レアル高で消費財や部品の輸入急増

レアル高の為替で輸入消費財や部品価格が国産よりも安くなってきているために、鉱工業部門のメーカーは樹脂、非鉄金属原料や自動車部品を輸入品に切り替えだした。

アジアからの輸入樹脂価格は国産品よりも20%安いために、Cipatex社では金融危機前の輸入樹脂比率10%から20%を今では70%まで比率を上げている。

中国からの輸入が急増して国内市場を席巻されている履物や繊維部門は価格競争で収益を圧迫され、安価な輸入原料に切り替えて国内市場での生き残りや海外マーケットシェアの維持のために、ドル安の為替でマージンが殆どない輸出を余儀なくされている。

9月以降の中間財輸入は50%を上回り、10月の1日あたりの輸入額は6億730万ドルと今年の月間では最多、経済成長の大幅増加が見込まれている来年は更に原材料の輸入に拍車がかかると予想されている。(2009年11月12日付けエスタード紙)

 

11月第1週のドル流出は13億8,000万ドル

中銀の発表によると11月第1週のドルの海外流出は13億8,000万ドル、10月20日から開始された海外投資家によるブラジル国内での金融投資に対する2%の金融取引税(IOF)徴収開始後では初めて流出が流入を上回った1週間となった。

同期のIOF税が徴収される株や確定金利付ファンドからのドル流出は8億1,800万ドル、残りは海外本社への利益や配当金の送金やブラジル企業の海外直接投資であった。

また同期の貿易収支は5億6,900万ドルの赤字を計上、第2週もドル安の為替や国内景気の回復でクリスマス商戦向け輸入品の増加が見込まれているために、ドル流出が継続すると予想されている。

中銀はドル安の為替対策として5月からドル介入を再開、11月第1週のドル介入で5億700万ドルを購入したために、外貨準備高は2,150億ドルに達している。(2009年11月12日付けエスタード紙)


 

大停電は消費電力の大きい製鉄、石油化学や紙・パルプ業界を直撃

ブラジルの多くの州に電力エネルギーを供給しているイタイプー水力発電所からの送電停止による約5時間の大停電は消費電力の大きい製鉄所、石油化学や紙・パルプ部門を直撃した。

ナショナル製鉄(CSN)ではリオ州ボルタ・レドンド市の亜鉛メッキ鋼板の生産を中断、高炉、スチールプラントやコークス工場での生産減少も余儀なくされた。

CSN製鉄は自社の210メガワットの火力発電所以外にもイタ水力発電所から130MW、イガラパヴァ水力発電所から167MWの電力エネルギー供給は停電による影響でストップしたために減産を余儀なくされた。

ヴァーレ社はミナス州とエスピリット・サント州のスールシステム,7ペレット工場や港湾施設などを含むツバロン製鉄所コンビナート全体が影響を受けた。

Basf社は化学品、医薬品、塗料や触媒製品の13プラントのうち12プラントで影響を受け、サンパウロ州グアラチンゲタの農業向け製品工場の被害額は判明していない。

ブラジル空港インフラ業務公社(Infraero)では停電で離陸の45%、サンパウロ州水道会社(Sabesp)は大サンパウロ圏の2,000万人、リオ州では8時間に亘って1,000万人が断水の影響を受けた。(2009年11月12日付けヴァロール紙)

 

 

機械・装置購入にPIS/Cofinsクレジット

鉱工業部門の投資を促すために連邦政府は設備投資用機械・装置購入に社会統合基金(PIS)並びに社会保険融資納付金(Cofins)のクレジット使用を12ヶ月から6ヶ月に短縮もしくは購入時のPIS/Cofins徴収廃止を検討している。

国庫庁では免税した場合は65億レアルから70億レアルの税収減を予想、社会経済開発銀行(BNDES)では機械・装置購入時のファイナンスコストを減少すると見込まれている。

今後の国内消費増加による経済成長、ドル安で有利になった輸入機械・装置購入、サッカーのワールドカップや2016年のオリンピック開催で外資系企業との競争が激しくなるために、今から設備投資に拍車をかけて競争力をつける必要に迫られている。(2009年11月12日付けエスタード紙)


 

