PACプロジェクトのロジスティック投資が大幅に遅れている

 2007年1月の第2次ルーラ大統領の最重要インフラ投資である経済成長率加速プロジェクト(PAC)として、インフラ整備部門に拍車をかけるために1,320億レアルの予算が割当てられたが、2010年末までに僅かに12%の投資が見込まれているに過ぎない。

 連邦政府は次期大統領にインフラ部門への投資に360億レアルを託す計画であったが、高速鉄道建設向け投資予算340億レアル、バイア州東西線の鉄道建設予算60億レアルをもカバーできない。

 ロジスティック部門の37プロジェクトのうちで32%は延期、14%が完成したが予定前の完成プロジェクトは僅かに3.0%であった。

 2010年までのインフラ部門投資の50%は国道BR-101、BR-116、南北鉄道並びにノルデスティーナ鉄道向けが予定されているが、連邦会計検査院(TCU)による予算承認、土地の接収問題や環境問題などで計画が大幅に遅れている。

 また連邦政府のプロジェクト計画不備での遅れも指摘され、ブラジル港湾ターミナル協会(ABTP)では入札するまでに平均5年間を要していると指摘、PACプロジェクトには港湾浚渫工事など多くのプロジェクトを抱えているが、環境問題などで入札が大幅に遅れている。{2009年8月20日付けエスタード紙}
 

 

 

ブラジルとアルゼンチンは通貨スワップ協定にサイン

 ブラジルとアルゼンチンは二国間貿易で自国通貨による通貨スワップ協定にサイン、通貨スワップは経済危機で国際資本市場での資金調達が困難になった場合に影響を緩和できる効果がある。

 ブラジルはアルゼンチンとの通貨スワップ締結後にはメルコスールのウルグアイ並びにパラグアイ、同盟国以外のボリヴィアと締結して地域金融統合を予定している。

 今回の二国間通貨スワップにはブラジルは35億レアル、アルゼンチンは同額に相当する70億ペソを準備するが、両国の中小輸出企業が恩恵を受ける。

 ブラジルからは自動車パーツ企業の輸出ファイナンス向けの利用が予定されているが、アルゼンチンが昨年9月からブラジル製品に適用している輸入ドクメントの自動ライセンス発行の大幅な遅延やアンチドーピング問題などが未解決となっている。{2009年8月20日付けエスタード紙}

 

 

ラテンアメリカの経済回復は先進国よりも早い

 2008年度ノーベル経済学賞を受賞した米国のポール・クルーグマン氏はコロンビアで開催されたリーダーフォーラムでラテンアメリカの金融危機からの脱出は先進国よりも早いが、アジアには遅れると述べた。

 ラテンアメリカは金融危機脱出には世界貿易縮小の影響で輸出が打撃を受けたにも関わらず先進国よりも準備が整っているが、世界経済が回復するには先進大国の決定的な回復が必要となる。

 ラテンアメリカ経済は9ヶ月のリセッション後の7月にはブラジル経済回復の楽観的な見方に牽引されて、ゼツリオ・ヴァルガス財団(FGV)の同地域の経済状況指標(ICE)は4月の3.6ポイントから7月は4.0%ポイントに上昇、ブラジルは4.6ポイントから5.5ポイントと大幅に上昇している。{2009年8月20日付けエスタード紙}

 

 

ブラジルは米国債を更に購入

 6月の中国は米国債保有を3.13%減少して前月の総額8,015億ドルから7,764億ドルに減少、しかしブラジルは8.8%増加して前月の1,275億ドルから1,398億ドルに増加させている。

 海外投資家は米国の長期国債907億ドルを購入したが、米国の公共負債が管理不可能なほどに膨れ上がっているにも関わらず、海外投資家は短期国債よりも長期国債の購入傾向となっている。

 中国は米国の短期国債を520億ドル売って長期国債を266億ドル購入、外貨準備高を米国の公共負債増加でドル通貨の下落を避けるために、投資ポートフォーリオを拡大している。

 ブラジルの米国債保有はトップの中国、2位の日本の7,118億ドルとは大きく差があるが、6位の1,388億ドルと存在感を示している。{2009年8月19日付けエスタード紙}
 

 

 

