中山立夫会頭の勇退挨拶並びに近藤正樹新会頭の就任挨拶の記者会見

栄転帰国の中山立夫会頭の勇退挨拶並びに近藤正樹新会頭の就任挨拶の記者会見に邦字新聞から4人が参加して、2011年4月5日午後5時から商工会議所会議室で開催した。

中山会頭は後任の近藤正樹新会頭を指名した経緯を説明、近藤新会頭は2012年末まで会頭を務める。中山会頭は赴任した2008年から日伯経済交流促進委員長を務めて日伯経済合同委員会の受け皿として尽力、2009年から会頭に就任、東日本大震災の影響で延期になる可能性もあるが、官民一体となって今年5月にサルバドールで開催予定の第14回日伯経済合同委員会並びに第5回日伯貿易投資促進合同委員会の準備に力を注いできており、またジウマ大統領にも出席を要請していると説明、近藤新会頭並びに常任理事が力を併せて進めてほしいと依頼した。

近藤新会頭は中山会頭ほど声は大きくないですが、心に秘めたものを持っていると前置きして、慣習にとらわれることなく商工会議所の会員増加や会議所でしかできないことに取り組みたいと述べ、合同委員会では移転価格税制の適正化やビザの発給の迅速化などを訴え、また他の会議所や経済団体との更なる連携、官民一体となって両国のビジネス環境改善、経済や貿易促進に邁進してまいりますと力強く抱負を述べた。

記者会見後は出席者たちは応接室で懇親会を開催、ざっくばらんに今後の会議所の方向性や近藤新会頭の抱負など和気あいあいと和やかな雰囲気の中で多いに話し合った。

左から中山立夫前会頭/近藤正樹新会頭

邦字新聞社から4人が参加した会頭交代の記者会見の様子

和気あいあいとした雰囲気の懇親会の様子

 

フィッチが財政健全化を評価してブラジルを格上げ

格付け会社フィッチ社はジウマ・ロウセフ大統領が2月に発表した300億ドルに相当する歳出削減による財政健全化を評価して、ブラジルの外貨建ておよび自国通貨建て発行体格付けを「BBB-」から「BBB」に1段階引上げて、過去最高の格付けとなった。

今回の格上げで海外投資家の外貨流入が増加して更にレアル高の為替が進行を予想、連邦政府は為替政策強化やマクロ・プルーデンス政策採用すると予想されている。

金融市場関係者は今回の格上げでレアル高の為替進行は輸入拡大につながって鉱工業部門の輸出を圧迫するために、ギド・マンテガ財務相が更なるレアル高を阻止するために、新たにドルの余剰を抑制する措置を採用すると予想している。

中銀が地元エコノミストを対象に行うフォーカスレポートによると、今年のブラジルの経済成長率は4.0%増加を予想、昨年の7.5%からは大幅に鈍化するものの、他の大半の主要国よりは高成長となると予想されている。

マンテガ財務相は3月末に外資流入防止として、ブラジルの銀行や企業が海外での資金調達に対して金融取引税(IOF)を6.0%に引上げたにも関わらず、依然としてドル流入が継続、レアル通貨はR$1.61に達しており、また今回の格付けで更に流入に拍車がかかるために、IOF税率引き上げが予想されている。

ムーディーズは下半期にブラジルを格上げする可能性があり、スタンダード&プアーズ(S&P)は依然、ブラジルの格付けを「BBB-」、見通しを「安定的」としており、両社はブラジルの格付けを投資適格級で最も低い水準としている。

今回のフィッチによる格上げでブラジルはロシア並びにリトアニアと同じ格付けとなり、インド、ペルーやギリシャより1段階格上であるが、財政問題が発生しているアイルランド並びにスペインよりも格下となっている。(2011年4月5日付けエスタード紙)


 

昨年の大企業の純益は34%増加

エコノマチカ社の168大企業対象の昨年の企業業績によると売上は前年比19.1%、粗利は46.1%、純益は34.3%とそれぞれ大幅に増加して、明確な回復基調となっている。

昨年のブラジル国内の消費は実質賃金の増加、大幅な雇用創出、クレジット拡大が牽引して大幅に増加、サンパウロ証券取引所の1日平均出来高も2009年の5兆2,860億レアルから22.7%増加の6兆4,880億レアル、今年3月30日には6兆7,340億レアルを記録している。

