フィッチはブラジル国債の格付けを「BB+」から1段階引下げた

昨日5日、米国大手格付け会社フィッチ・レーティングスは、ジウマ・ロウセフ大統領の罷免問題による政治混乱の影響で今後も深刻な景気減速が継続すると見込んでおり、ブラジル国債の格付けを「BB+」から1段階引き下げて「BB」とした。

ブラジルでは中国向け輸出減少や失業率増加による個人消費の落ち込みなどで景気が更に悪化してきており、今後も一段の景気悪化の可能性があるとして、各付けの見通しも一段の引き下げの可能性を示唆する「ネガティブ」としている。

今年に入って今回のブラジル国債の格下げは3回目となり、スタンダート&プアーズ社並びにムーディーズは2月に格下げを実施していたが、今回のフィッチ・レーティングスによるブラジル国債の格下げに対してネルソン・バルボーザ財務相はコメント発表を避けている。

今回のフィッチ・レーティングスによるブラジル国債の「BB」への格下げは、ジウマ大統領の支持率の大幅な低下、ジウマ大統領の罷免問題、長引くと予想されているラヴァ・ジャット作戦関連汚職問題などがブラジル経済回復を大幅に遅らせると指摘している。

4月17日のブラジル下院本会議でジウマ・ロウセフ大統領に対する弾劾決議案を賛成多数で採択、また来週上院本会議でのジウマ・ロウセフ大統領の180日の停職予想、ミッシェル・テーメル副大統領の暫定大統領の就任など政治混乱、長引くと予想されているラヴァ・ジャット作戦関連汚職問題の影響がブラジルの経済回復の足枷になっているとフィッチ・レーティングスは今後の一段の格下げも指摘している。

フィッチ・レーティングスによるブラジル国債のジャンク(投機的)等級の最上位の「BB+」から「BB」への格下げで、投資適格級では最低の「BBB-」に位置するインドやロシアから更に引き離されている。

フィッチ・レーティングスによる南米各国の格付けではチリが「A+」で最上位に位置しており、コロンビアは「BBB」、エクアドルは「B」でブラジルよりの3ランク下に位置している。(2016年5月6日付けエスタード紙)

 

ブラスケン社は米国で新工場建設か

ブラスケン社は、プラスチック素材の中でも最も幅広い用途で使用される素材の汎用プラスチック樹脂であるポリプロピレン(PP)を米国テキサス州での生産を検討している。

米国では自動車用ポリプロピレン(PP)並びにPP 関連の原材料需要の拡大が見込まれているために、ブラスケン社は米国内ではすでに5カ所の生産工場を擁しているが、6カ所目のポリプロピレン(PP)の生産工場を2017年に建設すると予想されている。

ブラスケン社では、経済リセッションに陥っているブラジル国内での需要拡大が見込めないため米国での事業拡大を進めており、2010年にはSUNOCO社のポリプロピレン工場を買収、また2011年にはダウケミカル社のポリプロピレン工場を買収して米国最大のポリプロピレンメーカーとなっている。

今年第1四半期のブラジル国内のポリプロピレン販売は前年同期比18%減少の78万トンに留まっており、今年のポリプロピレン販売は新車生産が壊滅的な打撃を受けているため前年比7.0%減少が予想されている。

今年のブラスケン社の投資総額は36億6,100万レアル、そのうちブラジル国内向け投資は51%に相当する18億5,500万レアル、今年第1四半期の売上は19%減少の121億7,200万レアル、EBITDAは106%増加の30億5,600万レアル、純益は266%増加の7億4,700万レアルを記録している。(2016年5月6日付けエスタード紙)

 

 

DELBONI弁護士事務所一行が訪問

DELBONI弁護士事務所のデニーゼ・ポイアニ・デルボニ パートナー並びにヴィニシウス・ペガラロ・デ・アラウージョ パートナー、ヨシノリ・シバタ パートナーが2016年5月5日に商工会議所を訪問、デニーゼ・ポイアニ・デルボニ パートナーは応対した平田藤義事務局長に商工会議所への入会希望を説明した。

Clayton Vinicius Pegoraro de Araújo, Denise Poiani Delboni, Yoshinori Shibata e Fujiyoshi Hirata

