最終フォーカスレポートでは今年のIPCA指数を9.70%に上方修正

中銀の最終フォーカスレポートによると、インフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の9.53%から9.70%に上方修正して二桁台のインフレ指数に接近してきている。

今後12か月間のIPCA指数は前回予想の6.11%から6.24%に上方修正、9月のIPCA指数は0.54%と中銀のフォーカスレポート調査に参加する100商業銀行のエコノミストの予想を僅かに上回った。

9月の過去12か月間のIPCA指数は9.49%に上昇、10月のIPCA指数は9月のIPCA指数0.54%を上回ると予想、2016年のIPCA指数は前回予想の5.94%から6.05%と10週連続で上方修正されている。

中銀では今年末の政策誘導金利(Selic)は、現在の14.25%を維持すると予想、2016年のSelic金利は前回予想の12.50%から12.63%に上方修正している。

的中率が高いトップ5銀行の今年の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の9.66%から9.61%に下方修正されたにも関わらず、2016年のIPCA指数は6.46%から6.72%に上方修正されている。

また的中率が高いトップ5銀行の今年末のSelic金利は14.25%に据え置かれたが、2016年のSelic金利は12.38%から12.13%に下方修正、今年のGDP伸び率は前回予想のマイナス2.85%からマイナス2.97%に下方修正、2016年はマイナス1.0%からマイナス1.20%に下方修正している。

今年のGDP伸び率がマイナス2.97%に下方修正された要因として、製造業部門のGDP伸び率が前回予想のマイナス6.5%からマイナス7.0%に下方修正されて更に悪化すると予想されており、2016年のGDP伸び率は前回予想のマイナス0.29%からマイナス1.0%に下方修正されている。

今年末のレアル通貨に対するドルの為替はR$4.00を予想、2016年は前回予想のR$4.00からR$4.15とさらにドル高の為替になると予想、今年の貿易収支黒字は前回予想の120億ドルから129億9,000万ドルに上方修正、2016年は150億ドルの黒字が予想されている。(2015年10月14日付けヴァロール紙)

8月のサンパウロ市の新築住宅販売は10.6%減少

不動産業界の企業が加盟するサンパウロ不動産関連業者組合(Secovi-SP)の発表によると、8月のサンパウロ市内の新築住宅販売は前年同月比10.6%減少の1606軒に留まったにも関わらず、前月比では54.1%増加している。

8月のサンパウロ市内の新築住宅販売総額は前年同月比27.3%減少の7億6,800万レアルに留まったが、7月の新築住宅販売総額5億4,230万レアルを41.6%上回っている。

8月のサンパウロ市内の新築住宅販売の在庫軒数は2万6,949軒、ブラジル資産調査会社(Embraesp)の8月のサンパウロ市内の新築住宅販売リリース軒数は1,760軒で前月比113.3%増加、前年同月の2,405軒を26.8%下回っている。

今年8か月間のサンパウロ市内の新築住宅販売リリース軒数は1万2,238軒と前年同期比20%減少して住宅ブームの停滞が顕著になってきており、サンパウロ市の都市計画マスタープラン発表や新築住宅の在庫増加、政治経済危機などが住宅販売の足枷となっている。

8月のサンパウロ近郊都市圏の新築住宅販売は前月比7.9%減少の864軒、前年同月比では14.5%減少、また8月のサンパウロ近郊の都市圏の新築住宅販売リリース軒数は前月比51.4%減少、前年同月比では62.0%と大幅に減少している。(2015年10月14日付けエスタード紙)

 

繊維部会に15人が参加して開催

繊維部会(田中 雅春部会長)は、2015年10月13日午前10時から11時過ぎまで15人が参加して開催、人事異動に伴って帰国した代表者の後任として赴任してきた繊維部会の新メンバーの自己紹介や各社の事業内容について発表、王子ホールディングス株式会社イノベーション推進本部水環境研究所の門田克行 上級研究員は、研究開発本部を「イノベーション推進本部」とし、新しい組織・体制のもとスタート、「革新事業推進センター」「ディベロップメントセンター」「紙パルプ革新センター」「バイオリソース開発センター」を発足、また新たに「水環境研究所」を設置したことを説明、またブラジルでの水再生事業などについて出席した部会員とブラジルの干ばつによる水不足問題、日本企業の高度な水処理技術の応用やビジネスチャンスなどについて意見交換を行った。

