会報『ブラジル特報』 2011年3月号 ブラジル日本商工会議所創立70周年に当たって 会議所小史 後藤隆(第8代会頭)
中銀の統計によると4月のクレジット伸び率は前月比1.29%と3月の1.08%よりも増加、特に消費者に余裕のない場合に使用する特別小切手と呼ばれる口座借越残クレジット並びにクレジットカードが増加した。
政策誘導金利(Selic)の連続した引上げや昨年末に実施したクレジット部門の引締めのマクロ・プルーデンス政策を導入したにも関わらず。その効果は未だに明確には表れていない。
今年4カ月間のクレジット残高は前年同期比4.1%増加の1兆7,760億レアル、増加率4.1%は年換算で13%に相当、中銀の経済班のツ-リオ・マシエル課長は下半期からマクロ・プルーデンス政策の効果が表れると見込んでいる。
1日当たり営業日の法人向けクレジットは運転資金向けクレジットの伸び率8.5%が牽引して6.5%増加、個人向けクレジットは7.1%増加、特にクレジットカードが17.9%、口座借越残クレジットが5.3%とそれぞれ増加している。
世界金融危機後に民間銀行は不渡りを避けるためにクレジット部門を縮小、しかし公立銀行は連邦政府の要請でクレジット部門を拡大したために、民間銀行はクレジット部門のシェアが減少、しかしシェア奪回のために積極的にクレジット部門拡大路線を採用している。
中銀は拡大一途のクレジット部門にブレーキをかけて、今年の伸び率15%前後を目標にしているが、民間銀行の拡大路線で個人向けクレジットは20%前後の伸び率を記録すると予想されている。
4月の民間銀行のクレジット部門は1.4%、公立銀行は1.3%それぞれ増加、しかし社会経済開発銀行(BNDES)の今年4カ月間のクレジットは1.8%と前年同期の26.4%から大幅に減少、クレジット縮小で4月の15日以上の延滞率は昨年末の5.3%から6.6%に上昇している。(2011年5月31日付けヴァロール紙)
ブラジル経済が好調に推移して正規雇用の増加に伴って、民間の健康プランの加入者が増加、病院側では今までの検査や診察時間では需要に追い付かないために、週末や24時間体制にシフトしてきている。
画像診断や血液検査大手のサンパウロのフレウリ・ラボラトリー、Cura並びにLavoisier、セアラー州のLAB Pasteur並びにリオ州のセルジオ・フランコでは24時間体制を敷いて対応している。
またサンパウロのSalomão&Zoppiラボラトリー 並びにCentro Diagnóstico Brassil(CDB)では深夜の時間帯の検査は実施していないが、検査終了時間を午後6時から午後10時まで延長して対応している。
健康プラン利用者の60%は企業の従業員が占めているために、企業側にとっても労働時間外の検査は従業員の欠勤や早退減少につながるために歓迎されており、また病院側にとっても高価な医療機器や画像診断装置の稼働率を上げて収益増加に結びつく利点がある。
また超音波装置、CT並びに磁気共鳴装置(MRI)による検査は長時間の絶食の必要がなく、夕方以降の時間帯でも問題がないために、病院側にとって好都合となる。
フレウリのオマール・ハウアチェ社長はイジエノポリス・ラボラトリーのMRI装置の深夜の時間帯の稼働率は80%に達して高収益に結びついていると説明、残業代を支払わないために深夜勤務チームをつくっている。
CDBではロボラトリー網の設備稼働率が100%に達しているために、2013年までにラボラトリーの数を2倍に増加する予定、検査予約の6%から12%はキャンセルしている。(2011年5月31日付けヴァロール紙)
ブラジル・インフラ基幹産業協会(Abdib)の統計によると、昨年の連邦政府並びに民間企業のインフラ部門への投資総額は前年比11%増加の1,460億レアル、そのうち50%に相当する730億レアルは石油・天然ガス部門であった。
残りの50%は輸送、電力エネルギー、上下水道並びに通信部門向けインフラ投資、また2003年からのインフラ投資総額は7,880億レアル、しかし昨年の投資はGDP比4%相当と新興国平均の14%を大幅に下回っている。
輸送部門インフラ投資は278億レアル、これには鉄道、道路、水路、空港や港湾向けインフレ投資が含まれているが、充分なインフラ整備には大型投資が必要となっている。
昨年の通信部門インフラ投資は5.32%減少の160億レアル、上下水道はマイナス3.84%の75億レアルに減少、インフレ向けクレジットはBNDES銀行が行っているが、資金調達のための暫定令517号が下院を通過、今後は上院での承認待ちとなっている。(2011年5月31日付けエスタード紙)
