3月の失業率は6.2%

ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、3月の失業率は前月比0.5%増加して6.2%に上昇したにも関わらず、IBGEが統計を取り始めた2002年以来では最低の失業率を記録している。

今年の第1四半期の平均失業率は、5.8%と前年同期の6.3%から大幅に減少、3月の実質平均賃金は、前月比1.6%増加の1,728.40レアルを記録している。

3月の部門別の雇用では鉱工業部門は前月比で3.0%増加、前年同月比では1.9%増加、建設業部門は1.6%、4.7%それぞれ増加、商業部門はそれぞれマイナス0.8%、2.0%増加している。

またアウトソーシング部門の雇用はマイナス1.4%、1.6%とそれぞれ増加、教育・保健・公務員部門は1.0%、3.6%とそれぞれ増加、家事代行サービス部門はマイナス1.3%、マイナス5.9%となっている。(2012年4月27日付けエスタード紙)


 

(論評)教育なしに救済は有り得ない(エスタード紙2012年4月24日付け論評記事 ジョゼ・パストーレ氏)

1929年の世界恐慌はアメリカ合衆国に壊滅的な影響を及ぼした。一晩で富が埃となり、工業生産は50%減少、貿易通商は実に70%も縮小した。5000以上もの銀行が倒産。無情な干ばつは農業を完全壊滅。失業率は跳ね上がり25%にも及んだ。

何もやることがない何百万人に及ぶ失業者を救済するべく、アメリカ政府は予算削減を行い、失業者のために公立図書館の設置増加を決めた。かくして行われた。公立図書館の蔵書を増やし、スペースと開館時間も拡大した。小都市や農村地の読者へ対応するため、移動図書館がこの時期に生まれた。

このインセンティブはどのような結果をもたらしたか。非常に重要である。約10年間の間に何百万人といた失業者が識字者となった。結果は予想出来る:一連の惨劇の中で、アメリカ合衆国は最も重要な資産、つまり人的資本を充実化したのである。その人的資本により再成長へと立ち向かった。

このアメリカ合衆国の歴史には見本となる事柄が多くある。マーシャルプランはヨーロッパで成功を納めた、なぜなら戦争中でも教育を怠らなかったからだ。多くの学校は爆撃の日でも授業が行われていた。広島と長崎への原爆投下(1945年8月)後、日本は国民の教養をもって立ち上がった。韓国は1950年代の闘争の焼け跡から復活し、また1998年の危機後も再び再生した。両者に共通するのは国民教育の基礎である。

2012年3月10付雑誌『THE ECONOMIST』の記事を注意深く読んでみた。アメリカ合衆国の興味深い出来事について書かれているのだ。この国を揺るがす不況の中で、2012年現在、16歳~24歳の国民の60%が(歴史的な数字である!)が国内の大学に進学している。もっと素晴らしいのは2005年から2011年の間で奨学金が550万ドルから960万ドルへと増えていることだ。入学金へかけるクレジットも明白な形で増加している。同国では、18歳から19歳の若者の50%が大学へ進学し、また35歳以上の国民の16%が定時制大学で学んでいる。

ご覧の通り、雇用が不足しているこの時、若者は勉学に励むことを選んでいる。歴史は繰り返すとは証明済みだ。アメリカ合衆国は現在の不況を人的資本で脱するだろう。ヨーロッパ諸国で財政危機に苦しむ各国(ポルトガル、スペイン、イタリア、フランス、ギリシャ)が教育部門の予算を軒並みカットするなか、アメリカと同じ不況脱出が出来るかどうか疑問である。

一方のブラジルの場合、我々は経済の好調な風向きを無駄にしていると言えるだろう。なぜなら、Pro-Uniの一連のインセンティブにも関わらず、大学へ通学する若年層は15%以下であるからだ。退学率は22%に及び、大半の学生が在籍する私立校では26%である。またその私立校でのクラスの空席率は52%にも及ぶ。

このようなしくみは数値においてのみでなく、また質においても変わる必要性がある。試験の成績を判断するにあたり、大半の大学は、学校と生徒による共謀、つまり「教えた」とごまかす学校と「勉強した」とごまかす生徒との共謀により教育レベル・質が成り立っていることを考えねばならない。とんだ茶番である。

市民権と民主主義という意味で目に見える影響以外にも、教育の改善は、労働における生産性の向上、企業また経済競争力の強化などすべてにおいて重要である。一方の被雇用者にとっても収入の拡大、キャリアアップに欠かせないものである。競争の世界では教育なしに救済は有り得ない。(エスタード紙2012年4月24日付け論評記事)

4大銀行の時価総額が400億レアル減少

エコノマチカ社の調査によると、連邦政府による銀行の金利並びにスプレッド切下げの要請、Selic金利の切下げ、延滞率の増加などの要因で、4月だけで4大銀行の時価総額は400億レアル減少している。

