一般消費者向け電力料金は7.0%値下げの可能性

昨年下半期からの豊富な降雨で水力発電所の貯水ダムの水位上昇に伴ってコスト高の火力発電所の操業停止に結び付いた影響で、2016年3月の電力料金は最高7.0%値下げされる可能性があるとエドアルド・ブラガ鉱山エネルギー相は説明している。

一昨年から継続していた水力発電所の貯水ダムの水位低下に伴って、コスト高の火力発電所の操業を余儀なくされて昨年の電力料金は48.99%値上げされた。しかし今年の電力料金値上げはインフレ指数を下回る可能性がある。

3月に2,000メガワットの発電能力に匹敵する7か所の火力発電所の操業停止を決定、この操業停止で70億レアルの経済効果につながるために電力料金値下げとして一般消費者に還元すると昨日電力セクター監視委員会(CMSE)に参加したエドアルド・ブラガ鉱山エネルギー相は強調している。

7か所の火力発電所の操業停止に伴って100キロワット/h当たりの電力料金は3.0レアルから1.5レアルへの値下げが可能となる。今年11月の南東部地域の水力発電所の貯水ダムの水位は30%まで達すると予想されている。(2016年2月4日付けエスタード紙)

 

通関WGが国税庁との政策対話を実現

政策対話委員会の通関WGは、2016年2月3日にブラジリアの国税庁(RFB)を訪れ、AGIR活動の概要説明とワーキンググループでまとめた提言書についての意見交換会を行なった。会議所からは、通関WGの石嶋勇グループ長(ブラジルヤクルト商工)、成田正臣副グループ長代理(ブラジル日通)、平田藤義事務局長、天谷浩之アドバイザー、吉田章則調査員、ブラジル財務省からは、José Carlos de Araújo連邦州税局税関担当管理調整官、Antonio Rodrigues Coelho連邦州税局国際関係担当が参加、また日本大使館から伊藤哲郎一等書記官、伊藤諭二等書記官が出席した。

初めに石嶋グループ長は、ブラジル日本商工会議所では政策対話委員会のしたに通関WGを設立、貿易促進の障壁となっている課題をまとめてきたと説明した。貿易に携わる日本企業が集まった通関WGでは、通関に関する課題をリストアップし、両国にとってWIN-WINとなる改善提案書を作成、クレーム活動ではなく、ブラジル政府と対話を重ねることによって、更に日系企業がブラジルに進出できるようビジネス環境を改善していくための活動であると説明した。そして本日ブラジル国税庁(RFB)と対話が実現したことに感謝を述べた。

Jose Carlos氏は、このような会合が実現できたことを歓迎し、特に日本はブラジルとの貿易において重要な国の一つでもあり、AGIR活動を通じた情報交換を通して、この国の納税者が抱えている課題を一緒に解決していくよう議論を重ねていくことが大切であると語った。通関手続きは、RFBのみならず、開発商工省、農務省、保健省、環境省その他の機関との調整も必要になる為に、ブラジル政府は電子ファイルを一度送るだけで手続きができるPortal Único制度を導入し、政府が一体となって簡易化への挑戦を行なっていると説明した。またAGIRの提言書にあるOEA制度に関しても、日伯間でOEA制度の相互承認ができることへの期待も示した。

通関WGでは、昨年2月にRFBのOEA担当官を招きOEAの輸出バージョンのセミナーをCNIと共に開催、今年は3月にもOEA輸入バージョンセミナーを開催する予定であり、OEA認定企業数の拡大に向けて会員企業への利用促進の働きかけに協力していくことを伝えた。また、平田事務局長は、2019年には50%の通関手続きがOEAを通じてできる目標があり、お互い協力して是非実現したいと語った。

また、Jose Carlos氏は、レッドやイエローなどのカラーライン荷物における迅速化に関しても、リスクマネジメントセンターを設立して、カラーライン荷物を15年前の約30%から2015年には9%まで減少することができたが、世界水準の5%までは到達していないので、常に迅速かつ安全な通関を目指していくと語った。また広いブラジル国土で様々な通関拠点があるなかでの標準化・基準化の課題について触れ、通関手続きマニュアルを税関職員に徹底する努力を行なっているが、古い慣習からなかなかマニュアル化に対応しきれない難しさもあると述べた。そして、問題解決には官民合同の対話が必要であり、通関WGでまとめた提言書に感謝を述べ、管内でも情報共有をして、今後も一緒にAGIR活動に協力、通関WGとの関係を深めていくことで合意した。

最後に平田事務局長は、以前にも移転価格税制の課題において、ブラジル日本商工会議所とRFBとが議論を重ねて改善を成し遂げた例を挙げ、これからもRFBと一緒にブラジルのビジネス環境改善へ努力していくことを約束した。