Foto: Rubens Ito / CCIJB

経済リセッションやドル高で今年初め4か月間の輸入自動車販売は45%下落

ブラジル国内で自動車を生産していない18輸入自動車メーカーで構成されるブラジル自動車輸入・生産協会(Abeifa)の発表によると、今年初め4か月間の輸入自動車販売は、経済リセッションやドル高の為替、特別輸入関税などの要因で前年同期比45%と大幅に下落している。

ブラジル自動車輸入・生産協会(Abeifa)は、自動車メーカーのKia社並びに JAC社、 Volvo社、最近国内自動車工場を立ち上げた Chery社、 Suzuki社、 BMW/Mini社など18自動車メーカーで構成されている。

Abeifa加盟メーカーの今年初め4か月間の輸入自動車販売は、前年同期比45%減少の1万2,716台、同期のブラジル国内の新車販売は前年同期比27.6%減少に留まっている。

Abeifa加盟メーカーの今年初め4か月間の輸入自動車販売マーケットシェアは僅かに2.0%に留まっているが、Abeifa協会では今年の加盟自動車メーカーの新車販売を前年比35%減少の3万9,000台と見込んでいる。

Abeifa協会では今年の加盟自動車メーカーの販売代理店は6年前の848店舗から450店舗に半減、前記同様に販売代理店従業員数は3万5,000人から1万3,560人に減少すると見込んでいる。

メルコスール域内のウルグアイでノックダウン方式による自動車生産、それをブラジル国内で販売していたGeely社は、ブラジル国内に26店舗を擁していたにも関わらず、販売不振で26店舗全て閉鎖するが、再開の予定は立っていない。

特別輸入関税を逃れるために過去2年以内にブラジル国内で自動車生産を開始したChery社並びにSuzuki社、 BMW/Mini社の今年初め4か月間の新車販売台数は、前年同期比31.6%減少の2,700台に留まっている。

Chery社の今年初め4か月間のサンパウロ州ジャカレイ工場で生産した新車販売台数は僅かに381台、ジャカレイ工場の設備稼働率は僅かに10%に留まっており、またChery社の輸入自動車販売は前年同期比82%下落している。

BMW/Mini社の今年初め4か月間の新車販売台数は前年同期比24%減少の3,521台、そのうちサンタ・カタリーナ州アラクアリ工場で生産された新車販売は1,824台に留まっている。

今年初めに自動車工場を建設したAUDI社の今年初め4か月間の新車販売台数は前年同期比20%減少の3,998台、そのうち34%はパラナ工場で生産、メルセデスーベンツ社は、今年3月にサンパウロ州イラセマポリス工場で操業を開始したが、ディーラーには未だに出荷していない。

バイア州に年間10万台の生産可能な自動車工場を建設した中国資本JAC社の今年初め4か月間の新車販売台数は、僅かに997台に留まっており、Jaguar Land Rover社ではリオ州イタチアイア工場を6月から操業開始を予定している。

富裕層が厚いブラジル国内での自動車販売を開始したLamborghini社並びに Rolls Royce社の今年の販売実績はゼロであるが、昨年は8台を販売、Ferrari社の今年初め4か月間の新車販売台数は6台と前年同期の5台を超えている。(2016年5月5日付けエスタード紙)

今年初め4か月間の会社更生法申請は前年同期比97%増加

銀行業務集中サービス会社(Serasa Experian)の調査によると、今年初め4か月間の会社更生法申請は、1年以上続く経済リセッションによる製造業部門の売上減少や高金利によるファイナンスコスト上昇、インフレ以上の人件費コスト上昇、ドル高の為替などの要因で前年同期比97%増加に相当する571件に達している。

今年初め4か月間の会社更生法申請は、前年同期の289件から約2倍となる571件に達して、2005年6月に裁判所の管理下における債務再編手続きの新破産法発効後では、最高の会社更生法申請件数に達している。

またBOA VISTA SCPC(信用保護サービスセンター)の統計によると, 今年初め4か月間の会社更生法申請は前年同期比140%増加に達しているが、会社更生法申請件数は明らかにしていない。

今年初め4か月間の会社破産法申請は前年同期の503件から4.0%増加の523件と微増に留まっている一方で、BOA VISTA SCPC(信用保護サービスセンター)では25%も増加している。

零細・小企業による今年初め4か月間の会社更生法申請件数は327件、中規模企業は149件、大企業は95件となっており、また4月の会社更生法申請件数は前月比2.5%増加の162件、前年同月比では65.3%と大幅に増加している。