参加者リスト

Oji Papeis Especiais    藤田氏

Oji Papeis Especiais    門田氏

Oji Papeis Especiais    倉橋氏

Nisshinbo do Brasil Industria Textil 田中氏 

Toyobo do Brasil    久住氏 

Toyobo do Brasil      小谷氏 

Unitica do Brasil IND. Textil  豊田氏 

Daiwa do Brasil Textil   平岡氏 

Daiwa do Brasil Textil   加古氏

Daiwa do Brasil Textil   小島氏

Kurashiki do Brasil Textil   青山氏

Omi do Brasil Textil   横山氏 

YKK do Brasil   枡田氏

Toray do Brasil   平池氏 

Camara de Comer e Indus Japonesa 大角編集担当

自社プロジェクトを説明するOji Papeis Especiais の 門田氏

 

イメージ刷新のパラグアイ経済

10月13日、JETROサンパウロはパラグアイ商工省4階の大会議室で日・パラグアイセミナーを開催した。パラグアイで何かが起こっており、時宜にかなったセミナーの重要性から村田会頭と平田事務局長が参加した。

会員関係企業(ブラジルを中心にアルゼンチン、パラグアイ出張所)が約40社、在パラグアイ日系企業、日本政府関係者(JETRO、大使館、中南米室)、パラグアイ政府関係者を合わせ約100名位が参加した。

昨年3月、パラグアイのグスターボ・レイテ商工大臣が昼食会に参加、そのまま当所の大会議室で投資セミナーを開催したことがある。また上田善久在パラグアイ日本国大使が今年4月の定例昼食会に参加、「パラグアイの国情と好転する投資環境」と題しパラグアイの魅力について熱弁を振るったのは記憶に新しい。

一方、経産省の通商政策局では、中南米、特にブラジル市場において日本からの進出企業が、ブラジルコストと呼ばれる複雑な税制などの課題を抱える中で、ウルグアイやパラグアイを活用して課題を軽減できないかという調査研究が行われている。この調査研究には業務委託先のアクセンチュア社から協力の要請を受け、会員企業に目下アンケート調査を実施している所である。

調査研究の裏には平成25年6月に閣議決定された海外市場の取り込みが大きな柱になっている「日本再興戦略」がある。約2億8千万人を擁する人口、GDP合計がASEAN10か国を超える巨大市場(メルコスール)の取り込みだ。

地域統合に向けて盟主国ブラジルやアルゼンチンとの狭間で宿命的に翻弄されるのが小国のパラグアイやウルグアイである。生き残りを賭け独自の政策で存在感を示す必要がある。ウルグアイが物流拠点や金融センターとしての比較優位性があるとするなら、パラグアイは安価で豊富な電力、豊富な若年層人口、安価な労働コスト、低率な税負担(GDP比13.7%)を上手く活用、製造拠点としての位置付けで期待ができる。

セミナーは10時半、上田善久大使の開会挨拶に始まり、主催者の菅原廣充経産省中南米室長の挨拶に続き、レイテ商工大臣が「今のパラグアイ」をテーマに講演を行った。

開放的な活気のある民主国家、世界の食糧供給基地、隣国やEUまた世界とのWin-Win関係構築、中国からの輸入代替に関しブラジルと連携、スペインやEUおよび世界の主要国と投資・技術・通商統合計画、パラグアイの投資回収率(ROI)が22%、コントロールされたインフレ。

直近11年間のGDP成長率4.8%、市場アクセス、アジア諸国に劣らない競争力(税負担、エネルギーコスト、労働コスト、若年労働力)、ブラジル企業と比較したパラグアイの優位性(賃金、電力代、税金)、マキラ制度利用企業数94社の内80%が驚くなかれブラジル企業。

2014年度のマキラの輸出額は2億5千万ドル、潜在成長力として食糧生産が3倍に、10万個の住宅建設、世界第3位のバージ船所有国、豊富で安価な電力、世界第4位の大豆輸出国、6位のトーモロコシ輸出国、6位の牛肉輸出国。

「パラグアイ2030」と称する中長期グローバル・ビジョン作成には2000人以上の市民社会のリーダーが参画、ムーディーズが2015年9月にほぼ投資適格国にランク付けされたことを分り易く説明した。(パ商工省作成の添付のスライドおよびビデオ参照)

村田会頭から「在伯日系企業が直面する課題とパラグアイへの期待」と題しブラジル日本会議所の概要、在伯日系企業が直面する課題とパラグアイへの期待、会員企業のパラグアイ展開支援についてプレゼンを行った。(添付スライド参照)