RFBと通関WGとの政策対話の様子

説明を行なうJosé Carlos de Araújo連邦州税局税関担当管理調整官

左から平田事務局長、石嶋グループ長左から成田副グループ長代理、平田事務局長、Jose Carlos氏、石嶋グループ長左から伊藤諭書記官、成田副グループ長代理、平田事務局長、天谷アドバイザー、Jose Carlos氏、石嶋グループ長、伊藤哲郎書記官、Antonio氏

運輸サービス部会に15人が参加して部会長シンポジウムの発表資料作成

運輸サービス部会(細谷浩司部会長)は、2016年2月3日午後3時から5時まで15人が参加、2月25日に開催される業種別部会長シンポジウムの発表資料作成のためドラフト資料を基に意見交換を行った。

物流業界ではインフラ関連、港湾、輸出入関連、鉄鋼業界・構内物流・機工・整備、航空貨物業界、海運業界、旅客航空業界では国内線・国際線、空港インフラ、旅行業界、通信業界、IT業界について発表、運輸サービス業界セクター別のリーダーを選出して今月16日の2回目の運輸サービス部会で最終発表資料の作成をすることを決めた。

最後に藍原副領事は今月2日に「一般旅券所持者に対する数次入国査証の発給の円滑化に関する日本国とブラジル連邦政府との間の覚書」の署名が行われ、観光ビザについてこれまで日本側で有効期間3年、1回の滞在可能期間30日、ブラジル側でそれぞれ90日ずつだった措置が両国相互に有効期間3年、1回の滞在可能期間90日になることを説明した。

参加者は細谷部会長(日通)、川手副部会長(NYK LINE)、長合副部会長(NTT DATA)、稲垣氏(JAL)、谷口氏(栄進)、金子氏(K-Line)、小宮氏(ツニブラ)、坂本氏(全日空)、岐部氏(UBIK do Brasil)、大胡氏(MOL)、シバマ氏(コマツ)、江上氏(WEC)、山下氏( Yacon)、藍原副領事(サンパウロ総領事館)、大角編集担当

左から長合副部会長(NTT DATA)/川手副部会長(NYK LINE)/細谷部会長(日通)

今年初めてのコンサルタント部会に9人が参加して開催

コンサルタント部会(西口 阿弥部会長)は、2016年2月3日正午から午後2時まで9人が参加して開催、初めに林 裕孝副部会長の後任に篠原一宇副部会長を選任、2月25日に開催される業種別部会長シンポジウムの発表資料作成ではドラフト資料を基に、ブラジルのマクロ経済の動向として為替、金利、インフレ、GDP伸び率、雇用などの動向や統計リスト、ラヴァ・ジャット作戦汚職問題、財政プライマリー収支、オリンピック関連事業、ジウマ大統領の罷免問題、M&A案件、税務やコンサルタント業務の動向、ブリックス諸国の経済状況、ブラジルの政治経済の注目すべき動向などについて意見交換が行われた。

参加者は西口副会長(EY)、関根副部会長(個人会員)、今井副部会長(VMPG)、篠原一宇副部会長(ISG)、山田氏(AUTHENT)、赤嶺氏 (人材銀行ソール・ナッセンテ)、山下氏(ヤコン)、蛭子領事、大角編集担当

 

2015年の鉱工業生産は2003年以降では最大の落ち込みを記録

ブラジル地理統計院(IBGE)の鉱工業生産調査によると、2015年の鉱工業部門26セクターの生産伸び率比較では唯一鉱業セクターが増加、その他の製造業部門は全て前年を下回り、深刻な経済リセッションに陥っている。

2015年の鉱工業部門の生産は前年比8.3%減少して統計を取り始めた2003年以降では最大の落込みを記録、また1990年のマイナス8.9%に次ぐ記録、今年の鉱工業生産が回復サイクルに転じる要素は、ドル高の為替による輸出増加以外には見当たらない。

2015年のレアル通貨に対するドルの為替は49%上昇した影響で、紙・パルプセクターは輸出競争力が更に強化されて好調を維持した一方で、原材料を輸入に頼っている医薬品の生産は大きなダメージを受けている。

鉱業セクターを除いた2015年の鉱工業部門25セクターの生産伸び率調査では、805品目の78.3%は減少、また生産増加を記録した鉱業セクターでも2015年11月初めに大手資源開発会社ヴァーレ社とBHPビリトン社の合弁会社サマルコ社の鉱山廃水用ダムの決壊事故で年末の鉄鉱石生産が影響を受けていた。

2015年の鉱工業部門生産伸び率比較では、情報機器・電気製品セクターの生産はマイナス30%、自動車はマイナス25.9%、機械・装置はマイナス14.6%、鉄鋼はマイナス11.4%、ゴム・プラスティックはマイナス9.1%、勤続はマイナス8.9%、石油派生品・潤滑油はマイナス5.9%、食品はマイナス2.3%、唯一鉱業セクターは3.9%増加している。

