ドルの為替変動で第3四半期の収益性が影響を受けた

 ギリシャの債務不履行に端を発したヨーロッパの金融危機で、レアルに対してドル為替が大幅に上昇した9月は、外貨負債を抱えるブラジルの大企業の収益を大幅に圧迫した。

 ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)のパウロ・サンドローニ教授はヨーロッパの不安定な金融情勢は長期間に亘って問題が継続すると予想しているために、今後のユーロやドルの為替変動が発生すると予想している。

 スザノ製紙のアントニオ・マシエル・ネット社長は2013年に操業開始するマラニャン州で製紙工場を建設中、しかしドル為替の変動で第3四半期の純益は4億2,500万レアルの赤字を計上しているために、外貨負債低減を早急に軽減する。

 またVCP社並びにアラクルース社の合併で誕生したFibria社の第3四半期は11億レアルの損益を計上、投資計画を継続するために、外貨による負債減少に迫られている。

 鉄鉱石生産大手ヴァーレ社はドル高の為替で純益が25%減少の78億9,000万レアルまで減少、ユーロ圏首脳はギリシャの債務減免で合意に達したために、レアル通貨はR$1.70を割るレアル高になっている。(2011年10月31日付けエスタード紙)


 

今年の年末商戦は昨年並みか

 ”子供の日”の小売販売が予想を大幅に下回る売上減少となったために、小売業界では年末商戦向けのテレビ、音響機器、洗濯機、冷蔵庫やポータブル電気機器などの発注が5%から10%も予想を下回っている。

 ブラジル地理統計院(IBGE)の統計によると9月のインフレ分を差引いた実質賃金は前月比1.8%減少しており、サンパウロ州商業連盟(Fecomercio-SP)では、年末商戦の売り上げはよくて昨年並みと予想している。

 10月の一般家庭の消費動向調査では前月比マイナス3.5%と大幅に減少、特に10最低サラリー以下の購買意欲が大幅に減少してきている。

 ギリシャを発端としたヨーロッパの金融危機、低減しないインフレ圧力、大幅に変動するレアルの為替、自動車向け工業製品税(IPI)の引上げなどで、政策誘導金利(Selic)の2回連続引き上げにも関わらず、消費意欲を後退させている。

 9月の部門別実質賃金では一人当たりの平均サラリーは前月比では1.8%減少、教育、健康や公務員セクターは5.2%と大幅に減少、商業並びにアウトソーシングが1.8%、鉱工業1.5%、建設セクターが1.1%とそれぞれ減少、唯一、家政婦の実質賃金が2.0%増加している。(2011年10月31日付けエスタード紙)


 

(2011年10月28日)Nórdica Distribuidora de Software社のエルシオ・コダマ営業マネージャー部長が表敬訪問

Nórdica Distribuidora de Software社のエルシオ・コダマ営業マネージャーが2011年10月28日に商工会議所を表敬訪問、応対した平田藤義事務局長に持参した入会申込書を手渡した。

左から入会申込書を受取る平田藤義事務局長/Nórdica Distribuidora de Software社のエルシオ・コダマ販売部長 (Foto: Rubens Ito/CCIBJ)

(2011年10月28日)ブラジリア連邦大学大学院農学部農業経済学専攻の山田翔氏が表敬訪問

ブラジリア連邦大学大学院農学部農業経済学専攻の山田翔氏が2011年10月28日に商工会議所を表敬訪問、平田藤義事務局長が応対した。

左からブラジリア連邦大学大学院農学部農業経済学専攻の山田翔氏/平田藤義事務局長 (Foto: Rubens Ito/CCIBJ)

9月の鉱工業部門生産は減少予想

ブラジル地理統計院(IBGE)の統計によると、8月の鉱工業部門の生産伸び率は前月比マイナス0.2%と減少に転じたが、9月もレアル高の為替による輸入製品の増加や在庫増加で引き続き減少すると予想されている。

多くのエコノミストは9月の生産は9月の失業率が6.0%と7月以来安定して低率にとどまっているにも関わらず、前月比では0.8%から1.5%の落ち込みを予想している。

サンパウロ州工業連盟(Fiesp)の調査では9月の州内の鉱工業生産の活動レベル指標(INA)は前月比0.7%減少、テンデンシア・コンサルタント社のアレサンドラ・リベイロ氏は自動車セクターがマイナス8.4%、経済動向のバロメーターとなるダンボール生産セクターはマイナス4.8%とそれぞれ大幅に落ち込んでいるために、マイナス1.5%を予想している。

Fator銀行では9月の生産はドルの為替がR$1.75まで上昇したにも関わらず、国内工業の価格競争力には不十分であったために、輸入増加並びに輸出低調で前月比1.1%減少を予想している。

