8月の鉱工業部門の新規雇用は半減

就労・失業者管理センター(Caged)の発表によると8月の鉱工業部門の新規雇用は3万5,900人と前年同月の7万4,700人から半減、また8月の全体の新規雇用は前年同月比36.45減少の19万500人に留まっている。

8月の商業部門の新規雇用は32%減少の4万4,300人、サービス部門は26%減少の9万4,400人、建設部門は3万1,600人の新規雇用と、それぞれ前年同月を下回っている。

レアル高の為替、欧米の債務危機や景気減速などによる金融危機不安の拡大による、欧米諸国の貿易縮小による輸出の減少並びに輸入製品の拡大で、鉱工業部門を中心にブラジル国内の消費傾向縮小が表れてきている。

サンパウロ州工業連盟(Fiesp)の経済調査部担当者は今年の鉱工業部門の製造セクターの新規雇用は前年比2.0%増加を予想、8月のサンパウロ州の鉱工業部門の雇用は僅かに1.46%の増加に留まって、8月としては2006年以来の低率となっている。

ルピ労働・雇用相は今年の新規雇用を300万人と予想していたにも関わらず、今年8カ月間では180万人、過去12カ月間では209万人に留まっているために、下方修正を余儀なくされた。

四半期ごとの正式な国内総生産(GDP)はブラジル地理統計院(IGBE)から発表されるが、中銀はIGBEのGDP伸び率の発表前に、先行指標として経済活動指数(IBC-Br)を発表、7月は前月比0.46%増加、しかし6月がマイナス0.26%となっていたために、経済成長の停滞を示している。(2011年9月15日付けヴァロール紙)

 

レアル通貨に対する投機拡大

昨日のレアル通貨に対するドルは10日連続で上昇して1999年の変動為替相場制採用後では最長記録となり、昨日のドル通貨はR$1.724を記録して昨年11月末以来の高値を記録、過去10日間のドルは8.5%上昇している。

金融市場関係者は今後のドルの為替はR$1.80から R$1.85まで上昇すると予想、今年7月にはR$1.53までドルの為替は下落していた。

ドル通貨の上昇要因としてヨーロッパの債務危機の影響で最も安全と見込まれている米国債に投資金が流れ、また米国連邦準備制度理事会(FRB)によるドル安を誘発する更なる金融緩和の可能性の減少がレアル安の要因の70%を占めている。

また8月末の金融関係者の意表を突く中銀の通貨政策委員会(Copom)による政策誘導金利(Selic)の0.5%の大幅切下げで実質金利が8.5%以下になったために、キャリートレード投資の減少もレアル安の要因となっている。

またブラジルの外貨準備金は為替の介入などで3,520億ドルまで拡大しているために、海外の金融危機に対しても充分持ちこたえる筋肉体質になっており、為替市場に対する投機には充分に防衛できると見込まれている。

ブルームバーグ社(Bloomberg)発表の過去10日間の世界の通貨の変動率ではスイスフラン-6.87%、スエーデン-5.95%、ノルウエ–5.43%、ユーロ-5.21%、デンマーク-5.18%、南アフリカのランドがマイナス-4.59%とそれぞれドル通貨に対して大幅に下落、唯一、日本の円が0.27%上昇している。(2011年9月15日付けヴァロール紙)


 

(2011年9月15日)デルタ航空 ジャパンナイト開催

デルタ航空は在サンパウロ日系企業を招待し、2011年9月15日サンパウロ市内のホテルでイベント<ジャパンナイト>を開催。日本からは東京、名古屋、大阪の法人営業担当、及び北米からは日系企業営業担当も参加。航空券などがあたる抽選会も行った。

デルタ航空はではこれまでのサンパウロ-アトランタ線、サンパウロ-ニューヨーク線に加え、昨年は三路線目となるサンパウロ-デトロイト線を新たに開設した。また、国際線機材へのビジネスクラス・フルフラットシート、エコノミーコンフォートの導入も本格化し、より利便性及びグレードの高いサービスを提供を開始した。

ジャパンナイトの開催にあわせて、デルタ航空会社本社の横澤昭徳国際営業部長が同日午後、デルタ航空ブラジルの営業担当のセルジオ・ロッシャ部長と会議所を訪問、入会手続きを終え、平田事務局長にジャパンナイトレセプションでの乾杯の音頭を依頼した。

