アルゼンチンも地上デジタル放送の日伯方式採用か

 今日、アルゼンチンのバリロッチ市で南米12カ国の首脳が集まってコロンビアの米軍基地拡大で臨時会議開催後に、ルーラ大統領とキルチネル大統領がアルゼンチンの地上デジタル放送の日伯方式採用で調印すると見込まれている。

 日伯方式採用には3年間を要し、ヨーロッパ方式、米国方式並びに日本方式の売込みで熾烈な競争を展開していたが、ブラジルの日伯方式採用が追い風となった。

 ヨーロッパのDVB-T方式売込みではテレフォ二カ社とシーメンス社、米国のATSC方式売込みではLG社、サムスン並びにArtear社がアルゼンチン政府に盛んにロビー活動を展開、日本方式は最も可能性が低いと見られていたが、ブラジルの採用で断然有利となった。

 ジウマ・ローセフ官房長官とエリオ・コスタ通信相はアルゼンチン政府にメルコスールでの同一方式採用で盛んにロビー活動を展開、日伯方式採用でアルゼンチンでの関連部品製造、更にブラジル同様にデジタルテレビ生産も可能となることも採用に追い風となっている。(2009年8月28日付けエスタード紙)

 

 

7月のサンパウロの鉱工業部門の生産指数は2.0%増加

 サンパウロ州工業連盟(Fiesp)の調査によると7月のサンパウロ州鉱工業部門の生産指数(INA)は前月比2.0%増加して回復傾向を示している。

 しかし金融危機前の昨年9月比ではマイナス10%と大幅に落込んでいるが、昨年12月比では大幅な回復傾向となっており、金融危機直後にはサンパウロ州内の鉱工業部門は20万人が失業していた。

 Fiespでは今年の鉱工業部門の生産指数は前年比マイナス6.0%からマイナス7.0%、金融危機前の生産指数の回復は来年になるとそれぞれ予想、7月の生産指数は前年同月比ではマイナス9.4%となっている。

 7月の17セクターの70.6%は生産指数増加と回答して前月と同率となっているが、5月は35.3%が生産増加と回答していたために大幅な改善傾向となってきている。

 7月の鉱工業部門の売上は前月比3.1%増加して在庫減少、設備稼働率は81.6%と昨年11月の81.9%に次ぐ稼働率を記録して上昇してきている。(2009年8月28日付けエスタード紙)

 

 

ヴァーレはパラー州で製鉄所建設

 ヴァーレ社は3ヶ月前に今年の投資予算のうち52億ドルの削減を発表してルーラ大統領から大いに批判を浴びたが、37億ドルを投資してパラー州マラバ市にパラー圧延鋼社(ALPA)を設立して年産250万トンの製鉄所の建設を発表した。

 ALPA製鉄所建設は来年5月から着工、2013年の操業を予定しているが、3,000人の直接雇用及び1万5,000人の間接雇用創出が予想されている。

 社会経済開発銀行(BNDES)が同プロジェクトへの融資を予定しているが、33億ドルが製鉄所の建設費、2億7,500万ドルは港湾建設、1億2,500万ドルは鉄道建設に投資される。

 また年産250万トンのうち200万トンは輸出、50万トンは国内市場向け、またヴァーレ社はエスピリット・サント州アンシエッタ市にウブ製鉄所建設を計画、30億ドルを投資して年産500万トンを生産、製鉄所建設は2011年着工で2014年の操業を予定している。(2009年8月28日付けエスタード紙)
 

 

 

岩塩下原油ロイヤリティー分配でPMDBに配慮

 岩塩下原油の埋蔵テリトリーを擁するリオ州、エスピリット・サント、パラナ並びにサンタ・カタリーナ州知事はブラジル民主運動党(PMDB)に所属、また全国の州知事の1/3もPMDB党で占められているために、ロイヤリティー収入分配では大幅な譲渡を迫られている。