「パラグアイ投資の魅力およびパラグアイ政府への期待」と題し常石パラグアイ造船および矢崎・パラグアイが各々プレゼンを行った。最近進出を果たしたフジクラも飛び入りでプレゼン、いずれも成功事例の発表であった。

2~3の質疑応答を受け付けた後、着任したばかりの大久保 敦JETROサンパウロ事務所所長の閉会挨拶でセミナーを締めくくった。大盛況であった。

(写真提供:ジェトロ・サンパウロ事務所)
(写真提供:ジェトロ・サンパウロ事務所)
(写真提供:ジェトロ・サンパウロ事務所)
(写真提供:ジェトロ・サンパウロ事務所)
(写真提供:ジェトロ・サンパウロ事務所)

村田会頭と平田事務局長はセミナーの1日前にアスンション入り、在パラグアイ日本商工会議所の林 英二郎会頭、伊賀上 知雄副会頭と双方の会議所活動や直近の両国の経済情勢等々について意見交換を行った。また今後ビデコンを用いた双方向の情報交換も積極的に進めて行く事で意見が一致した。

8月に更新した当会議所パンフレットを日本語/ポル語バージョン各々20部を手渡した。13日のセミナー会場でも参加者に日本語(10部)/ポル語(30部)を配布した。

Pdfパラグアイの現状(パラグアイ政府プレゼン資料) ( PPT、ビデオともパラグアイ商工省提供)

 

Pdf在伯日系企業が直面する課題と期待 村田 俊典 ブラジル日本商工会議所会頭

大半の労働組合はインフレ指数以下のサラリー調整で合意か

ブラジル労働雇用省(Ministerio do Trabalho e Emprego)の統計を基にした経済調査財団(Fipe)の今年初め8か月間のサンパウロ州製造業部門各労働組合と企業側との111カテゴリー(セクター細分化)のサラリー調整交渉では、約半数のカテゴリーでインフレ指数を差引かない名目サラリーが減少していた。

今年下半期にサラリー調整が行われる大半のカテゴリーでは、ブラジル経済のリセッション、販売不振による在庫調整による雇用の減少、高止まりするインフレなどの要因で、インフレ以下のサラリー調整での合意を余儀なくさると予想されている。

昨年の平均サラリー調整はインフレ指数を1.0%上回る調整を獲得、今年1月はインフレ指数を1.0%、7月はインフレ指数を0.3%それぞれ下回るサラリー調整となっている。

下半期には金属セクター並びに化学セクター、銀行セクター、石油化学セクターなどの交渉にたけている労働組合がサラリー調整で企業側と交渉するが、労使間社会経済調査・統計所(Dieese)のジョゼ・シルヴェストレ組合担当コーディネーターは、これらのセクターのサラリー調整交渉は難航すると予想している。

7月~8月にかけてサラリー交渉を行った25労働組合の90%はインフレ指数並みのサラリー調整で合意、下半期のサラリー交渉予定の労働組合の70%はインフレ指数並みの調整での合意を余儀なくされるとジョゼ・シルヴェストレ組合担当コーディネーターは予想している。

ブラジル全国で50万人が加盟する銀行業界の組合連合は、16.0%のサラリー調整で交渉を開始したが、全国銀行連盟(Fenaban)では5.5%のサラリー調整並びに利益分配(PLR)の支給、窓口業務行員の最低サラリーを4.0倍最低サラリーに相当する2560レアルを提示しているために、サラリー交渉は長引くと予想されている。(2015年10月13日付けエスタード紙)

 

2015/16年度の穀物生産は記録更新か

国家配給公社(Conab)の最終2015/16年度の穀物生産予想によると、2億1,030万トン~2億1,350万トンで2014/15年度の2億980万トンを上回って記録を更新すると予想されている。

2015/16年度の穀物生産が2億1,030万トン~2億1,350万トンと予想されている要因として、作付面積が5,820万ヘクタール~5,900万ヘクタールに達すると予想、2014/15年度の作付面積5,810万ヘクタールを上回っている。

2015/16年度の大豆の作付面積は3,260万ヘクタール~3,320万ヘクタールが予想されており、大豆収穫量は1億10万トン~1億1,900万トンと2014/15年度の9,620万トンを大幅に上回ると予想されている。

2015/16年度のトウモロコシの作付面積は1,540万ヘクタール~1,560万ヘクタールで2014/15年度の1,580万ヘクタールを下回ると予想、2015/16年度のトウモロコシの収穫量は8,260万トン~8,360万トンで2014/15年度の8,550万トンを下回ると予想されている。

