日産が26億レアルの投資、プライオリティーは大衆車

日産がブラジル国内に最初の工場を建設するため、26億レアルを投資する。 この事業所は、リオデジャネイロ州レゼンデ市に建設されるもので、生産能力は年間20万台。ルノー/日産のカルロス・ゴーン会長が6日、リオデジャネイロ州政庁で発表した。 2014年上半期(1―6月期)に生産に入る見込み。

ゴーン会長によると、2016年にブラジル市場において、シェアを現在の1.7%から5%に引き上げるために大衆車をこの工場で生産するのを優先する戦略を採用する。

同会長によれば、2016年までに国内でリリースされる新規10車種のうち、少なくとも4車種が大衆車になる。 しかも同会長は、2016年までにブラジル市場に「ブラジリアン・スタイル」の車を1車種投入することを断言。 大衆車戦略に関しては、日産すでに先月、コンパクト・カーのマーチをリリースしている。 同車はメキシコで生産され、ブラジル国内の小売価格は2万7,000レアル(ベーシックモデルの場合)。

新工場の建設により、ゴーン会長は、大衆車とセダン、高級車、スポーツというセグメントのカバー率を、現在の23%から、2016年までに90%に引き上げる見込み。

現時点で日産は、ブラジル国内でリヴィナとグランド・リヴィナ、X-ギア、フロンティアを生産する。 生産ラインはパラナ州サン・ジョゼ・ドス・ピニャイスのルノーの工場に保有しており、年間5万9,000台を生産。
ゴーン会長はさらに、リオでの自動車生産は当初においてはもっぱら国内市場向けとするものの、将来的にはラテンアメリカ市場の需要にも応じることになることを明らかにした。 一方、メキシコの事業所はメキシコ国内市場と北米市場への対応に専念する。

国内の他のメーカーとの市場競争への対応については、コストの削減が鍵になるとゴーン会長は考えを示した。 同会長は、リオデジャネイロに投資するという決断が、この目標達成のために不可欠だったという。

リオデジャネイロ州政府は、ゴーン会長によると工場誘致を争ったサンパウロとパラナ州など他の4州と比較して、税制優遇政策に加え「最も説得力がある」提案を提示したという。サンパウロ州境に近いだけでなく、工場とサプライヤーとの親和性があり、高速道路と港湾、空港へのアクセスが容易なことからコスト削減に有利である。(2011年10月7日付フォーリャ紙)

自動車生産台数が9月に20%下落

集団休暇や季節的要因があるも、9月の下落率は過去5年平均の2倍、8月からマイナス9%。
しかし一方で工場、販売業者の在庫は累積、36日分に相当。

9月の自動車生産台数が、8月と比較して19.7%落ち込み26万1,200台にとどまった。積みあがった在庫を縮小させるための集団休暇が、季節的要因による落ち込みに輪をかけた格好。

例年、9月は8月と比較して生産が落ち込んでおり、過去5年間を平均するとその下落幅はおよそ9%。全国自動車工業会(Anfavea)のデータによれば、9月は、前年同月と比較しても6.2%の減産だった。1―9月期の累積生産台数は、前年比3.3%の増加。

Anfavea のルイス・モアン副会長は今回の結果について「懸念すべき様な落ち込みではない」と指摘する。

ただし、メーカーが生産ラインの稼働率を引き下げたものの、在庫は依然として、販売台数36日分に相当する37万8,900台に達しており、8月と比較すればわずか1日分の縮小。

モアン副会長は、「高い水準とは認識していない。ディーラーの数も大きく増加しているし、これらの店舗もそれぞれ在庫、さらにラインナップを揃える必要がある。変化するブラジル国内市場に極めて適切な状態で推移している」と言う。連邦政府は9月16日以降、国内自動車産業の強化とブラジル国内に生産拠点を持たないメーカーの輸入車の競争力削減を目的に、現地調達比率が65%に満たない車両に対して工業製品税(IPI)の課税率を30パーセント引き上げている。

新車登録台数全体に占める輸入車の比率は、2011年に22.7%を記録しており、2010年の年間平均18.8%を上回る。

しかしながら、これらのうち70%は、ブラジルに生産拠点を保有している自動車メーカーが輸入した車両だということに注意が必要。自動車研究センター(CEA)のルイス・カルロス・メーロ主任は、「適切な」在庫の水準は販売日数分にして25日から30日の間だろう、との認識を示す。その上で、「在庫はコストであり、停滞した資本だ」と指摘する。