履物メーカーのGrendene社の昨年の純益は会社設立以来の3億1,239万レアルと前年比14.8%増加、履物輸出量は輸出価格を1.7%下げたために13.1%増加を記録している。

ペトロブラス石油公社の純益は21.4%増加の351億8,900万レアルと上場企業の記録を更新、ヴァーレ社も鉄鉱石のコモディティ価格増加が牽引して193.4%増加の300億7,000万レアルを記録している。

セクター別では電力エネルギーの売上は20.1%増加、しかし純益はマイナス3.1%、商業32.5%、47.9%、建設58.6%、59%、自動車・パーツ18.6%、24.8%、繊維16.1%、32.5%とそれぞれ増加、通信セクターの売上は僅かに2.8%増加に留まったが、純益は296.3%増加している。(2011年4月5日付けエスタード紙)

 

Rennerはカミカドを1億6,500万レアルで買収

衣料品などの小売大手のRenner社はショッピングセンターで家庭用品販売を展開するカミカド社を1億6,500万レアルで買収、同社の800万レアルの負債も引き受ける。

カミカド社は6州並びにブラジリア連邦直轄地に27店舗を展開、昨年の売上は1億5,310万レアルで顧客はRennerと同じ中間層となっており、Tok&Stoke並びにMMartanと競合している。

Renner社の昨年の売上は134店舗で27億5,000万レアル、2014年までに250店舗まで拡大を予定、市場関係者はプライベート・エクイティファンドや銀行がM&Aを仕掛けると予想していた。

Rennerではカミカドを2015年までに100店舗、2020年には125店舗にそれぞれ拡大を予定、カミカドは昨年、サンダルのHavaianasを国際ブランドに広めたアンジェラ・ヒラタ氏を副社長に迎えていた。(2011年4月5日付けエスタード紙)


 

Comperjコンビナートは岩塩層下原油を活用

ペトロブラス石油公社は建設中のリオ州のComperj石油化学コンビナートの生産原料として重油使用を計画、しかしエスピリット・サント州からサンタ・カタリーナ州の沿岸部にかけて膨大な埋蔵量を誇る岩塩層下原油が発見されたために、天然ガスの使用に切り替える。

ブラスケンはComperjコンビナートで特殊な樹脂以外の石油化学製品の製造を予定、ペトロブラスは原料の天然ガスを岩塩層下原油の油田から安定供給をする。

昨年のブラジルの経済成長率は7.0%増加して石油や天然ガスの消費は10%増加、今年はGDP4.0%増加を予想しているために、消費は5%以上増加すると予想している。

しかしナフサ生産に天然ガス使用はコストが非常に高いためにコスト削減が必要、同コンビナート建設の初期投資総額は85億ドルと大型投資となっている。(2011年4月5日付けエスタード紙)

 

 

第1四半期のGDP伸び率は0.7%から1.2%予想

連邦政府はインフレ圧力を軽減するために昨年12月に自動車ローン期間短縮並びに低所得層の購買のハードルを引上げ、また政策誘導金利(Selic)の引上げや公共支出の削減などを行っているにも関わらず、経済成長率(GDP)の抑制に歯止めがかかっていない。

経済スペシャリストへのアンケート調査によると第1四半期のGDP伸び率は前四半期比0.7%から1.2%と予想、昨年最終四半期の0.7%の伸び率を上回っていると予想されている。

継続する雇用創出で2月の新規雇用は28万800人と2月としては記録を更新、小売チェーンのロージャ・センでは第1四半期の売上は前年同期比30%増加して、内需拡大が継続している。

全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)の発表によると3月の新車販売は28万8,700台と2月の25万8,800台を3万台上回って、ローン期間短縮などにも関わらず、消費者の購入意欲は継続している。

2月の鉱工業部門の生産は1.9%と昨年3月以来の伸び率を記録、また第1四半期の鉄鋼製品販売は9.3%と大幅に増加、しかし中銀の金利政策や連邦政府の公共支出削減やマクロ・プルーデンス政策採用効果は下半期から顕著になると予想されている。(2011年4月4に付けエスタード紙)


 

連邦政府の第1四半期の人件費並びに補助金支出は前年同期比100億レアル上回る

連邦政府の第1四半期の人件費や補助金支出は前年同期比100億レアル上回っており、金利支払いを含めると132億レアルに達するが、公共投資は前年同期比3億レアル下回っている。

連邦政府は2月に今年度予算の500億レアルの公共支出削減を発表、しかしこの132億レアルの支出増加は低所得者層対象の補助金政策”ボルサ・ファミリア”の年間予算に匹敵する。

