上半期の公共投資は72%増加

大統領選挙を10月に控えた連邦政府の上半期の公共投資は前年同期比72%増加の206億レアル、特に経済成長加速プログラム(PAC)向けの投資は85%増加して,公共投資全体の50%近くに達している。

また国庫庁、社会保障院(INSS)並びに中銀で構成される中央政府の上半期の支出は18.2%増加したが、プライマリー収支黒字は34%増加の248億レアルを記録している。

上半期の公共投資の支出は大幅に増加したにも関わらず、大統領選挙を控えて下半期の公共投資予算も前年同期比58.5%上乗せされている。

また連邦政府の今年上半期のボルサ・ファミリアなどの補助金の支出は22.4%、公務員の人件費は8.4%それぞれ増加、連邦政府の支出は18.2%増加の3,050億9,000万レアルに達している。

一方、連邦政府の収入は16.9%増加の3,990億8,000万レアルと支出よりも増加比率が低いが、上半期のプライマリー収支黒字は前年同期のGDP比1.24%を上回るGDO比1.46%を記録している。(2010年7月29日付けエスタード紙)


 

ポルトガル・テレコムはVivoを手放し、Oiに22.4%の資本参加

ポルトガル・テレコム社(PT)はVivoの持ち株をスペイン資本のテレフォニカに75億ユーロで放出、一方でPTはOi社の株式の22.4%を84億4,000万レアルで買収する。

ヨーロッパの携帯電話会社は国内市場が成熟して今後の成長が期待できない上に、厳しいリセッションの長引く影響で減収に見舞われている両社は高成長を遂げるブラジルを舞台に競り合っている。

ブラジルの人口は1億9,000万人と市場が大きくて持続的な経済成長が見込めるうえに、若い世代が多くて携帯電話の普及率も比較的低いために携帯、インターネットの顧客獲得が容易と見込んで外資系企業が虎視眈々と狙っている。

今回のPTのテレフォニカ社へのVivoの30%の株放出でテレフォニカは60%に増加して完全支配、Oiは社会経済開発銀行(BNDES)が39.9%、AG並びにLa Fonteが38.75%、PTが22.5%の資本参加率になる。

テレフォニカは傘下の固定電話会社TelespとVivoを合併させるために支配権の取得を目指していたが、両社の買収交渉は長期化して買収提示額の引き上げにつながった。(2010年7月29日付けエスタード紙)

 

第2四半期の鉱工業部門の生産は僅かに減速

ゼツリオ・ヴァルガス財団(FGV)の調査によると第2四半期の鉱工業部門の生産指数は前四半期比では減少、7月の企業家の景況感は前月比1.5%減少して113.6ポイントを記録したにも関わらず、世界金融危機前とほとんど変わらない生産指数で推移している。

第2四半期の生産指数の減少は自動車並びに白物家電向けの工業製品税(IPI)の減税政策の中止に先駆けた需要の先食いで、耐久消費財を中心とした資本財の生産減少の影響が大きい。

また7月の鉱工業部門の設備稼働率は前月の85.5%から85.1%減少しているが、過去7年間の平均稼働率83.1%を上回っており、サンパウロ州工業連盟(Fiesp)の調査では6月の活動レベルは前月比0.6%、設備稼働率は前月の82.5%から81.8%とそれぞれ減少している。

昨日、連邦官報で暫定令497号が公布され、自動車部品の輸入税の40%減税率を来月から30%、11月から20%にそれぞれカットされるが、減税政策は来年5月末まで延長される。

しかし第3四半期の鉱工業部門の生産は雇用の創出並びに実質賃金の増加に牽引されて再度の増加傾向が見込まれているが、第1四半期の伸び率には達しない。(2010年7月29日付けエスタード紙)

 

運輸サービス部会に13人が参加して、業種別部会長シンポの発表資料を作成

運輸サービス部会(畠山研治部会長)に13人が参加して、2010年7月29日正午から午後2時まで業種別部会長シンポジウムの発表資料を作成のために開催、参加者が今年の上期の回顧と下期の展望についてそれぞれ発表した。

上期の回顧ではブラジル国内経済の回復に伴って、コンテナ不足、港湾ターミナスのインフラ整備の遅れ、鉄鉱石のスポット価格の推移、不定期船やケープサイズマーケットの変動、港湾や空港での貨物の停滞、携帯電話会社の再編などが話題となった。

下期の展望ではアジアからの輸入、レアル通貨の為替の変動、新規参入による過当競争、不透明な中国の鉄鉱石需要の先行き、貨物スペース不足による運賃高騰、鉄鋼業界の設備投資再開、大型インフラ投資、遅れているインフラ整備によるブラジルコストの上昇などについて意見の交換が行われた。

また部会長シンポジウム後の新体制として部会長に岐部ルイス氏、副部会長として和田亮氏並びに今井達也氏を選出した。

参加者は畠山部会長(K Line)、小西副部会長(JAL)、谷口副部会長(栄進)、寺元氏(商船三井)、和田氏(日通)、足立氏(NTT)、今井氏(NYK Line),井上氏(ブルーツリー・ホテル)、森田氏(Sankyu)、岐部氏(UBIK)、山下氏(ヤーコン)、黒木調査員(サンパウロ総領事館)、平田事務局長