相互啓発委員会メンバーが忘年会の打ち合わせで訪問

相互啓発委員会の北條喜載副委員長(丸紅)、田邊義雄副委員長(日清紡)並びに委員会メンバーの立野雄介氏(丸紅)が2009年11月12日に、12月10日に開催される忘年会の打ち合わせで商工会議所を表敬訪問、平田藤義事務局長、柴田千鶴子事業班主任、日下野成次総務担当と詳細に亘り意見交換を行った。

マンテガ財務相は第3四半期のGDPを8%から10%と予想

第2回ブラジル-イタリア経済フォーラムに出席したギド・マンテガ財務相は第3四半期のGDP伸び率は年率換算で8%から10%を予想、第2四半期のGDPは前四半期比1.9%、年率換算では7.8%となっている。

同財務相はブラジルがもっとも遅く世界金融危機に突入したにも関わらず、もっとも速く金融危機から脱出した国であると強調、また今年のGDP伸び率は大半の金融スペシャリストの予想を上回る1%を予想している。

レアル高の為替については大幅な為替高になってユーロに対しては23%も上昇、経済回復サイクルに突入したブラジルの金融市場に大量の外貨が流入して益々のレアル高の為替を避けるために、海外投資家の金融投資に対して2%の金融取引税(IOF)を採用した。

マンテガ財務相は来年のブラジルのGDPを5.0%と予想して経済成長の新しいサイクルに突入、世界銀行では現在のブラジル経済は世界9位、2016年には5位まで上昇すると予想している。

国際通貨基金(IMF)は今年のブラジルの経常収支はGDP比3%、来年はGDP比1.5%とそれぞれ赤字を予想、しかしG-20の中では赤字幅が少なく、また参加したイタリア企業経営者に対して、2014年のサッカーのワールドカップ向けインフラ部門の投資は好機であると強調した。(2009年11月11日付けエスタード紙)

 

アルゼンチン輸入品にセーフガード強化

ブラジル政府はアルゼンチンからの自動車用エアコン、バッテリーやイグニッション関連部品の輸入製品に対して、輸入ライセンス申請書類の煩雑な手続きを課して実質的なセーフガードを強化した。

金融危機後にアルゼンチンは保護政策としてブラジルからの輸入比率が17.3%に相当するブラジル製品767アイテムに対して輸入規制を適用していた。

アルゼンチンはブラジル製履物、繊維,白物家電、自動車部品に対して輸入ライセンス申請でブロクラシーを強化してセーフガードを発動、一方で中国製品輸入に対してブラジルよりも輸入規制を緩和していた。

ブラジル政府は9月14日からアルゼンチン向けバッテリー、ブレーキやクラッチ輸出が停止されている報復措置として、アルゼンチンからの自動車部品輸入にセーフガードを発動して圧力をかけている。

ブラジル政府は報復措置として10月中旬からアルゼンチンからの輸入小麦粉、ワインやフルーツなど15品目に対してセーフガードを発動、今月18日のアルゼンチンのクリスチーナ・キルチネル大統領の訪伯を前に、ブラジルの輸出製品に対するセーフガード解除に圧力をかけるために、セーフガード対象を35品目に増加した。(2009年11月11日付けエスタード紙)

 

12州などで大停電発生

イタイプー水力発電所からの送電が落雷や暴風雨と予想される影響を受けて全国エネルギーシステム機構(ONS)が自動的に送電を停止したために、サンパウロ、リオやミナスなどの12州、ブラジリア連邦直轄区やパラグアイなど数時間に亘って大停電となった。

エジソン・ロバン鉱山エネルギー相はフルナス電力公社の送電網が落雷などで送電停止の影響を受けて、イタイプー水力発電所のブラジル向け発電の全タービンの停止を余儀なくされたが、解明を急いでいると発表している。

ONSでは送電網保護システムによる停電で17メガワットの損出、ブラジル向け電力供給用18タービンの停止、しかしパラグアイ向けに2タービンは再稼動された。

ブラジルの大停電として1999年に旧サンパウロ電力公社(CESP)バウルー市の変電所に落雷して南部、南西部、中西部地域、ブラジリア連邦直轄区、アクレー州やパラグアイの一部で停電が発生した。

フェルナンド・カルドーゾ政権最後の2年間に電力発電投資不足や旱魃で大停電が発生、電力危機を乗り越えるために20%の節電が義務付けされたが、2002年に節電は解除された。