ドイツ資本Vulcan社は風力電力エネルギー入札やペトロブラス石油公社による岩塩層下原油開発向け需要の拡大に伴って、サンパウロ州イタチーバ工場、バルエリ工場に次いで第3工場の建設を予定している。
Vulcan社の2工場の設備稼働率は80%に達しており、注文生産の部品アイテムは3000点、第3工場はイタチーバ市を予定、投資総額は5,000万ドルを見込んでいる。
同社の生産の60%は鉱業、鉄鋼、エネルギー、エタノール並びに石油・天然ガス部門向け、30%は自動車並びに建設部門向けエアコンなどとなっている。
また造船業部門向けは10%に留まっているが、プラットフォーム建造や深海油田開発など大型投資が目白押しであるために、これらの部門向け部品供給を強化するためにも第3工場の建設が必要となっている。
ブラジルの北東地域の風力発電所向けの据え付け、遠隔監視サービス、メインテナンスサービス受注も視野に入れている。(2011年5月31日付けヴァロール紙)
2011年5月30日
会員各位
ブラジル日本商工会議所
会頭 近藤 正樹
6月定例懇親昼食会開催ご案内
拝啓 時下益々ご清栄のこととお慶び申上げます。
さて、当所ではこの度6月定例懇親昼食会を下記の通り開催致します。
日本・メキシコ経済連携協定(EPA)コーディネーターを務めた経験のある在サンパウロ メキシコ総領事Jose Gerardo Traslosheros Hernandez氏に今回は別の視点から「メキシコ ‐ ブラジル関係の挑戦と好機」と題してご講演頂きます。
加えて、「低CO2経済へのBNDES(ブラジル国立社会経済開発銀行)の支援策」と題し同行より環境部門マネジャーのPriscila Camacho Bak氏がご講演致します。
皆様奮ってご参加頂きますようお願い申し上げます。
この懇親昼食会にも日ポ、ポ日の同時通訳が付きますので、対会議所代表者以外の社員の方多数のご参加をお待ち致しております。
敬具
‐ 記 ‐
日時:2011年 6月10日 (金) 12 時~14 時 (カクテルは11時30分から)
会場:チヴォリ サンパウロ モファレッジ Tivoli São Paulo Mofarrej (Alameda Santos, 1437 – Tel: (11) 3146-5900)
参加費: お一人 R$ 150,00
講演テーマ: 「メキシコ ‐ ブラジル 挑戦と好機」
講師:Jose Gerardo Traslosheros Hernandez 在サンパウロ メキシコ総領事
略歴: アメリカ合衆国ニュージャージー州立ラトガース大学、経済学博士号取得。リオ・デ・ジャネイロPUC(Pontificia Universidade Católica)大学、経済学修士号取得。2003年~05年、日本・メキシコ経済連携協定(EPA)のコーディネーター、2005年~07年メキシコ経済省OECD代表、2009年~10年メキシコ モンテレイ工科大学アジア太平洋・ラテンアメリカビジネス研究所長等を経て、現職に至る。
講演テーマ: 「低CO2経済へのBNDES(ブラジル国立社会経済開発銀行)の支援策」
講師:Priscila Camacho Bak ブラジル国立社会経済開発銀行 環境部マネジャー
略歴: UFRJ(リオ連邦大学)生産工学科卒、同大学ビジネススクールCOPPEADにて金融学修士号取得。2002年に入行後、農・社会・薬学プロジェクトのアナライズ責任者として勤務、現在はCO2排出指数の管理に携わる環境部の管理を務める。
申込み:下記申込書に参加費を添えて、6月8日(水)までに事務局宛お申込下さい(Av.Paulista,475 協栄ビル13階 担当:テイコ)。なお 6月8日(水)以降に申込みを取消される場合、参加費は返金できませんのでご了承願います。
銀行振り込みの場合、E-mail: secretaria@camaradojapao.org.br 又はファックス: (11)3284–0932/ (11) 3284–9424 にて振り込み証明書をお送り願います。
口座番号
Banco do Brasil
Agência: 1196-7
C.c: 14650-1
CNPJ : 61.009.031/0001-06
Câmara de Comércio e Indústria Japonesa do Brasil
定例行事:定例行事の際に代表交替(会社代表、対会議所代表)の挨拶をご希望の方は予め事務局まで御連絡下さい。(担当: SEIDI Tel:3287-6233)
お願い: 会場の駐車場は有料につき、料金は使用者負担となります。
以上
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6月定例懇親昼食会参加申込書