2015年の資本財セクター生産は前年比マイナス25.5%、中間財セクターはマイナス5.2%、耐久消費財セクターはマイナス18.7%、非耐久消費財セクターはマイナス6.7%となっている。(2016年2月3日付けエスタード紙)

 

昨年のイタウー銀行の純益は15.4%増加の234億レアルを記録

ブラジル民間銀行トップのイタウー-ウニバンコ銀行の2015年の純益は前年比15.4%増加の234億レアル、昨年の最終四半期の純益は前年同期比僅かに3.22%増加の56億9,800万レアルに留まっていた。

昨年の長引くブラジル経済のリセッション、失業率増加並びに延滞率増加の影響を受けてクレジット部門の与信強化並びに縮小を余儀なくされており、今年のイタウー銀行のクレジット部門は最高でも3.0%の伸び率に留まると予想されている。

昨年のイタウー銀行のクレジット部門の平均延滞率は3.1%、12月は9月の3.3%から3.5%に上昇、特に個人向けクレジットの平均延滞率は4.7%、年末には5.4%まで上昇していた。

また昨年9月のイタウー銀行の法人向けクレジット部門の延滞率は1.8%、12月は1.9%に上昇、延滞率の高い金融部門を分離しなければ法人向けクレジットの延滞率は3.7%に達していた可能性がある。

イタウー銀行では今年上半期にチリ資本Corpbancaに5億5,000万ドルの資本参加で経営権を取得、チリ国内はもとよりコロンビア国内でもマーケットシェア拡大を狙っている。

Corpbancaの総資産は480億ドル、クレジット残高は330億ドル、チリ国内に226支店、コロンビア国内に172支店を擁しており、イタウー銀行にとっては南米太平洋岸進出の橋頭保になる可能性がある。

昨年最終四半期の民間銀行3大手のイタウー銀行並びにブラデスコ銀行、サンタンデール銀行の純益総額は前年比10.9%増加の116億5,800万レアル、2015年の純益総額は前年比14.55%増加の472億レアルを記録しているが、イタウー銀行が50%を占めている。(2016年2月3日付けエスタード紙)

 

年金支給年齢統一で社会保障院の負債軽減検討か

社会保障の年金・恩給改革の一環としての最低年金支給年齢の統一化政策は、年金システムの安定化に不可欠であるとネルソン・バルボーザ財務相は社会保障院(INSS)に提案した一方で、ミゲル・ロセット福祉相は早急な改革は不必要と主張している。

ネルソン・バルボーザ財務相は、今後30年かけて男女別なく最低年金支給年齢の統一を主張、この年金改革の対象は年金受給直前の男女は対象外で、主に今後労働市場に参入する労働者に対して段階的に適用していくと強硬な改革でないことを強調している。

経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で、男女で年金支給年齢に違いがあるのはブラジルともう1国だけであり、年金支給年齢統一は、ブラジルの世界水準を下回る最低年金支給年齢の引き上げによるINSSの赤字軽減を目的としている。

INSSの年金制度の見直しでは、性別、都市労働者並びに農村労働者、民間企業従業員並びに公務員の区別をなくしてして、最低年金支給年齢の一本化を目指している。

INSSの赤字解消のために85/95法と呼ばれ女性は年金入りの最低年齢が55歳でINSS積立期間が30年間、男性は年金入りの最低年齢が60歳でINSS積立期間が35年間で満額の年金支給改革案はすでに国会を通過、最終的には105法の達成まで予定されている。

昨年のINSSの支出は収入を892億レアル増加して赤字額は前年比40%増加、雪だるま式に赤字が拡大して国庫の歳出増加に歯止めがかかっていないために、早急な年金改革の実施が余儀なくされている。(2016年2月3日付けエスタード紙)

 

 

論評【生気を失った工業】

地力を失い、覇気もなく、貪欲さも失った状態で、ブラジルの工業部門は、後退期に入った経済に足を引っ張られつつ、失業者を生み出しながら2016年も低空飛行を続けることになる。工業生産指数が2015年に前年比8.3%低下した工業部門だが、市場の予想によると、今年も同指数が3.80%以上も低下する見込みだ。2015年の工業生産指数の下落幅は、2003年に始まった統計史上最悪のもので、第1次ジウマ政権が発足した2011年に始まって以来積み上げてきたミスを、ここでも証明した。これらのミスは、保護貿易主義や第三世界主義、特定のグループや業界を対象にした税制優遇策や金融政策などで、現政権はその大部分を前ルーラ政権から引き継いで延長し、拡張してきた。