2005年1月にリオ州並びにエスピリット・サント州で停電が発生して300万人以上に影響、連邦政府はフルナス電力の理由のない送電停止に対して410万レアルの罰金支払いを命じた。

2007年にはフルナス電力の送電停止で再びリオ州とエスピリット・サント州で停電が発生していた。(2009年11月11日付けエスタード紙)

 

ペトロブラスは20大米国企業リストでは3位に相当

今月9日のペトロブラス石油公社の時価総額は2,079億ドル、20大米国企業リストで比較するとエクソン・モービルの3,458億ドル、マイクロソフトの2,574億ドルに次いで3位に相当する。

時価総額が1,419億ドルのヴァーレ社は1,286億ドルのコカコーラ社よりも5ランク上位の14位(ペトロブラスを除く)に相当する。

ルーラ政権誕生時からペトロブラスは118ランク、ヴァーレは139ランクそれぞれ上昇、ブラジル企業がランクを上げた要因としてレアル高の為替並びに金融危機からの両社の株価の回復が挙げられる。

ペトロブラスは昨年5月21日に時価総額が3,095億ドル、ヴァーレは昨年5月16日に1,965億ドルに達して記録更新、現在のペトロブラスの時価総額は昨年から15%減少、ヴァーレは7%減少にとどまっている。(2009年11月11日付けエスタード紙)

                             


 

相互啓発委員会主催の「サンフランシスコ河流域プロジェクト」セミナー開催

相互啓発委員会(前田一郎委員長)主催の「サンフランシスコ河流域プロジェクト」セミナーが2009年11月10日午前9時から大統領のサンパウロ事務所に26人が参加して開催、国家統合省のジョアン・レイス・サンタナ・フィリョ事務次官が約3時間に亘ってプロジェクトを紹介した。

初めにジョアン事務次官はブラジルの歴史は僅か500年で初めにパライーバ州からバイア州イリェウスまでの地域でサトウキビ栽培、ミナス州で金採掘、その後はコーヒー栽培の時代が長く続き、工業や金融市場の発展はサンパウロ、リオやミナス州に集中、20年前のサンパウロの金融取引はブラジル全体の50%、リオが35%を占めて、北東地域などは忘れ去られていた。

しかしルーラ大統領はブラジルの持続的経済成長には米国のように国内消費を高める必要があり、大半の歴代大統領が開発に着手しなかった北東地域や中西部開発への投資の重要性を認識、僅かなインフレを維持しながら経済発展を図り、人口が5,400万人に達する北東地域への投資で国内消費を高める政策を果敢に採用した。

北東地域は広大な半乾燥地域が大半を占めるが、気候は非常に植物育成に適して灌漑施設に投資すれば食料基地に変貌できる。ブラジルは熱帯雨林伐採で世界中から非難されているにも関わらず、ヨーロッパでは国土の99%、米国は68%も森林を伐採したが、ブラジルは国土の30%未満を農地に転用したにとどまっている。

サンフランシスコ灌漑プロジェクトでは半乾燥地帯の2,000万ヘクタールが耕作可能となり、旱魃に悩まされる時代から世界の食料供給基地となって、計り知れないビジネスチャンスが訪れつつある。

北東地域は面積が156万平方メートルで9州にまたがり、気候は高湿度赤道地帯気候、高湿度海岸地帯気候、熱帯性気候並びに半乾燥熱帯気候に区別され、年間の日照時間は2,300時間から3,000時間と年間8ヶ月間に亘って植物が育成してイスラエルやヨルダンの乾燥地帯とは比較にならない好条件であり、 植生はマングローブ、耐乾性植物やサバンナ地帯に分かれている。

農業ではサトウキビ、綿花、カカオ、トロピカルフルーツ、特にマモーナ(トウゴマ)の種は簡単な装置で50%に達するバイオ油が採集可能、種の殻はすばらしい肥料、葉は蚕の餌となり、60日で収穫可能であるにも関わらず、バイオ燃料プロジェクトは止まったままとなっている。地域別雨量では大豆や綿花の一大栽培地に変身したバイア州西部は年間1,100ミリ、同州中央部500ミリ、海岸地域2,000ミリから2,500ミリ、鉱物資源ではブラジルのタングステン生産の98%、石油、マンガン、ニッケル、カオリンなどが豊富、エネルギーでは風力発電、太陽光発電やバイオエネルギーが有望となっている。