4月の会社破産法申請件数は前月比18%増加の132件、前年同月比では16.5%増加、零細・小企業による会社破産法申請件数は79件で牽引している。(2016年5月5日付けヴァロール紙)

 

連邦政府は4空港の民営化コンセッションで41億レアルを見込む

民間航空庁(Anac)の承認を得た民間航空局(SAC)は、フォルタレーザ市並びにサルバドール市、フロリアノポリス市、ポルト・アレグレ市の各空港の入札条件を公示、入札条件は45日間に亘って公示される。

フォルタレーザ空港民営化コンセッションの最低入札価格は15億6,300万レアル、投資総額予想は13億600万レアルが見込まれており、前記同様にサルバドール空港は14億9,000万レアル、22億2,700万レアルとなっている。

また前記同様にフロリアノポリス空港は3億2,900万レアル、8億8,700万レアル、ポルト・アレグレ空港は7億2,900万レアル、16億6,200万レアルが見込まれている。

今回の4カ所の空港民営化コンセッション入札は、2012年に実施されてから入札条件変更などの要因で遅れていたが、ブラジリアの空港コンセッション入札では差落札価格が最低価格の673%に相当する45億100万レアルであった。

今回の4カ所の空港民営化コンセッションの空港管理期間はポルト・アレグレ空港が30年間でその他の空港は25年間、またブラジル空港インフラ業務公社(Infraero)は資本参加しない。(2016年5月5日付けエスタード紙)

 

第1四半期の製造業部門の生産は前年同期比11.7%減少

ブラジル地理統計院(IBGE)の製造業部門生産調査(PIM)によると、第1四半期の製造業部門の生産は前年同期比11.7%減少、しかし前四半期比では減少傾向となってレアル通貨に対するドル安の傾向や輸出増加傾向が表れてきている。

第1四半期の製造業部門生産は前四半期比2.3%減少しているにも関わらず、調査対象の23セクターのうち12セクターで生産増加に転じてきており、製造業部門の生産は底を打った可能性が指摘されている。

第1四半期の製造業部門のうち生産増加に転じた12セクターでは、機械化が難しく手作業に依存する履物セクターや繊維セクター、家具・木材セクターが挙げられ、また国際コモディティ価格減少やドル高の為替による輸出増加や輸入減少の燃料・潤滑油セクターや化学品セクター、バイオ燃料セクターとなっている。

しかし付加価値が高く、クレジット販売に依存する自動車セクターや機械・装置セクター、電気材料セクターでは依然としてブラジル国内の経済リセッションの影響を受けて、生産調整を余儀なくされている。

第1四半期の製造業部門のうち生産増加に転じた12セクターの売上は全製造部門の43%を占めており、そのうち食品セクターは13%、燃料・潤滑油セクターは10%、その他の10セクターが20%を占めている。

レアル通貨に対するドル高の為替で第1四半期の製造業部門のうち輸出が増加した繊維セクターは前年同期比42%増加、皮革・履物セクターは15%、化学製品や衣類セクターも15%前後、家具セクターの輸出は9.0%それぞれ増加している。

レアル通貨に対するドル高の為替で輸出が増加した一方で輸入が減少したセクターとして、繊維セクターは40%減少、衣類セクターは51%減少、履物セクターは42%減少、家具セクターは41%それぞれ大幅に輸入が減少している。

第1四半期の製造業部門生産の前四半期比の比較では、食品セクターは0.3%増加、繊維セクターは3.5%、皮革・履物セクターは1.8%、木材セクターは5.3%、紙・パルプセクターは0.7%、石油派生品・コークスセクターは1.5%、衛生用品・化粧品セクターは0.8%、その他の化学製品セクターは3.8%、医薬品セクターは1.9%、家具セクターは6.5%、その他の製品セクターは2.5%それぞれ増加している。

また前記同様に飲料セクターは2.6%減少、衣類・アクセサリーセクターは0.5%、ゴム・プラスティックセクターは4.1%、非鉄金属セクターは1.8%、鉄鋼セクターは4.1%、機械・装置を除く金属製品セクターは2.6%、情報機器・電気製品セクターは6.9%、機械、機器、電気材料セクターは2.3%、機械・装置セクターは7.4%、自動車・トラックセクターは1.0%、自動車を除くその他の輸送機器セクターは7.1%それぞれ減少している。(2016年5月4日付けヴァロール紙)