最も時価総額が減少したのはイタウー銀行で3月30日から4月26日のサンパウロ証券取引所(Bovespa)の同社の株価は15.2%と大幅に下落している。

ブラジル銀行の同期の株価は10.4%、サンタンデール銀行は7.1%、ブラデスコ銀行は5.7%とそれぞれ大幅な下落を記録、投資家達は、これらの銀行のクレジットの延滞率が第2四半期も高止まりすると予想している。

ブラジルの大銀行の第1四半期の延滞率は、2008年のリーマンブラザーズ銀行の破綻をきっかけとした世界金融危機以来の延滞率を記録している。

クレジットスイス銀行のアナリストは、イタウー銀行の延滞率が低下傾向になるのは年末を予想、またブラジルの大銀行の金利並びにスプレッドの低下で収益性が大幅に悪化すると予想している。

スペインの第1四半期の国内総生産(GDP)は、前期比0.4%減少して2四半期連続のマイナス成長となって、スペイン経済はリセッション入りしたことになり、同国の赤字削減の目標達成が困難となった事やオランダの内閣総辞職による影響で世界の金融市場の不透明感が増加してきていることも、ブラジルの銀行の株価下落を後押ししている。(2012年4月27日付けエスタード紙)

 

(特別記事)政府が変動幅制で介入している(エスタード紙2012年4月22日)

元中銀総裁、目標1ドル1,90レアルあるいはそれ以上は、動きから明らか

フェルナンド・ダンタス(リオデジャネイロ)

「政府は為替の変動幅制を採用している」と言うのは、エコノミスト兼コンサルタントで元中央銀行総裁のアフォンソ・セルソ・パストーレ氏だ。「最低1ドル=1,80レアルの線を目指していると思っていたが、今週の様子を見て思うに、少し上のレベルの1,90レアル、ひょっとしたら、さらにもう少しのレアル安すら狙おうという野望があるようだ」。金曜日、パストーレ氏がエスタード紙に語った。

コンサルタントとして本件について月曜日にレポートを発表する予定だが、彼は政府の為替介入政策に対する批判者の一人ではない。為替が長期にわたってバランスを失った状態になる可能性を捨て去ってはいけないと考えている。「あの場にいたら私もやるだろう。3カ月にもわたってバランスの取れた状態よりも為替が高くて、何もしないのが正しいという状況とは異なるのだ」。

高い為替のためにバランスを変えて長持ちさせるということなら、経済の生産性構造を変えようと考える必要がある、とパストーレ氏は続ける。しかし、長期間、つまり数年間のアンバランス、しかも産業に損害を与えるアンバランスがあるのでは、という疑いがあるので、注意したほうがいいとのこと。

しかし、エコノミストとして、問題への最善の取り組み方に関しては反論を許さない。「投資の必要性は確かなのだから、保護主義か為替かどちらかを選ばなければならないなら、私は為替に介入するほうを選ぶ。為替は可逆的だからだ。だが、自動車の国産比率を高めよとか、何でもかんでも製品に課税するなどというお遊びをやったら、将来取り消すことのできない明らかな利害を作り出すことになり、それは経済にとってきわめて高いものにつく」。

彼にとってもう一つの問題は、為替介入政策を効果的に行うことが可能かどうかという問題だ。彼は可能と信じていて、それは、銀行がドル建てで行う外資の資金調達とドル売りポジションに対する税金と強制預託といった、2011年1月以来の一連の措置で、5年以内の資金流入を強力に妨げてきているからだ。

彼の説明によると、中銀が為替で積極的に活動すると、いわゆる「為替クーポン」が上がる傾向がある。為替クーポンはブラジル市場におけるドルの金利で、通常先物市場を巻き込んだ統合的オペレーションにおいて登場する。

中央銀行がブラジルに入って来るドルのフローよりも多く買いを入れると、為替クーポンは上がる傾向がある。これを技術的に説明しようとすると複雑だが、単純な考え方をすれば、中銀の介入によって米国の通貨がスポット市場で不足し、ドルの金利が上がるのである。

資本流入に制限のない市場では、外国人は、ゼロに近い金利で国際市場においてドルを融通し、ドル・レアル間の為替リスクを排除してくれるブラジルの為替クーポンに投資して、確実に利益の上がるオペレーションであると見ている。したがって、ドル高を起こそうとする中銀の介入は、為替クーポンへの資本フローを引き付けるので、新たに入って来る大量のドルによって無効化されるのである。「中央銀行は、リアクションを生むアクションを行いながら、霜を払いのけているのだ」とパストーレ氏は言う。

しかしながら、現在、資本をコントロールする措置によって、外貨フローが為替クーポンのオペレーションにおいて利益を出すことはできない。こうして、中央銀行のスポット市場におけるアクションは、そのパワーを保っているのである。