北東地域の半乾燥地域は98万平方キロメートルでミナス州にまでまたがり、セアラー州ジャグアリーバ水系、北大河州アポジ水系、パライーバ州パライーバ水系、5州にまたがるサンフランシスコ水系は64万平方キロメートル、平均水量は1秒間に2,980立方メートル、ソブラジーニョ貯水池の排水量1,850立方メートル、貯水能力は340億立方メートル、トレス・マリア貯水池は190億立方メートル、灌漑用水資源利用許可は僅かに1.4%で1,200万人が恩恵を受けるが、サンパウロ州のピラシカーバ川の70%、パライーバ・ド・スール川の68%の水資源利用とは比較にならないぐらいの僅かな水資源利用であり、専門知識の不足による渇水や植物や動物生態系を変えるなど現実離れした誤解を招く言い方もされている。

ソブラジーニョ貯水池のペトロリーナ市やジュアゼイロ市近郊ではブドウをフランスに輸出、またサンパウロからイタリア系ブラジル人が入植してワイン造りを行って、年々その技術が向上して素晴らしいワインが造られてきている。

サンフランシスコ河プロジェクトのコンクリート使用量は北部並びに東部運河の合計は22階建てビル750棟が建設可能な150万トン、運河掘削のための除去する土砂はマラカナン・スタジアムが900杯に相当する8,200万立方メートル、セメントは50万トン,鉄鋼は15万トンと巨大プロジェクトで完成後の北部運河の灌漑用水資源利用は1秒当たり50立方メートル、東部運河は14立方メートルに達する。

北部運河の最終距離は420キロメートル、240キロメートル間で工事中、揚水高度は180メートル、東部運河は210キロ、185キロ間で工事中、揚水高度は300メートルに達する。

同プロジェクトでは36種の環境プログラムがあり、施行管理計画、社会コミュニティ計画、動物形態計画、環境教育プログラム、インジオやアフリカ系(キロンボ)コミュニティ支援、水質調査プログラム、河川沿岸再計画、森林回復計画、廃棄物回収計画、支流流域堆積物除去計画、沿岸住民支援など環境問題を非常に重視している。

世界の灌漑面積比較ではインドが5,580万ヘクタールでトップ、中国5,460万、米国2,240万、パキスタン1,820万、イラン770万、メキシコ630万ヘクタールで6位、エジプトは340万ヘクタールで14位、ブラジルは290万ヘクタールで17位となっている。

世界の耕地面積の18%が灌漑設備を擁して収穫量の44%を占めて生産性が非常に高い。ブラジルは世界の真水の12%、12の大水系でアマゾン水系が68%を占め、北東地域は3%でサンフランシスコ水系が70%を占めている。ブラジルの灌漑能力は2980万ヘクタールで灌漑利用率は11.6%の344万ヘクタールに留まっている。

灌漑農業の1人当たりの雇用向け投資は5,500ドル、一般農業の3万7,000ドルの1/7、観光6万6,000ドル、資本財9万8,000ドル、製鉄14万5,000ドルなどと比較して非常に効率が優れ、また灌漑農業の生産効率は一般農業の3.5倍、収益率は7倍に達する。

最後にジョアン事務次官は会議所会員の同プロジェクト見学要望があれば統合省で全て手配するので大歓迎であると述べたのに対して、前田委員長はお蔭様で同プロジェクトの環境に配慮した実態が分り、北東地域の発展に役立つプロジェクトの視察を是非、計画したいと述べ、最後に平田藤義事務局長は今回のセミナー開催に尽力されたサンスイ・プラスティックの平崎靖之社長補佐に厚くお礼を述べて、相互啓発委員会が見学会を計画してほしいと結んだ。

            

左から前田一郎相互啓発委員長/田中信会頭/国家統合省のジョアン・レイス・サンタナ・フィリョ事務次官

            

左から前田一郎相互啓発委員長/国家統合省のセバスチアン・エドアルド・ダ・クーニャ事務次官補佐官/田中信会頭/ジョアン・レイス・サンタナ・フィリョ事務次官/平田藤義事務局長

             

セミナー終了後国家統合省のジョアン・レイス・サンタナ・フィリョ事務次官から送られたワインを受取る田中会頭

             

 26人が参加したセミナーの様子