新規参入自動車メーカーはIPI30%引上げの逃避策を模索

連邦政府は国産化比率が65%に達しない輸入自動車などに対してIPI30%の追加策を発表、しかしブラジル国内での生産を予定している新規参入の自動車メーカーは逃避策を模索して、自社の投資計画を商工開発省に提出している。

最高裁 (STF)は、IPI30%増税実施には90日の期間が必要だと決定したために3カ月後の12月中旬から適用され、また売上の0.5%以上を研究開発費にあてがわなければならないために、新規参入メーカーは計画変更を余儀なくされている。

新規参入する自動車メーカーは初めに本国から主要部品を輸入するノックダウン生産体制を敷くが、IPI引上げの逃避対策として、大半のメーカーは自動車部品の国産化比率を10%前後から開始、3年後には65%に引上げると予想されており、しかしあるメーカーでは連邦政府が要求すると予想されている3年以内の国産化比率65%達成は非常に困難であるために、5年間への延長を要請すると見込まれている。

フェルナンド・ピメンテル商工開発相は新規参入メーカーに対するIPI30%適用の内容変更の可能性を肯定しているにも関わらず、ギド・マンテガ財務相は変更はあくまで可能性に過ぎないとしている。

国産化比率の定義は各国によって異なるが、国産部品の総重量もしくは使用パーツ部品点数などで国産化比率としているところもあり、それぞれの国の目的によって異なっている。

ジウマ・ロウセフ政権は9月に国内の自動車メーカー雇用支援策として、ブラジル拡大計画(PBM:Plano Brasil Maior)を通じた工業振興策で、IPI減税による先端技術投資を促す政策を初めに立てていた。

ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)の調査によると2003年から現在までに貧困層から大衆自動車が購買可能となるCクラス以上への流入は、スペインの人口を上回る4,870万人が移動している。

欧米での債務危機や高止まりする失業率などで、先進諸国では今後も不景気が継続するために、好調な経済ファンダメンタルズや内需が好調なブラジルに、世界の自動車メーカーがブラジル国内市場への参入を虎視眈々と狙っている。

今年の中国からの輸入自動車は前年同期の1,420万ドルから14倍に相当する2億550万ドルに達しているが、大半は安価なリッターカーなどの大衆自動車となっている。

産業開発研究院(Iedi)のエコノミストノジューリオ・セルジオ・アルメイダ氏は中国の自動車市場はダイナミックであるが、規制が多く、アメリカの市場は開かれているが、不景気でダイナミックにかけ、その一方でブラジルは市場が開かれてダイナミックであり、世界的にも数少ない有望市場であるために、世界の自動車メーカーが注目していると説明している。

今年9カ月間の輸入自動車の比率はレアル高の為替などが牽引して、全体の22.7%に相当する61万台に達して、前年同期比35%と大幅に増加しているために、連邦政府は9月16日に7567号で国産化比率が65%に達しない輸入自動車に対して、IPI引上げを発表していた。

特にブラジル国内に工場を擁しない大衆向け自動車を輸入している韓国資本Kiaモーターズ、中国資本CheryやJACモーターズがIPI引上げで大きな影響を受けており、また高級自動車のポルシェ、AudiやBMWなども影響を受けている。(2011年11月3日付けエスタード紙)


 

売り手市場でエンジニアのサラリーが上昇の一途

水力発電所などの大型インフラ整備プロジェクト、ワールドカップやオリンピックの開催や経済加速プログラム(PAC)の大衆住宅建設などが目白押しで、エンジニアが不足して売り手市場となっているために、エンジニアのサラリーが上昇一途の様相をほどこしている。

Michael・Pageコンサルタント社のアウグスト・プリチ取締役は大学新卒のサラリーは4,000レアルから5,000レアルに達しており、企業経営者側にとって大きなコストアップとなっている。

今年のエンジニアに対する募集件数は前年比20%から30%増加、しかしエンジニアの絶対数の増加は雇用件数を大幅に下回るために、引抜合戦の様相となっており、エンジニアの雇用確保が益々、困難となってきている。

ペトロブラス石油公社は2008年から今年9月までにエンジニアを3,100人採用、全従業員5万8,000人中1万1,500人がエンジニアであり、2013年までに更に1,225人のエンジニアの採用を余儀なくされている。

エンジニアリングのEngevix社のクリスチアーノ・コック社長は4年間でエンジニアの実質賃金が40%増加しているとコメント、Maubertecコンサルタント社では新規採用のエンジニアの名目サラリーは27%増加、実質サラリーは10%増加していると説明している。

