対内直接投資金が短期金融投資に流れている可能性

中銀の統計によると今年上半期の鉱工業などの製造部門を中心とした海外からの対内直接投資(FDI)は325億ドルに達して、中銀が統計を取り始めた1947年以降では記録を更新して、経常収支赤字255億ドルを上回っている。

海外で金利の安い資金を調達して実質金利が世界トップのブラジル国債などの確定金利付き投資を行うキャリートレードなどによる外資流入を阻止するために、金融取引税(IOF)を2度に亘り6%に引上げた。

さらにブラジルの商業銀行や企業の海外での低金利の資金調達に対して、IOF税6%並びに借入期間を1年から2年間に延長した影響で、短期金融投資は減少していたが、ここ数カ月間の対内直接投資が大幅に増加して益々のレアル高の為替に傾いている。

国際通貨基金(IMF)などはブラジル政府が海外投資家の短期金融投資を抑制するために導入したIOF税の課税を避けるために、対内直接投資として資金流入している可能性を指摘しているにも関わらず、中銀経済班のチーフエコノミストのツ-リオ・マシエル氏は疑惑を否定して、対内直接投資増加は海外投資家のブラジル経済の見通しの楽観性であると肯定している。

中銀のカルロス・タデウ・デ・フレイタス元取締役は製造部門への直接投資に対して、課税することは投資減退につながり、また中銀が全ての直接投資の違法性をチェックするのは不可能であるとコメントしている。(2011年8月2日付けエスタード紙)


 

7月の貿易黒字は31億4,000万ドル

農産物や鉱物資源の国際コモディティ価格が高止まりを続けているために、7月の貿易収支は輸出が223億ドル、輸入が191億ドル、貿易黒字は前年同月比74.4%増加の31億4,000万ドルを記録している。

しかし7月の工業製造部門の付加価値の高い製品輸出は前月比マイナス9.5%、完成品の輸出はマイナス13.3%、半製品は0.8%増加、コモディティ製品の輸出増加で非工業化が進んできて、ますますオランダ病の様相となってきている。

今日、連邦政府は工業製品の輸出を促進するための新工業政策の発表を予定、全国工業会(CNI)の調査によると、レアル高の為替などの要因で、昨年のブラジルの輸出企業の32%が輸出先でのマーケットシェアが縮小、16%が輸出を中止、僅かに9%が輸出増加に留まっている。

今年は24%の輸出企業が輸出額の減少を予想、また輸出企業の68%はマーケットシェア拡大のために、生産性を挙げるためのコスト削減などを検討している。

アルゼンチンへの対抗策とみられているブラジルが5月に導入した自動車向けの船積み前に、輸入許可申請を必要とする非自動輸入ライセンス(NAIL)導入にも関わらず、7月の自動車の輸入額は10億ドルに達している。(2011年8月2日付けエスタード紙)


 

繊維部会に8人が参加して和気あいあいと部会長シンポ発表資料作成

繊維部会(岡田幸平部会長)が2011年8月1日午後3時から5時過ぎまで8人が参加、和気あいあいと今月23日に開催される業種別部会長シンポジウムの発表資料作成で大いに意見交換を行った。

今年上期の回顧では綿花の国際コモディティ商品が南北戦争以来の高値を記録、今年初めも暴騰が続いていたが、4月には暴落、連邦政府の25万トンの緊急無税輸入、紡績各社の操業短縮や一斉休暇、クレジットに関するマクロ・プルーデンス政策導入の影響、レアル高の為替、投機筋の介入などが話題に挙がった。

下期の展望では主要綿花国の増産予想、綿糸市況の低迷、テキサス州の旱魃の影響、寒波による収穫遅れ、雨量不足、過剰在庫の削減、価格転嫁、繊維産業保護の陳情、アンチダンピング提訴、コスト削減、更なるレアル高の為替、クリスマス商戦への期待、製造業の死活問題の為替レート対策の要請など下半期も引き続いて、繊維業界の経営の厳しさが増すと予想している。

参加者は岡田幸平部会長(ユニチカ)、上野秀雄副部会長(クラシキ・ド・ブラジル・テキスタイル)、金屋悦二副部会長(ダイワボウ・ブラジル)、本間昭一郎氏(オーミ繊維工業)、柴垣アルフレッド氏(サンヨーテックス)、河本暢夫氏(東洋紡)、黒木沙緒里専門調査員(サンパウロ総領事館)、平田藤義事務局長

左から上野秀雄副部会長/岡田幸平部会長/金屋悦二副部会長(fotos Rubens Ito/CCIBJ)