Fiespの企業経営者の今後数カ月間の景気動向を測るSensor調査では10月の在庫は48.6ポイントと2010年12月以来の低率を記録、売上、雇用や市場などもそれぞれ50ポイントを割って、景気の見通しが悪化している。

産業開発研究院(Iedi)では9月の鉱工業部門生産は最も落ち込むと予想、しかし最終四半期の生産は年末商戦向け受注増加による生産増加を予想、今年の鉱工業部門生産は2.0%増加を予想、IBGEの統計では今年9カ月間では1.4%増加している。(2011年10月28日付けヴァロール紙)

 

ギリシャ債務50%減免合意で海外での資金調達が容易に

債務危機がギリシャからスペイン、イタリアに波及するのを食い止める必要性が余儀なくされていたために、ユーロ圏17か国は26日夜から10時間に亘って首脳会議で議論、ギリシャ債務50%減免で合意に達した。

この合意を受けて世界金融市場に安堵感が広がって、昨日の世界の株式市場は一斉に大幅な上昇に結びつき、サンパウロ平均株価(Ibovespa)は3.0%以上上昇、ドルの為替は大幅に下落してR$1.709となった。

ユーロ危機からの脱出感が広がったこととブラジルの安定したマクロ経済を受けて、ブラジル企業にとっては海外での社債発行などによる資金調達には追い風となっている。

国庫庁のアルノ・アウグスティン長官は今後、数週間以内の海外での資金調達の再開を予想しており、ペトロブラス石油公社、ブラジル銀行やミナス・ジェライス電力公社(Cemig)などが資金調達を予定している。

先週にはブラジル中央電力(Eletrobras)が海外での償還期間が10年物の社債による資金調達を実施、年利が僅かに5.2%と2009年の6.875%を大幅に下回って、資金調達コストが先進国並みまで減少している。

Eletrobrasの社債による資金調達には海外投資家300人が応募、資金需要は50億ドルに達しており、同社は調達した資金で国家電力庁(Aneel)が実施する入札に参加を予定している。

また実業家エイケ・バチスタ氏の造船会社OGX社は償還期間が12年物の社債発行で8億5,000万ドルを調達している。(2011年10月28日付けヴァロール紙)


 

鉄鉱石価格下落で来年初めの熱延コイル価格は550ドルまで下がるか

ブラジル鉄鋼配給協会(Inda)のカルロス・ロウレイロ会長は中国の鉄鉱石スポット価格が1トン当たり120ドルも下落している影響を受けて、世界の鉄鋼生産国はすでに鉄鋼製品価格の値下げを始めていると説明している。

ロウレイロ会長は来年初めには熱延コイルの国際価格はトン当たり550ドルまで下がる可能性を指摘、ブラジル国内の鉄鋼製品価格も値下げを余儀なくされると予想している。

Inda協会はブラジル国内の鉄鋼製品の83%の流通を担っており、国内の鉄鋼メーカーではウジミナス、ナショナル製鉄所(CSN)、アルセロール・ミッタル並びにゲルダウ・グループが価格決定を左右している。

第3四半期の鉄鉱石価格はトン当たり176ドルであったが、今月26日の鉄鉱石スポット価格が48ドル減少の128ドルまで下落、しかし1トンの鉄鋼製品生産には1.6トンの鉄鉱石が消費されるために、1トン当たりの鉄鋼製品の生産コストは77ドル減少する。

ウクライナの1トン当たりの熱延コイル価格は既に620ドルまで値下げされて取引されており、中国では635ドル、今後は8.0%から9.0%の値下げ予想で、580ドルまで下がると予想されている。

Indaj加盟の鉄鋼配給会社は現在の下落した鉄鉱石価格並びに上昇傾向のレアル高の為替で鉄鋼製品の輸入を急増すると予想されているために、来年2月には輸入鉄鋼製品の在庫が急増すると予想されている。

世界最大の鉄鋼生産の中国の9月の鉄鋼生産は5,670万トンまで減産、今年9カ月間のブラジル国内の輸入鉄鋼製品を含む販売は前年同期比13%減少している。

9月の鉄鋼配給会社の鉄鋼製品の在庫は販売の2.7カ月に相当する105万トン、11月の在庫目標は2.5カ月から2.6カ月に相当する99万トンまで下げるが、9月の輸入鉄鋼製品は33万トンであった。(2011年10月28日付けヴァロール紙)

 

10月の労働問題研究会に37人が参加して開催

10月の企業経営委員会(上野秀雄委員長)の労働問題研究会が2011年10月27日午後4時から6時まで37人が参加して開催、マルコス破入副委員長が司会を担当した。

FERREIRA RODRIGUES ADVOGADOS のウイリアム・ロドリゲス・パートナーが「固形廃棄物に対する国家政策」について、同法案は固形廃棄物を生成する製品の製造・販売会社にその処理について責任を課すものだが、法規や規制などに不明な点が多いが、ブラジル食品業界(Abia)、リサイクル業者の組織化や育成支援を目的として設立されたNPO法人のCempre  パラナ州産業廃棄リサイクル推進機関のInstituto Lixo&Cidadaniaとの協賛、支援、啓蒙活動、プロジェクトの展開などについて説明した。

