昨年の150万人失業に続いて今年も100万人失業増加か

就労・失業者管理センター(Caged)の発表によると、2015年の労働手帳に記載される正規労働者数は、経済リセッションの影響を受けて前年の4,120万人から3.7%減少の3,970万人に減少、昨年は新たに154万2,371人が失業して2012年の水準まで低下している。

また昨年の労働手帳に記載される正規労働者数が前年比で減少したのは1999年以降では初めてとなり、今年も景気回復が見込めないために新たに100万人の失業者増加が予想されている。

2015年の新たな失業者154万2,371人のうち製造業セクターの失業者は60万8,878人、建設業セクターの失業者はラヴァ・ジャット作戦の汚職問題関連並びに国内経済リセッションで公共事業プロジェクトの停止や新規インフラ事業の取消、住宅ブームの終焉などの影響で13.6%減少に相当する41万6,959人に達している。

また昨年のサービス業セクターの新たな失業者は27万6,052人、小売りセクターの失業者は、景況感悪化による一般家庭の消費引締めの影響で21万8,650人それぞれ増加して1998年以降では初めて減少に転じている。

主に石油・鉄鉱石などの鉱物資源関連の国際コモディティ価格減少並びに世界的な需給関係崩壊などの要因で、資源大手を抱えるブラジルは大きな影響を受けて、昨年の鉱業セクターの新たな失業者は1万4,039人に達している。

また昨年の公務員の雇用は新規補充が少なく9,238人減少、公共事業関連向けサービスセクターも8,374人減少、唯一農畜産セクターの雇用はドル高の為替で農産物の輸出が好調に推移して9,821人増加している。

LCA Consultores社では今年の失業者は新たに120万人増加すると予想、製造業セクターの失業者は51万7,000人に達すると予想、昨年のGDP伸び率予想がマイナス3.6%、3四半期連続で経済リセッションが継続しているために、特に今年第1四半期の大幅な失業者増加を見込んでいる。

昨年の輸送機械並びに鉄鋼、機械・装置セクターでは、レイオフ並びに集団休暇制度導入で在庫調整を実施してきたにも関わらず、今後の生産増加が見込めないため従業員解雇に踏み切るとLCA Consultores社エコノミストのフラビオ・ロマン氏は指摘している。

昨年の150万人の新たな失業者増加の内訳では、サンパウロ州は失業者総数の30.25%に相当する46万6,700人、ミナス州は19万6,100人、リオ州は18万3,700人、南大河州は9万5,200人が予想されている。(2016年1月22日付けヴァロール紙)

2015年の国庫庁の歳入は国内経済停滞で前年比5.62%減少

2015年の国庫庁のインフレ指数を差引いた実質歳入総額は、経済リセッションによる企業の収益悪化並びに失業率増加に伴う社会保障院(INSS)への歳入減少の影響を受けて前年比5.62%減少の1兆1,274億3,360万レアルに留まり、2014年の1兆3,502億5,300万レアルから約750億レアル減少している。

国内経済の停滞や輸出減少で民間企業の法人所得税(IRPJ)並びに純益に対する社会納付金(CSLL)による実質歳入は、前年比13.82%と大幅減少の1835億レアルに留まっている。

また失業率増加に伴って社会保障院(INSS)への社会納付金減少並びに失業手当増加などの要因で、社会保障院の総額収入総額は6.59%減少の3794億4,900万レアルに留まっている。

昨年の所得税(IR)による歳入は前年比2.86%減少の3,365億1,200万レアル、そのうち個人所得税(IRPF)は5.96%減少の296億9,900万レアル、法人所得税(IRPJ)は13.85%減少の1,191億100万レアル、源泉徴収所得税(IRRF)は6.29%増加の1,877億1,200万レアル。

また金融取引税(IOF)は6.91%増加の361億5,000万レアル、社会保険融資納付金(Cofins)は4.87%減少の2,103億3,600万レアル、社会統合基金(PIS)/公務員厚生年金(Pasep)は4.99%減少の561億1,300万レアル、純益に対する社会納付金(CSLL)は13.77%減少の644億4,600万レアルとなっている。(2016年1月22日付けヴァロール紙)

