今回下院が可決した労働改革法案に盛り込まれた様々な骨子の中には、労働時間及び年間のワークシェアリングなど15の異なる問題において労使協定及び労働協約が法律に優先するとした規定を盛り込んだ。同法案は今後、上院に送致される。
連邦下院本会議は、4月27日(木)未明、労働改革法案(行政府提出法案第6787/16号)を可決した。法案は、団交による労使合意及び労働協約が法律に優先すること、組合費の強制課徴の廃止、雇用契約の解除に伴う組合の支援活動廃止など、統合労働法(CLT)の改正を想定したものである。下院で可決したことを受け、本法案は、上院に送致される。
ロドリゴ・マリーニョ下院議員(PSDB:ブラジル民主社会党)が提出された法案を修正し可決したもので、労働時間及び年間のワークシェアリングと、最低30分の昼食時間、テレワーク、戒告制度、断続的労働制度など、15の異なる問題において労使協定及び労働協約が法律に優先するとした規定を盛り込んだ。加えて、健康に危害を及ぼす可能性のある業務の認定区分の変更を伴う異動、及び、健康に危害を及ぼす可能性のある業務の時間延長についても、労働省の事前の承認を受けることなく交渉することが可能になる。
賃金引き下げあるいは労働時間の短縮に関する交渉には、労使の合意が有効な期間の雇用回避を扱った被雇用者保護を想定した条項を設けることになる。なお、これらの協約では、協議の俎上に載せられる問題に関して補償を想定する必要はない。
法案では、労働時間の変更と昼食の休憩時間の変更は、労使で交渉そのものが禁じられる労働者の健康及び衛生、安全基準には該当しないと規定する。
こうした規定の外にも、憲法により保証された権利、及び労働環境における女性の権利に関連したCLTの規定など、様々な規定について、範囲の縮小や基準の引き下げが禁じられる。
個別の合意
高学歴者及び給与月額が社会保障サービス(INSS)による年金給付額の上限の2倍以上の従業員の自由交渉による個別の合意に関しても、法律で定めた団交による労使合意事項と同じ規制を受ける。ただし、個別の合意は団交による労使合意に優先する。
仮にこれらの従業員が同意する場合、仲裁による争議の解決条項を雇用契約に盛り込むことができる。
差し押さえ
本会議で唯一修正された部分は、労働争議に関連した保証金あるいは資産の差し押さえに関して法案の条項から慈善団体を削除することを明記することだった。この対象外として適用去れる範囲は、これらの団体の役員にも及ぶ。
組合費
マリーニョ下院議員の提出した法案では、労働者の賃金の1日分に相当する組合費の強制課徴を廃止した。同様に、雇用者分担金も廃止する。組合費の課徴はいかなるものであれ、明示的な承認の確認が必要となる。
本会議では、3年の移行期間を設けて終了するというベベト下院議員の提出した修正案を否決した。
契約解除
本改正は、雇用契約の解除における労組雇用契約の解消に伴う組合による支援義務の廃止、及び組合による雇用契約の解消承認の廃止も盛り込んだ。法案に基づけば、失業保険の給付及び勤続期間保障基金(退職金積立制度)(FGTS)の引き出し解除には、雇用者が労働手帳に注記するだけで可能になる。
妊娠と健康に危害を及ぼす可能性のある職場環境
妊娠中の労働者には、妊娠中を通じて、健康に危害を及ぼす可能性があるとされる作業環境から可能な限り隔離しなければならない。現在、CLTでは妊娠中あるいは授乳期間中の労働者に対して、健康に危害を及ぼす可能性がある一切の活動を禁止している。健康に危害を及ぼす可能性が中程度あるいは最低限とされる活動については、妊娠期間中に当該の職務を離れることを推奨する医師の診断書が出された場合に行われる。
授乳期間中も同様に、医師の診断書により職務を離れることになる。いずれの状況においても、当該の従業員は、通常の報酬、及び危険作業手当を継続して受け取る。ただし、この危険作業手当は法人が負担すべき負担金の支払い及び発生した給与税への支払いの相殺に使用される。
妊婦あるいは授乳期間中の従業員が健康に危害を及ぼす可能性のある業務の遂行が不可能な場合、妊娠がリスクにさらされる場合には産休とし、その期間中に産休給与を受け取る。
勤務時間対象外
労働制度改革によって、労働者自身の選択、あるいは個人的な保護措置を目的として、出社後に勤務時間と見做さない様々な状況を規定している。これらは、宗教的慣行、休憩、レジャー、勉強、食事、社会活動、パーソナル・ケア、会社の規定で義務付けられていない場合の更衣である。
職場における着衣の基準は雇用者が定めるものとするが、ユニフォームの衛生状態の保全は被雇用者が責任を負う。
通勤
法案によれば、住居から「実効的な職務を遂行する場所」への移動の時間、さらに帰宅までの時間は、「雇用者に対して割り当てられた時間」ではないために労働時間に算入しない。
それは徒歩で、工場内の移動、あるいは雇用者が用意した場合も含めた交通機関を利用する場合でも同様である。
この意味で本法案は、零細・小企業において僻地にある、あるいは公共交通機関のない所在地で雇用者が用意した交通手段を利用する場合に、被雇用者の平均的通勤時間に対して報酬を与える団交による労使合意の可能性もあり得ると想定した、現行のCLTの条項が排除される。
罰金
不正を削減するため、法案では、被雇用者の正規雇用登録の未手続きの場合の罰金を、最賃相当の金額を上乗せして3,000レアルとした。法案では当初、6,000レアルを提案していた。同様に、勤続期間や作業内容、休暇、労災などに関して義務付けられている労働省への報告を怠った場合、600レアルの罰金が科される。
零細企業及び小企業の場合、正規雇用の未登録は800レアルの罰金となる。(2017年4月27日付け下院報道)