金融危機後に銀行の寡占化が進展

世界金融危機後にブラジルの大銀行の寡占化が更に進展して、今年6月のブラジル銀行、イタウー銀行、ブラデスコ銀行、サンタンデール銀行並びに連邦貯蓄金庫の売上比率は全体の64.9%を占めて、2000年の45.6%から大幅に比率を上げている。

特に金融危機後の公立銀行はクレジット拡大や民間銀行への資本参加を積極的に行ってシェアを拡大、自動車ローンや住宅ローン部門拡大路線を採用している。

銀行買収によるソフト統一によるテクノロジーコストの削減、現金自動預け払い機(ATM)サービスやクレジットカード部門の共通化などでのコスト削減を行っている。

これらの5大銀行の支店総数は1万7,146店舗で86.3%を占めており、10年前には59.3%を占めていたにすぎないが、大銀行による寡占化が一層進んできている。(2010年9月27日付けエスタード紙)


 

今年8カ月間の製造業部門の輸出は12%減少

今年8カ月間の製造業部門の輸出はレアル高の為替などの影響で、世界金融危機前の2008年同期では価格競争力がそがれて12%減少、しかし輸入は6%増加して資本財の貿易赤字は230億ドルを記録している。

7月の大半の製造業部門の生産は2008年レベルに回復しておらず、電気材料セクターは16%減少したままであるが、輸送材料セクターは1.1%増加に転じている。

社会経済開発銀行(BNDES)では世界金融危機後から現在まで鉱工業部門に生産増加のための設備機械購入などに約1,000億レアルを融資、また今年の繊維セクターには前年比400%増加の10億レアルのクレジットが承認されている。

今年上半期の固定資産形成(FBCF)への投資はGDP比18%に増加、そのうちの53%は設備投資用機械装置の購入向け投資と見込まれている。

ブラジル国内の自動車メーカーは国産鉄鋼製品を100%使用していたが、ワーゲン社が国内消費の1/3を国内鉄鋼製品よりも安い輸入鉄鋼製品に置き換える準備を行っている。(2010年9月27日付けヴァロール紙)

 

エイケ・バチスタ氏は不動産業に進出

ブラジルトップの資産を擁する実業家エイケ・バチスタ氏は全国的に発生している建設不動産ブームが今後も継続すると見込んで、2008年に設立した不動産部門REX社への投資を積極的に行う。

バチスタ氏はREX社の拡大するために、不動産大手のRossi社のマルコス・アドネッテ社長をヘッドハンターして社長に迎えている。

REX社では初めにリオ市北部に位置する人口が3万3,000人のサン・ジョアン・ダ・バーラ市に病院や学校を擁する25万人規模の都市を建設する。

同社では都市計画や開発、ビルやショッピングの建設、一般住宅の販売など建設不動産部門に参入するために、不動産企業の買収を行うと予想されている。(2010年9月27日付けヴァロール紙)


 

ペトロブラスは増資で1,200億レアルの資金調達

ペトロブラス石油公社は新規株式公開(IPO)や増資で過去最高を記録した1987年のNTTの388億ドル、今年の中国農業銀行の221億ドルをはるかに上回る700憶ドル相当の1,200億レアルの資金調達をした。

しかし連邦政府に対して未開発鉱区の50億バレル相当の現物出資として約700億レアルを支払うために、ペトロブラスには実質的に500億レアルの資金調達となる。

今回の増資は資金調達需要の2倍の申し込みがあり、アジアの投資ファンドからの需要は予想を下回ったが、一般投資家や政府系ファンドからの需要がカバーした。

昨日のペトロブラスの優先株は4.12%、普通株は2.76%それぞれ増加、しかしペトロブラスは普通株の発行価格を昨日の株価よりも1.8%低い1株29.65レアル、優先株は2.0%低い26.30レアルに設定した。

今回の増資で連邦政府、社会経済開発銀行(BNDES)並びに連邦貯蓄金庫(Caixa) の持株比率は39.8%から45%に上昇、また今回の700億ドルの増資でペトロブラスの株式の時価総額は世界トップのエクソンに近ずいてきた。

ペトロブラスは今回の増資で岩塩層下原油開発に拍車がかかり、また総資本に対する負債率の低減に結びついて、格付会社S&Pは現在の格付BBB-を維持することを決定した。(2010年9月24日付けエスタード紙)


 

(2010年9月24日)株式会社浜屋千葉支店の板井信治ロベルト支店長が表敬訪問

9月のジュトロ主催のブラジル投資・ビジネス・ミッションに参加した株式会社浜屋の千葉支店の板井信治ロベルト支店長が2010年9月24日に表敬訪問、平田藤義事務局長が応対した。

左から平田藤義事務局長/株式会社浜屋千葉支店の板井信治ロベルト支店長 (fotos Rubens Ito/CCIBJ)

海外投資家の国債残高は1,500億レアルを突破

8月の海外投資家のブラジル国債など(DPMFi)の総残高が対内債務残高1兆5240億レアルの10.06%に相当する1,500億レアルを上回って、前月の9.54%から大幅に増加している。

世界金融危機後の昨年初めは海外投資家が一斉にブラジルから金融投資の資金を引き揚げたために、対内債務残高に占める比率が6.36%まで減少していた。

しかし世界最高の実質金利、コントロールされたインフレ、好調な経済成長率、投資適格級の格付けや財政破綻の危険性の皆無などの要因で今後、ますますブラジルへの金融投資の増加が見込まれている。