為替クーポンを求めるフローを締め出す以外の代替策があるとすれば、中銀がスポット市場と先物市場の両方で同時に動くことだろうと言う。技術的な理由により、そうすることでクーポンの上昇は阻止され、投機的フローを呼び込むこともなくなるだろう。しかし、パストーレ氏が言及するのは、中央銀行はおそらく、中銀に損失をもたらす可能性のある先物市場でのオペレーションの問題で、中銀役員たちに対して訴訟を起こされることを恐れているということだ。

J・サフラ投資銀行チーフエコノミストのカルロス・カヴァル氏は、パストーレ氏の分析に同意する。「レアルのレートは、豪ドルのレートと比較すれば極端に安いが、違いは、向こうは為替市場が自由なのに対し、こちらは資本コントロールがあるということだ」。

一方、JGPのチーフエコノミストで資金管理部門経営者のフェルナンド・ローシャ氏は、最近のレアル安の主な理由は、ブラジルが以前ほど良くないという認識による資本フローの減少だと考える。

パストーレ氏は、1ドル1,90レアル前後にとどまるなら、最近のレアル安で大きなインフレのリスクがあるとは見ていない。「為替1,90レアルを目指しているぞという目に見える合図をキャッチしても、それについて私は何の確証もないが、インフレのコントロールとは両立しない」。

3月の中央政府のプライマリー収支黒字は75億5,800万レアル

中銀並びに国庫庁、社会保障院(INSS)で構成される中央政府の3月の財政プライマリー収支黒字は、前年同月比79%の大幅増加の75億5,800万レアル、3月の黒字幅では過去3番目の記録となっている。

中央政府の過去12カ月間の財政プライマリー収支黒字は、GDP比2.4%に相当する1,016億レアルを記録、公共投資は、大衆住宅建設”私の家、私の暮らし”プロジェクトを中心に61億レアルを記録している。

中央政府の第1四半期の”私の家、私の暮らし”プロジェクト向け公共投資は、前年同期の11億レアルから5倍近い51億レアルに達している。

第1四半期の財政プライマリー収支の利払いは、GDP比3.31%に相当する335億5,400万レアル、前年同期の257億900万レアルを大幅に上回っている。

第1四半期の公共投資は前年同期比23.5%増加の157億レアル、州政府並びに市町村を含む今年のブラジル政府の財政プライマリー収支黒字目標はGDP比3.1%に相当する1,398億レアル、そのうち中央政府の黒字目標は969億レアルとなっている。(2012年4月26日付けヴァロール紙)

 

ヴァーレの第1四半期の純益は40.5%減少

資源大手のヴァーレ社の第1四半期の純益は、ミナス州の降雨に伴う鉄鉱石の生産並びに輸出の減少、生産コストの上昇などで、前年同期比40.5%減少の67億2,000万レアル、前四半期比でも19.6%減少している。

同社の第1四半期の売上げは、前年同期比11.0%減少の200億9,500万レアル、前四半期比でも24.5%減少、税引き前利益に支払い利息と減価償却費を加算したもので企業の利益水準を示す指標のEbitdaは、31.1%減少の87億9,400万レアルに留まった。

ヴァーレの大幅な純益の減少は、降雨による生産並びに輸出低下、鉄鉱石やパレットなどの鉱物コモディティ価格の低下、生産コストの上昇、設備のメンテナンスなどが足枷となっていた。

第1四半期の港湾の浚渫作業や降雨による追加メンテナンスなどの影響で、サービス部門のコストが前年同期比28.46%増加の19億4,500万レアル、前四半期比では3.56%増加している。

ヴァーレ社は、またカナダのサドバリーのニッケル鉱山の一時的な操業停止の影響による売上げ減少も純益の減少に繋がった一方で、レアル通貨の為替の変動による純益増加は、5億7900万レアルとなっていた。

第1四半期の鉄鉱石並びにパレットの売上げは、前年同期比10.76%減少の139億2,500万レアル、石炭の売上げは、前年同期の2億5,700万レアルから6億9,300万レアルと大幅に増加している。

第1四半期のニッケル並びに銅、ボーキサイト、アルミなどの非鉄金属の売上げは、国際コモディティ価格の低下に伴って、前年同期比31.61%減少の31億3,600万レアルであった。(2012年4月26日付けヴァロール紙)


 

連邦貯蓄金庫の住宅クレジット金利は最大で21%引下げ

連邦貯蓄金庫(Caixa)は4月の3回目の金利引下げとして、住宅向けクレジット金利の引下げを決定、5月4日から開始される第8回住宅フェアでの住宅購入向けクレジットから適用される。

