昨年の鉱工業部門はマイナス7.4%と過去19年間で最悪

世界金融危機の影響を受けて昨年の鉱工業部門はマイナス7.4%と過去19年間で最高の落ち込みを記録、しかし昨年12月は前年同月が景気の底であったために18.9%増加と大幅に増加した。

昨年の鉱工業部門の落ち込みは1990年にフェルナンド・コロール大統領が就任後に、ポウパンサ預金を没収した時と同様の国内経済の冷え込みとなったが、いち早く金融危機から脱出して下半期から国内経済は回復基調になってきている。

国内の鉱工業部門は連邦政府の減税政策や公立銀行のクレジット拡大で回復してきているが、ドル安の為替や中国を除く世界貿易の縮小で輸出の大幅な増加は今後も期待できない。

昨年12月の鉱工業部門は前月比マイナス0.3%、資本財0.3%、中間財1.0%、非耐久消費財は0.4%とそれぞれ増加、しかし耐久消費財がマイナス4.9%と大幅に落ち込んでいる。(2010年2月3日付けエスタード紙)

                                     

                   

1月のインフレは過去7年間で最高

今年1月のサンパウロの経済調査財団の消費者物価指数(IPC-Fipe)は公共輸送機関の料金の値上げや長雨による食料品の価格高騰で1.34%増加して、2003年2月の1.61%に次ぐ記録、昨年12月は僅かに0.18%であった。

またゼツリオ・バルガス財団(FGV)の週間消費者物価指数(IPC-S)は1.29%増加、特にサンパウロ市は7州都の平均を大幅に上回る1.75%の増加となっている。

1月の食料品は1.52%増加、時に長雨の影響を受けた生鮮食料品は4.44%増加してインフレを牽引、牛肉1.27%、1月の8.0%ドル高の為替の影響を受けたパスタは0.69%、米は5.33%と大幅に上昇した。

1月の公共バスの料金は13.74%値上げ、自動車燃料のエタノール価格はガソリン価格の72.85%と2003年1月以来の高値を記録、2今月は都市不動産所有税や地下鉄の料金値上げの影響で0.58%から0.60%が見込まれている。(2010年2月3日付けエスタード紙)

             

             

 

マンテガ財務相はSelic金利の据え置きを主張

昨日サンパウロで開催された第20回リーダー企業家シンポジウムで中銀のエンリケ・メイレーレス総裁とギド・マンテガ財務相は政策誘導金利(Selic)の引上げで意見を交換した。

マンテガ財務相は金融危機後に落ち込んだ国内経済を刺激するために、白物家電やフレックス車購入に対して工業製品税(IPI)の減税政策を採用して鉱工業部門の落ち込みを最小限に留め、今後はIPI減税措置を中止するにも関わらず、国内経済の持続的成長が可能であり、連邦政府の目標インフレ値を上回る加熱的な経済成長率には達しないために、Selic金利を引き上げる必要はないと述べている。

しかしメイレーレス総裁は実質賃金、小売販売やクレジットが大幅に拡大して国内消費が持続的成長以上に伸びているために、インフレ圧力を緩和するためにSelic 金利の引上げの必要性を強調している。

マンテガ財務相は今年の国内総生産(GDP)は5.0から5.5%の増加にも関わらず、インフレは連邦政府目標の4.5%に収まると強調、また大統領選挙の年にSelic 金利を引き上げると経済成長や投資促進の足かせになって与党に不利になるために、初めに強制供託金の引上げの必要性を強調している。(2010年2月3日付けエスタード紙)

 

 

現代重工業がOSXに10%資本参加してブラジルに進出

世界最大の造船会社現代重工業は実業家エイケ・バチスタ氏率いる造船会社OSX社に10%の資本参加でブラジル進出に足がかりを築いた。

OSXはすでにサンパウロ証券取引所(Bovespa)に新規株式公開(IPO)を申請済みであり、今後はIPOで資金調達をして石油開発プラットフォーム建造する。

ブラジルの造船業界は衰退の一途であったが、岩塩層下原油などの開発で再び活性化すると見込まれており、すでにシンガポールのKeppel FelsやJurong、韓国のサムスン重工業、大宇造船などが進出している。