しかしブラジルの対内債務残高に占める海外投資家の金融投資比率は10%を超えたが、メキシコは15%、東ヨーロッパ諸国は20%以上でまだまだ海外投資家の比率が少ない。

8月の海外投資家のブラジル国債の購入は431億2,000万レアルと2007年7月以来の記録となり、そのうち確定金利関連国債は290億レアルを占めていた。

8月の償還期間が2021年のブラジル国債NTN-Fの年利は11.28%と前月の12.2%から大幅に減少、しかし欧米の金利とは比較にならないぐらい高金利となっている。(2010年9月24日付けエスタード紙)


 

ヴァーレが香港で上場

資源大手のヴァーレ社は主要顧客であるアジアの投資家を呼び込むために香港のHDR(香港預託証券)に上場を申請、年内に認可される見通しとなっている。

ヴァーレ社はサンパウロ証券取引所(Bovespa)以外にもニューヨーク、マドリッドやパリで上場、しかし今回の香港での上場はアジアでは初めてとなる。

同社の経営審議会は20億ドルを上限とする自社株買いを承認して株式市場の浮動株を購入して株価を引上げ、また年末までに17億5,000万ドルの配当を支払う計画も発表、さらに来年1月までに特別配当10億ドルを支払う方針である。

ヴァーレ社はアマゾン・アルミ事業から撤退して49億ドルでNorsk Hydroに譲渡して、今後、有望な化学肥料部門やアフリカでの投資に拍車をかけると見込まれている。(2010年9月24日付けエスタード紙)


 

サントス港湾の物流プロジェクトでドイツとスペインが協力

ブラジル貿易の26%を担うサントス港湾の混雑を極めている物流部門の解決プロジェクト参加でドイツ並びにスペイン政府との間で交渉を行っている。

サントス港湾の混雑を緩和するためには港湾周辺の保管倉庫やロジスティック部門の投資が急がれており、コンテナの輸送にトンネルの建設の可能性も検討されている。

今年のサントス港の荷物扱い量は9,500万トンが予想、しかし物量部門のプロジェクトが遅れると2014年には300万トンの荷物扱い量が不足すると予想されている。

昨年のサントス港湾への輸送の85%はトラックであり、今年の鉄道輸送は前年比14.4%増加の1,800万トン、3年後には3,000万トンに増加すると予想されている。

経済成長加速プログラム(PAC)での港湾向け投資は36億レアル、そのうちサントス港には13.6%に相当する4億9,300万レアル、PAC2では21港湾に総額51億レアルの投資が見込まれており、そのうちサントス港向けには総額の30%があてがわれる予定となっている。(2010年9月24日付けヴァロール紙)


 

今年の銀行のクレジットは22%増加か

中銀では今年の銀行の個人並びに法人向けクレジットは公立銀行が積極的に拡大路線を敷いて牽引している影響で、前回予想の20%から22%に上方修正している。

好調な国内経済、大幅な雇用創出、実質賃金の上昇や過去5年間で最高の消費者の景況感などで個人向けクレジットが拡大、また法人向けクレジットは設備投資や運転資金の拡大などでそれぞれ大幅に増加している。

8月のクレジット総額はGDP比46.2%、しかし年末にはGDP比48%まで増加して過去の記録を更新すると見込まれている。

中銀は今年の公立銀行のクレジットは前年比20%が予想されていたが、現在は24%、外資系銀行も9%から14%とそれぞれ上方修正、しかし民間銀行のクレジットは24%から22%に下方修正している。

過去12カ月間の公立銀行のクレジットは24.4%、民間銀行は17.8%、外資系銀行は11.3%とそれぞれ増加、特に社会経済開発銀行(BNDES)のクレジットは32.3%、住宅向けクレジットを積極的に拡大している連邦貯蓄金庫(Caixa)は51.1%とそれぞれ大幅に増加している。

金利の低いブラジル銀行並びにCaixa金庫はクレジット部門を積極的に拡大してきたが、民間銀行はインフレ懸念が強まってきたために政策誘導金利(Selic)の引上げ予想で、クレジット拡大路線修正を先取りしている可能性がある。(2010年9月23日付けエスタード紙)

 

BHPのポタッシュ買収は資源メジャーの新戦略

資源メジャーのBHP・ビリトン社が39億ドルでカナダの世界最大の肥料会社ポタッシュ社に友好的買収を提案、しかし拒否されたために敵対的買収を仕掛けている。

ヴァーレ社は今後数年以内に世界の肥料会社の3位以内のプレーヤーになるために2014年までに120億ドルを投資するが、肥料部門の脆弱なBHPのポタッシュ買収は今後の資源メジャーの投資戦略となる可能性がある。

中国やインドなどの膨大な人口を抱える新興国の経済成長と共に食糧増産のためには肥料の消費が大幅増加で肥料価格の値上がりが予想されるために、BHPではポタッシュ社買収を仕掛けている。

肥料の3要素であるリン酸を新たに100万トン開発するには15億ドル、カリウムは13億ドル、窒素は15億ドルの投資が必要であり、現在の低金利を利用して資源メジャーが今後も鉱物資源などの買収を仕掛けてくると予想されている。

昨年の世界の窒素の消費は9,930万トン、2015年には1億1,210万トンが、リン酸は3,420万トン、4,400万トン、カリウムは2,320万トン、3,220万トンが予想されている。

ヴァーレはブンゲ並びにFosfertil社から肥料部門を47億ドルで買収、また来年上半期に肥料部門の企業の新規株式公開(IPO)を実施して、さらなる開発のために資金調達を予定している。(2010年9月23日付けヴァロール紙)