金融エコノミストは、経済が回復に向かうのは2017年以降と予想しており、この年の工業生産指数については0.70%から1.50%程度の拡大を見込んでいる。だが、より迅速かつ力強い回復の可能性については、各種の公式データが否定している。インフラと工業用機械設備、そして当然のことながら、近代的な生産システムに適応した熟練労働者に対する投資不足から、ブラジルは、数年にわたって潜在成長率を失ってきた。労働者党政権は、成長戦略を逐一誤っただけでなく、教育政策においては、とりわけ、その多くが不適切に高等教育と呼ばれるものへの参入障壁緩和を目的として、最悪ともいえる判断ミスを犯した。

国家政策が悲惨なまでの悪影響をばらまいたことは、ここへきて、機械設備と呼びならわされる資本財への投資に関する幾つかのデータが明白に示している。ブラジル地理統計院(IBGE)が2月2日に発表した統計によると、資本財の生産は2015年に前年の水準を25.50%下まわった。この下落幅は、実質的に、工業部門全体で記録した平均の3倍にも達するのだ。これに次いで生産が低下したのは、耐久消費財の生産(前年比18.70%低下)で、その原因の多くは、失業の拡大と信用の収縮、自動車及びその他の高額品の購入を後押しするインセンティブの縮小といった事柄で説明できる。国内市場が縮小しているのに加えて為替相場がドル高レアル安に傾いており、工業部門は、為替効果で値下がりした製品を国際市場で販売すべく市場の開拓に乗り出している。こうした手法は過去にも、ブラジルで発生した経済危機において工業部門がしばしば使ってきた。だがこの方向で歩みを進めるには、企業の側も最低限の俊敏さと競争力を確保する必要がある。国際市場で競争に打って出ると決めたメーカーは困難な状況でも輸出を継続する一方、残された企業は競争する活力もなく立ち往生している。2015年の場合、工業製品の輸出は727億9,000万ドルで、営業日1日当たりで比較すると前年比8.16%減少した。

国際市場でシェアを確保できない理由は、機械設備に対する投資額の減少から説明できる。資本財の調達額は、過去数年、国産品だけでなく輸入品においても下降線をたどってきた。機械設備の国内生産は、2014年の時点ですでに前年比9.30%低下していたが、2015年には同25.50%減少、工業部門の中核となる製造業の疲弊は一層深刻になった。国外から調達する資本財が減少したことは、長期的な低迷を反映したデータから確認できる。2015年に資本財の輸入は、前年比21.16%減少したのだ。しかも2014年にも、前年比7.64%減と落ち込んでいた。

これらは、IBGEがこのほど発表した経済統計の中でも、とりわけ深刻な部分である。工業部門は、自動車やその他の消費財の販売が落ち込んだとしても、急速かつ強力に回復できる。だが、生産性向上に対する設備投資が数年にわたって縮小した後では、そう易々とは回復できないのだ。(2016年2月3日付けエスタード紙)

 

在ブラジル日本大使館の藤村和広公使が訪問

在ブラジル日本大使館の藤村和広公使並びにサンパウロ総領事館の藍原健副領事が2016年2月2日に商工会議所を訪問、応対した村田俊典会頭、平田藤義事務局長と投資・貿易環境改善のための経済協力関係強化、日系企業支援、日系人との連携強化など多岐に亘って意見交換を行った。

 

左から在ブラジル日本大使館の藤村和広公使/サンパウロ総領事館の藍原健副領事/平田藤義事務局長/村田俊典会頭

CIR-020/16 2016年2月定例常任理事会開催のご案内

                                                   CIR-020/16
                                                   2016年2月2日
常任理事各位
CC:監事会議長 / 部会長各位
                                                   ブラジル日本商工会議所
                                                   会頭     村田俊典

                    2016年2月定例常任理事会開催のご案内

拝啓
時下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。
 
さて、定款第51条並びに53条(「・・・委任状による常任理事の出席は認められない。」)に基づき、定例常任理事会を下記開催致します。万障お繰り合わせの上、ご出席頂きます様宜しくお願い申し上げます。
敬具
― 記 ―
 
日時:2016年 2月19日(金) 10:30~11:30
 
会場:ホテル マクスード・プラザ(Maksoud Plaza – Alameda Campinas, 150 – Tel: (11) 3145-8000) 

議題/報告事項
会議プログラムを作成するにあたり特別な審議事項や報告事項等がありましたら、2月16日(火)までに事務局長宛にメールでご連絡をお願い致します。期日までにご連絡がなくまた必要と判断される議題については、あらかじめプログラムに入れさせて頂きます事をご了承下さい。
 
常任理事会出欠確認:2月16日(火)迄に事務局のチサト 宛にお願いします。 
E-mail:secretaria@camaradojapao.org.br 電話:3178-6233
以上