ジウマ大統領は180日の停職を前に100億レアルの善意パッケージを発表

先月17日、ブラジル下院本会議でジウマ・ロウセフ大統領に対する弾劾決議案を賛成多数で採択、来週上院本会議でのジウマ・ロウセフ大統領の180日の停職予想に先手を打って、メーデーの5月1日にジウマ大統領は80億レアルに達する善意パッケージを発表した。

ジウマ大統領は貧困家庭補助金手当政策のボルサ・ファミリア(BF)の増額並びに所得税減税につながる善意パッケージを発表、ジウマ大統領の職務停止中はミシェル・テーメル副大統領が暫定大統領に就くが、善意パッケージ実施で80億レアルに達する国庫からの歳出に結び付く。

またジウマ大統領は、今週中に暫定措置令を用いて国庫庁の監査官の生産性ボーナスを含むサラリー調整を発表すると予想されているが、暫定措置令が発表されれば中銀や国庫庁のアナリストなども一斉にサラリー調整の要求をすると予想されている。

ジウマ大統領によるボルサ・ファミリア(BF)の9.0%調整で10億レアル、5.0%の個人所得税テーブルの変更で2017年から50億レアルの歳入減につながり、また収穫プランや大衆住宅プラン“私の家、私の暮らし”に対する補助金アップの発表も予定しており、ミシェル・テーメル暫定大統領にとっては、更なる歳出増加で大きな障害になることが予想されている。(2016年5月4日付けエスタード紙)

 

イタウー銀行の第1四半期の純益は前年同期比9.9%減少

ブラジル民間銀行最大のイタウー銀行の第1四半期の純益は、クレジット部門の縮小並びに延滞率の増加などの要因で前年同期比9.9%減少の52億レアルに留まったにも関わらず、民間銀行では最高の純益を計上している。

イタウー銀行の第1四半期の純益が二桁近くまで減少した要因として、昨年から続く経済リセション、連邦警察のペトロブラス石油公社関連ラヴァ・ジャット作戦汚職問題による公共事業プロジェクト停止や新規インフラ事業取消による関連ゼネコン企業へのクレジット縮小、中小企業や個人向け与信強化、上昇を続ける延滞率の増加などとなっている。

2014年最終四半期に始まったラヴァ・ジャット作戦汚職問題の影響でブラジルの民間銀行ではクレジット部門の縮小を余儀なくされており、また延滞率の増加に伴ってイタウー銀行の第1四半期の引当金は72億レアルに達している。

ペトロブラスが資本参加をしてプレソルトの原油・天然ガス開発向け28隻のプラットフォームFPSO建造する目的で2011年に設立されたSete Brasil社は先週企業更生法を申請、イタウー銀行では同社に19億レアルのクレジットを擁している。

またブラデスコ銀行もSete Brasil社に資本参加しているが、Sete Brasil社の企業更生法企業更生法を申請に対して8億6,800万レアルの引当金を手当てしており、Sete Brasil社に出資している大手民間銀行は軒並み収益を圧迫されている。

イタウー銀行では、今年のクレジット部門は延滞率の増加に伴って前年比0.5%減少から最大で4.0%増加に留まると見込んでいるが、延滞率が非常に低い公務員並びに年金・恩給受給者向け口座連動型クレジットや一般消費者向け住宅クレジットは増加すると見込んでいる。

法人向けクレジットのうち中小企業向けクレジットの過去3か月間の90日以上の延滞率は0.7%増加して4.3%に達し、イタウー銀行のクレジット部門の平均延滞率3.9%を上回っている。

イタウー銀行の第1四半期の純資産は前年同期比10%増加の1,066億4,000万レアル、クレジット残高は4.8%減少の5,174億8,000万レアル、引当金は31.1%と大幅増加の72億レアルに達している。

今年第1四半期のイタウー銀行並びにブラデスコ銀行、サンタンデール銀行の純益総額は、前年同期比5.56%減少の109億6,500万レアルに留まっており、またこれらの民間銀行の延滞率の改善は2018年にずれ込むと予想されている。

今年3月末のイタウー銀行並びにブラデスコ銀行、サンタンデール銀行の不渡り可能総額は前年同期比25.55%増加の829億2,900万レアル、昨年12月末よりも3.13%増加、引当金総額は14%増加の157億700万レアルとなっている。(2016年5月4日付けエスタード紙)