氏名:………………………………………………………………………………
会社名:……………………………………………………………………………
関西外語大学の村瀬慧亮さんが2011年5月30日に商工会議所を表敬訪問、応対した平田藤義事務局長から世界から注目を集めているブラジル経済の動向や計り知れない潜在的ポテンシャルなどについて説明をうけた。

左から平田藤義事務局長/関西外語大学の村瀬慧亮さん
不二製油株式会社蛋白加工食品海外販売部の加藤昌芳課長が2011年5月30日に商工会議所を表敬訪問、応対した平田藤義事務局長に会社設立したことなどを説明した。

左から平田藤義事務局長/不二製油株式会社蛋白加工食品海外販売部の加藤昌芳課長
連邦政府は州政府に対して電力エネルギーの商品流通サービス税(ICMS)の減税を要請、一般家庭向け電力料金のICMS税は17%から30%と州間によって大きな開きがある。
アマパ州では家庭の電力消費が100メガワット/時以下であれば免税、それ以上の電力消費に対してICMS税の税率は12%で最も電力料金の安い州となっているにも関わらず、隣のアマゾナス州は25%と2倍以上となっている。
アマパ州以外に電力消費が100メガワット/時以下であれば免税を実施している州はアラゴアス州、マラニャン、マット・グロッソ、パラ-並びにローライマ州、しかしアマゾナス州、バイア、南大河州、サンタ・カタリーナ州では減税政策を導入していない。
連邦政府は州間で大きなICMS税の税率に開きがあるために、税率縮小を州知事に要請、また電力料金むけ社会統合基金 (PIS)/社会保険融資納付金(Cofins)などの減税を検討している。
州政府は国庫庁に対する負債の金利切下げを連邦政府に要請、しかし連邦政府は通信、燃料、医薬品や基礎食品バスケットのICMSの引下げをすでに実施していると金利引き下げを拒否している。
電力、電話や燃料のICMS税は州政府にとって大きな歳入であるために、税率低下は歳入減少につながるために抵抗しており、鉱工業部門の比重が大きいサンパウロ州のこれらの税収は1/3に相当、しかし農業州では1/2以上に達するために更に抵抗が大きい。
ブラジルの間接税の比率は非常に高いために、低所得層にとっては非常に重税となり、2最低サラリー収入の家庭の税率は48%に達するが、30最低サラリーでは税率が26%に低下となっている。(2011年5月30日付けエスタード紙)
ブラジル・中国企業審議会(CEBC)の調査によると昨年の中国のブラジルへの投資の1%は民間企業、93%は中央国有企業、6%は地方国有企業が占めている。
昨年の公表された中国企業によるブラジルの投資総額は357億5,000万ドル、そのうち確認された投資総額は126億6,900万ドル、81.6%がM&Aであり、外国に投資をする際に法人を新しく設立して、設備や従業員の確保、チャネルの構築や顧客の確保を一から行う投資方式のグリーンフィールド投資はごくわずかであった。
公表された投資総額357億5,000万ドルの67%は企業の買収並びに資本参加、10%はジョイントベンチャー、23%はグリーンフィールド投資、確認された投資の95%は石油・天然ガス、鉱業、アグロビジネス並びに鉄鋼部門となっている。
投資が集中している部門は中国の経済成長を支えるためのコモディティ製品や13億人の人口を支えるための食料品であり、中国向け輸出の80%は鉄鉱石、大豆並びに石油となっている。
昨年の確認済みの投資126億6,900万ドルのうちで、石油開発部門の2件の投資総額は101億8,000万ドル、しかし今年はジウマ・ロウセフ大統領の訪中で投資傾向に変化が表れてきており、テクノロジー部門への投資が増加、テレコンZTE社は2億ドル、Huawei社は3億5,000万ドルを投資して、研究センターを建設する。
今年の中国からの投資はグリーンフィールド投資が増加、今年発表された10件の投資のうち8件が生産工場建設などのグリーンフィールド投資、Cherry社はサンパウロ州内に4億ドルを投資して自動車工場を建設、JACは自動車輸入販売、CR Zongshen社は2009年に買収した二輪メーカーKasinski社の増産を予定している。
Sinopec社はスペイン資本Repsol社の株式40%を71億900万ドルで買収、Sinochem社はノルウエ-資本Statoil社のペレグリーノ油田40%の権益を30億7,000万ドルで買収、State Grid社は9億8,900万ドルを投資してスペイン資本の7コンセッションを買収、Wisco社は実業家エイケ・バチスタ氏の鉄鉱石生産会社MMX社に4億ドルの資本参加を行っている。(2011年5月27日付けエスタード紙)