ブラジルは保護貿易措置強化

先進諸国が金融緩和政策導入で自国通貨安を誘導しているために、レアル高の為替の影響で国内製造業が価格競争力を失って輸出で打撃を受けており、また低価格の輸入製品の急増の影響で、国内生産減少による雇用創出に支障をきたしているために、ジウマ・ロウセフ大統領は、保護貿易措置を更に強化している。

連邦政府は、輸入製品の急増を防ぐために、為替の介入、税関での取締り強化、入札時の国産品に対する優遇政策の導入、輸入関税の増加など40種類に及ぶ保護政策を採用している。

2008年の世界金融危機後には、輸入関税に関する13回の修正や金融取引税(IOF)の期間の見直しなどを実施、IOF取引税に関しては、欧米諸国による金融緩和政策導入で世界的に投機マネーがダブついているために、海外で低金利の資金を調達して高金利のブラジルの金融市場に投資するキャリートレードを防ぐために、ジウマ政権ではすでに6回の見直しを行っている。

ギド・マンテガ財務相は、国内の自動車メーカー雇用支援策として、部品の現地調達率が65%を下回る輸入自動車に対して、更に30%と大幅な工業製品税(IPI)増税を実施、また、メキシコからの自動車輸入が急増して、ブラジルの貿易収支赤字が拡大しているために、輸入制限をすることでメキシコ政府と合意している。

連邦政府は、レアル高の為替でブラジルの工業製品の価格競争力が削がれて輸出が大幅に減少、一方で輸入が急増しているために、14種類のアンチダンピング規制を導入、食料品や繊維製品に対するセーフガードを設けている。(2012年3月26日付けエスタード紙)

 

ペトロブラス石油公社はメキシコ湾で原油を1万3,300バレル生産

ペトロブラス石油公社は、米国領メキシコ湾で浮体式石油ガス生産貯蔵積出設備(FPSO)のBW Pioneerの操業開始で、1日当たりの原油生産を9,000バレルから1万3,300バレルに引上げた。

このFPSOは、メキシコ湾のCascade油田で操業開始され、年末には、ペトロブラスのメキシコ湾の原油生産が2万1,300バレルに達すると予想されている。

ペトロブラスはCascade油田の権益を100%所有、また近くのChinook油田の権益の33%はフランス資本のトータル社が所有しているが、残りの67%はペトロブラスが所有している。

ペトロブラスのCascade油田並びにChinook油田の開発向け投資は、1億5,000万ドルから2億ドルと予想されており、シェルと共同でストーン油田、シェブロン社と共同でSaint Malo油田、 Exxon 社並びにAnadarko社と共同で Tiber油田を開発している。(2012年3月26日付けヴァロール紙)


 

今年の対内直接投資は670億ドル

中銀の今年の金融部門や製造業部門向け対内直接投資は、前回の670億ドルから680億ドルに上方修正、今年の経常収支赤字予想は、650億ドルを上回ると予想されている。

中銀の金融担当アナリストは今年の輸出額を下方修正、ブラジル観光客による海外での支出は増加すると予想して、経常収支赤字の拡大を見込んでいる。

今月1日、連邦政府は、通貨レアルの急速な上昇を抑えるため国内企業が海外から融資を 受けるときに、6.0%課税される金融取引税(IOF)の対象を、これまでの期間2年の融資から期間3年の融資に拡大すると発表、12日、更にIOF税の 課税対象期間を5年に延長して、更に海外からのドルの流入阻止とレアル高の為替コントロールを強化している。

昨年の国内企業が海外で調達した資金総額は480億ドルに達していたが、金融取引税(IOF)の課税対象期間を5年に延長した影響で、今年は64億ドルまで減少すると予想されている。

1月の経常収支赤字は70億ドルであったが、2月は貿易黒字が17億ドルを記録したために、金融アナリストの予想である25億ドルの赤字を大幅に下回る17億6,000万ドルまで減少している。

今年の貿易赤字予想は210億ドル、海外旅行に関するサービス収支は160億ドルに赤字、輸入機械・装置の賃貸料は100億ドル、外資系企業の本国への利益・配当金の送金は380億ドルが見込まれている。(2012年3月24日付けエスタード紙)


 

クラビン製紙は68億レアルを投資してパラナ州内にパルプ工場建設

紙製品の製造・輸出・リサイクルを主な事業としているクラビン製紙は、68億レアルを投資してパラナ州のチバジ河中流域にパルプ工場建設を予定、この68億レアルの投資額はパラナ州にとっては、民間企業の投資額としては過去最高となる。

クラビン製紙の生産開始後の商品流通サービス税(ICMS)の税収の50%は工場のある市の歳入となるが、残り50%は、誘致合戦に漏れた11市へ均等に分配する事を明記した議定書に、建設候補地の12市長がサインした。