全国工業連合(CNI)ではPACプログラムによる新規雇用は50万人が必要であると予想、政府系シンクタンクである応用経済調査院(Ipea)では80年代から90年代にかけてエンジニアのサラリーが縮小したために、他のセクターに移動したこともエンジニア不足の一因になっていると説明している。

今後の特にインフラ整備部門やテクノロジー関連部門でのエンジニア不足が予想されているために、更なるサラリーの上昇が見込まれており、ブラジル国内のエンジニアは年間3万5,000人が大学を卒業、今後は2016年までに毎年、10万人のエンジニアが必要となる。

現在、年間3万5,000人の大卒のエンジニアが誕生しているにも関わらず、1/4が学力不足であり、また大半のエンジニアが英語を話せない状況となっている。(2011年11月3日付けエスタード紙)


 

10月の貿易収支黒字は記録更新

10月の輸出は米国向きが好調に推移して221億4,000万ドル、輸入は197億8,000万ドル、貿易収支黒字は23億5,000万ドルと10月としては2007年以来の記録を更新、前年同月比では28.9%増加している。

今年10カ月間の貿易黒字は253億9,000万ドル、輸出は2121億4,000万ドル、輸入は1867億5,000万ドル、商工開発省では輸出は今年目標の2,570億ドルを上回ると予想、貿易収支黒字は270億ドルを見込んでいる。

ギリシャを発端としたヨーロッパの債務危機問題で、ヨーロッパ向けの10月の輸出は前年同月比13%と僅かな伸びに留まっているが、今年10カ月間では26.6%増加している。

ヨーロッパ向け輸出減少はスペイン、フランス、オランダ並びにイタリア向けの減少が牽引、しかし10月の米国向け輸出は39%増加してカバーしており、今年10カ月間では米国のGDP伸び率が低いにも関わらず、31.8%増加している。

今年10カ月間の米国との貿易収支は69億ドルの赤字を計上しているにも関わらず、前年同期の75億ドルから減少してきている。(2011年11月2日付けエスタード紙)


 

BNDES銀行のクレジットは前年比15%減か

  ギリシャの債務危機を発端としたヨーロッパ連合国の金融危機が長引くと予想されているために、先進諸国を中心に経済成長の減速予想の影響を受けて、ブラジルの国内景気も減速すると見込まれている。

  昨日、社会経済開発銀行(BNDES)のルシアーノ・コウチーニョ総裁は今年の同銀行のクレジットは前年比15%減少の1,400億レアルから1,450億レアルと下方修正を発表、また2012年から2015年のクレジットの平均伸び率は7.6%と2011年から2014年の投資計画の10%伸び率から大幅に下方修正している。

  鉱業大手ヴァーレ社、通信Oiグループ並びに紙・パルプのFibria社は投資計画を大幅に下方修正、TAMは2012年の営業路線計画163路線を最大でも159路線に縮小している。

  政府系シンクタンクの応用経済調査院(Ipea)のエコノミストのパウロ・レヴィ氏は設備投資向け機械装置の生産が大幅に減少しているにも関わらず、今年のGDP比の投資比率は19%と昨年の18.4%を上回ると予想している。

  今年9カ月間のBNDES銀行のクレジット総額は前年同期比28%減少の918億レアル、しかし毎年、年末にかけてクレジットが大幅に増加するために、昨年のクレジット総額1,684億レアルにある程度は接近すると見込んでいる。

  コウチーニョ総裁は短期間の国際金融情勢をヨーロッパの金融危機の回復並びに米国の大統領選挙のプロセスや高止まりしている失業率など悲観的に見ているにも関わらず、連邦政府は資金的にも、また安定した経済ファンダメンタルズを擁しているために、国内経済の先行きを楽観視している。

  今年9カ月間のBNDES銀行の鉱工業部門向けクレジットが前年同期比56%の大幅減少の284億レアルに留まっているが、インフラ整備部門向けは全体の41%に相当する380億レアルと4%増加している。

  農畜産部門は1%増加、商業サービス部門は4%減少、しかし零細・中小企業向けクレジットは8%増加の362億レアルで全体の39.5%に相当、低金利の設備投資用機械装置購入の投資持続プログラム(PSI)向けクレジットは34%と大幅に減少している。

  また今年9カ月間のバスやトラック購入向けクレジットは197億レアル、電力エネルギー部門は97億レアル、鉄道部門は11億レアルとなっている。(2011年11月1日付けエスタード紙)

 

10月の投資収益率では株が11.49%でダントツ

 ユーロ圏首脳が合意したギリシャ支援策には1300億ユーロの支援、民間セクターが保有するギリシャ国債への50%のヘアカット(債務元本の減免)適用で、ヨーロッパ域内の金融危機が後退したために、10月下旬は世界的に株価が上昇した。