 またルーラ大統領の所属する労働者党(PT)は来年の大統領選挙ではジウマ・ローセフ官房長官が立候補を予定しているが、連立与党では最大政党のPMDB党の支持が不可欠であるために、ロイヤリティー収入分配で頭を痛めている。

 ロイヤリティー収入は現行の石油法では生産量の5.0%以内で40%が地元の州政府、60%が連邦政府に分配されるが、生産量が多くて収益性の高い油田は特別分配(PE)が義務付けされて、連邦政府にはPEの50%、州政府40%、市町村には10%分配される。

 昨年のPE総額は117億レアル、州政府並びに市町村にはロイヤリティー収入分配を70億レアル、PEを58億レアル分配されている。

 PMDB党はロイヤリティー収入の40%を地元の州政府、連邦政府は60%を受け取り、その中から地元以外の州政府への分配をするように強気の要求をしている。(2009年8月27日付けエスタード紙)

 

 

7月の90日以上の負債返済遅延率は5.9%に達した

 7月の金融機関への90日以上の負債返済遅延率は5.9%に達して2000年以来では最悪を記録、クレジットが拡大しているにも関わらず、特に中小企業の返済遅延が目立っている。

 7月のクレジット総額は前月比2.6%増加、特に社会経済開発銀行(BNDES)はペトロブラス石油公社へ250億レアルのクレジットを行なったように、公立銀行がクレジット拡大を牽引している。

 負債返済遅延は法人向けクレジットで増加、クレジット総額の3.8%に相当する14億4,000万レアルに達しているが、6月の返済遅延率は3.4%、個人向けクレジットは3ヶ月連続8.6%前後で推移している。

 法人向けクレジットの負債遅延は手形割引の8.5%、法人向け特別小切手同様の保証口座が4.7%とそれぞれ高率となっているが、9月から中小企業向けのクレジット保証ファンド(FGO)が再開されるためにクレジット拡大が予想されている。

 7月の個人向けクレジットの年利は44.9%、スプレッドは35.2%、法人向けクレジット年利は26.7%、スプレッドは17.9%とそれぞれ減少してきている。

 ブラジルのクレジット総額のGDP比は45%まで増加してきているが、英国は211%、日本189%、ヨーロッパ連合140%、中国108%、チリ85%、インド50%とそれぞれブラジルを上回っているが、ロシアは41%、トルコ33%、ペルー25%、メキシコ21%、アルゼンチンは14%とブラジルを下回っている。(2009年8月27日付けエスタード紙)

 

 

7月の中央政府のプライマリー収支黒字は14億3,900万レアル

 国庫庁、社会保障院(INSS)並びに中銀で構成される中央政府の7月の財政プライマリー収支は前月の6億1,500万レアルの赤字から一転して、14億3,900万レアルの黒字を記録した。

 今年7ヶ月間のプライマリー収支黒字は200億8,000万レアルとなっているが、前年同期の487億レアルの黒字の70%減少と大幅に落込んでいる。

 国庫庁は国内の景気刺激策として工業製品税(IPI)の減税や免税、世界金融危機による企業の売上や純益の減少による税収減、連邦政府による最低サラリーの大幅調整や貧困家庭補助プログラムの支出増加が黒字幅を減少させている。

 今年7ヶ月間のプライマリー収支黒字はGDP比1.17%と前年同期のGDP比4.16%から大幅に落込み、国庫庁の税収は前年同期比マイナス1.5%減少したが、連邦政府の支出は15.9%、公務員の人件費19.1%、補助金18.7%、公共投資は16.7%とそれぞれ増加している。(2009年8月27日付けエスタード紙)

 

 

ムーディーズはブラジルを投資適格級に格上げか

 昨年のリーマンブラザーズ破綻前に格付会社スタンダード&プアーズ並びにフィッチ社はブラジルを投資適格級に格上げしていたが、来月中にムーディーズも格上げすると見込まれている。

 ムーディーズはブラジルの7月の経済活動状況や指標を金融危機からの回復傾向が顕著になってきていると認めて、政府債務格付けをBa1からBaa3に引き上げると見込まれている。