また自動車の小売セグメントを専門とするコンサルタント、アイルトン・フォンテス氏は、サンパウロでは在庫がすでに販売の40日分に相当するまで積みあがっており、このような多くの消費者を抱える市場の状況が一段と深刻と分析している。

販売台数

新車販売台数は9月、8月と比較して4.9%落ち込んだが、前年同月と比較した場合は1.5%増加し、9月としては過去最高の販売台数を記録した。

1月以降の累積販売台数では、前年同期を7.2%の伸び。

「新車販売市場が好調なのは、最大30%の割引を受けるレンタカー向け販売がけん引しているため」と、ある消息筋はいう。この人物によれば、メーカー各社の一番の懸念は、利益率を減らしてでもシェアを維持することという。(2011年10月7日付フォーリャ紙)

JACモーターズがバイーア州で生産を発表

様々な意見が飛び交う中国産大衆車のブラジル向け輸出を巡る議論で、その論争の的になっているJACモーターズが、7日、バイーア州に自社工場を建設する計画を発表する。

年間10万台の生産能力を持つ工場を立ち上げる意向で、投資額は9億レアル、事業の80%がブラジル資本となる。

この投資は、ブラジルにおけるJACモーターズの社長、セルジオ・ハビブ氏(53)が推進する。同氏は6日、フォーリャ紙とポータルサイトUOLに対してこの問題に言及、ここ数日、中国とブラジリアへの出張を重ねていることを明らかにした。

同氏は7日、国内生産に関して正式にコミットメントし、連邦政府からは輸入車に対してIPIの課税率を引き上げた問題について譲歩を引き出す。

ジルマ・ロウセフ大統領は9月、ブラジルが自動車に関する2国間貿易協定に署名しているアルゼンチンやメキシコといった国々以外から輸入された自動車に対して、IPIの課税率を30パーセントポイント引き上げる大統領令に署名した。

このIPI課税率引き上げの理由の1つが、中国車が低コストでブラジル市場に流入しているためだった。市場では3月以降、JACモーターズのJ3がすでに2万台以上販売されており、その価格は、国内メーカーがまだ揃えていない装備まで組み込んで3万7,900レアルである。

この計画が現実のものとなれば、セルジオ・ハビブ氏は、ブラジル国内の大衆車メーカーの中では唯一のブラジル人オーナーになる。このセグメントで事業を展開するその他のブランドはいずれも、外資系多国籍企業である。

ハビブ氏によれば、JACが現地生産する車両は、「4万レアル以下の車両想定している」という。この国産中国車のリリースは、2014年になる見込み。工場の設置場所は、サルバドール大都市圏のカマサリ工業コンビナートに近い場所になる。

バイーア州を選んだ理由は、いろいろな理由があるものの、その一つは経済性。「過去4年間でブラジル国内の自動車市場は44%成長した。サンパウロでは15%の成長だが、サルバドールは65%に達する。単純な計算だ。現在のサルバドール市場は、レシーフェ市を加えると、コロンビアを上回る」とハビブ氏は言う。

自動車の輸入の専門家として20年以上の経験があるハビブ氏は、かつて、フランスのブランド「シトロエン」のブラジル参入の責任者だった。同氏は現在、およそ100店舗のディーラーを保有する。「2分ごとに1台を販売している」という同氏は、今年、1億レアルを広告費に費やす見込み。テレビ司会者のファウスト・シルバを起用したJACの広告は過去数カ月、あらゆる局で放送されている。

年商およそ50億レアルのSHCグループのオーナーでもあるハビブ氏は、2010年の大統領で労働者党(PT)のジルマ・ロウセフ候補に投票した。サンパウロでは、州知事にブラジル民主運動党(PMDB)所属のジェラルド・アルキミン候補に投票した。天秤にかけて、彼はPMDBの党員になった。

IPIの引き上げが引き金となって工場を建設することになったという意見を、同氏は明確に否定する。それでも、連邦政府への圧力には容赦がない。「もし政府が変革を望まないなら、我々には工場を建設することはできない。だが、私は言っておく。私はブラジリアにいたが、政府は、投資を可能にするための変革を検討する意図を持っているようだ」(2011年10月7日付フォーリャ紙)