参加した部会員が業種別部会長シンポジウムの発表資料作成で意見交換 (fotos Rubens Ito/CCIBJ)

左から 小西副部会長(JAL)/畠山部会長(K Line)/谷口副部会長(栄進)


 

6月の公立銀行のクレジット占有率が42.3%に増加

社会経済開発銀行(BNDES)の投資向けクレジットと連邦貯蓄金庫(Caixa)の住宅向けクレジット並びにペトロブラス向けの20億レアルの特別クレジットが牽引して、6月の公立銀行のクレジット部門の占有率は前月の41.7%から42.3%に増加して、2001年3月の42.7%に次ぐ記録となっている。

6月のブラジルの民間銀行のクレジット部門の占有率は前月の40.5%から40.1%、外資系銀行は17.8%から17.6%とそれぞれ減少、しかし今後はブラジルの民間銀行がシェア奪回に攻勢をかけると予想されている。

5月のBNDES銀行のクレジット総額は3,035億レアル、6月は3.1%増加の3,128億レアルに増加、今後もインフラ整備や石油・天然ガス開発部門を中心にクレジット部門の拡大が見込まれている。

6月の個人向け銀行金利は政策誘導金利(Selic)の引上げにも関わらず、金利の高い特別小切手税と呼ばれる口座借越残クレジットから金利の安い給与年金口座連動型クレジットへの利用増加で、1994年のレアルプラン以来では最も低い金利となっている。

6月の個人向けクレジット年利は銀行のマージン低減並びにクレジットの需要増加も要因となって前月から1%低下して42%、自動車向けローン年利は23.6%に低下、個人向けクレジットは前月比1.6%、自動車ローンは3%それぞれ増加、一方で口座借越残クレジットは0.2%減少している。(2010年7月28日付けエスタード紙)

 

 

投機的な鉄鋼輸入でメーカーと商社が対立

ブラジル鉄鋼協会(IABr)では連邦政府の造船部門向け鉄鋼の輸入関税の優遇策導入並びにレアル高に傾いている為替などで、鉄鋼商社は投機的な輸入を行っていると指摘している。

鉄鋼商社の関係者は輸入鉄鋼価格が国内鉄鋼価格よりも10%から15%安く、また海外鉄鋼メーカーへの注文と納期にずれがあるために為替のリスクは存在するが、投機的に在庫を増やしている。

ブラジル鉄鋼配給協会(INDA)の調査では現在の在庫は通常の2.6カ月を大幅に上回る3.6カ月に達して、記録的な在庫となっている。

IABr協会のマルコ・ポーロ・デ・ロペス会長は連邦政府の造船部門への支援策として、ペトロブラス石油公社の輸送部門を担当するTranspetro社は中国から1万9,000トンの粗鋼を輸入関税ゼロで輸入したと不満をぶつけている。

鉄鋼の輸入関税は12%から14%であるが、Transpetro社は49隻の船舶建造に対して、国内価格よりも安価な中国製の鉄鋼を68万トン輸入する計画を立てている。

Transpetro社のセルジオ・マシャード社長はブラジルの鉄鋼メーカーを含む8カ国の15鉄鋼メーカーが鉄鋼供給の入札に参加、しかし中国メーカーの価格が最も安かったと説明している。(2010年7月28日付けエスタード紙)

 

 

今年上半期の機械装置販売は13.2%増加

ブラジル機械装置工業会(Abimaq)の統計によると、今年上半期の機械装置販売は前年同期比13.2%増加の339億レアルを記録、6月は8%増加の61億6,000万レアルとなっている。

上半期のブラジルの機械装置輸出は前年同期比6.5%増加の40億4,000万ドルを記録、しかし世界金融危機前の2008年同期の輸出は53億6,000万ドルで金融危機前のレベルには未だに回復していない。

また上半期の機械装置の輸入はレアル高の為替や好調な内需で14.6%増加の106億5,000万ドルとなったために、貿易赤字は20.2%増加の66億1,000万ドルに拡大している。

同期の機械装置の輸入では最大の輸入相手国である米国のシェアは26.2%を占めているが、中国からの輸入は前年同期比57.9%と大幅に増加してシェアを伸ばしてきている。

連邦政府の設備投資向け機械装置の輸入に対する投資持続プログラム(PSI)の減税措置は年末まで延長が決定、年利は5.5%と非常に安く、このプログラムによる年内の雇用創出は21万人が予想されている。

業界関係者は岩塩層下原油開発、経済成長加速プログラム(PAC),2014年のワールドカップ、2016年のオリンピック並びに高速鉄道建設などインフラ整備への大型投資が目白押しであり、今後も機械装置販売は大きく伸びると予想している。(2010年7月28日付けヴァロール紙)

 