 

Selic金利据置で昨日のドルの為替はレアルプラン以降で最高値を記録

国際通貨基金(IMF)の2016年のブラジルのGDP伸び率予想マイナス3.5%の発表後に、ブラジル中銀のアレシャンドレ・トンビーニ総裁は「IMFのデータは非常に重要」との見解を発表した。

トンビーニ総裁のコメント後に開催された中銀の通貨政策委員会(Copom)では現在の政策誘導金利 (Selic)の14.25%の据置決定に対して、金融関係者の間ではSelic金利据置に対して色々な憶測が流れた。

今回の中銀の通貨政策委員会(Copom)では、現在の政策誘導金利 (Selic)14.25%を0.5%~0.25%への引上げ予想が大半を占めていたが、Selic金利の14.25%の据置決定で、連邦政府の介入で中銀の独立性が失われたと色々な憶測が流れていた。

トンビーニ総裁のIMFに関するコメントが公表されたのが通貨政策委員会(Copom)によるSelic金利見直しの直前で非常にタイミングが悪く、誤解を招いた可能性が強いと与党側の高官も説明している。

中銀の通貨政策委員会(Copom)によるSelic金利14.25%の据置決定で、昨日のレアル通貨に対するドルの為替終値は1.72%上昇してR$4.1720となり、インフレ指数を考慮しない名目ドルの為替は1994年のレアルプラン以降では最高値を記録した。

今年4月が償還期間となる銀行間預金(DI)の金利は14.520%から14.271%に減少、償還期間が2017年1月のDI金利は15.145%から14.905%に減少、償還期間が2019年1月のDI金利は16.82%から16.68%に減少している。

またSelic金利14.25%の据置決定の影響でサンパウロ平均株価(Ibovespa)は下げると予想されていたにも関わらず、石油の国際コモディティ価格が4.0%以上上昇した影響を受けて、昨日のIbovespaの終値は0.19%増加の3万7,717.11ポイントとなった。(2016年1月22日付けエスタード紙)

 

CIR-015/16: コンサルタント部会開催のご案内

                                                                                                                           

                                                                                                                            CIR-015/2016
                                                                                                                            2016年1月22日コンサルタント部会会員の皆様

ブラジル日本商工会議所
コンサルタント部会長 西口阿弥
 

 
 
                                          コンサルタント部会開催のご案内
 
来る2月25日(木)に上期業種別部会長シンポジュームが開催されますが、コンサルタント部会から発表する内容に関してご議論を頂きたく、
ご多忙の処、以下の通りご参集頂きますようお願い申し上げます。
 
 部会開催日時:2016年2月3日(水) 12:00-14:00
        ※お弁当(お1人R$25)を頂きながらの部会になります。
 
開催場所:ブラジル日本商工会議所 大会議室( Av. Paulista, 475 -13º andar)
 
 議題:
2016年上期業種別部会長シンポジュームでの発表テーマについて
テーマ:「2015年の回顧と2016年の展望」
副題: 『景気低迷期だから見えてくるビジネス機会 ~経済回復期はいつか?日系企業はどう備えるか?~』
 
 申込み: 部会の出欠を事務局チサト宛(secretaria@camaradojapao.org.br又は tel.: 3178-6233)、2月1日(月)までに連絡頂くようお願い致します。
 
  CIR-007/16
2016年1月15日
部会長各位 
CC. 会員各位
ブラジル日本商工会議所 
総務委員会 樹神 幸夫
企画戦略委員会 委員長 大久保 篤 

2016年上期業種別部会長シンポジュームのご案内と
部会懇談会開催のお願い

拝啓 時下益々ご清栄のこととお慶び申上げます。

総務委員会と企画戦略委員会の共催で恒例の業種別部会長シンポジュームを2016年2月25日(木)に下記のとおり開催致します。

テーマ:「2015年の回顧と2016年の展望」
副題: 『景気低迷期だから見えてくるビジネス機会 ~経済回復期はいつか?日系企業はどう備えるか?~』
日時:   2016年2月25日(木)
13時~18時 シンポジューム(途中コーヒーブレイクが入ります)
18時~19時 懇親会(カクテルパーティー)
                   