(2011年10月7日)世界エネルギー等ビジネス推進協議会が表敬訪問

世界エネルギー等ビジネス推進協議会が、11月に行われるジェトロとのタイアップ商談視察ミッションを前に、プレミッションとして来伯。各地を周るなか会議所へ表敬訪問。ジェトロサンパウロより兵頭 栄寿氏、高木 宣雄 世界エネルギー等ビジネス推進協議会事務局員、木瀬 良平氏 同協議会南米SWG(株式会社前川製作所)、山口 将英氏 同協議会南米SWG(三菱UFJリース株式会社)が訪問、対応した平田事務局長と意見交換を行った。
 
左から平田事務局長、兵頭 栄寿氏、山口 将英氏、高木 宣雄氏、木瀬 良平氏 (Foto: Rubens Ito/CCIBJ)

(2011年10月7日)八木アンテナ株式会社の坂内功治経営企画室長が表敬訪問

八木アンテナ株式会社の坂内功治経営企画室長並びに海外事業推進部の大友尚氏が2011年10月7日に商工会議所を表敬訪問、平田藤義事務局長が応対した。

左から八木アンテナ株式会社海外事業推進部の大友尚氏/平田藤義事務局長/同社の坂内功治経営企画室長(fotos Rubens Ito/CCIBJ)

(2011年10月7日)連邦貯蓄金庫(Caixa)提携の磐田信用金庫が経済ミッション紹介の為訪問

磐田信用金庫(磐信)は提携先の連邦貯蓄金庫(Caixa)と第2回ブラジル経済ミッションを企画、磐信法律顧問のエツオ・イシカワ弁護士ほか受け入れ関係者が平田藤義事務局長を訪問、同経済ミッションの目的や視察先および日程等について説明、同ミッションへのレクチャー協力を要請した。

主に10余人からなる中小企業代表者は11月21日の週にパラナ州の企業視察を終えた後、11月28日に当会議所を表敬訪問する予定。

経済ミッションについて紹介する関係者ら(fotos Rubens Ito/CCIBJ)

ペトロブラスの投資が45億レアル減少

ブラジルの公社各社が実施する工事と機械設備の調達に対する支出が、1月から8月にかけて、前年同期を大きく割り込んだ。

売上ベースでブラジル最大の公社であるペトロブラスの投資が、1―8月期、前年同期と比較してインフレ調整を加えない実質額で45億レアルも下回っており、これに伴い、国内の公社による工事と機械設備の調達に対する支出も減少した形。ペトロブラス・グループは、これら公社が実施する投資のほぼ90%を占める。

予算管理省が採用するインフレ指数のIGP-DIで金額を補正した場合には、ペトロブラスの投資の落ち込みは8月までに91億レアルに達する。

2011年の投資として予算で承認を受けた金額と比較すれば、ペトロブラスは依然として、エレトロブラスと空港管理公社インフラエロの平均的な水準を上回る。石油と天然ガス業界に対する投資、承認された予算枠の46.7%に達している。1月から8月にかけてエレトロブラスは、承認された予算枠のうち投資したのは36.6%。インフラエロはさらに低い実績で、投資計画のうち実施されたのはわずか17.5%にとどまる。公社を全体で1月から8月にかけて実施された投資を前年同期と比較すると、落ち込みは、インフレ修正を加えない実質額で、42億レアルに達した。予算枠との比較では、法的予算で見積もられていた1,080億レアルのうち44.1%がすでに投資された形。これらのデータは予算管理省が発表したもので、NGOのコンタス・アベルタスが分析した。

投資ペース
8月までの投資の累積データが発表される以前から、ペトロブラスの投資ペースが減速している兆候は確認されていた。セルジオ・ガブリエッリ総裁が7月に発表した同公社のビジネスプラン2011―2015では、当初の計画から250億レアル、投資が減額されていた。

告示によればペトロブラスは、2011年の投資予算を従来の930億レアルから847億レアルへ下方修正したことを認めた。ただし、この金額は同公社が昨年実施した総投資額を上回ると強調している。「年明けの投資パフォーマンスの縮小は、弊社の事業活動に何ら損害を与えるものではない。」と、この告示で指摘。

ペトロブラスによれば、精製能力の拡大や発電量の拡大同様、石油と天然ガス、バイオ燃料の生産拡大を見込んでいるという。同公社はさらに、投資の40%がドル建てであるため、為替相場におけるレアル高が8月までのパフォーマンスに影響したと主張。

2014年に開催されるサッカー・ワールドカップへの対応に向けた連邦政府の投資で大きな比重を持つインフラエロの場合、8月までに投資したのは2011年予算で想定された総予算22億レアルのうちわずか3億8,800万レアルにとどまる。

