中銀総裁はSelic金利引下げが遅れると明言

6月13日に中銀総裁に就任したイラン・ゴールドファジン総裁は、金融市場予想並びにミッシェル・テーメル暫定政権からの要請にも関わらず、金融緩和につながる政策誘導金利(Selic)の引下げサイクル入りは、金融市場関係者の予想よりも遅れると明言している。

現在のSelic金利14.25%は、2015年7月から継続して据え置かれているものの、依然として継続するインフレ圧力、レアル通貨に対するドル為替の減少傾向、また英国のヨーロッパ連合からの離脱などの要因で、当分の間Selic金利は14.25%に据え置くとゴールドファジン総裁は説明している。

2017年以内にインフレ指数を連邦政府の中央目標値4.5%に誘導するためには、金融引き締め政策の継続が不可欠であり、当分の間Selic金利を据え置くとイラン・ゴールドファジン総裁は説明している。

昨年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は10.67%、今年のIPCA 指数は7.0%予想で依然として高いために、インフレ指数を連邦政府の中央目標値4.5%に誘導するために、Selic金利の引下げサイクル入りは、金融市場関係者の予想である8月ではなく10月以降になると同氏は説明している。(2016年6月29日付けエスタード紙)

回章CIR-065/16 2016年下期業種別シンポジウムの進め方について

                                               CIR-065/16
                                               2016年6月28日
部会長各位
                                                                           総務・企画委員会
                                               委員長 大久保敦

              2016年下期業種別シンポジウムの進め方について

8月25日開催予定の標記シンポジウム開催まで2カ月余りとなりました。業種別シンポジウムは予め副題を設定して各部会の議論を踏まえてシンポジウムを開催することが慣例となっております。

2016年下期の開催につきましては、従来通り各部会での自主性を尊重しつつ、①前回のテーマとの整合性、②カマラ会員の皆様の関心事項、③カマラ全体で取り組むべき課題抽出の必要性を踏まえて、「副題」に加えて「議論ポイント」を予め設定いたしました。

つきましてはシンポジウム開催に向けて下記要領にて各部会での議論をお願いできれば幸いです。なお、部会開催からシンポジウム開催までの作業を円滑に進めるために、各部会に事務局担当者を配置することとしました。カマラ事務局より各部会への担当者の連絡をさせていただきます。
今後ともシンポジウム開催に向けて各部会の皆様のお力添えを何卒お願い申し上げます。

1.2016年下期シンポジウムテーマ・副題
テーマ:「2016 年上期の回顧と下期の展望」
副題:『どん底の時期ならではの戦略は?-課題整理と対処方策-』
*過去数回類似の副題であるが、今回は、これ以上ない悪い状態(数字的に)と思料されるので、それを踏まえ、かつテーメル新政権での方向性を厳しく見据えながら、この状況で何が実際に出来るかを見極める必要があると考えられる。また、新政権誕生による良い兆しを捉えた前向きな取り組み組みも会員企業の参考になることが期待される。

2.議論のポイント
(1)2016年上期の回顧
①業界・各社の現状
②現状への対応策・その効果・課題
③(もしあれば)上記②対応策としての周辺諸国向け対応
(2)2016年下期の展望
①業界、各社の展望
②展望に向け必要と思われる対応策とその課題
③展望に関連したカマラ活動、ブラジル政府、日本政府等への要望
(3)その他

4.改善事項
事務局の人材育成図り、かつ部会からシンポジウム開催までの事務作業を円滑に進めるために、各部会に事務局担当者を配置する。

5.スケジュール
6月16日 常任理事会にて「2016年下期業種別シンポジウムの進め方について(案)」承認。
7月 シンポジウム開催案内開始。
7月25日週 各部会開催後、プレゼン作成。
8月18日 プレスリリース
8月25日 シンポジウム開催。
8月29日 シンポジウム開催報告(WEBサイトアップ)

