授。

(論評)標的を捉えた!

アミール・カイル

政府は、銀行各社が徴収する高金利を優先的攻撃目標として、そこへまさにシュートを的中させた。それと同時に、政府系金融機関が再び金利を引き下げ、それを手本のようにマスコミを通じて広く通知するという戦略でも、ゴールを決めた格好だ。

私は、公銀が経済をリードすることで金利の指針に重要な1歩を踏み出す結果につながったと評価する。

景気に対する最大の抑止因子を見つけ出し、銀行業界が持つ巨大な力に立ち向かったジルマ・ロウセフ大統領には、賛辞を送りたい。金利の低下は、成長に向かう決定的な余地を生み出すことになる。

しかしながら金融市場の分析は、2008年の国際金融危機当時に採用された戦略の繰り返しという議論に終始しており、利下げを実施したことによってブラジル銀行と連邦貯蓄銀行が利益を縮小して債務不履行が拡大する、という内容にとどまった。だが現実には、この分析と逆のことが起きた。この戦略は、高いマージン(スプレッド)とわずかな信用という状況を、低いマージンと信用市場の拡大へ切り替えることに成功した。しかも、大きな収益に加えて、新たな顧客に対してさらに別の商品を提供する可能性をも生み出した。

この戦略もまたゴールを決める可能性があるが、重要なことは銀行の利益の大小ではない。問題は、競争力の拡大とこの国を成長に向かわせるという、国家システムの枠組みなのだ。

この見解こそ、顧客拡大のための利下げ発表キャンペーンの本質だ。顧客の損失を恐れた民間銀行は、ブラジル銀行と連邦貯蓄金庫の決定後、金利を引き下げると発表した。

後は、民間銀行によるこの金利の引き下げが実際問題としてどうなるのかを見守るだけだ。もしそれが価値のないものであれば、政府の放ったシュートをもろに浴びるはずだ。しかしながら、金利の引き下げという目標を達成するために政府は、別の対策を組み合わせることが必要になる。というのもこれらの銀行は、過剰なスプレッド金利には何ら手を付けることなく22件の対策をPRするという出足の稚拙さで、ゲームの鍵を握っているのが政府だと示したからだ。実際のところ、攻撃を仕掛けてゴールを決めた政府が、終始ボールを支配していた。負担する金融コストを引き下げようという顧客の精力的な努力を見下すべきではない。

政府の考えとして、民間銀行がいかなる形で利下げするより、むしろ、文明的な金利水準へと向かわせることが問題の解決につながると判断していることは明らかだ。

このための強力な武器を政府はいくつか手にしており、そして大統領はすでに、個人的にこのプロセスを見守っていくことを明言した。

複数の武器。そのいくつかの武器の重要なものの1つが、Selicの利下げだ。国債への投資という金鉱山は、Selicが利下げされるごとに活気を失っていく。公債の収益性はいずれもSelicと連動しており、利下げと連動して低下する。結果として信用の提供を拡大する方向へと銀行を駆り立てる。そうすると、競争原理によりカルテルの試みを阻止する動きが強まり、高い金利を設定することが難しくなる。

後は、今年の年末まで、政府がSelicを更に利下げするのか、それとも、選挙イヤーの今年、銀行預金に関する問題を回避するために9%で維持するのかを見守るだけだ。

私は、政府が対策を更に進めると確信する。というのも、債券から預金へとアプリケーションが地すべりしていくリスクを避けながら利下げ可能な余地が、依然として残されているからだ。銀行が課す高い手数料は低下傾向にあり、この類の努力は、Selicの利下げを可能にする。

もう1つの可能性は、公債によって得た利益に対する課税率の縮小、あるいは…私はそのほうが好ましいと考えるのだが、通貨の発行を伴うロールオーバーの実施だ。

最終的に、Selicの利下げというアドバンテージを、連邦政府が流動負債のロールオーバーを実施して外貨準備高の負担縮小ために活用するという選択肢が存在する。

その資金を社会プログラムの積極的な拡張とインフラへの投資拡大、同様に、社会に対する税負担の低減に活用することができるため、支出の中で最も強力な経済的手段だ。そのリソースは実に大きい。2011年の場合、連邦政府は1,810億レアルを金利のために支払い、外貨準備高への負担のために1,000億レアル以上を支出している。2012年には、負債も外貨準備高も増大するため、この金額は更に拡大する。リソースにより経済が活性化するため、枯渇もしない。重要なことは、金利によってこれらを浪費しない事だ。

もう1つの強力な武器は、銀行が設定する金利に基づいて中央銀行による強制預託金の規定を定めることである。強制預託金の積み立ては現在、現金預金とその期間によって比率が決められている。

新しい規定では、そのパーセンテージは、銀行が低利子で商品を提供すればするほど低くなるだろう。ブラジル銀行と連邦貯蓄金庫は民間銀行よりも低利で事業を展開していることから、信用を拡大するために財源も大きくする必要がある。これは市場でシェアを拡大させる戦略に沿ったものになる。