今回の住宅向けクレジット金利切下げの適用は、住宅価格が50万レアルまでの物件に適用され、Caixa金庫に口座を持ってない住宅購入希望者には、10%の金利引き下げが適用され、Caixa金庫に給与振込口座を開設する住宅購入希望者には、21%の金利引下げが適用される。

住宅金融システム(SFH)を通した住宅クレジットの利用者で,同金庫に口座を持たない人に対して年利は現在の10%から8.9%、口座を持つ人には9.0%から8.4%、同金庫に給与振込口座を持っている人には、9.0%から7.9%とそれぞれ年利が引下げられる。

勤続期間保障基金(FGTS)を通した住宅購入向けクレジットは、最大で17万レアルまで適用、同金庫に口座を持たない人には年利は、8.47%から7.9%の引下げを行う。

今年の連邦貯蓄金庫の住宅向けクレジット枠は、昨年の800億レアルから1,000億レアルに拡大、同金庫の住宅向けクレジットの延滞率は、1.7%と他のクレジットの平均延滞率の5.0%を大幅に下回っている。(2012年4月26日付けエスタード紙)


 

早稲田大学の日本自動車部品産業研究所の指宿宇吾招聘研究員が訪問

早稲田大学の日本自動車部品産業研究所の指宿宇吾招聘研究員が2012年4月25日に商工会議所を訪問、会議所への入会を希望している指宿招聘研究員は、応対した平田藤義局長から入会申込書を受取った。

左から平田藤義局長/入会申込書を受取る日本自動車部品産業研究所の指宿宇吾招聘研究員(Foto: Rubens Ito / CCIJB)

3月の国庫庁の歳入は823億7,000万レアル

3月の国庫庁の歳入は、銀行の収益率が鉱工業部門の収益率を大幅に上回り法人税の増加が牽引して、インフレ分を差引いた実質歳入は、前年同月比10.26%増加の823億7,000万レアルに達している。

第1四半期の国庫庁の実質歳入総額は、前年同期比7.32%増加の2,568億5,000万レアル、今年の歳入総額は昨年を4.0%から5.0%上回ると予想されている。

第1四半期の法人税(IRPJ)や純益に対する社会納付金(CSLL)は、銀行の純益の大幅アップが牽引して前年同期比42.4%と大幅に増加、第1四半期は13.49%増加、特に銀行は60%増加している。

3月の社会保障院(INSS)への納付金は、低い失業率並びに実質賃金の上昇で前年同月比37.6%増加、第1四半期は9.28%増加の689億7,800万レアル、レアル安の為替で輸入製品が増加した影響で、輸入税(II)は15.18%増加している。

第1四半期の工業製品税(IPI)は、連邦政府がブラジル・マイオールプランなどで製造業部門へのIPI税の減税を拡大したために8.94%減少、特に自動車工業向けIPI税の減税政策の導入で、自動車部門のIPI税の歳入は15.57%減少している。(2,012年4月25日付けエスタード紙)

 

 

上院は港湾戦争終結のために決議案第72号を承認

州税のためその課税率が調整できる商品流通サービス税(ICMS)の税率を各州政府が引下げ競争を展開する「港湾戦争」と呼ばれる、輸入製品に関する誘致合戦を終結するために、ロメロ・ジュカー上院議員が起草した決議第72号は、上院で承認され税制改革の拡大に一歩を踏み出した。

州境をまたいで流通する製品に対するICMS税率の一律4.0%への引下げで、大きな損出を被るエスピリット・サント州並びにサンタ・カタリーナ州、ゴイアス州の州政府関係者は、州内の失業率の増加並びに鉱工業部門の投資が減少して、製造業はサンパウロ州に一層集中してしまうと指摘している。

決議案第72号の起草者ロメロ・ジュカー上院議員に代わって、この提案防衛の新たなリーダーであるエドゥアルド・ブラガ上院議員(PMDB:ブラジル民主運動党‐アマゾナス州)は、「決議第72号の上院での承認でブラジルの製造業は一息つけるが、この議決案の承認だけでは、ブラジルの製造業の競争力の改善には結びつかない。しかし金利の低下並びに電力エネルギーの値下げはコスト削減に結びつく」とコメントしている。

連邦政府がブラジル国内経済の一極集中を避けるために、サンタ・カタリーナ州の港湾整備に20億レアルを投資したにも関わらず、決議第72号の承認は再度、一極集中の方向へ進むため、同州選出のルイズ・エンリケ上院議員(PMDB-SC)は、連邦最高裁判所(STF)に承認無効の提訴を予定している。

ICMS税率の一律4.0%の引下げが除外される対象として、マナウスフリーゾーン向け輸入製品、コンピューター法並びに半導体テクノロジー開発支援プログラムで保護されている輸入製品などとなっている。(2012年4月25日付けエスタード紙)