左からデルタ航空ブラジルの営業担当のセルジオ・ロッシャ部長/平田藤義事務局長/デルタ航空会社本社の横澤昭徳国際営業部長(fotos Rubens Ito/CCIBJ)

異業種交流委員会に24人が参加して開催

異業種交流委員会(和田亮委員長)が2011年9月14日午後7時から8時過ぎまで24人が参加して開催、講師はジェトロ・サンパウロセンターの紀井 寿雄調査担当ディレクターがタイトル:「大統領選直前のアルゼンチン」と題して講演した。

紀井調査担当ディレクターは10月23日のアルゼンチンの大統領選では現職のクリスチーナ・キルチネル大統領が8月の予備選挙で過半数の50.07%で圧倒、他の3有力候補はいずれも10%から12%で低迷しているために、第一次選での当確が有望と予想されていると説明した。

今回の大統領選は夫のキルチネル元大統領が立候補する予定であったにも関わらず、急死したために立候補、そのために同情票と好調を維持しているアルゼンチン経済が他の候補の追随を許さなかった。

キルチネル前政権以降は統計機関の数字の操作疑惑はあるが、2003年以降の経済成長率は8%から9%を維持、リーマンショック翌年の2009年も0.9%増加、しかし実際はマイナス成長であったと見込まれている。

昨年のGDP9.2%の伸び率はアルゼンチンの輸出の主力である農産物輸出は旱魃解消並びにコモディティ価格の高騰で大幅に増加、また金融緩和政策もV字型回復に寄与している。

2003年以降の政府発表のインフレ率は一桁台となっているが、サラリー調整率からの換算では実質は25%から30%、為替はドル介入、経常黒字や金融緩和による海外資金の流入で安定、キルチネル政権の命綱は財政黒字並びに貿易黒字、それを引き継いだクリスチーナ政権は命綱を守る保護貿易主義を目的に非自動ライセンス制度の強化、財政黒字保持のために「1ドル対1ドル」の根拠ない行政指導を行った。

クリスチーナ政権の命綱はパリクラブ債務問題並びに自動車メーカーの新規投資、フリーゾーンのフエゴ島の電気電子産業の投資など名目と違う、単純な組み立で産業育成には結びついていない。また当選後の第2次政権の課題として不透明な政策予見、パリクラブ問題の解決や高い賃金上昇とインフレをあおる労働者よりの労働政策などを解決しない限り、海外からの新規並びに追加投資は困難をきたし、また大統領3期は禁じられているために、後継者の育成が重要であると説明した。

24人が参加した8月の異業種交流員会の勉強会風景(fotos Rubens Ito/CCIBJ)

中央は立って講演するジェトロ・サンパウロセンターの紀井 寿雄調査担当ディレクター

(20011年9月14日)第11回南米不動産学会参加の緒方不動産鑑定事務所の秋山裕子大阪支所長が訪問

今月14日から16日までサンパウロで開催される第11回南米不動産学会に参加するために訪伯中の緒方不動産鑑定事務所の秋山裕子大阪支所長が2011年9月14日に商工会議所を表敬訪問、平田藤義事務局長が応対した。

ブラジルに13年間住んだ経験のあり、ブラジル不動産鑑定協会メンバー並びにサンパウロ大学院工学研究科研究員でもある緒方不動産鑑定事務所の不動産鑑定士の秋山祐子大阪支社長はアセット・ビジネスを考える人のコマーシャル・マガジンの「不動産鑑定」にブラジル地上権の価格、ブラジルにおける不動産鑑定評価など多数執筆、2006年~2008年は南米不動産学会(Latin American Real Estate Society: LARES)理事、2008年から(社)日本不動産鑑定協会国際委員会 国際評価基準等検討小委員会専門委員。

左から平田藤義事務局長/緒方不動産鑑定事務所の秋山裕子大阪支所長(fotos Rubens Ito/CCIBJ)

鉱工業部門の18セクターで輸入増加

ブラジル地理統計院(IBGE)並びに貿易研究センター(Funcex)の調査によると今年7カ月間の鉱工業部門の20セクターのうち18セクターで輸入が増加、6セクターでは輸入量が増加の一方で国内生産が大幅に減少している。

今年7カ月間のドルはレアル通貨に対して前年同期比で9.65%と大幅下落していることが輸入増加に拍車をかけており、一方でレアル高の為替は輸出に歯止めをかけている。

ブラジル履物工業会(Abicalçados)では今年7カ月間の業界の雇用は輸入製品の増加に伴って5,100人減少と、前年同期の4,700人の雇用増加から一転して大きな打撃を受けている。