当初想定されていた支出の一部は、グァルーリョスとカンピーナス、ブラジリアの空港事業を将来的に担当する事業認可団体に移転される。政府のが公表した日程表では、事業認可を与えるのは2012年から。ビジネスという観点から政府は、その他の空港においても、事業認可の譲渡によって得た資金や官民パートナーシップ投資計画(PPP)に伴って支払われた資金の一部を投入することで投資能力を拡大させる意向。

さらに平均を下回る投資率の公社にはエレトロブラス・グループがあり、予算認可を受けた82億レアルのうち30億レアルを工事と機械設備の調達に支出した。(2011年10月6日付けエスタード紙)

怒りを買うブラジル(2011年10月6日付けエスタード紙掲載コラム)

ヨーロッパの人々が批判ののろしを上げている。ブラジルが、保護貿易主義を導入し始めた! これは、リセッションの瀬戸際に直面してEU諸国が採用を拡大する、制約を多く盛り込んだ財政政策を大統領が批判したことへの反論だ。その欧州のリセッションは、いよいよリスクが高まり、今ではIMFですら、蓋然性が高いと認めている。

ヨーロッパの人々の反発は、ごもっとも。2011年の最初の8カ月間、EUの対ブラジル輸出は、前年同期と比較して28.2%増加したのだから。彼らは302億米ドルをブラジルに輸出しており、これは、ブラジルの総輸入高の21.2%を占める。EU圏は、米国にとって代わり、我々の国ブラジルにとっては第2位の輸入元になっている。ブラジルへの輸出で彼等を上回っているのはアジア、つまりは中国と周辺国だけという状態。

しかし、ブラジルは貿易収支で黒字を計上しているのだ! それが議論の発端。1―8月期にブラジルの貿易収支黒字は51億5,000万ドルを計上しており、それは、22億8,000万ドルを計上した前年同期のほぼ2倍。経済成長の減速はあっても、ブラジルはヨーロッパに対して、輸入する以上に輸出している。このため、国内産業を「保護する」などとは、口が裂けても言えないわけだ。ところで、ブラジルとEU間の貿易に関するデータの分析結果が、今週、開発商工省により発表されたが、これを見ると実はそれほど単純な話ではないことが分かる。むしろ、現実は違う。ヨーロッパが依然として多額の輸入を行っていることは間違いないが、それは半製品を含むコモディティーであって、ブラジルのEU向け輸出全体の66.6%を占める。一方、ブラジルがEUから輸入する99.7%-というよりもほぼ100%だ!-は、工業製品が占める。

彼らが原材料を輸入して完成品をブラジルに輸出するのは間違ったことだろうか? もちろん間違っていはいない。間違っているのは、むしろ輸出に偏っている我々のほうだ。原材料はブラジルの輸出の少なくとも63.6%を占める。

一方で我々ブラジルはこの輸出で経済危機を乗り越えた! コモディティー価格が高止まりした状態のため、輸出売り上げを上積みすることが可能になったのだ。しかしこの状況がずっと続くと信じたりするのは無謀だ。というのも、コモディティー相場は依然として高値ではあるが9月には値下がりしている。エコノミック・インテリジェンス・ユニット(EIU)のスタッフが毎週公表する経過観察報告でも、この傾向が確認された。例えば農業コモディティーの相場は11.4%値上がりしたが、9月には10.7%という大きな下落を記録した。ナフサや各種金属を含めれた工業品は、11.2%の値下がり。これらの業界の企業各社は、こうした値下がり傾向は来年も続くと予想する。

つまり、転換期なわけだ。どのようにかって? 現在の印象としては、政府にはたった1つの判断しか下していない。つまり、市場の保護。大統領はすでに貿易面では、短期的な結果を引き出す、二カ国間合意による計画的な対策を採用しているが、これらはいずれにせよ、財務省がより意欲的な提案を策定しているものの政府内部で具体化するためには障害が残っており、先行きは不透明。

私が最有力視するのは、落ち込まないとしても停滞する国内工業に対してインセンティブを与えるという緊迫性を、コモディティー輸出の成果が奪っていくという状況になること。

エスタード紙ジュネーブ特派員のジャミール・シャデが、政府がドーハ開発アジェンダにとらわれない新たな輸出戦略を検討中と伝えた。もっとも、ドーハはブラジルだけが、世間知らずで頑固にもその成果を信じていただけで、実際のところ、はるか昔に死んだものだ。WTOが主張する貿易の自由化という夢は、そもそも構想される前に死んでいた。政府が自国で策定した貿易規定を支持するのは当然のことであるが、それはあくまで最初の1歩であり、この規定は、まだ存在せずようやく発表される貿易計画とは別物。