会 場: ホテル インターコンチネンタル
(Hotel Intercontinental São Paulo , Alameda Santos, 1123 – Tel.: (11) 3179-2600 )

参加お申込みについては別途ご連絡申し上げます。
参加費:
シンポジュームのみ 無料(コーヒーブレイク含む、日ポ語同時通訳付き)
懇親会(カクテルパーティー) 後ほど詳細をお知らせ致します。
 

部会懇談会開催のお願い

部会長の皆様には同シンポジュームに先立って部会懇談会の開催を下記の要領でお願い致します。

下記のカレンダーに記載されている時間帯が空いていますので疑問等御座いましたらあわせて会議所事務局へ問い合わせの上、会議室をご予約下さい。(担当 チサト:メールsecretaria@camaradojapao.org.br またはTel: 3178-6231) 

■ お願い:各部会懇談会終了後、パワーポイントにてシンポジューム発表資料をご準備下さい。またワードの発表原稿も任意でご用意下さい。
2月19日(金)必着で事務局へファイルを送付願います。
(担当:大角 secretaria@camaradojapao.org.br) 

■尚、パワーポイント資料は、当日ペンドライブ(USB)にてバックアップデータをお持ち下さい。また、ワードの発表原稿は、約2千字程度としメールで事前にご提出頂きますようお願い致します。 

 

論評【失楽園】J・R・グッゾ ベージャ誌掲載

J・R・グッゾ

政府の美徳のお陰で獲得できた現金と与信供与によってブラジルの工員が入手できるようになった「新車」は、2016年の年明けに、いったいどこへ置き忘れられたのだろうか? 我が国の歴史上はじめて、移動の足として航空機を利用し始め「不満が鬱積したエリート」でなくなった謙虚な労働者は、いずれも、どこにいるのだろうか? もう少しすれば開通して政府に「反対するしか能がない」の人々を黙らせるとルーラ前大統領が1度ならず何度も公言してきた「高速鉄道」は、今この時、どこを走っているのだろうか? 誰か、河道変更工事でかつての乾燥地帯に流れ込んだサンフランシスコ川の水を、コップに汲み取った人はいるだろうか? 2013年にジウマ・ロウセフ大統領が実施した電気料金の値下げと地球のために節約するという説教は、どのような結果をもたらしただろうか? 彼女の自信に満ちた主張によるとブラジルは、成長し、所得を分配し、貧しい人々のために生活コストを引き下げ、健全な金融を確立することを、全く同時に進めることができたはずなのだ。それだけではない。彼女の政権は、「現在と将来にわたって、より良く一層安価にエネルギーを確保する」国々の中でも「恵まれた立場」にブラジルを押し上げたというのだ。「悲観論者」は敗北したのだと、ジウマ大統領は宣言した。

では金利はどうか? 同じ時期、ジウマ大統領は、「金利がかつてないほどに低下している」と言及していたが、さて、現在はどうだろうか? まだある。安価にガソリンを購入可能なガソリンスタンドが一部なりとも存在することを政府は、2014年の大統領選終了まで大いに誇りとしていたことをお忘れだろうか? 結局のところブラジルは、大規模な産油国に変貌する可能性がありルーラ前大統領が予見したように、石油輸出国機構(OPEC)に加盟したのだろうか? もっと具体的に言えば、ルーラとジウマがオレンジ色のユニフォームに原油で真っ黒な印をつけて岩塩層下の石油資源の発見を最後に祝ったのはいつだっただろうか? 外にも、レアル高によって、それも余りにもレアルが強いことを背景に、ブラジルの国際取引からドルを排除することを外務省が真剣に検討していたという報道も、検索してほしいものだ。つい最近までブラジルが確保していた投資適格、これはブラジル政府に言わせれば、資本主義の世界がルーラ前大統領とジウマ大統領による労働者党(PT)と彼らの「社会政策」に対して屈服した決定的証拠だそうだが、国際的な格付け機関がこれを撤回してどうなったかを知るのは、興味深いことだろうと思われる。先進国が「危機的状況」に見舞われる中でブラジルは友誼を厚くしているのだと前大統領は宣言したが、こうした「悪趣味」がどうなったか問うのも同様に面白そうだ。「完全雇用」はどこだろうか? 「教育が行き届いた祖国」はいずこだろうか? 人類史上最大の所得分配計画はどうなったのだろうか?