また第1四半期の経済成長加速プログラム(PAC)向け投資は82億レアルに達するが、そのうち79億レアルはルーラ政権時の負債支払いとなっている。

今年のPACプログラム向け投資予算は637億レアル、第1四半期のPAC向け支出は予算の6.19%に相当、また第1四半期の運輸省、教育並びに防衛省への支出が増加、一方で観光省、文化省並びに漁業省の支出は殆んど行われていない。(2011年4月3日付けエスタード紙)

 

待遇改善でインフラや住宅部門でストライキ多発

ジウマ・ロウセフ大統領がルーラ第2次政権の最も重要な国家プロジェクトとして官房長官の時に掲げた、経済成長加速プログラム(PAC)の大型プロジェクトに従事している建設労働者など8万人が待遇改善要求などでストライキをしていた。

ロンドニア州のジラウ水力発電所並びにサント・アントニオ水力発電所、ペルナンブーコ州のスアペ石油コンビナート、アブレウ・エ・リマ石油精製所、セアラー州ペセン港湾、南マット・グロッソ州のサン・ドミンゴ水力発電所などでそれぞれストライキを行って,待遇改善を要求している。

またバイア州ではPACプロジェクトの大衆住宅建設”私の家、私の暮らし”プロジェクトでも基礎食品バスケットの改善や研修プログラム参加などの要求で1カ月以上に亘ってスツライキを行っていた。

昨年の建設部門の労働者の賃金は実質平均の1.3%を大幅に上回る10.9%増加して平均月収は1,243レアル、2月の雇用は前月比で多くのセクターで減少に転じていたが、建設セクターは4.1%増加して6万6,000人が新規雇用されている。

エイケ・バチスタ氏が40億レアルを投資して建設が進んでいるリオ州アスー港でもストライキが発生、1,200人がバリケードをはっていたが、30%のサラリー調整や家族向け保険プランを勝ち取った。(2011年4月3日付けエスタード紙) 

 

今年の繊維部門の貿易収支は60億ドルの赤字計上か

2005年から中国を中心にアジアから繊維製品や衣料製品の輸入が拡大の一途を続けており、さらなるレアル高の為替で昨年の貿易赤字は35億ドルを計上している。

ブラジル繊維工業会(Abit)のアギナルド・ジニス・フィーリョ会長は連邦政府がセーフガードなどの防衛政策を採用しなければ、今年の貿易赤字は60億ドルを突破すると予想している。

ブラジルの繊維・衣料の貿易黒字は2005年まで継続していたが、2006年以降は貿易赤字に転落、2月の繊維製品輸入は前年同月比42%と大幅に増加している。

ブラジルの繊維業界には3万社で170万人を雇用、昨年の投資は20億ドル、Abitでは米国の貿易保護関連職員は1,500人で対応、しかしブラジルの通商保護局(Decom)では僅かに18人の職員で貿易保護に対応していると指摘している。
(2011年4月3日付けエスタード紙)


 

鉄鉱石輸出に課税検討

ギド・マンテガ財務相の経済班は世界最大の鉄鉱石輸出企業のヴァーレ社が世界金融危機前から計画されていたパラー州カラジャス鉱山近くのアルパ製鉄所建設が大幅に遅れていて、主にこの計画を促すために鉄鉱石輸出に課税、一方で鉄鋼製品輸出に対して免税することをプラナルト宮に持ちかけた。

すでに与党との関係が悪化しているヴァーレ社のアグネリ社長の退任が確実になっているために、今後は与党の関与が強くなって製鉄所建設に拍車がかかると予想されている。

鉄鉱石輸出への課税はコモディティ輸出にブレーキをかけ、鉄鋼製品輸出への免税は付加価値製品輸出を促す効果があるために、ジウマ・ロウセフ大統領はこのアイデアを気に入って、課税率やシステム検討にゴーサインをだしている。

しかし世界的に鉄鋼メーカーは世界3大鉄鉱石生産企業がマーケットを寡占して価格操作を行っているために振り回されており、安価で安定した原材料調達のために自前で鉱山開発に力を入れているにも関わらず、連邦政府は鉱山会社に製鉄所建設を促している。

しかし市場関係者は製鉄所建設には世界経済の長期ビジョンを見据えた投資が必要であり、連邦政府の目先の経済政策や政治で左右されると非常に危険であると危惧している。(2011年4月1日付けエスタード紙)