和気あいあいと部会長シンポジウムの発表資料作成

(20011年8月1日)磐田信用金庫の高木昭三理事長一行が表敬訪問

磐田信用金庫の高木昭三理事長、理事の片桐正二総務人事部長並びにアジア・ブラジル業務支援デスク担当のエツジ・イシカワ弁護士が2011年8月1日に商工会議所を表敬訪問、応対した平田藤義事務局長に今年11月に予定しているブラジルへの第2回中小企業ミッション団への支援を要請、また高木昭三理事長は2010年下期の業種別部会長シンポジウムの磐田信用金庫ミッション団14人の参加受入に対して丁寧にお礼を述べ、また平田事務局長とブラジルの政治経済動向などで大いに意見交換を行った。

左から磐田信用金庫理事の片桐正二総務人事部長/高木昭三理事長/平田藤義事務局長/アジア・ブラジル業務支援デスク担当のエツジ・イシカワ弁護士

公共負債の利払いが大幅に増加

今年上半期の連邦政府の名目公共負債の利払いは政策誘導金利(Selic)の高止まりやインフレ指数の増加に伴って、大幅に増加して1,197億4,800万レアルとGDP比6.12%に達している。

今年上半期のSelic金利連動国債向け利払いは576億600万レアルで国債全体の44%に相当、今年のSelic金利は1.75%と大幅に引上げに伴って、利払いも増加している。

インフレ指数連動国債の利払いは359億5,900万レアルで国債比率では27.5%に相当、今年上半期のインフレ指数である広範囲消費者物価指数(IPCA)は前年同期の3.09%から3.87%と大幅に上昇している。

今年上半期の連邦政府プライマリー収支黒字は前年同期の420億5,600万レアルから大幅増加の781億9,000万レアルと2008年同期に次ぐ記録を達成、すでに今年の目標1,178億レアルの2/3に達している。

州政府並びに市町村のプライマリー収支黒字は今年の目標である361億3,000万レアルの61%に相当する221億3,700万レアル、連邦政府の6月の過去12カ月間のプライマリー収支黒字はGDP比3.54%に相当する1378億レアルに達している。

しかし昨年10月のペトロブラス石油公社による大型増資による国庫庁への319億レアルを除外すると、連邦政府目標の1,059億3,000万レアルを僅かに下回っている。(2011年8月1日付けヴァロール紙)

 

7月の投資収益率は金が9.32%と圧倒

米国の民主・共和両党指導部が法定債務の上限引き上げと財政赤字削減で合意が難航している問題やギリシャをはじめとしたヨーロッパ諸国の債務問題など、先行き不透明感の増加に伴って、世界の株式市場では株価の下落が続いている。

7月のサンパウロ平均株価(Ibovespa)の収益率はマイナス5.74%と投資先としては最も下落、一方、世界経済の先行き不透明感の増加に伴って、先行きが不透明な時に投資先として選ばれる、金投資の収益率は9.32%と大幅に上昇した。

また政策誘導金利(Selic)のインフレ分を差引いた実質金利が世界で最も高いために、確定金利付き投資の一つである銀行間預金証(CDI)並びに銀行間預金ファンド(DI)の収益率はそれぞれ0.77%であった。

今週、中銀の通貨政策委員会(Copom)の議事録が発表されるが、金融関係者は年末のSelic金利を13.0%と予想しているために、確定金利付き投資に更に投資金が流れると予想されている。

今年7カ月間の株投資はマイナス15.12%と大幅に下落しているために、投資ファンド関係者は今後12カ月間にIbovespa 指数は6万5,000ポイントまで上昇すると見込んでおり、底値と予想されている現在が株購入時と見込んでいる。

今年7カ月間の金投資の収益率は7.32%でトップ、CDB5.17% ,DI5.13%、ポウパンサ預金3.61%、ドル投資はマイナス6.67%、Ibovespaはマイナス15.12%とインフレ指数の総合市場物価指数(IGP-M)の3.03%を大幅に下回っている。(2011年7月30日付けエスタード紙)


 

JACモーターはブラジルで自動車生産

中国の自動車メーカーJACモーターはすでに代理店を通してブラジル国内で輸入自動車を販売、先週の中国資本Chery自動車のサンパウロ州ジャカレイ市での定礎式に次いで、ブラジル国内で自動車生産を行う。

JACモーターは今年のブラジル国内の自動車販売が370万台に達して世界4位のマーケットとなり、今後もマーケットの拡大が予想されているために、ブラジル国内での自動車生産を行い、本格的に市場に参入する。

今年のJACモーターの自動車販売は大半がJ3型の小型車で、50ディーラーを通してすでに1万台を販売、小型のハッチ型のマーケットシェアは2.3%となっている。

JACモーターでは2012年末までにディーラーを150店舗に拡大してブラジル国内の70%をカバー、J6型に次いでJ5型、J2型のリリースを予定して、果敢にブラジル市場に攻勢をかける。(2011年8月1日付けヴァロール紙)