現時点でこれらはいずれも、手の届かないところにある。新しい車だって? 自動車業界は、2015年、過去30年で最も大きな減速を記録した。事実、ジョゼー・サルネイ政権下の1987年以来の最悪の落ち込みなのだ。航空業界は、地に落ちた。富裕層まで利用が減少しているというのだから、低所得層の利用は想像するまでもない。低廉なエネルギーは、ジョークになった。電気料金は2015年に50%値上がりし、2016年にはまた値上がりする。金利は年利15%近くで推移しており、ブラジル左派が口を開ければ恐ろしい存在だと言い募り実生活で数々の便宜を受けていると主張する「不労所得者」こそ、今が天国だ。石油問題では、とりわけ、政府による強奪と運用能力のなさによりペトロブラスは破壊しつくされ、現在では投資資金に事欠くほどで、実際問題として多額の負債を抱えている。レアルは2015年に50%もの通貨安となり、導入から20年後、ジャンク通貨に戻った。2014年のゼロ成長に加えて2015年には-3.5%のマイナス成長に見舞われた政府だが、2016年には-2.5%かそれ以上のマイナス成長という事態を迎える見込みだ。1月の現時点で、国内には1,000万人の失業者がいる。国の福祉を計測する人間開発指数(HDI)の最新版では、ブラジルは75位にとどまった。あらゆることの順位でもそうだが、この75位という順位を上出来と考える人などいるだろうか? 投資適格は消えてしまった。聖書の中のキリストのごとく、ムーディーズとスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)、フィッチが与え、ムーディーズとS&P、フィッチが奪った。

これこそ、ルーラ前大統領とジウマ大統領、労働者党(PT)が13年にわたって政権を担当してきた結果なのだ。政府内では誰ひとり、この状況をどう抜け出すか思い浮かばないどころか、考えることすらままならず、唯一の目的といえば、今この段階では、レーナン・カリェイロス上院議員といかに良好な関係を築き、国会での弾劾回避でどう取引するかだけなのだ。それだけに、今後の見通しと言えば、状況が悪化に悪化を重ね、悪化し続ける日がまたやって来るだろうということでしかない。(2016年1月13日付ベージャ誌)

 

CIR-017/16: 運輸サービス部会開催のご案内

CIR-017/16

2016年1月22日

運輸サービス部会会員各位

                                            ブラジル日本商工会議所 

                                               運輸サービス部会長 細谷浩司

運輸サービス部会開催のご案内

 

本年も宜しく御願い申し上げます。

恒例の業種別部会長シンポジュームが2016年2月25日(木)に開催されます。

テーマ:「2015年の回顧と2016年の展望」

副題:景気低迷期だから見えてくるビジネス機会 ~経済回復期はいつか? 日系企業はどう備えるか?~

つきましては発表資料作成の為、下記の日程にて運輸サービス部会を開催致しますので ご参加の程宜しく御願い申し上げます。

開催日時:    2月3日(水) 15:00-17:00

場所  :    ブラジル商工会議所大会議室

        (Av.Paulista,475 13o.and.- Sao Paulo/SP)

2月2日までに添付資料に御社のご意見、業界動向等を記載して事務局カリーナまで( secretaria@camaradojapao.org.br )送付願います。

多くの皆様のご意見をお待ちしております。

参加人数把握の為、参加の可否を事務局カリーナまで( secretaria@camaradojapao.org.br )連絡願います。

 