世界経済は危機に瀕しており、もはや貿易の自由化など誰も信じていない。ブラジルは、この新しい世界の枠組みに最初の一歩を踏み入れた。皆わが身を守るのみだ。オバマ大統領は米国市場を保護して輸出を拡大するために「タスクフォース」を組織化しており、すでに一部であるが成果も出ている。むしろ、さらにアグレッシブにしていくだろう。なぜなら米国の貿易赤字は依然として7,060億ドルもあるのだから。

アルベルト・タメール (2011年10月6日付けエスタード紙)

怒りを買うブラジル

ヨーロッパの人々が批判ののろしを上げている。ブラジルが、保護貿易主義を導入し始めた! これは、リセッションの瀬戸際に直面してEU諸国が採用を拡大する、制約を多く盛り込んだ財政政策を大統領が批判したことへの反論だ。その欧州のリセッションは、いよいよリスクが高まり、今ではIMFですら、蓋然性が高いと認めている。

ヨーロッパの人々の反発は、ごもっとも。2011年の最初の8カ月間、EUの対ブラジル輸出は、前年同期と比較して28.2%増加したのだから。彼らは302億米ドルをブラジルに輸出しており、これは、ブラジルの総輸入高の21.2%を占める。EU圏は、米国にとって代わり、我々の国ブラジルにとっては第2位の輸入元になっている。ブラジルへの輸出で彼等を上回っているのはアジア、つまりは中国と周辺国だけという状態。

しかし、ブラジルは貿易収支で黒字を計上しているのだ! それが議論の発端。1―8月期にブラジルの貿易収支黒字は51億5,000万ドルを計上しており、それは、22億8,000万ドルを計上した前年同期のほぼ2倍。経済成長の減速はあっても、ブラジルはヨーロッパに対して、輸入する以上に輸出している。このため、国内産業を「保護する」などとは、口が裂けても言えないわけだ。ところで、ブラジルとEU間の貿易に関するデータの分析結果が、今週、開発商工省により発表されたが、これを見ると実はそれほど単純な話ではないことが分かる。むしろ、現実は違う。ヨーロッパが依然として多額の輸入を行っていることは間違いないが、それは半製品を含むコモディティーであって、ブラジルのEU向け輸出全体の66.6%を占める。一方、ブラジルがEUから輸入する99.7%-というよりもほぼ100%だ!-は、工業製品が占める。

彼らが原材料を輸入して完成品をブラジルに輸出するのは間違ったことだろうか? もちろん間違っていはいない。間違っているのは、むしろ輸出に偏っている我々のほうだ。原材料はブラジルの輸出の少なくとも63.6%を占める。

一方で我々ブラジルはこの輸出で経済危機を乗り越えた! コモディティー価格が高止まりした状態のため、輸出売り上げを上積みすることが可能になったのだ。しかしこの状況がずっと続くと信じたりするのは無謀だ。というのも、コモディティー相場は依然として高値ではあるが9月には値下がりしている。エコノミック・インテリジェンス・ユニット(EIU)のスタッフが毎週公表する経過観察報告でも、この傾向が確認された。例えば農業コモディティーの相場は11.4%値上がりしたが、9月には10.7%という大きな下落を記録した。ナフサや各種金属を含めれた工業品は、11.2%の値下がり。これらの業界の企業各社は、こうした値下がり傾向は来年も続くと予想する。

つまり、転換期なわけだ。どのようにかって? 現在の印象としては、政府にはたった1つの判断しか下していない。つまり、市場の保護。大統領はすでに貿易面では、短期的な結果を引き出す、二カ国間合意による計画的な対策を採用しているが、これらはいずれにせよ、財務省がより意欲的な提案を策定しているものの政府内部で具体化するためには障害が残っており、先行きは不透明。

私が最有力視するのは、落ち込まないとしても停滞する国内工業に対してインセンティブを与えるという緊迫性を、コモディティー輸出の成果が奪っていくという状況になること。