6.過去のテーマ設定(ご参考)
2016年上期
テーマ:「2015 年の回顧と 2016 年の展望」
副題: 『景気低迷期だから見えてくるビジネス機会 ~経済回復期はいつか?日 系企業はどう備えるか?~』
2015年下期
テーマ:「2015年上期の回顧と2015年下期の展望」
副題: 『必ず復活!ブラジル経済 ~日系企業はどう立ち向かうか~』
2015年上期
テーマ: 「2014年の回顧と2015年の展望」
副題  :  『再生目指すブラジル経済! どう頑張る日系ビジネス』
2014年下期
テーマ:「2014年上期の回顧と2014年下期の展望」
副題:『どうする日伯関係 -ビジネス環境改善に向け、いま為すべきこと-』
2014年上期
テーマ:「2013年の回顧と2014年の展望」
副題:『どうしたブラジル経済 -W杯と総選挙のインパクト-』
                                                         以 上

 

5月の公的債務残高は2兆8,780億レアルに増加

海外投資家によるブラジル国債購入比率が減少してきているにも関わらず、5月の国債発行額は558億300万レアル、国債償還額は114億8,300万レアル、純国債発行額は443億3,200万レアルに達している。

しかし先週の英国のヨーロッパ連合からの離脱決定の影響で、ブラジルの新たな外債発行は先送りされると予想されており、国庫庁では2017年6月まで国債発行を見合わせるだけの外貨保有があると国債発行担当のレアンドロ・セクーノ総責任者は説明している。

5月の連邦政府の公的債務残高は前月比2.82%増加の2兆8,780億レアル、2016年度ファイナンス計画では、今年末の公的債務残高は3兆1,000億レアル~3兆3,000億レアルが見込まれている。

5月の国債発行額は558億300万レアルを記録した一方で、対内公的債務残高に占める海外投資家の比率は、4月の17.39%から5月は16.60%と大幅に減少してきている。(2016年6月28日付けヴァロール紙)

 

軍関係者は年金改革対象外か

2015年の連邦公務員による社会保障院(INSS)への納付金から年金・恩給支給を差引いた累積赤字額は、前年比8.37%増加の725億レアルに達しており、そのうち軍関係者の赤字は44.8%に相当する325億レアルを占め、一般連邦公務員の49%に相当する355億レアルに追従している。

現在の連邦公務員による年金・恩給受給者は94万5,262人、そのうち軍関係者の年金・恩給受給者は29万9,044人を占めており、軍人の配偶者には遺族年金や各種手当などの特別支給がされているために、長年にわたって遺族年金支給の改善が指摘されている。

社会保障院の元局長を務めたレオナルド・ロリン氏は、軍関係者の年金・恩給の特別支給の見直しは、一般公務員並みに実施されなければならないと強調している。

世界の主だった先進国で構成する経済協力開発機構(OECD)の平均年金受給年齢は65歳、ドイツでは2012年から2029年にかけて最低年金受給年齢を65歳から67歳に引き上げる。

米国の現在の最低年金受給年齢は66歳であるが、2027年には67歳に引き上げ、スペインでは2013年から2027年にかけて65歳から67歳に引き上げ予定、カナダ並びに英国、オーストラリアも67歳に引き上げる。

連邦政府では最低年金受給年齢を65歳まで引き上げると予想されているが、最終的には20年以上かけて70歳まで引き上げる可能性も検討されている。

ミッシェル・テーメル暫定政権は、財政支出削減として早急な年金改革案を国会に提出しなければならないが、停職中のジウマ大統領罷免が上院で採決されるまで見送ると予想されている。(2016年6月28日付けヴァロール紙)

 

2カ月連続で一般消費者の景況感改善

過去2年間継続する経済リセッションから漸く景況感の回復傾向が表れだしてきており、多くのエコノミストは、景気の底を打ったと予想して景気浮上が予想よりも早くなると予想している。

ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)の調査によると、5月の一般消費者の景況感を図る消費者態度指数(ICC)は67.9ポイント、6月は71.3ポイントと3.4ポイント上昇して過去1年間では最高のICC指数を記録している。

ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)エコノミストのヴィヴィアネ・セダ氏は、2カ月連続で一般消費者の景況感が改善してきているにも関わらず、インフレ指数、金利並びに失業率は、依然として改善シナリオになっていないと説明している。

6月の景気回復期待感指数は、6ポイント上昇して77.1ポイントと2015年1月の81.7ポイントに次ぐ記録、しかし現状の景気指数は0.8ポイント減少の64.7ポイントに留まっているとヴィヴィアネ・セダ氏は指摘している。

現状の景気指数が依然として低調に推移しており、景気回復期待感指数は、上昇しているものの今後数か月後の資本財購入には繋がらないとヴィヴィアネ・セダ氏は指摘している。