 

今年初めての日伯法律委員会に60人が参加して開催

今年初めての日伯法律委員会(松下理一委員長)は、2016年1月21日午後4時から6時過ぎまで60人が参加して開催、進行役は矢野クラウジオ副委員長が務め、初めにPinheiro Neto Advogadosのレオナルド・アウグスト・バティラナ シニアパートナーは「サービス税とサービス輸出」について、サービス税のコンセプトや変更点、サービス税(ISS)は役務提供を行う法人や個人独立業者の受取対価に対して課せられ、サービス提供者の所在する市により課税、技術者のサービス輸出の例などについて説明した。

Trench, Rossi e Watanabe Advogados のプリシラ・ファリセリ パートナーは「ブラジルにおける課税に関する仲裁規定」について、法令13129号/2015、法令13140号/2015、課税に関する仲裁規則、返済期間などについて説明、Honda Estevão Advogadosのタイス・ハナ・ナカシマ シニア弁護士は、「日伯二重課税防止協定 」について、暫定措置694号(MP694)及び暫定措置692号(MP692)、個人が得たキャピタルゲイン(債券または株式などの資産の価格上昇による利益)に対する課税、日伯2国間の二重課税防止条約によって、ブラジルに非居住者の日本人は、今年1月からブラジルで得たキャピタルゲインには課税されないなどについて説明、PwCのパウラ・ロマノ弁護士は、「デジタル税務帳簿(EFD)、デジタル会計帳簿 (ECD)」について、会計ブロックJ,K,L 課税ブロックM,N その他のブロックX Y 申請期間、罰金などについて説明した。

PdfPinheiro Neto Advogadosのレオナルド・アウグスト・バティラナ シニアパートナー 「サービス税とサービス輸出」

PdfTrench, Rossi e Watanabe Advogados のプリシラ・ファリセリ パートナー 「ブラジルにおける課税に関する仲裁規定」

PdfHonda Estevão Advogadosのタイス・ハナ・ナカシマ シニア弁護士 、「日伯二重課税防止協定 」

PdfPwCのパウラ・ロマノ弁護士 、「デジタル税務帳簿(EFD)、デジタル会計帳簿 (ECD)」

 

Thaís Hana Nakashima (Honda Estevão Advogados), Leonardo Augusto Bellorio Battilana (Pinheiro Neto Advogados), Priscila Faricelli (Trench, Rossi e Watanabe Advogados), Paula Romano e Cláudio Yukio Yano (PwC) (Fotos: Rubens Ito / CCIJB)

As reuniões são dirigidas aos sócios, diretores, gerentes, advogados, consultores, assessores, entre outros profissionais das empresas associadas à entidade.

RI / CCIJB

 

 

 

第2回日伯政策対話委開催 日本の中小企業政策など紹介

AGIR第2回日伯政策対話 開催概要

実施日:2016年1月21日

場所:開発商工省(MDIC)講堂

参加者:総勢約25人

日本側: 経済産業省:中野岳史大臣官房参事、日本大使館:小林和昭参事官、ジェトロサンパウロ:大久保敦所長、栗原環ダイレクター、ブラジル日本商工会議所:櫻井淳政策対話委員会副委員長(ブラジル三菱商事)、パウロ・タケウチ産業競争力強化・中小企業育成ワーキンググループ長(ホンダサウスアメリカ)、セーザー・バロス氏(ホンダサウスアメリカ)、ロベルト・ヤナギサワ企画経営委員会副委員長(ブラジルトヨタ)、東崇徳労働ワーキンググループ副グループ長(ブラジルトヨタ)、平田藤義事務局長、天谷浩之アドバイザー、吉田章則調査員

ブラジル側:MDICカルロス・ガティーリャ生産開発局長、マーガレッチ・ガンディ二生産開発局自動車部門ダイレクター、マリア・クリスチナ・ミラニ生産開発局産業競争力部国際研究協力コーディネーター他、ABDIシモニ・ウデルマン氏、CNIジョン・ゴンザルベス産業政策部マネージャー他