同工場は2014年に操業開始を予定、年間のパルプ生産は、150万トンで同州テレマコ・ボルバ工場の110万トンを上回る。

パルプ原料がユーカリの短繊維パルプ使用の製品としては、事務所向け印刷用紙やトイレットペーパー、またブラジルでは初めて生産される原料が松の長繊維パルプ使用の製品としては、包装紙やおむつが予定されている。

同製紙は、昨年末にチリ資本アラウコ社と共同でフロレスタル・ヴァーレ・ド・コリスコ社を買収、10万7,000ヘクタールの所有地に6万3,000ヘクタールがすでに植林されている。

クラビン製紙の最後の投資は、2008年にテレマコ・ボルバ工場拡張に22億レアルを投資して、生産能力を年産40万トン引上げたものであった。(2012年3月23日付けエスタード紙)

 

3月の労働問題研究会に58人が参加して開催

企業経営委員会(上野秀雄委員長)の労働問題研究会が2012年3月22日午後4時から6時まで58人が参加して開催され、司会はマルコス・ハニュウ副委員長が務めた。

Ueno Profit Assessoria em Controladoria事務所のマミ・ウエノ取締役は、「 財務管理 -税制及び労働問題回避のための注意点 」と題して、不要なリスクを回避するための従業員に関する労働条件の注意点として、従業員採用時の契約書の作成、従業員のベネフィットのコントロール、従業員の出張手当てや経費の精算、法人クレジットカードの使用、ボーナスや従業員利益分配金(PLR)の支払い、残業代の支払い並びに規制、同一価値の労働に対する同一報酬、従業員の労働時間内のインターネット使用条件、アウトソーシング契約時の注意点などリスク回避について説明した。

平田藤義事務局長は、会議所では過去2年間を除いて、年1回「外国人労働者-ブラジル入国管理政策の現状」 セミナーを開催、加えて今般「出稼ぎ者(リターン)のブラジルでの雇用」などに関するセミナーの開催を検討中であることを説明、また日伯社会保障協定の発効や3年間マルチビザ取得など一歩前進したが、ビジネス環境の一層の整備のために、ビザフリーをはじめ、就労ビザ、技術ビザや研修ビザなど今後も解決していかねばならない事が多くある事も含めて、今回アンケート調査を実施した経緯を説明、 参加者に配布したアンケート用紙への回答の協力を呼びかけた。

KPMG のアドリアナ・ロッジ労働問題・社会保障部門共営者は、「 日伯社会保障協定 」について、今年3月1日から発効して間もないために、色々な疑問や社会保障院(INSS)の不明確な回答があることを述べ、駐在員の二重加入防止、ブラジルの制度の免除の条件、一時派遣の延長、協定発効前から引き続き派遣が継続される場合などについて説明した。

日・ブラジル社会保障協定の概要では、社会保障協定の主旨並び保険料の掛け捨て防止、日本並びにブラジルでの二重加入の防止のための手続/適用証明書の交付手続き/年金請求の手続き/協定による日本・ブラジルの年金請求の手続きについて説明した。

二重加入の防止では、日本・ブラジルの年金制度のうち、いずれか一方に加入や一時派遣の延長として、総派遣期間が5年以内であれば適用の継続は可能、 しかし3年を超える延長は認められない。また協定発効前から引き続き派遣が継続される場合は、発効日から5年以内に派遣が終了する見込みであれば、ブラジルの制度が免除される。

日本の老齢年金を受け取るためには、原則として25年の年金加入期間を必要とし、日本の年金加入期間 だけで25年を満たすことができない場合は、ブラジルの年金制度の年金加入期間を足し合わせて計算することが可能、ブラジルの老齢年金を受け取るためには、 原則として15年の年金加入期間が必要、ブラジルの年金加入期間だけで15年を満たすことができない場合は、日本の年金加入期間を足し合わせて計算することができることなどを説明した。

左から山内正直副委員長/KPMG のアドリアナ・ロッジ労働問題・社会保障部門共営者/Ueno Profit Assessoria em Controladoria事務所のマミ・ウエノ取締役/ワシントン・ヒラセ副委員長/マルコス・ハニュウ副委員長/ジュン・オヌマ氏

会場一杯の58人の参加者

熱心に講演に聞き入る参加者

 

2月の平均サラリーは過去最高

1月に最低サラリーが14%引き上げられたことも影響して、2月の平均サラリーは1,699.70レアルと過去最高を記録、しかし、ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、2月の失業率は、昨年末にクリスマス商戦向けに採用された臨時職員の雇用調整のあおりを受け5.7%と僅かに増加していた。