また6月の建設業景気指数は1.1ポイント減少の68ポイントに留まって今後の建設業部門の生産拡大は期待薄となっており、連邦政府による公共事業への梃入れが急がれている。(2016年6月28日付けヴァロール紙)

アングラ経済が再浮上傾向

ブラジル競争倫理研究所(ETCO)とジェツリオ・ヴァルガス財団のブラジル経済研究所(FGV-Ibre)の調査によると、ブラジルのアングラ経済は、2014年まで11年間連続で減少傾向を示していたにも関わらず、2015年は経済リセッションの影響並びに失業率の上昇に伴って増加傾向に反転している。

2015年のブラジルのアングラ経済のGDPは、ブラジル全体の16.2%に相当する9,568億レアルに達したと予想されており、2003年のGDP比21%から2014年のGDP比16.1%と11年連続の減少傾向から一転して増加傾向を示している。

ブラジルの2015年の非公式経済活動規模であるGDP比16.2%には、違法な製品やサービス等が流通する非公式市場の動きだけでなく、税申告を行っている合法的企業でも毎月の製造数をごまかして実際の数よりも少なく報告して、コスト削減を図っている企業も多い。

零細企業に対して簡易で低率の税制体系が適用されるSIMPLES NACIONALを利用している企業や個人零細企業経営者でも、経済リセッションによる販売減少の影響で、過当競争のためコスト削減を余儀なくされているのが現状となっている。(2016年6月28日付けエスタード紙)

 

全伯会議所連携委が南伯日本商工会議所と意見交換

ブラジル日本商工会議所(カマラ)全伯会議所連携強化委員会(委員長=富島寛ブラジル住友商事)は6月28日、ポルトアレグレの南伯日本商工会議所を訪問、AGIRなどを通じた両会議所間の連携活動への取り組みについて意見交換を行なった。カマラからは、村田俊典会頭(ブラジル三菱東京UFJ銀行)、寺本将人同副委員長(ブラジル住友商事)、平田藤義事務局長、天谷浩之政策対話委員会アドバイザーの4名、南伯日本商工会議所からは重年生雄会頭(Fujikura Cabos)、大家ヨシスケ副会頭(Melco Elevadores do Brasil)、森浩司理事(Otsuka Chemical)、和田好司専務理事ら6名が出席した。

冒頭、村田会頭、寺本副委員長より、同委員会の発足趣旨と活動方針についてそれぞれ説明が行なわれた後、天谷アドバイザーからAGIRの活動経緯と提言概要、これまでの進捗状況について報告がなされた。

重年会頭からは、各地日系商工会議所との連携強化に向けたカマラの取り組みに謝意が述べられ、具体的な活動の第一歩としてカマラが提案する、AGIRへの協力を通じてブラジル全土の進出日系企業のビジネス環境改善に取り組んでいくことについて賛同の意が示された。その上で、AGIRの5分野に渡る提言内容は極めて重要だとして、とりわけ当地進出日系企業も直面している労働分野における諸問題について、その原因や提言内容について南伯会議所内で共有を図りたいと述べ、数多くの労働紛争への対応や、企業業績と乖離した昇給率が実態上義務されている状況において、年々拡大する人件費負担の軽減に向けカマラが今後どういった改善提案を行なおうとしているのかを把握したいとの要望が寄せられた。これに対し村田会頭より、労働や課税など、カマラ政策対話委員会傘下の5ワーキンググループ活動に南伯会議所からもぜひ担当者を派遣いただき、協議内容の聴取や貴地における問題事案等についてインプット願いたいと提案、重年会頭はこれを快諾し、早速所内で対応を検討したいと応えた。この後、通関における輸入者登録制度(AEO制度)の利用方法や昨年11月に法令化された雇用保護計画(PPE)の認定要件、海外への送金方法等について南伯側から質問が寄せられ、カマラから各々について現況を説明するなどしながら両会議所間での意見交換が続けられた。

 なお、本意見交換会に先立ち昼食会が執り行われ、南伯側からは本年4月に着任された近藤猛在ポルトアレグレ領事事務所長はじめ地元日系企業や地場企業、谷口浩日本祭り実行委員長らが出席し、ポルトアレグレにおける日伯交流活動等の紹介を受けながら和やかな懇談が行なわれた。