 ブラジル側の開会挨拶を務めたカルロス・ガティーリャ開発商工省生産開発局長は、昨年9月の貿投委において、投資を拡大させる為の提案としてAGIRが取り上げられ、ブラジルの産業競争力強化に向けた種々提言を頂いた。AGIRに書かれているとおり、今のブラジル経済の発展には、長期を見据えた投資、そして技術革新を伴う生産性の向上が重要であると認識しており、その為には日本との協力を強化していくことが必要で、本日取り上げられている自動車の裾野産業育成や中小企業育成支援事業は非常に重要なテーマと考えていると述べた。

 日本側代表挨拶にたった小林参事官は、昨年の貿投委においてAGIRの重要性が再確認され、各提言内容を政府と産業界が一緒になって解決していくことが投資やビジネスの拡大に繋がっていくとして、AGIRにもとづく両国間の政策対話が合意された。AGIR提言の中にはMDIC以外の省庁との連携が必要になる課題も存在するが、外国企業との接点であるMDICには他省庁との連携の協力をお願いしたいと述べ、AGIR推進への期待を示した。

 カマラからの挨拶として平田事務局長は、貿投委はイバンハマーリョ元副大臣が議長を務めた2009年のから毎年参加しているが、徐々に日伯の協力関係は強くなってきており、ブラジル経済は不況に陥っているが、そんな中でもAGIRの提言にもある輸出経済特区(ZPE)制度の改善など急速に動いている提言もあると述べた。その上でブラジルの経済発展には、大企業を支えている中小企業を支援し、一次産品の輸出に頼らず、製造業の競争力を強化していくことが重要で、日伯が官民一体となってAGIR活動に取り組んでいくことを切に望んでいると、本政策対話への全面的な協力を約束した。

次に日本側のプレゼンテーションが行なわれた。

  • ①(経済産業省中野参事)日本の中小企業政策をテーマに、中小企業基本法による中小企業の定義や現状、そして戦後日本政府が行なってきた金融政策、振興政策、組織化政策などの政策について、経済成長に合わせた3つの時間軸に分けて説明が行なわれた。また、日本全国各地に存在する、資金や人材が不足している中小企業向けのワンストップ支援窓口の制度他についても説明を行なった。
  • ② (ジェトロサンパウロ大久保所長)ジェトロの海外展開支援事業をテーマに、海外54カ国73事務所、全国44拠点にあるジェトロのネットワークの強みを説明。また、見本市・展示会出展、商談ミッション派遣、海外バイヤー招聘による国内での商談会、専門家による支援や地域間交流事業などの様々な中小企業支援事業について細かく具体的な例を挙げて、説明を行なった。
  • ③(ブラジル日本商工会議所天谷浩之アドバイザー)日本商工会議所の小規模事業者支援事業をテーマに、商工会議所が政府の補助金を得て行なっている日本各地域の小規模事業者の経営改善支援活動についての説明を行なった。巡回・窓口指導では、教育を受けた経営指導者が一人年平均約500もの小規模事業者の経営相談に応じていると解説、また資金調達が困難な小規模事業者への経営指導を通じた融資を行なう小規模事業者経営改善資金融資制度なども紹介した。
  • ④ブラジル自動車サプライヤーの競争力強化に向けた提案。
    1. (パウロ・タケウチ産業競争力強化/中小企業育成ワーキンググループ長/ホンダサウスアメリカ取締役)自動車生産台数の下落、部品の生産コストの他国との比較、国内部品生産企業の技術レベルのギャップ、そして部品メーカーが活用できる産業政策の不足を説明した上で、5つの改善提案を行なった。①効率的な設備導入、人材育成などを通じた、中小企業の強化、②Simple Nacionalのような中小製造業に特化した税優遇政策、③ある特定の部品生産に特化した産業政策、④中小企業向けの融資、⑤ブラジル特有技術(例:エタノール)の輸出などを提言した。
    2. (ロベルト・ヤナギサワ企業経営委員会副委員長/トヨタブラジルダイレクター)自動車市場の下落に伴い、自動車部品産業の売上と雇用数も2011年をピークに下落してきており、組立メーカーとしても部品産業との協力関係一層必要になってくると述べた。その協力関係の例として、下請け企業とのコミュニケーションの強化や講習会、現場リーダーの日本への派遣研修制度や、技術者の交流事業などを挙げた。人材育成面での官民協力事業の提言として、①SENAI、HIDA、日系企業の協力と人材バンクを通じた熟練技術者の効率的な活用、②規制緩和による中古機械の輸入や技術人材交流を活用した技術力強化、③経営悪化の際の解雇を防ぐ為の他産業との弾力的な雇用制度などを発表した。