そこで提案したい。これから政府は、大きな経済効果のある2つの対策を実施すべきだ。

最初の対策は、銀行業界の金利の引き下げ。この金利というのは、個人と法人の金を銀行が吸い上げる強力な吸引機構の1つだ。銀行サービスにはコストがかかり、報酬も支払われるべきであるが、この国ではそれが過大に行われている。顧客の苦情件数が記録的な状況にあることから分かるように、そのサービスは不明朗で、これらの手数料の大部分は銀行の業務コストを完全に上回る。2008年4月にサービスの標準化が行われたが、手数料の値下がりには何ら進展が見られなかった。

手数料の値下げを実施し、消費と貯蓄の拡大につながる個人と法人の手に置かれる資金を拡大する時が到来している。

2番目の提案は、公共の財政と為替に強い影響をもたらすものだ。資金の流動性を拡大すること、言い換えれば、通貨の発行を拡大するということ。説明しよう。連邦政府会計の赤字のカバーと、中央銀行が外貨準備高を拡充(レポ取引)、そしてBNDESへの資金拠出を目的にドルを調達するために国庫財務局は公債を発行するが、それに比べて、中央銀行が補足的に通貨を発行するのはごくわずかである。2011年の国債の純発行額は1,790億レアル!に達し、連邦政府の国内流動負債は1兆6,040億レアルから1兆7,830億レアルへ、1年間で増大した。利払いが発生する債券によって負債を拡大させる代わりに通貨を発行することを提案したい。これに対して、インフレが発生するという批判がある。

私は、それを信じない。というのも、インフレ因子は国外にあって、その国際価格は停滞あるいは値下がりしていることから、企業各社による価格上昇の誘発を抑制することになる。

このチャンスはまさに今だ。金利に伴う支出削減の見通しに加えて、企業各社の競争力に大きな影響を与える為替に対して決定的な効果のある、この時なのだ。先進諸国はいずれも、金利をほぼゼロ金利にした上で、輸出を拡大させるためにこの戦略を採用している。先進国経済によって生み出された過剰な流動性は、通貨を発行してマネタリーベースを拡大するという、まさに同じ戦略をもってしてのみ、これを撃退することができる。流動性に流動性をもって制する。ブラジルには持続的な形でより大きく成長する余力があるため、この新しい標的に照準を合わせるにしくはない。(2012年4月22日付エスタード紙)
 

(論評)見かけとは違う

セルソ・ミンギ

生産セクターの競争力喪失の原因である投資誘致拡大とレアル高は、ブラジルの高金利が要因ではないと連邦政府は信じ始めた。

例えば、ジルマ大統領が執拗に述べるのは、主たる要因は、大国の中央銀行が巨額の通貨を発行する際に引き起こした「マネーの津波」であり、豊富な流動資産がブラジルにやって来てしまっている状態だということだ。ギド・マンテガ財務相は、この現象を別の言葉で、「為替戦争」と言っている。

次に、財務省のネルソン・バルボーザ長官がとうとう認めたことだが、ブラジルで支払われる高金利で利益を得る目的の裁定取引操作が随分非難されているが、それはこのプロセス上の補助的要素だけだとのことだ。金曜日のヴァロール・エコノミコ紙でクラウジア・サファトルの記事が指摘したとおりだ。

大国の中央銀行の通貨発行(世界危機の影響を食い止めるためには不可欠である)を妨げることはブラジル政府の手の届くことではない。ジルマ大統領とマンテガ財務相の抗弁は、子供が暴れて言うことを聞かないのと同じだ。

だからと言って、対外勘定の膨らむ赤字を埋めるのに海外貯蓄を惹きつける必要がある時に、資金流入を阻止しようとすると、自分の足に向けて銃を撃つことになる。そして、外貨買いにおける中央銀行の仕事ぶりが意図する目標に到達していると言うには、単純な疑念以上の疑念がある。逆に、反対の効果を出そう出そうとしていると信じるだけの理由がある。

中央銀行は、過度の変動性を避けるためにのみ外貨を買う(「余分」だけを買う)という先の約束を反故にした。国内の為替でドルのレートのラリーを引き起こすために仕事をするようになっている。4月の16営業日だけ(先の金曜日まで)で、米ドルは2.5%上がった。同時に、外貨準備高は12月末の3,520億米ドルから19日の3,710億米ドルへと跳ね上がり、5,4%伸びている。

矛盾しているようだが、中央銀行がレアル安誘発のためにドル買いに積極的になると(もはやレートの変動性を妨げるためではない)、経済の盤石さが強調される分、余計に資金を呼び込むようになる。拭い取るための霜を増やしてから霜を払いのけるというオペレーションになるのである。ある面で、このこともネルソン・バルボーザ長官は認識するようになった。