続いてVEIRANO ADVOGADOSのレオパルド・パゴット弁護士が「労働契約の停止及び中断の原因」について、ジウマ・ロウセフ大統領は労働者が退職時に受ける労働契約解約予告(Aviso Previo)を勤続年数に応じて算定するように変更、最大で給与の90日分までとする法案を裁可、従来は一律30日分であった。例えば、10年間勤務の従業員は1年分として3日X10年と従来の30日分プラス30日の2カ月分の退職時の給与を受取る権利を擁し、最高は90日分で20年以上の勤務期間の従業員が権利を擁することに変更、労働組合では企業にとって支出増加につながるために、雇用の流動性が減少すると予想、しかし経営者側組合では従業員に対する負担につながるために、非正規雇用の促進につながる可能性を指摘、大統領府では官報に掲載された日から新法が有効となり、すでに辞職願を提出済みの労働者や会社都合による退職をしている労働者には裁判所に提訴しても、新法は遡って適用されることはないと説明した。

左からマルコス破入副委員長/講演者のVEIRANO ADVOGADOSのレオパルド・パゴット弁護士/FERREIRA RODRIGUES ADVOGADOS のウイリアム・ロドリゲス・パートナー/上野秀雄委員長/ワシントン・平瀬副委員長(Fotos: Rubens Ito/CCIJB)

37人が参加した労働問題研究会

銀行金利が低下したにも関わらず、スプレッド上昇

中銀の通貨政策委員会(Copom)は8月末から2回連続で政策誘導金利(Selic)を利下げしたために、銀行の貸出金利は低下してきているにも関わらず、今後の延滞率増加を予想して、スプレッドは増加している。

9月の銀行の個人向けクレジット年利は、8月末の金融市場関係者の予想を覆す利下げ幅の影響で46.2%から45.7%に減少、法人向け年利は30.9%から30%に利下げしている。

金融市場関係者は今後も継続してSelic金利の減少を予想しているために、銀行のクレジット部門の拡大を見込んでおり、今年は前年比17%の増加を予想、過去12カ月間では19.6%増加している。

9月の銀行の調達金利は1.0%減少したにも関わらず、銀行のクレジット金利は0.7%しか減少しなかった要因として、銀行の個人向けクレジットのスプレッドが28.1%と過去2年間で最高となっている。

ブラデスコ銀行の第3四半期の純益は前年同期比11.4%増加の28億1,500万レアル、今年9カ月間では18%増加の83億200万レアルを記録、純益増加を牽引したのは二桁台の伸び率を記録したクレジット、保険販売や手数料の増加であった。

9月末のクレジット総額は22%増加の3324億レアル、法人向けクレジット伸び率が個人向けクレジット伸び率13.3%の2倍に相当する26.5%を記録して牽引した。

また過去12カ月間の住宅購入向けクレジットは62%と大幅に増加、9月の全体の延滞率は3.8%と7月の3.7%から上昇、前年との比較では同率で推移している。(2011年10月27日付けエスタード紙)


 

プジョー・シトロエンは23億ドルを投資して30万台に増産

プジョー・シトロエン(PSA)は23億レアルを投資してリオ州ポルト・レアルの自動車工場を拡張して、現在の生産台数14万台を30万台に増産、この投資額23億レアルは同社の2010年からの2015年の投資総額37億レアルの大半を占める。

同社の自動車生産が30万台に達すれば、ブラジル国内のマーケットシェアは5.3%から7.0%に上昇、またラテンアメリカのシェアも5.8%から1.0%以上上昇、またこの投資には現在のエンジン生産28万台から40万台の増産計画も含まれている。

自動車生産の30万台への増産で2015年までに新規雇用は1,700人、従業員数は7,000人に達するが、本国のフランスでは今後3年間にコスト削減のために、6,000人の雇用削減を計画している。

プジョー・シトロエンはヨーロッパ諸国の財政危機で経済活動が停滞しているために、同域内での自動車生産の減産に対して、グローバル市場として有望なブラジルへの投資に、軸足を置き換えてきている。

今回の自動車増産の投資発表は、連邦政府が国産化比率65%以下の自動車に対する工業製品税(IPI)30%引上げとは無関係であり、同社の長期投資計画に沿った投資となっている。

同社では2015年までに新規に8モデルの新車をマーケットに投入、またディーラーも現在の320店舗から480店舗に拡大、研究開発(R&D)部門には予算の10%をあてがって、イノベーション技術開発を促進する。(2011年10月27日付けエスタード紙)