次にブラジル側からのコメントが行なわれた。

(CNI/産業政策部マネージャー、Joao Goncalves氏)本日のセミナーは、様々なアイデアの発表、創造的な提案が盛り込まれ、セミナーの企画とイニシアティブに感謝する。中小企業が抱える課題は、我々も日々直面しており、SENAI、SEBRAEやMDICと連携した事業もある。本日の提案の中でCNIが役に立てる機能はあると思うが、CNIの他の部署に関連するテーマも含まれており、皆で議論をしながら事業を進めていく必要がある。また今後きちんとした事業計画を作成して進めていく必要がある。

(MDIC/SDP・DEIETダイレクター、Margarete Gandini氏)発表は大変貴重なものであり、自動車部品の裾野産業育成は簡単なテーマではないと思っている。その為一緒に協力して活動していく必要がある。本日の提言に関しては、WGで議論するなどもっと深堀することが重要だ。全ての提言は堅実で、ちょうど来週火曜日に開催予定の自動車部品裾野産業育成に関する会合でも議題にもしていきたい。自動車産業の成長には、組立メーカーのみならず、部品産業も強化しなければならない相互関係にある。現在は、様々な国との貿易の合意を進めているし、日本との協力も重要となる。自動車産業が不振から脱却する為の解決策が求められている今、ホンダとトヨタからの提言は、政府としても感心が高いもので今後深堀していきたい。

(ABDIのSimone Uderman氏)ABDIは、MDICと連携し産業政策を10年近く作成してきており、事業計画により産業を活性化させる機能がある。本日のセミナーには貴重なアイデアが示されており、産業の開発や促進に大きく寄与するものとの思う。今後もこのような会合に積極的に参加し、WGができた際にも参加協力をしていきたい。

(閉会挨拶)本日司会を務めたMDICのMaria Cristina Milani氏は、本日の会合の内容は、本日参加できなかったが関係している中小企業庁、SEBRAE、APEXなどとも共有し、一度整理をしてから、優先項目を絞り、長期計画の時間軸を組立てたうえで、両国メンバーからなるワーキングチームを発足して、その実現に向けて取り組んでいきたいと述べた。

MDICからの返信メール慨訳

開会の挨拶 (左から、平田事務局長、ガティーリャ局長、小林参事官) 

熱心に聞き入る第2回日伯政策対話委員会の参加者達


左は日本の中小企業政策について発表する経済産業省の中野岳史参事/マリア氏(MDIC) 

左はジェトロの海外展開支援事業について発表するジェトロサンパウロ事務所の大久保敦所長

左は日本商工会議所の小規模事業者支援事業について発表するブラジル日本商工会議所の天谷浩之アドバイザー

プレゼンテーションを行なうパウロ・タケウチ氏(ホンダサウスアメリカ)                    


ロベルト・ヤナギサワ氏(トヨタブラジル)による提言


司会を務めたマリア氏(MDIC)                                            


コメントするマルガレッチ氏(MDIC)

大衆車販売メーカーのマーケットシェアが大幅減少

過去15年間にわたってブラジルの自動車マーケットシェアは、主に大衆車販売をしていたフィアット社並びにワーゲン社、GM社、フォード社が寡占状態を続けていたが、連邦政府の市場開放政策や税制優遇政策導入などで新規参入組がマーケットシェア争いに加わって地図を塗り替えている。