村田俊典ブラジル日本商工会議所会頭(左から2人目)

重年生雄南伯日本商工会議所会頭(中央)

 

オイスカ・ブラジル総局のオズワルド・タカキ コーディネーターが訪問

オイスカ・ブラジル総局のオズワルド・タカキ コーディネーターは、2016年6月27日に商工会議所を訪問、応対した平田藤義事務局長に10月21日に開催予定のサンパウロ州政府環境局のパトリシア・ファガ・イグレシアス・レモス局長の講演会について説明した。

 

Oswaldo Takaki e Fujiyoshi Hirata

Foto: Rubens Ito / CCIJB

今年の経常収支赤字は過去9年間で最低か

昨日の中銀は、今年の経常収支予想を前回の250億ドルの赤字から150億ドルの赤字縮小に上方修正、4月の経常収支は4億1,200万ドルの黒字を計上、5月の経常収支は、中銀予想の2億ドルの赤字から一転して12億ドルの黒字を計上している。

5月のブラジル人の海外旅行による支出は11億ドルに対して、外国人によるブラジル国内旅行の支出は、4億3,400万ドルで6億7,900万ドルの赤字を計上している。

今年初めのレアル通貨に対するドルの為替は現在より15%上昇していたが、今年5か月間の海外旅行収支は24億ドルの赤字を計上、今年は60億ドルの赤字を計上すると中銀のツーリオ・マシエル経済班主任は予想している。

また外資系企業による5月の本国への利益・配当金の送金総額は、前年同月の19億ドルから17億ドルに減少しているとテンデンシアス・コンスルトリア社エコノミストのガブリエラ・スジニ氏は説明している。

5月の貿易収支は62億ドルの黒字を計上しており、中銀の前回予想の今年の貿易収支は400億ドルから500億ドルの黒字に上方修正、しかし貿易収支の黒字の上方修正の主因は、ブラジル国内経済リセッションによる設備投資向け資本財並びに消費財の輸入減少による黒字幅の増加となっている。

中銀では今年の輸出総額を1,900億ドル、輸入総額を1,400億ドルとそれぞれ予想、海外投資家による対内直接投資は、前回予想の600億ドルから700億ドルに上方修正、経常収支赤字を補っても未だ充分な黒字幅に達すると予想されている。

英国のヨーロッパ連合からの離脱は、英国のブラジルの貿易全体に占める割合は僅かに1.5%に留まっているため、短期的にはそれほど影響がないと中銀のツーリオ・マシエル経済班主任は予想している。(2016年6月25日付けエスタード紙)

 

テーメル暫定政権の民営化第1号はゴイアス州内の電力エネルギー配電会社

ミッシェル・テーメル暫定政権で民営化第1号として8月19日に入札が予定されているのは、ゴイアス州内の200万人に電力エネルギーを供給するCELG社で、ゴイアス州政府の歳入総額の15%を担っている。

ゴイアス州政府のアナ・カールラ・アブラン・コスタ財務局長は、最低入札価格は28億レアル、すでに民営企業6社が入札に参加を表明していると説明、昨年末に予定されていたCELG社の入札は、ラヴァ・ジャット作戦関連汚職問題による政治混乱で先送りされていた経緯があった。

ミッシェル・テーメル暫定政権経済担当のエンリケ・メイレーレス財務相は、財政改革に伴う憲法改正法案(PEC)の一環として予算作成時の公共支出調整率の上限設定について発表して、金融市場関係者からは、財政健全化政策としての公共支出調整率の上限設定は歓迎されている。

ゴイアス州政府は2014年に連邦貯蓄金庫から受けた融資の返済総額19億レアルは大統領暫定令735号で2019年まで返済期間が延長、落札企業は2019年までに17億レアルの投資を余儀なくされている。

またCELG社はイタイプー水力発電所管轄企業に対する3億3,490万ドルの負債返済交渉を行っていたが、2015年1月2日のドルの為替R$2.69換算による支払で決着したために、9億195万レアルの負債に減少している。

レアル通貨に対するドルの為替がR$4.05であった今年2月のレアル換算による負債は13億5,500万レアルであったが、ドルの為替R$2.69換算による負債返済では4億5,389万レアルの軽減につながる。(2016年6月25日付けエスタード紙)