 

化学品部会に15人が参加して業種別部会長シンポジウムの発表資料作成

化学品部会(大澤巌部会長)が今月23日に開催される業種別部会長シンポジウムの発表資料作成のために、2011年7月29日午後3時から5時まで15人が参加して開催、ドラフト資料を基に参加者が今年の回顧と下期の展望を発表した。

上期の回顧ではデジカメ市場の拡大、雇用情勢の改善、教育投資の増加、レアル高の為替の影響、販促プロモーション、新規顧客の開拓、農作物の国際コモディティ価格の高騰、人件費増加、中国製違法品との競合などが挙がった。

下期の展望では人件費上昇による収益性の悪化、コスト削減、景気の減速、継続するレアル高の為替、顧客在庫の増大、ジェネリック品との競合、農産物価格の低下、為替レートの見直し、インフレによる経費・人件費の負担増加、原材料の値上がり、新規ビジネス開拓などが挙がり、大いに意見交換が行われた。

参加者は大澤部会長(ダイカラー)、滝沢副部会長(久光製薬)、佐野副部会長(パイロットペン)、松下副部会長(住友化学)、前田氏(フジフイルム)、芥川氏(三井化学)、藤下氏(ハリマ)、榎本氏(出光石油サウス・アメリカ)、江口氏(K-I)、町井氏(ブラジル日曹)、早乙女氏(パイロットペン)、古田氏(スリーボンド)、棚橋氏(三菱商事)、加藤領事(サンパウロ総領事館)、平田事務局長

ドラフト資料を基に発表資料をまとめる大澤巌部会長(fotos Rubens Ito/CCIBJ)

業種別部会長シンポジウムの発表資料作成のために15人が参加して意見交換

自動車部会に14人が参加して開催

自動車部会(中西俊一部会長)が20011年7月29日午後5時30分から6時30分まで14人が参加して、業種別部会長シンポジウムの発表資料作成で意見交換を行った。

四輪車や二輪車の生産、販売、クレジット形態、レアル高の為替による輸入車の急増、韓国メーカーの進出や積極的なマーケット展開、ブラジル国内での中国メーカーの自動車生産、移転価格税制の行方、アルゼンチンとの貿易障害による影響などについて大いに意見の交換が行われた。

参加者は中西部会長(トヨタ)、斉藤副部会長(デンソー)、白崎氏(ブリジストン)、林氏(ブラジルNGK),岸上氏(ホンダ・サウスアメリカ)、榎本氏(出光石油サウスアメリカ)、二木氏(ミドリ・アトランチカ)、下前原氏(三菱コーポレーション)、高橋氏(日本精機)、安永氏(スミデンソー)、金原氏(トヨタ)、五鬼上氏(豊田通商)、佐々木副領事(サンパウロ総領事館)、平田事務局長

進行役を務める中西俊一部会長(fotos Rubens Ito/CCIBJ)

業種別部会長シンポジウムの発表資料作成で意見交換

 

 

設備投資用機械・装置輸入で国内メーカーが苦戦

レアル高の為替の影響を受けて中国からの設備投資用工作機械輸入が国内メーカーに大きな打撃を与えており、連邦政府に対する問題解決のための陳情も効果を発揮していない。

ブラジルの大手工作機械メーカーのロミ社は今年の投資額3,500万レアルを見込んでいたが、輸入工作機械が国内マーケットを席巻しているために、2,000万レアルの投資額に下方修正している。

同社の第2四半期の純益は前年同期比67.3%減少しているために、今年の生産を前年比マイナス5%、売上は6%から8%、金利・税金・償却前利益Ebitdaを12%から18%と予想している。

またロミ社では過去12カ月間にレアル高の為替の影響で、輸入製品に対して益々価格競争力を失ってきているために、3回の値下げを余儀なくされている。

プラスティック射出成形加工用工作機械は中国の輸入製品との競争にさらされて、マーケットシェアを失ってきており、今年の上半期の輸入機械・装置は国内マーケットシェアの32.7%に相当する141億4,000万ドルに達している。

ブラジル機械・装置工業会(Abimaq)では今年上半期の機械・装置の貿易収支は87億8,000万ドルの赤字を計上、今年は208億ドルの赤字計上が予想している。

中国からの輸入機械・装置シェアは輸入全体の13.0%と7年前の2.1%から飛躍的に増加してドイツの13.8%に迫っており、トップは米国の25.1%となっているが、今後は中国製品の大幅なマーケットシェア拡大が予想されている。

Abimaq協会では連邦政府に対して国産の類似品の輸入機械・装置に対して35%の輸入関税適用を要請していたにも関わらず、今回は更に厳しい中国製品に対するセーフガード発令の陳情に切り替える。(2011年7月28日付けヴァロール紙)