ワーゲン社は2003年~2012年の10年間で最もマーケットシェアを拡大したにも関わらず、2013年以降は最もマーケットシェアを失っており、ワーゲン社のベストセラーカーGOL車は、2014年にフィアット社のPalio車にナンバーワンの地位を明け渡した。

またワーゲン社のGOL車は、2015年にはフィアット社のPalio車の他にGM社のOnix 車、現代自動車のHB20車、フォード社の Ka車にも販売台数を抜かれて、一挙に5位に転落している。

2012年~2015年のワーゲン社の新車販売は76万8,000台から53%減少に相当する35万9,000台迄減少、特にGOL車はワーゲン社の減少率の51%に相当する21万1,000台減少した。

2012年~2015年のフィアット社のPalio車も15%減少した一方で、韓国の現代自動車のHB20車、日産のマーチ車が性能及び低価格で大衆車のマーケットシェアを拡大してきており、4大自動車メーカーのマーケットシェアの牙城を崩しにかかっている。

2003年の4大メーカーのマーケットシェアは82%と寡占状態になっていたにも関わらず、2015年には58%まで減少、過去3年間のマーケットシェア比較ではワーゲン社が21.14%から14.51%と6.63%も大幅な減少をしている。

2003年以降にブラジルの新車販売が大幅に増加した要因として、連邦政府による最低サラリーの大幅な引き上げ、雇用の拡大、新車購入向け長期クレジット販売などが牽引、また新車購入優遇税制として工業製品税(IPI)の減税導入も新車販売に追い風となっていた。

フィアット社のブラジル国内マーケットシェアは、2003年の34万台から2012年には83万8,000台と146%増加、しかし2013年から2015年のマーケットシェアは47.6%減少している。

前記同様にGM社は92%増加、39.7%減少、ワーゲン社は171%増加、53.2%減少、フォード社は114%増加、21.7%減少、2015年のファット社の新車販売台数は43万9,000台、GM社は38万7,000台、ワーゲン社は35万9,000台、フォード社は25万3,000台となっている。(2016年1月21日付けエスタード紙)

 

中銀の通貨政策委員会は、予想外の政策誘導金利 (Selic)据置決定

昨日中銀の通貨政策委員会(Copom)は、現在の政策誘導金利 (Selic)14.25%の据え置きを決定、昨年7月のCopom委員会から4回連続で14.25%の金利据え置きとなった。

しかし今回のCopom委員会によるSelic金利14.25%の据え置きは全会一致ではなく、理事8人のうち2人は2017年のインフレ指数を連邦政府目標内に収めるため0.25%以上の金利引き上げを主張していた。

国際通貨基金(IMF)では、2016年のブラジルのGDP伸びの下方修正やプラナルト宮からのSelic金利引上げ不要論のコメントなどが左右したのか、20日の通貨政策委員会(Copom)開催直前のアレシャンドレ・トンビーニ総裁のSelic金利に関するシナリオに変化が表れていた経緯があった。

また昨日ルーラ元大統領は、今年のインフレ指数が8.0%前後で収まるのであればSelic金利を引き上げる理由はないと強調、また同氏は金融機関の経営陣も金利引上げを望んでいないとコメントしていた。

ジウマ・ロウセフ大統領の補佐官達は、経済成長過渡期にある現時点でのSelic金利据置を評価しているが、金利引上げは更なる経済リセッションの深刻化や失業率の増加につながると憂慮していた。

野党PSDB(ブラジル社会民主党 )リーダーのブルーノ・アラウージョ下院議員は、今回のSelic金利据え置きは大統領府の介入であり、中銀の独立性が失われたと強調している。

世界のインフレ指数を差引いた実質金利比較では、ブラジルは6.78%と2位のロシアの2.78%を4.0%上回って世界最高金利を維持、3位には中国2.61%、インドネシア2.29%、フィリピン1.27%、台湾は0.62%、インド0.57%、コロンビア0.52%、ポーランド0.50%、南アフリカ0.26%となっている。(2016年1月21日付けエスタード紙)