7月の雇用は建設部門が牽引

 就労・失業者登録台帳(Caged)では7月のブラジル全国の正規雇用は13万8,400人増加、鉱工業部門は1万7,300人が新規雇用されたが、しかし今年は解雇数が雇用数を上回っている。

 今年7ヶ月間の雇用は43万7,900人で前年同期比1.37%増加、カルロス・ルピ労働・雇用相は2003年から2008年までの7月の平均雇用は14万人で今年7月はほぼ平均に達し、今年の雇用は100万人の増加を見込んでいる。

 7月の建設部門の雇用は3万2,100人で同月としては昨年に次ぐ雇用増加を記録、今年7ヶ月間の鉱工業部門の解雇数は雇用数を12万7,100人上回っている。

 7月のサービス部門の雇用は2万7,600人増加、今年7ヶ月間では26万3,000人増加、7月の商業部門の雇用は2万7,300人増加したが、今年7ヶ月間では解雇数が雇用数よりも5,600人上回っている。(2009年8月19日付けエスタード紙)


 

2010年型新車が旧モデル車よりも安価

 自動車メーカーは2010年型新車の価格が旧モデル車よりも安く販売する傾向となってきて、初めて新型モデル車の価格が旧モデル車の価格を下回っている。

 今週中にフォード社は2010年型フィエスタ車をリリースするが、価格は旧モデルよりも3.0%から4.0%に相当する1,300レアルから1,500レアル安い価格設定となっている。

 また最近リリースされたピックアップ車Rangerの旧モデルは10万3,940レアルであったが、2010年型車は7,200レアル安い9万6,739レアルの価格設定となっている。

 新型モデル車は生産効率の向上並びにマーケットシェア拡大するために収益性を抑えているが、工業製品税(IPI)の免税や減税による価格設定には影響されていない。

 マーケットシェア4位のフォード社は今年の自動車販売を前年比9.9%増加の305万台から310万台を予想しているが、全国自動車工業会(Anfavea)では6.4%増加の300万台を予想している。{2009年8月19日付けエスタード紙}

 

 

キャリートレードが増加傾向

 金利の安い日本などで資金を調達して金利の高い国で運用して利ザヤを稼ぐキャリートレード取引は世界金融危機後には各国の株暴落や為替変動の影響で途絶えていたが、最近では株価や為替の安定に伴ってヘッジファンドや機関投資家が再開しだしている。

 キャリートレードの増加に伴って為替の変動幅が上昇のリスクが常にあり、円キャリートレードが良く利用されるが、円通貨の変動で利益を損なう可能性もある。

 金利が1.0%のヨーロッパや米連邦準備制度理事会(FRB)が信用緩和策採用で1兆ドルを市場に投入してゼロ金利に近い米国などで資金調達をしてキャリートレードする傾向にある。

 海外投資家の金利の高いブラジルにキャリートレード取引が戻ってきているが、また日本や米国で資金を調達して中国向けコモディティ商品輸出の多いオーストラリアでのキャリートレード取引を行なっているが、オーストラリアドルは今年2月末から対ドル通貨では29%上昇している。{2009年8月19日付けヴァロール紙}

 

 

フリージャーナリスト外山脩氏のポルトガル語版「百年の水流」記念出版会

フリージャーナリストの外山脩氏の日本語版「百年の水流」がベストセラーとなってポルトガル語版出版の要望が大きかったが、2009年8月18日午後7時から日本移民史料館でブラジリアから島内憲大使、サンパウロ総領事館の大部一秋総領事など200人がお祝いに駆けつけて、ポルトガル語版「百年の水流」(Cem anos de águas corridas)記念出版会が開催された。商工会議所からは田中信会頭、平田藤義事務局長が参加した。

2006年に出版された日本語版「百年の水流」はコロニア文学賞を受賞したベストセラー作品であり、コチアや南伯産組の崩壊、南銀の買収や勝ち組、負け組の抗争など日系コロニア百年の歴史を長年の取材や歴史資料を基に描いた力作で、2007年からポルトガル語への翻訳作業が行なわれてこのたび完成、外山氏は「14年かけて死ぬ思いで執筆、特に真実を把握するのに苦労した」と感想を述べてた。