2月のサラリー総額は、前年同月比5.8%増加の387億レアルを記録、今後も一般消費の拡大が見込まれているとブラデスコ銀行のエコノミストは予想している。

2月のサンパウロ市内で働く労働者の平均サラリーは、前年同月比5.4%増加して1,813.10レアルと初めて1,800レアルを上回った。

2月の部門別平均サラリーの比較では、工業部門は前月比マイナス0.5%、前年同月比1.5%増加、建設部門はそれぞれ同率、2.1%、商業部門は0.6%、0.8%、アウトソーシング部門は0.1%、4.6%、教育・医療・行政部門は1.0%、3.7%、ホームケア部門は2.8%、マイナス0.8%、その他のサービス部門は0.2%、1.1%であった。

ブラジル調査会社協会(Abep)の調査によると、昨年のCクラスの平均家庭収入は1,282レアル、D/Eの平均 は714レアル、A/Bクラスは2,565レアルから1万2,926レアルであった。

初等教育しか卒業していない世帯主の平均収入は前年比46.14%、基礎教育の世帯主は44.64%、中等教育の世帯主は19.89%とそれぞれ増加したが、高等教育を卒業した世帯主の平均収入はマイナス4.7%となっている。

昨年、最も家庭収入が増加したのは、Cクラスの50%増加でブラジル全体の平均22%増加を大幅に上回った。A/B クラスは1%増加に留まり、D/Eクラスは21%増加している。(2012年3月23日付けエスタード紙)


 

ジウマ大統領は経済活性化政策の導入並びに減税などを約束

昨日、ジウマ・ロウセフ大統領並びにギド・マンテガ財務相、フェルナンド・ピメンテル商工開発相、20人の大企業経営者は、プラナルト宮でブラジル経済の現状や今後の経済活性化について意見交換を行った。

ジウマ大統領は、製造業向けの新経済活性化政策の導入と現在は10セクター以下に限定されている企業の社会保障院(INSS)への積立金負担軽減措置を、全ての製造業セクターに拡大すると約束した。

また、ジウマ大統領は、課税システムの中で最も複雑な社会統合基金 (PIS)並びに社会保険融資納付金(Cofins)の簡素化や煩雑で通関処理が困難なブラジルの税関システムを米国並みに簡素化すると約束した。

連邦政府は、レアル通貨の為替安への誘導政策継続並びに企業に対する低金利の運転資金枠やクレジットの拡大、インフラ整備拡大、電力エネルギー料金の引下げを約束したが、ジウマ大統領は、企業家に対してブラジル国内の投資拡大を要請した。

それに対して、企業家グループは、連邦政府による早急な減税政策の導入や国内の工業製品輸出が可能となるレベルに達するまで、更なるレアル通貨の為替安政策の導入を要請した。

ジウマ大統領は、中国が今年の経済成長率の下方修正を発表したことで、今後の世界経済の減速に影響を及ぼすために、連邦政府は、影響を最小限にとどめるために公共投資を拡大するが、民間企業にも投資を拡大して内需拡大への協力を要請した。

参加した企業家の一人は、インフレ以上の給与調整などで労働コストが上昇するに伴って、生産コストも上昇して企業の収益率が圧迫されているために、連邦政府に対して、早急な労働コスト削減につながる減税政策の導入を要請した。

それに対して、マンテガ財務相は、INSSへの積立金の負担軽減措置を全ての製造業セクターへ導入することはすでに承認されていると説明、しかし、導入時期については触れなかった。

企業家のジョージ・ゲルダウ氏は、「大統領は、ブラジルの製造業に対する保護の重要性を明確にした」と評価、サンパウロ州工業連盟(Fiesp)のパウロ・スカフェ会長は、「大統領と企業経営者との会合は、製造業が抱えている困難な問題解決に取り組む姿勢を明確にした」と評価している。(2012年3月23日付けエスタード紙)


 

エプソンブラジル社の磯村恵次郎general director並びに小池拓之directorが表敬訪問

エプソンブラジル社の磯村恵次郎general director並びに小池拓之directorが2012年3月23日に商工会議所を表敬訪問、平田藤義事務局長が応対した。小池氏は近く日本へ帰任の予定。

左から平田藤義事務局長/エプソンブラジル社の磯村恵次郎general director/小池拓之director(Foto: Rubens Ito / CCIJB)

盛和塾ブラジルが公開講座を開催、会議所会員が多数参加

2012323日盛和塾ブラジル(板垣勝秀代表世話人)が「第2回盛和塾ブラジル公開講座」を開催、稲盛和夫塾長の経営哲学を学ぼうと文協小講堂に塾生など約100名が集まった。会議所からも異業種交流委員会メンバーなど多数が参加。公開講座でははじめに、日本記者クラブで日本航空(JAL)再建への取り組みについて同氏が語った映像が上映され、その後パネルディスカッション形式で意見交換を交えた勉強会が行われた。

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公開講座の様子 (FOTO: SR.ITAGAKI)

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