 10月のサンパウロ平均株価(Ibovespa)の収益率はヨーロッパの金融危機の後退による安心感の増加並びにSelic金利の引下げで、11.49%と2009年5月以来の収益率を記録、しかし今年はマイナス15.82%と最低となっている。

 ギリシャの財務危機の影響でヨーロッパの金融危機に直面していたために、ドルの為替が大幅に上昇していたが、ギリシャ国債への50%の減免適用措置の採用で反転して、10月のドルの収益率はマイナス9.89%と最低、しかし今年は1.80%の収益率を記録している。

 Selic金利の連続2回に亘る引下げで確定金利付きファンドの収益率が減少してきており、10万レアル以上の銀行定期預金証(CDB)は0.71%、銀行間預金ファンド(DI)は0.70%、ポウパンサ預金は0.56%とそれぞれインフレ指数の総合市場物価指数(IGP-M)0.53%を上回り、金投資マイナス4.49%とドル投資がIGP-Mを下回った。(2011年11月1日付けエスタード紙)

 

インフレ抑制のためにIPI増税を先送り

 連邦政府はタバコに対する工業製品税(IPI)の増税を12月1日からの実施を予定していたにも関わらず、中銀のインフレコントロールを容易にするために、来年5月からの先送りを発表した。

 国庫庁の試算によるとタバコに関するIPI増税は消費者にとって、約20%の値上げに結びつくために、インフレ指数である広範囲消費者物価指数(IPCA)の中央目標値4.5%に近づけるために、IPI増税の先送りを決定した。

 また財務省ではペトロブラス石油公社の要請を受けて、一般的に燃料税と呼ばれる経済支配介入納付金(Cide)を減税して、消費者向けのガソリン価格を据え置くが、ディストリビューターやガソリンポスト向け燃料価格を調整している。

 9月がもっともインフレ圧力が増加していたにも関わらず、政策誘導金利(Selic)の2回連続の引下げや小売販売の先行き不透明感などで、インフレ圧力が後退傾向となってきているために、IPI増税の先送りを決めている。

 中銀の最終フォーカスレポートによると来年のIPCAを前回の5.60%から5.59%と僅かに下方調整、今後12カ月間のIPCAを 5.64% から5.62%に下方修正している。

 また来年の国内総生産(GDP)を3.51%から3.50%、今年は3.30%から3.29%とそれぞれ下方修正、11月の通貨政策委員会(Copom)ではSelic金利を0.5%引き下げて11.0%、来年末のSelic金利を10.50%と予想している。(2011年11月1日付けエスタード紙)


 

(2011年10月28日)在サンパウロ総領事館の野村和久領事が表敬訪問

在サンパウロ総領事館の野村和久領事が着任挨拶のために2011年10月28日に商工会議所を表敬訪問、平田藤義事務局長並びに近藤千里秘書が応対した。

また、来年3月を目処に実施計画中の査証業務民間委託についても説明を行った。民間委託を行うことで窓口拡大、支払い方法の多様化、査証発行の迅速化、郵送による返却などサービスの向上が期待される。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

左から平田藤義事務局長/在サンパウロ総領事館の野村和久領事 (Foto: Rubens Ito/CCIBJ)

金属労連はサラリー調整10%を要求

 サンパウロ市並びにモジ・ダス・クルーゼス市の金属労連は企業側が提示した7.5%から8.5%のサラリー調整を拒否して、10%の調整を要求、企業側が11月4日までに組合側が要求しているサラリー調整に相当する賃金引き上げを行わない場合には、7日から無期限ストに突入する。

 組合側ではサラリー10%の引上げ並びに1週間の労働時間を40時間に短縮、全ての従業員に対する従業員利益分配金(PLR)並びに180日の産休を要求している。

 サンパウロ市並びにモジ・ダス・クルーゼス市の金属労連傘下には27万人が加盟、サンパウロ州金属労連やフォルサ・シンジカルなど53組合が支持している。

 組合側では今年の国内総生産(GDP)伸び率が3.5%から4.0%と予想されているために、企業側は実質賃金5.0%の引上げは充分可能と見込んでいるために、10%のサラリー調整を企業側に要求している。

 しかし企業側では9月の自動車生産は前月比19.7%と大幅に下落、10月初めにはワーゲン社、フィアット並びにGM社では生産調整のために、集団休暇を採用して在庫調整を行っており、組合側とのサラリー調整が難航している。(2011年10月31日付けエスタード紙)