業種別部会長シンポジウムに114人が参加して今までの全ての記録を塗り替えた

業種別部会長シンポジウムが2009年8月18日午後2時から5時30分までソフィテルホテルに今までの平均80人を大幅に上回る114人が参加、一般客は邦字新聞2社の宣伝効果で9人、カクテルには今までの平均20人の倍以上の47人が参加してそれぞれ記録を更新、経済金融危機の底打ちへの関心や下半期の経済回復の期待感、島内憲大使や大部一秋総領事の参加などが参加者記録を塗り替える牽引をした。

近藤正樹総務委員長が軽快なテンポで司会を務め、初めに田中信会頭がブラジリアから島内憲大使、サンパウロ総領事館から大部一秋総領事の参加に感謝の意を述べ、部会シンポが70年代に「業種別部会長懇談会」としてスタート、2003年からの一般公開、2006年下期から「業種別部会長シンポジウム」への名称変更を説明、昨年9月の世界金融危機後の今年上期の同シンポでは100年に1度の危機に落込んでいたために、先行きの見通しが不透明であったが、今回のシンポでは前回よりも明るい話が聞けるために楽しみにしていると結んだ。

トップバッターはコンサルタント部会の都築慎一部会長が昨年のブラジルのGDPは5.1%増加、金融危機後は大幅に落込んで今年はマイナスが予想されていたが、僅かにプラスに転じる可能性、上半期の経常収支、証券投資や直接投資は減少、外貨準備高と貿易収支が増加、マクロ経済では景気復調局面に入ったと言ってよい見方と慎重な見方の存在、全体としては実体経済が力強い足取りで回復中とは言えず、今年後半は未だ不安定要素があるために設備投資には慎重な企業が多く、製造業の危機以前のレベルの回復は2010年に持ち越されると予想されており、部会では「ブラジル経済は底を脱したか」アンケートでは「はい」3社、「いいえ」は4社と分かれていると説明した。

金融部会の山崎展生部会長は2005年以降のブラジル経済指標の推移、2007年からの銀行の法人/個人向け貸出総額、延滞債権比率、貸出スプレッドの推移や変化をグラフで説明、5行による年末の金利/為替レートの予想、世界経済の強気シナリオ並びに弱気シナリオ、一桁まで低下したSelic金利、ブラジルの銀行の少ないデリバティブ取引被害、公立銀行のクレジット拡大、大手銀行のポートフォーリオ拡大、2番底の可能性などを説明、上期の保険業界は自動車保険、生命・傷害保険並びに火災・新種保険がそれぞれ増加したが、運送保険は減少、損害率では生命・傷害保険以外では悪化、下期の展望ではマーケットの拡大傾向、損害率の上昇並びに金利の低下による運用益の減少で収支悪化、2010年末までにソルベンシーマージン新基準の充足の必要で吸収・合併が予想されていると説明した。

貿易部会の伊藤友久部会長はブラジル貿易が昨年まで輸出入とも記録を更新していたが、今年上半期は世界金融危機で世界貿易が収縮した影響で輸出入とも減少、大幅な輸入減少で貿易収支黒字が増加、輸出では工業製品が31.1%、一次産品8.2%、半製品27.5%、一次産品輸出大豆と鉄鉱石が増加、鶏肉と原油は減少、輸出では中国向けが唯一増加、米国やアルゼンチン向けは40%以上減少、輸入では非耐久消費財が僅かに増加、特に新型インフルエンザの影響で医薬品が増加、乗用車や家電製品などを中心に耐久消費財輸入減少、対日輸出では輸出入とも減少したが、1億ドル以上の航空機を輸出、下半期の展望では経済の落込みが底を打って輸出入とも回復して228億ドルの黒字予想、ブラジルは国内市場の大きさ、豊富な天然資源、健全な金融機関、安定した国であり、日本は欧米に遅れをとっているが、大いに期待できる市場であると結んだ。