南米ではチリへの輸出がヴェネズエラを追越した

ブラジルから南米地域への輸出はアルゼンチンに次いでヴェネズエラが続いていたが、今年上半期のチリへの輸出がヴェネズエラを追越して2位に上昇している。

上半期のブラジルからチリへの輸出は付加価値製品を中心に増加して前年同期比64%増加、主な50製品のうちで800%と急増した製品もあった。

完成品の輸出では自動車並びに航空機は68%、半製品では鋼板が80%とそれぞれ増加、チリは60カ国以上と自由貿易協定を結んでいるが、ブラジルとの協定ではブラジルへのワイン輸出、チリへの砂糖輸出関税で最終調整に入っているために、協定締結後の両国の貿易は大幅に拡大すると予想されている。

ブラジルからチリへの投資ではペトロブラス石油公社は4億ドルでEXXONの230ヵ所のガソリンポスト網を買収、また11空港へのジェット燃料の供給も行う。

またペトロブラスはチリパイプライン会社に22%、航空機関連会社にも33%の資本参加、今年上半期の石油輸出は40%増加している。

ペトロブラスがチリでのエタノール販売を開始するためにGMではフレックス車の輸出を予定、2008年のブラジルからチリへの自動車輸出は月間2,000台、上半期は1,200台に減少、一方でアジアのメーカーが果敢に攻勢をかけて輸出を伸ばしている。

上半期のチリへの20トン以上のジーゼルエンジンの大型トラック輸出は997%、セルラーは69%とそれぞれ大幅に増加、またエンブラエル社はチリ空軍向けに12機のスーペルツカノ機の輸出契約を交わしている。(2010年7月28日付けヴァロール紙)

 

 

上半期の経常収支は237億6,000万ドルの赤字を計上

レアル高の為替や欧米諸国の世界金融危機からの回復の遅れで本社への利益・配当金の送金増加、輸入品や海外旅行の増加などの要因で、ブラジルの経常収支の赤字幅が大幅に増加してきている。

今年上半期の経常収支赤字は前年の243億200万ドルに匹敵する237億6,000万ドルでGDP比2.5%に達しており、6月は51億8,000万ドルと統計を取り始めた1947年の6月以来の赤字幅を記録している。

上半期の製造業部門への海外投資家の対内直接投資は120億5,800万ドルと前年同期比を下回っており、中銀の今年の予想380億ドルを大幅に下回っているが、株や確定金利付きファンドなどの金融投資は231億5800万ドルに達している。

しかし今後の対内直接投資は岩塩層下原油開発、ワールドカップやオリンピックなどの大型イベントが控えているために、インフラ整備部門への対内直接投資が大幅に増加すると見込まれている。

6月の外資系企業の利益・配当金送金は41億5,000万ドル、上半期は149億6000万ドルで自動車、化学並びに石油・天然ガスセクターの送金が牽引している。

レアル高の為替の影響で6月の旅行収支は9億870万ドルの赤字、上半期は41億1000万ドル、過去12カ月間では73億8,000万ドルとそれぞれ赤字幅の記録を更新、しかし冬休みの7月は更に赤字幅が増加すると予想されている。(2010年7月27日付けエスタード紙)

 

南部と北部の経済活動レベル指数が低下

中銀の経済活動レベル指数(IBC-BR)ではブラジルの経済は4月から緩いカーブを描いて低下してきているが、貧困層の多い北東地域での落ち込みはすくないが、マナウスフリーゾーンを抱える北部地域と農畜産業と輸出の比率が大きい南部地域の落ち込みが大きい。

北東地域の人口はブラジル全体の23%に相当、しかし人口の60%が最低サラリーの収入であるために、最低サラリーの大幅調整や貧困家庭対象のボルサ・ファミリアの補助金調整が経済活動に大きく左右する。

産業開発研究院(Iedi)の調査によると5月の北東地域のIBCはサラリーや補助金の大幅調整で食品並びに飲料部門が牽引して、前年同月比21.3%と大幅に増加した。

また北東地域ではサンフランシスコ河の疎水工事や連邦政府の低所得層対象の”私の家、私の暮らし”プロジェクトが住宅建設ブームを引き起こして5月のセメント、セラミック販売は前年同月比27.1%と大幅に増加している。

今年初めの4カ月間の北部地域のIBCはワールドカップでテレビ販売並びに白物家電向け工業製品税(IPI)の減税政策で前年同期比50%と大幅に増加、しかし5月は3月比でマイナス1.2%、第1四半期の小売は9.8%増加、4月並びに5月の小売は第1四半期比2.9%に留まっている。

ブラジル地理統計院(IBGE)の調査によると今年初めの5カ月間の南大河州の鉱工業部門は輸出が低調で、また2月から鉱工業部門の伸び率が止まったために前年同期比12.6%増加に留まり、ブラジルの平均伸び率17.3%を大幅に下回っている。

南大河州の上半期の輸出は前年同期比マイナス4.7%、農産物の輸出量はトウモロコシと大豆が大幅に減少してマイナス12.3%を記録、また今年初めの5カ月間の南大河州の小売は前年同期比9.6%増加、しかしブラジルの平均である11.5%を下回っている。(2010年7月27日付けヴァロール紙)