サムスン重工業はペルナンブーコ州のアトランチコ・スール造船のプロジェクトにカマルゴ・コレア社並びにPMRJ社と共同で参加してすでにブラジルに足がかりを築いている。

1972年に設立された世界最大の現代重工業はすでに1,600隻の船舶並びに170の石油開発関連プロジェクトを建造、風力発電事業、自動車やホテル事業なども展開している。

バチスタ氏の石油開発企業OGX社は今後10年間で300億ドルを投資して、48の石油プラットフォームを発注して岩塩層下原油開発などを予定している。(2010年2月3日付けエスタード紙)

 

 

2009年最終四半期の業務・会計監査で監事会開催

2009年最終四半期の業務・会計監査が2010年2月2日正午から2時まで監事会から山田監事会議長、中村敏幸監事、藤井敏晴監事、財務委員会から米倉立二郎財務委員長が参加して開催、山田監事会議長は2月1日に予め伝票や関連書類のチェックを済ませていた。

初めに平田事務局長からこの期間中の業務の推移について説明、次いで会計事 務所が作成し、提出した貸借対照表、損益それに事務局が準備して米倉財務委員長並びに常任理事会によって承認された月別会計種目別収支明細書、予 算、実績対比表、財産目録、会費滞納現況表並びに2009年最終四半期の各委員会や部会の予算と実績について、逐一会計担当職員も加えての事務局サイド からの報告があり、それに対する監事側からの質問など相互間で活発な討議が行なわれて審議された結果、監事会は「2009年最終四半期の会議所の業務 の遂行と会計処理は適正であったこと」を承認した。

監事会は慣例に従い各四半期を締めた後3ヶ月おきに開催され、事務局からは平田藤義事務局長、エレー ナ・ウエダ会計担当、日下野成次総務担当が参加した。

2009年最終四半期の業務・会計監査の様子

自動車部会はドラフト資料を基に部会長シンポの発表資料作成

自動車部会(長谷部省三部会長)が2010年2月2日午後5時30分から7時まで17人が参加して開催、業種別部会長シンポジウムの発表資料をドラフト資料を基に作成するために意見の交換を行った。

発表資料作成では工業製品税(IPI)減税政策の効果、現代自動車の輸入の急増並びに工場建設に伴うパーツメーカー進出の影響、移転価格税制変更に伴うダメージ、大手メーカーの大型投資、支払い形態などが話題となった。

また副題の「ブラジルの景気回復は本物か? 死角は?大統領選・知事選の影響は ?」では二番底、ドバイ危機、表面化しない危機のリスク、大統領選前には表面化しない悪い経済指数、IPI減税政策中止による悪影響、中国のバブル、変わらないブラジルの高コスト体質などで意見の交換が行われ、今年の部会活動方針は前年に引き続いて継続、移転価格税制変更の阻止についても大いに意見の交換が行われた。

参加者は長谷部部会長(トヨタ)、高岡氏(ブリジストン)、藤田氏(NGK),小林氏(デンソー)、下前原氏(三菱コーポレーション)、寺田氏(ホンダ・サウスアメリカ)、伊藤氏(カンジコ)、駒形氏(MCC)、二木氏(ミドリ・アトランティカ)、佐藤氏(三菱コーポレーション)、大竹氏(タカタ・ペトリ)、大川氏(矢崎総業)、松本氏(トヨタ)、ロペス氏(トヨタ)、加藤領事(サンパウロ総領事館)、佐々木副領事(サンパウロ総領事館)、平田事務局長

17人が参加してシンポジウムの発表資料作成で意見交換(fotos Rubens Ito/CCIBJ)

左はドラフト資料を操作するレアンドロ・ロペス氏/長谷部省三部会長

1月の貿易収支は1億6,600万ドルの赤字

今年1月の貿易収支は1億6,600万ドルの赤字を計上、しかし1日当たりの輸出額は前年同月比21.3%増加の5億6,530万ドルで1月の月間記録を更新した。

1月の輸出総額は113億500万ドル、特に原油の輸出が前年同月比で輸出量が20%、価格では144%増加の10億1,400万ドルを記録して貿易赤字幅の減少に結びついた。