建設不動産部会の大滝守部会長代理は連邦政府の”私の家、私の暮らし”の大衆住宅建設プロジェクトで低所得者向け住宅供給効果により業界は回復して建設景気を上昇、建設現場労働者の小幅な賃金調整、工業製品税(IPI)減税で資材価格減少、上期は好調に推移したセメント販売、特に北東伯と中西部が増加、サッシ業界は昨年に受注した物件が多く好調に推移、家具販売は今年3月から大幅に落込み、今後の事務所のリニューアルは期待できず、BRICs諸国ではサンパウロの不動産・土地の価格は高止まり、事務所の空室率は低くて家賃は高止まり、海外ファンドがブラジルに戻ってきており、また自動車工場の工場投資再開、日系以外の国内優良企業、宗教施設、学校や病院の受注に力を入れるが、日系建設業は不況の底にあり、他産業から6ヶ月遅れで回復するために、今のうちに企業の体質強化を図ると結んだ。

機械金属部会の西岡勝樹部会長は音割れするほどの大きな声で、上期の鉄鋼部門は金融危機の影響は40%減となったが、下期は自動車産業を中心に回復、電力・大型プロジェクト部門はペトロブラス入札などでそれほど落ちこんでいない、変電市場の拡大、高速鉄道入札公表、地下鉄新規案件、盛んにロビー活動を行なっている地上デジタル放送の日伯方式の南米への普及などが見込まれているために増加予想、プラント部門は紙・パルプの需要減や設備投資の先送りと輸出価格の下落、パルプの投資は2011年以降、石油化学はペトロブラスの17兆円に達する5カ年計画でペトロブラス頼みであるが上期よりも15%増加を予想、精密機械部門は今年2月が底で在庫増加、下期は自動車生産に牽引されて2007年レベルまで回復、農業機械部門は連邦政府の低金利融資政策でトラクターが好調に推移、下期も低利子政策で好調維持を予想、部会全体では連邦政府の自動車・白物家電への減税策や景気刺激策、ペトロブラスの変わらぬ積極投資の恩恵などでブラジル経済に薄日が差してきており、部会員の景気の底を打ったかのアンケートでは全員が「はい」と答えたと強調した。

自動車部会の長谷部省三部会長は全国自動車工業会(Anfavea)が今年の自動車販売台数予想を4月の271万台から7月には300万台、生産台数を286万台から305万台にそれぞれ上方修正、リッターカーは2001年をピークに減少を続けてきたが、IPI減税政策で上半期は上昇、金利の先行き引下げ予想でキャッシュでの購入が増加、反対に金融取引税率変更でリース販売減少、自動車メーカーの大型投資が目白押しで2011年までには100万台の生産増加投資、オートバイの上半期の販売は70.4%、生産は61.8%、輸出は49.7%とそれぞれ大幅に減少、金融危機の影響でクレジット販売が大幅に減少、特に南東部、大都会、若年層への与信引締めが厳しい傾向、下半期は与信審査が販売を左右、「経済は底を脱したか」アンケートでは好調な自動車販売、大手メーカーの強気な投資、オートバイは上半期が底で現在は回復中と5社が「はい」と回答したが、IPI税率が通常に戻った後が不透明で来年の小型車販売減少やトラック・バス販売の回復は2014年以降で「いいえ」と回答したのは2社であったが、最後に長谷部部会長は自動車業界に底はあったのかなと笑いを誘った。

電気電子部会の三好康敦副部会長は2004年から2008年のブラジル電気電子業界市場規模の推移、マナウスフリーゾーンの生産動向では薄型テレビは大幅増加、来年のワールドカップのブラジルでの放送は昼間で販売増加予想、デジカメ販売は堅調、カーオーディオは昨年後半から失速状態、輸出入とも大幅に減少、雇用も1万人以上減少、テレビの2005年からの価格の推移、上期の回顧では為替変動の売価への転嫁困難で収益悪化、白物家電・自動車減税は需要喚起になるも、他製品の販売低下への影響、B2Bの機材販売は設備投資抑制で後退、為替損益の吸収で収益悪化、下期の展望では在庫の正常化、購買意欲の回復で販売減の取り戻しが期待できるが、不透明感が存在するために消極的な見通し、経営課題では商品戦略の見直しがもっとも多く、新規事業開拓・新製品展開とコストダウン・合理化、キャッシュフローや資金繰り、最後に6月17日にブラジリアの日本大使館での地上デジタル放送デモの開催に同部会が積極的に参加して日伯方式の素晴しさをアピールして大成功を納めた、「不況は脱したか」アンケートでは業界は厳しい状況が継続して楽観視できないと結んだ。