 7月の失業率は8.0%まで減少、7月の過去12ヶ月間の海外からの直接投資はGDP比2.94%に相当する390億5,000万ドル、8月24日のサンパウロ平均株価(Ibovespa)は5万7,775ポイントで昨年7月31日以来の高値を記録、外貨準備高は昨年8月よりも100億ドル増加の2,148億5,000万ドルに達している。(2009年8月27日付けエスタード紙)


 

週労働時間を44時間から40時間に短縮か

 労働時間の短縮はこの14年間に亘って議論され続けてきたにも関わらず、産業界の抵抗で成立が遅れていたが、労働者党(PT)のヴィセンテ・パウロ・ダ・シルバ議員は週労働時間が44時間から40時間に短縮されると250万人の雇用創出につながると主張、時間短縮でもサラリーは据置かれ、残業代は現行の50%増しから75%増しとなる。

 またカルロス・ルピ労働・雇用相は時間短縮による企業の負担は1.99%増加であり、人件費コストは22.0%から23.99%に増加するだけであると時間短縮案を支持している。

 しかし全国工業連合(CNI)のアルマンド・モンテイロ・ネット会長は企業側の立場として、時間短縮による250万人の雇用創出は予測不可能であり、詭弁に過ぎないと反論している。

 先進国では大半が週労働時間を40時間と規定しているが、南米ではエクアドルのみが40時間労働であり、大半は48時間労働時間を採用している。(2009年8月26日付けエスタード紙)


 

米国の財政赤字は今後10年間で9兆ドル増加

 米議会予算局では来年から10年間の財政赤字増加を7兆1,000億ドルと見込んでいたが、金融危機の影響が予想よりも大幅に悪化して国庫庁の税収が大幅に減少したために赤字幅が大幅に増加、今年の経済成長率はマイナス2.8%に減少、失業率のピークが10%を超えると見込まれてリセッションからの回復が遅れるために、9兆ドルの財政赤字に修正している。

 ホワイトハウスでは今年の財政赤字をGDP比11.2%に相当する1兆5,800億ドルと第2次大戦後では最も赤字幅が大きく、6月の過去12ヶ月間のブラジルの財政赤字はGDP比3.19%で米国の赤字幅が如何に大きいかが分かる。

 しかし年頭に今年の財政赤字を1兆8,400億ドルと見込んでいたが、5月には第2次景気刺激策の必要がなくなったために、財政赤字幅を2,610億ドル削減した。

 オバマ大統領は財政赤字拡大にも関わらず、医療保険制度改革を掲げており、2011年までには年間1兆ドルの財政赤字が増加、2010年から2019年までには累計赤字は9兆1,370億ドルまで膨れ上がる。

 世界金融危機で米国では失業保険支出が大幅に増加、今年のGDPはマイナス2.8%で今年の平均失業率は9.3%に達するが、ホワイトハウスでは来年のGDPを2.0%、2011年は3.0%の増加を見込んでいる。(2009年8月26日付けエスタード紙)


 

7月の経常収支赤字は利益・配当金雑巾増加で16億6,500万ドル

 7月の経常収支赤字は本国への利益・配当金送金増加で前月の3倍に相当する16億6,500万ドルに急増、中銀の予想の2倍以上の赤字を計上している。

 しかし7月の経常収支赤字は前年同月の21億7,000万ドルの赤字幅から減少、今年7ヶ月間の赤字は87億4,000万ドルで前年同期比では半分以下となっている。

 7月の海外からの直接投資は経常収支赤字をほぼ補う13億ドルが流入、8月の赤字幅は前月同様の16億ドル前後、直接投資は15億ドル前後が予想されている。

 7月のブラジル人の海外旅行による支出は10億4,000万ドルで金融危機後では初めて10億ドルを突破、クレジットカードによる支出は58.8%に相当する6億1,390万ドル、外国人観光客のブラジルでの支出は4億4,500万ドル、今年の経常収支赤字は150億ドルが見込まれている。(2009年8月26日付けエスタード紙)