エスタード紙ジュネーブ特派員のジャミール・シャデが、政府がドーハ開発アジェンダにとらわれない新たな輸出戦略を検討中と伝えた。もっとも、ドーハはブラジルだけが、世間知らずで頑固にもその成果を信じていただけで、実際のところ、はるか昔に死んだものだ。WTOが主張する貿易の自由化という夢は、そもそも構想される前に死んでいた。政府が自国で策定した貿易規定を支持するのは当然のことであるが、それはあくまで最初の1歩であり、この規定は、まだ存在せずようやく発表される貿易計画とは別物。

世界経済は危機に瀕しており、もはや貿易の自由化など誰も信じていない。ブラジルは、この新しい世界の枠組みに最初の一歩を踏み入れた。皆わが身を守るのみだ。オバマ大統領は米国市場を保護して輸出を拡大するために「タスクフォース」を組織化しており、すでに一部であるが成果も出ている。むしろ、さらにアグレッシブにしていくだろう。なぜなら米国の貿易赤字は依然として7,060億ドルもあるのだから。

アルベルト・タメール (2011年10月6日付けエスタード紙)

中国への報復(2011年10月6日付けエスタード紙掲載コラム)

米国の 上院が現在、北京の中国政府が自国通貨をおよそ30%も人為的に安値に保つ為替操作を行っていると断定したうえで、中国に対して通商上の報復措置を導入す ることについて協議している。この不当な為替相場の操作については米国の2大政党の国会議員が双方とも主張しており、中国製品が安価に出回ることで、中国 市場また米国市場におけるアメリカ製品販売におおきな損害を受けていると指摘する。(中国市場と自国市場で販売されている製品が、中国が採用している為替 メカニズムのために平均すれば中国市場のほうが相当安価になっていると指摘する。)

米国内の失業者は現在では1,400万人以上(労働人口の9.1%)に達しており、これは少なくとも20年以上にわたる為替制度を利用したダンピングの影響とのことだ。

一 方、ギド・マンテガ財務大臣は、WTOの枠組みの中でも現実として通貨戦争が存在するという告発をする準備している。これは、人為的に自国通貨安に誘導す る国々に対し通商上の報復措置を採用することができるよう認定を得ることが目的だ。(通商上の報復措置を採用することができるように、人為的に自国通貨安 に誘導し続けている国々を認定することが目的だ。)

この状況が皮肉なことは、マンテガ財務大臣が追及するアメリカの操作は(訴える相手 が)、アメリカが追及する中国のそれと同等のものであるという点だ。(訴えようとしている米国を提訴するという点だ。)ブラジル側は、連邦準備銀行 (FRB)が自国通貨の強い値下がり圧を生むことになる、莫大な通貨発行を望んでいるとの主張する。

2週間前にゼツリオ・バルガス財団の 第8回経済フォーラムで提出された研究で、WTOのブラジルチームスタッフであるヴェラ・トルステンセン教授は、通貨戦争が世界各地に拡大するなら、貿易 協定で認められた関税による保護は無意味なものになることを示した。この想定外の無秩序は、同教授によれば、国際貿易の貞節を守るという機能を担うWTO 自体の目的を危うくする。(の目的そのものが原因)。「ジュネーブ、問題が発生した」と、1970年4月13日のアポロ13号の宇宙飛行士の有名なセリフ 「ヒューストン、問題が発生した」をもじって同教授は警告した(ジュネーブにはWTOの本部があるのだ)。

ひずみは明白であり、それは否 定できない。問題は、このひずみを正そうとするところにある。一方的報復、まさに米国上院が中国に対して講じることを検討しているこの措置は、自らの足に 向かって銃弾を発射するようなもの。中国(相手側)には、ゼネラル・エレクトリック、ゼネラルモーターズ、デュポン、プロクター・アンド・ギャンブル、そ してあらゆる米国企業がひしめいている。言い換えるなら、中国を処罰することは米国の大手多国籍企業にペナルティーを与えることを意味する。

為 替の行き違いは、国際経済システムと現在の経済危機の混乱の結果として生じた。通商上の報復措置によって根本的な問題が解決されるものではない。トルステ ンセン教授は、新たなブレトン・ウッズ協定が解決の糸口にならないだろうかと問いかける。ブレトン・ウッズ協定は1946年にスタートした国際秩序で、国 際通貨基金と世界銀行を設立した。

恐らく、そうだろう。ただし、どのように新しいブレトン・ウッズ協定を構築するかという課題が残る。 1998年、当時のビル・クリントン米大統領(任期:1993年―2001年)が国際経済の新たな枠組み構築を求めたが、各国首脳たちをまとめられなかっ たのではなかったか?

セルソ・ミンギ (2011年10月6日付けエスタード紙)