化学品部会の松尾新一郎部会長はいつもユーモアな発表で参加者を笑わせるが、初めに経済危機は脱したかのアンケートでは14社中9社が「いいえ」、5社が「関係なし」、上期の売上では14社中3社が増加、10社が減少、1社が同じと回答、下期の展望として売上では14社中11社、利益では10社が増加すると予想、筆記具では9月の筆記具フェアに期待、高級化粧品は富裕層向けで金融危機の影響なし、一般医薬品ではシップ薬の人体への貼り付けCM禁止、家庭防疫約ではエアゾールの有効期限は2年でそろそろ大バーゲンセールが開始すると笑いを誘い、今年の農薬市場は昨年の70億ドルから60億ドルに減少、肥料は国際市況の低迷で在庫減少、下期は需要増で売上・利益とも増加予想、上期の接着剤は電子インボイス、ICMS先払いの影響、下期は工業生産復調、IPI減税継続で若干増加で、大半は売上・利益とも70%の企業が上期を上回る予想して結んだ。

食品部会の齋藤孝之部会長は初めに総観として、上期のスーパーなどの小売部門は曇りのち晴れから下期は晴天を予想、国内外の加工食品業者向け業務用部門は経済危機の影響を受けて日本や欧米への輸出停滞、下期は回復傾向を期待しているが余り明るい予想はできない、外食部門の上期は業務用同様に金融危機の影響を受けたが、下期は飲酒運転の厳格な取り締まりや禁煙条例施行のマイナス要因はあるものの、経済回復で若干の好天を見込めるも楽観視できない、輸出時の商品流通税還元制度の未整備による資金繰りの圧迫、国内小売面ではICMS税の先払いの導入、新型インフルエンザ発生に対する出張者の往来制限、生産現場・事務現場でのモニターや消毒、中間以下の所得層販売、大都市圏の高付加価値型商品や天然志向の市場の成長などを説明、最後に金融危機は脱したかのアンケートでは「はい」が6社、「いいえ」が3社であったが、シンポジウム発表資料作成で開催された食品部会では駐在員の少ない企業や悩み事を抱える地場企業から生活、業務や法律面の情報交換会開催の要望があった事を付け加えた。

運輸サービス部会の畠山研治部会長は上期のブラジル航空業界の国内シェアは変わらず、国内線は若干減少した、国際線は金融危機と新型インフルエンザの影響で10%減少、燃料費は今年2月を底に値上がり傾向、昨年12月からブラジルへの日本出国者がブラジルからの入国者数を大幅に上回り、下期は今後のインフルエンザの影響は不透明、10月から燃料サーチャージャー復活するが、10月頃からの業務需要回復に期待、上期の海運業界はコンテナ船でのブラジルの輸出入は減少、ケープサイズ市況は金融危機前の史上空前の水準から今年1月には1万ドル割れしたが、中国の鉄鉱石輸入増加で2月から上昇傾向、上期の旅行業界は世界不況やインフルエンザの影響で海外旅行や出張控えで低迷、国内旅行は大手パッケージ会社によるパッケージ商品増加も物価高がブレーキ、下期は海外旅行に変わり国内旅行に注目、通信・IT業界はセルラー加入者が世界5位の1億5,960万台、3Gセルラー572万台、インターネットユーザー3,450万人、電子インボイスの発行は2億枚突破、下期は9月から新たに79業種で電子インボイス発行義務、コスト削減でテレビ会議システムの導入、金融危機は脱したかのアンケートでは12社全てが「いいえ」と回答して、厳しい状況が続いている。

最後に繊維部会の金原彰部会長は上期の繊維業界はここ数年で最も厳しい状況であったが、下期は改善に向かうが良くて前年並み、通期では前年比大幅な減収減益を予想、国際原綿は金融危機後は70セントから40セント台に下落、下期は投機マネーや競合作物の大豆相場の動き、中国経済の回復などに左右され、上期の綿糸輸出は56.4%、輸入は65.5%とそれぞれ大幅に減少、下期はレアル為替の上昇で輸出は更に困難、上期の薄地織物は金融危機で国内外の需要減退、輸出入減少、下期は実質所得の増加、国内消費の増加が見込めるも在庫が豊富であり、操業度回復に時間を要し、上期の紳士・婦人服地は価格競争激化で収益圧迫、小売業界はクリスマス商戦に次いで売上が立つ母の日の販売苦戦、しかし6月の恋人の日は寒くて好調、下期はIPI減税効果、為替の落ち着きで消費増加を期待経済危機の底は脱出したかのアンケートでは「はい」は7社、「いいえ」は一社であった。