1月の1日当たりの輸入額は16.8%増加の5億7,360万ドルで輸入総額は114億7,100万ドル、ドル安の為替で消費財、原材料や中間財の輸入が牽引、また自動車の輸入は83.4%増加したが、資本財の輸入は6.8%増加に留まった。

昨年は中国向け輸出が急増したが、今年1月の米国向け輸出は22.8%増加の13億6,900万ドルを記録、2国間貿易ではブラジルの3億2,200万ドルの入超となっている。

アルゼンチン向け輸出も金融危機後は大幅に落ち込んでいたが、前年同月比58.9%増加の9億7,300万ドルまで回復している。(2010年2月2日付けエスタード紙)

                             

 

ルーラ政権の利益・配当金送金は277%増加

2003年に誕生したルーラ政権の年間平均利益・配当金送金は48億7,000万ドル、1995年から2002年まで政権を担当したエンリケ・カルドーゾ大統領時の12億9,000万ドルを277%増加している。

昨年の利益送金は74億5,000万ドルで主要格付け会社がブラジルに対して投資適格級の格付けを与えた2008年の85億2,000万ドルに次ぐ記録となっている。

1995年から2006年までのブラジル国内の金融投資は世界最高金利を続けていた影響で、確定金利付きファンドへの投資が大半を占めていた。

しかしブラジルが投資適格級に格上げされてからブラジルへの金融投資は金利の低下に伴って、金融ファンドからサンパウロ証券取引所(Bovespa)へ移行して、記録的な株価の上昇や上昇を続けるレアルの為替は海外送金に拍車をかけている。

2007年の株式市場への金融投資による利益送金は24.2%、昨年は23.6%を占めたが、製造部門からの利益送金は70.5%と大半を占めている。(2010年2月2日付けエスタード紙)

 

コザンとシェルがジョイントベンチャー

寡占化が進むエタノール生産やガソリン配給部門でコザン社とシェル社がジョイントベンチャー企業を立ち上げて、売り上げが210億ドルの大企業が誕生する。

シェル/コザンは砂糖、エタノール生産部門とガソリン、エタノールやジーゼル燃料の配給部門から構成され、コザンは20億リットルのエタノールを生産する23工場並びに1,730ヵ所のガソリンポストと共に参加する。

シェルは2,740ヵ所のガソリンポスト、繊維エタノール研究所のIogen社、クリーンテクノロジー開発のCodexis社と共に参加する。

ブラジル石油監督庁(ANP)ではシェル/コザンのガソリン販売のマーケットシェアは19.1%、ジーゼル16.2%、エタノールが18.6%を見込んでいる。

特にジーゼル燃料販売はBR社、Ultra並びにシェル/コザンの3社で79.9%を独占して価格コントロールを行う可能性が強いために危惧されている。

また燃料配給部門ではUltra、ペトロブラス並びにシェル/コザンの3社でガソリンの68.7%、エタノール68.3%を占めて更に寡占化が進む。(2010年2月2日付けエスタード紙)

 

ベロ・モンテ水力発電所建設の環境ライセンス承認

昨日、1年2カ月間かけて検討されてきたシングー河のベロ・モンテ水力発電所建設のための環境ライセンスがようやく環境保全院(Ibama)から承認された。

ベロ・モンテ水力発電所は中国の三峡ダム水力発電所、イタイプー水力発電所に次ぐ世界3番目の発電能力を擁しており、連邦政府側は建設費を160億レアル、ゼネコン側は300億レアルを見込んでいる。

環境ライセンスがようやく承認されたが、40項目にも及ぶ環境保全のためには落札企業は15億レアルの投資負担になるが、入札は4月初めが予定されている。

ベロ・モンテ水力発電所の建設で516キロ平方メートルが水没、しかし建設に伴って1万8,000人の直接雇用と8万人の間接雇用が創出される。(2010年2月2日付けエスタード紙)