結局、産業の競争力を取り戻す目的でこの12か月間に政府が採った措置は、大いなる限界と、まさしくオウン・ゴール(自殺点)にぶち当たり、外貨準備高横溢の産物となっている。公認された恩恵に大いに浴している製造業の経営者たちが不満を口にするのは、実際の到達点の低さ、一過性である点、一部の選ばれたものにしか及ばない点についてである。

完全な空洞化の過程にあるブラジル産業を強固にできるかどうかは、二つの要素の強化にかかっている。すなわち、製造コストを下げることを目的とした改革、インフラへの投資を増やすという改革の二つだ。両方とも国内貯蓄を強力に増やせるかどうかがカギだ。

実際、生産セクターの強化のためには、今日消費に特権を与え投資に特権を与えていない経済政策モデルに重大な転回が必要とされる。 (2012年4月21日付けエスタード紙論評)

(論評)スプレッド下げは持続可能な政策を要す(エスタード紙2012年4月21日付け論評記事)

グスタボ・ロヨラ

クレジットを拡大しようという一種の(十字軍的)政府キャンペーンは五里霧中の状態にある。何としてもスプレッドを下げ、景気刺激のために銀行システムがクレジット供給を増やすよう誘導しようとしている。目的そのものは誤りではないし、追求しなければならないものだが、こちらに見える所では、選択した道は惨憺たる反生産的なものになる可能性がある。

まず、クレジット供給増大は常に下支えされた方法で、システムのリスクを増大させることなく起こるべきだと、考えることが必要だ。近年の米国サブプライム危機とユーロ圏財政問題は、銀行によるクレジット供与において過度にギアを入れることと慎重さに欠けることがリスクであるということの、極めて明らかな証拠である。政府の政策によって銀行(公営であれ民間であれ)が不自然に低い金利での貸し出しを強要されると、クレジット市場でバブルが形成されかねず、金融システムの安定性にもたらす影響は予測できない。

したがって、政府キャンペーンが意味を持つのは、技術的に確固たるアジェンダに基づき、ブラジルにおける金融監視について最終的に責任を持つ者として、中央銀行が動くという後ろ盾がある場合のみである。ブラジルにおいて金融マージンが高い理由は、特にここ数年間にわたって中銀自身が行った諸研究によって、わかり過ぎるほどわかっている。これらの研究によれば、スプレッドを下げ金融仲介の効力を高める意図で、政策のアジェンダを設定することも可能だ。
しかし、クレジット操作において金利を下げよという、公営銀行に対する政府の最近の決定によって明らかになったのは、金融市場において「価格戦争」を引き起こすことを通じて、スプレッドを下げるという目標にできるだけ速く到達できる脇道のほうが好ましいと考えているということだ。この戦略は、短期的には顧客や経済活動にとってひょっとしたら有利かもしれないが、金融システムの安定性という観点からは、もたらすリスクが明らかだ。公営銀行の場合、無視できない財政リスクももたらす。

より良い代替案は、スプレッド作りに関して中銀が信頼してもらえる仕事を行うところから始め、問題の根幹にある原因と戦うため、諸作戦のアジェンダを作り直すことだ。既知のように、2010年に発表されて現在サイト内で見ることができる中銀の研究によれば、スプレッドのおよそ29%が与信を受けた者の債務不履行、22%が税金、12.5%が管理費用、約4%が強制預託・補助金・FGC(クレジット保障基金)歳入の効果を合わせたもの、となっている。残り、すなわちスプレッドの32.5%は、「純利益マージン、誤差、漏れ」に帰せられる。

この分析が示唆するのは、スプレッドを下げようとすると、直面すべき多様な要素が存在するということだ。肉眼で純粋に見るだけで確認できるが、スプレッドのかなりの部分が、直接的にも間接的にも、税制であれ規制であれその他の性質のものであれ、公共政策と結び付いているということだ。したがって、少なくともこれらの政策の見直しを行わないと、スプレッド問題の前進は難しいように思える。ただし、各々の政策の真の目的を見失わないようにするのは当然のことだ。同様に、ブラジルでクレジットを安くするのは、現在スプレッドの3分の1を食っている債務不履行を減らしてからだ。債務不履行の確実な減少には、政府内でイニシアティブを執ることが必要で、この目的のために民間セクターの重要な貢献があるかもしれないとはいえ、政府のイニシアティブがない限り政務不履行の減少は想像のしようがない。

一方、銀行システムの効果を増大させることは、スプレッドを下げるためには、同等の重要性がある。要は、2010年の研究で中銀が強調している通りだ。その示唆するところは、少なくとも「ボールの一部」は銀行側(公営民営双方)にあるということで、銀行は金融仲介機能においてますます力を発揮しなければならないのである。

要するに、金融の安定性を脅かすことなく達すべき目的としてのスプレッド下げのためには、持続可能な政策の施行を視野に入れて、銀行と政府の間で果てしなく対話することが必要なのである。(エスタード紙2012年4月21日付けグスタボ・ロヨラ氏論評記事)