今年の履物・皮革セクターの輸入量は31.34%増加、ブラジルの国内生産はマイナス7.41%、繊維セクターも輸入量の17.4%の増加に伴って国内生産はマイナス14.4%を記録、今年7カ月間の業界の雇用は1万7,000人と前年同期の5万1,000人から67%減少して、非工業化が進んできている。

特に輸入製品増加が目覚ましいのは非鉄金属セクターで49.28%増加、木材は18.98%増加、国内生産はマイナス0.28%、また家具は24.43%、金属31.14%、機械・装置セクターは27.79%とそれぞれ大幅に増加している。

今年7カ月間の医薬品セクターの生産は6.1%増加しているにも関わらず、化学品セクターの輸入は中国を中心に11.8%と大幅に増加して、今年は250億ドルの貿易赤字が予想されている。

しかし医療機器、オートメーション機器並びに精密機器の輸入はマイナス12.03%と減少、しかし国内生産は17.47%と大幅に増加、また自動車セクターでは輸入が19.8%増加したにも関わらず、国内生産も5.6%増加している。(2011年9月14日付けヴァロール紙)

 

今年の対内直接投資は700億ドルか

中銀の金融政策担当のアウド・ルイス・メンデス取締役は今年の海外投資家の製造部門への対内直接投資(FDI)は、中銀発表の550億ドルを大幅に上回る700億ドルと予想している。

ブラジル・グローバル・多国籍企業研究会(Sobeet)では今年のFDI総額を650億ドルと予想、昨年のFDI総額は484億ドルで記録を更新しており、今回の予想700億ドルは前年比44.5%増加となる。

海外投資家がブラジルへの製造部門の直接投資をする要因として、拡大を続ける国内消費に対するサービス部門への投資並びに岩塩層下(プレソルト)原油開発の石油・天然ガス部門が海外投資家を魅了している。

また実質賃金の増加による中間層の拡大による消費増加やレアル高の為替や景気の先行き不透明感増加の欧米などの先進諸国への直接投資減少もブラジルへのFDI増加につながっている。

今年7カ月間の通信部門への直接投資比率は全体の14.4%に相当する59億ドルと前年の1.3%から大幅に増加、電力エネルギー部門は34億ドル、金融部門は28億ドルとなっている。

また今年は石油・天然ガス部門のFDIは47億ドルが既に流入、しかし来年下半期のプレソルト鉱区の入札が予定されているために、石油部門への海外からの投資は飛躍的に増加すると予想されている。

伝統的にブラジルへの直接投資は米国、ヨーロッパ諸国並びに日本からであったが、今ではアジア諸国からの投資が拡大、特に中国並びに韓国からの自動車部門、石油、鉄鋼や機械・装置部門の投資が増加、また新興国ではメキシコからの投資が増加してきている。(2011年9月14日付けエスタード紙)

 

与信審査強化で自動車販売に影響

実質賃金の上昇や雇用増加で多くの低所得者層は自動車購買が可能となるCクラスに移行して、低価格の自動車販売は好調に推移してきたが、自動車ローンの延滞率の増加に伴って、与信審査が厳しくなってきている。

昨年8月のCクラス入りしたニューカマーに対する自動車ローンの与信審査では70%が承認されていたにも関わらず、今年8月の承認比率は38%と半分近くまで低下して、自動車販売の減少につながってきている。

全国自動車工業会(Anfavea)ではクレジット部門へのマクロ・プルーデンス政策の導入並びに延滞率の増加に伴って、自動車販売の伸び率が低下してきているために、8月の新車の在庫は営業日換算で37日と、平均在庫の28日から30日を大幅に上回っている。

ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)の調査によると25%の自動車メーカーは過剰在庫を抱えており、自動車ディーラーのPalazzo社は6月の3万レアル以下の新車並びに中古車販売は前月比15%減少、またItororó社では4万レアルまでの新車は10%、中古車販売は15%減少している。

7月の消費者直接クレジット(CDC)の90日以上の延滞率は前月から0.2%増加の4.0%に達しているために、与信審査が更に厳しくなってきており、最低でも2年以上の勤続年数や60カ月ローンでは20%から40%の頭金が要求されている。(2011年9月14日付けエスタード紙)