島内憲大使は講評では各部会長の業界の臨場感や迫力ある最新情報が聞けて、外交活動を行なううえで参考にさせていただき、全体的に薄日が差してきているのではと思っており、下期は上期よりも堅調に回復するが、各業界でかなりニュアンスが違ってまだら模様の回復、しかし中長期的には非常に明るいが西岡部会長以外は日本人の悲観的に物事を捉えているように思え、もうちょっといいのではと思う。

今年になって日本に大使会議で帰国したが、ブラジルに関する講演依頼が多く非常に注目されており、「世界危機と日伯経済」での講演会は満席で心強く感じ、ブラジルとの関係が薄かった企業と話合う機会があり、ブラジルに非常に注目していることを膚で感じた。

BRICs諸国の中では最も注目を集めており、過去1年間の日本企業のトップのブラジル視察が増加、高速鉄道建設プロジェクトへの支援、デジタルテレビの中南米の普及では日伯がタイアップしてペルーが導入を決定したが、日本国内ではあまり知られておらず、日伯プロジェクトやビジネスのポテンシャルを知ってもらう必要があり、また首脳レベルの会議の開催の必要性を強調した。

大部一秋総領事はコメントで各部会長による下期の展望に向けての分析に御礼を述べ、経済危機からの脱出はまだら模様ではあるが、回復基調で安心しており、ペトロブラスに注目していると述べた。

閉会の辞では近藤総務委員長は盛りだくさんの部会長シンポジウムであったことに発表者を労い、次回のシンポジウムはカーニバル前の2月上旬を予定、カクテルパーティへの出席を促して、今年下期の業種別部会長シンポジウムは記録尽くめとなって大成功裏に終了した。尚、11業種のシンポジウム発表資料と原稿は会議所サイトの業種別部会長シンポジウム欄に掲載中、臨場感溢れるテープおこしは1週間後にサイト掲載を予定している。

記録更新の114人が参加した業種別部会長シンポジウム

左から島内憲大使/大部一秋総領事

左から島内憲大使/大部一秋総領事/加藤秀雄領事/佐々木真一郎副領事

シンポジウムでそれぞれの業種代表発表者と左から前列4人目の大部一秋総領事/田中信会頭/島内憲大使/司会の近藤正樹総務委員長と記念撮影

 


 

ブラジル銀行は保険部門を再編

 ブラジル最大の銀行に返咲いたブラジル銀行は保険部門再編に拍車をかけるために、UBSパクツアル銀行と契約して再編に向けて分析業務を依頼した。

 UBS銀行は6ヶ月間かけて交渉、年金保険部門では米国資本のプリンシパル社、自動車保険と生命保険分野ではスペイン資本Mapfre社との合弁の可能性がある。

 またブラジル銀行は自動車保険や健康保険分野で提携しているスールアメリカ社の買収のためにはオランダ資本ING社の同社の持株を譲渡しなければならない。

 ブラジル銀行は保険事業ではブラジル・サウーデ、ブラジル・カップ、アリアンサ・デ・ブラジル、ブラジル・プレーヴィ並びにブラジル・ベイクーロスを擁しているが、保険事業ではブラデスコ銀行がトップ、サンタンデール銀行やイタウー-ブラデスコ銀行も保険事業に大型投資を行なってしのぎを削っている。

 ブラジル銀行がプリンシパル社とMapfre社との提携が実現すれば保険業界ではトップに躍り出るが、2008年末のノッサ・カイシャ銀行の買収で保険分野の補強が可能となった。

 またカイシャ・セグーロスを擁する連邦貯蓄金庫の買収で更に保険分野は強化されたが、更に暫定令459号の大衆住宅プロジェクト”私の家、私の暮らし”の住宅保険分野の拡大が期待できる。{2009年8月17日付けエスタード紙}