2015/16年度の米の収穫量は1,200万トン~1,220万トンで2014/15年度の1,240万トン僅かに下回ると予想、フェジョン豆の収穫量は320万トン~330万トンで2014/15年度並みの収穫量を維持すると予想されている。

2015/16年度の穀物生産はマット・グロッソ州が牽引して5,190万トン~5,160万トンで2014/15年度の5,160万トンを上回ると予想、次いでパラナ州は3,800万トン予想、ブラジル地理統計院(IBGE)の2015/16年度の穀物生産は、前年比8.8%増加の2億1,040万トンを予想している。(2015年10月13日付けヴァロール紙)

 

インタビュー記事【「不況でもブラジルは終わりはしない」 ピニェイロ・ネット弁護士事務所の共同経営者】

ブラジルで不況と政治危機の嵐が吹き荒れる中、ビジネス問題を専門にする国内有数の弁護士事務所ピニェイロ・ネット弁護士事務所の共同経営者、アレシャンドレ・ベルトルディ氏は、破滅的な未来が待ち受けていないと確信している。

国内の大手企業が手掛ける企業の合併や買収、破綻処理、財務構造改革を支援するという、状況を俯瞰するのに最高の立場にいるバルトルディ氏は、現在のブラジルが移行期にあると受け止めている。多くの人や企業が破綻し、国内の大手グループが規模を縮小する中で、日本と韓国の多国籍企業がブラジル国内で事業拡大に向けてこの資産価値の値下がりを利用するだろう。そして、このプロセスが終了する時点で、企業は、これまで以上の筋肉質になっている。「ブラジルは経済危機を脱するし、それは迅速なものだ」。以下は、エスタード紙とのインタビューの要旨である。

エスタード あなたは、現在のブラジルの状況についてどうお考えですか?

ベルトルディ 私が基準とするのは、経済分野への国家の介入がほとんどない自由主義モデルだ。ただ、このモデルがそれだけで、社会的ギャップを削減できるのだとは、私は信じていない。これは、従来から非常に大きな課題だった。過去2政権、ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ前大統領とジルマ・ロウセフ大統領の行政下において社会分野で記録された向上が与えた恩恵を考えてほしい。現在、こうして得られた全ての利益に対する揺り戻しにあるのかどうか、私には分からない。だが私は、純粋な自由主義モデルが必ずしも社会的ギャップの減少を保証しないと思う。このモデルは経済を改善し、国内総生産(GDP)を押し上げ、より多くのビジネスチャンスを生み出すだろう。だが、余りに深刻な状況にある国、社会的ギャップが極めて大きい国にとって、純粋な自由主義がそれだけで問題を解決できるのかどうか、私には分からない。

エスタード あなたはより良い未来が待ち構えているとおっしゃいました。それは、どのようなものでしょうか?

ベルトルディ 私は楽観主義者ではない。恐らく、それほど悲観的でもない。私は、明るい状況がいくつかあると見る。その中心になるのは、賞賛に値するとは考えていないが、ブラジルの制度の持つ力と抵抗力だ。影響力のある実業家から政治家、さらには大臣に至るまで、連邦警察が思うがままに捜査する独立性を保持しているのを見るのは、興味深いことだ。私はこれまでのところ、連邦警察の捜査を邪魔するような横やりの話は、全く聞いたことがない。裁判官も同様に、良かれ悪しかれ、センシティブな問題でも訴状を受理するし、これに誰も口を挟まない。三権の分立は、十分に尊重されている。我が国の制度は、非常に堅固で、恐らくそれは、我々が想像する以上のものだ。

エスタード しかし連邦政府は、連邦会計検査院がジルマ政権の連邦政府会計に不適正意見を出すのを阻止するために連邦最高裁判所(STF)に働きかけましたが。

ベルトルディ それは、判決ではない。そうならないように、連邦政府は議論を希望している。あくまで、駆け引きの一部なのだ。影響を与えようとしてはいるが、法律の範囲内の試みだ。もしそれが法令による強権発動だったなら…。だが、そのための議論をしようというのであれば、認められる範囲だと私は思う。

エスタード あなたは、弾劾に関する現在の議論をどう受け止めていますか? 大統領を罷免すべき法的根拠があるのでしょうか?

ベルトルディ 個人的見解を言えば、私はこれに反対だ。選挙が行われたわけで、多くの人々が選挙結果に納得しなかったとしても、その結果は尊重されるべきだ。弾劾は必ずしも合法的手続きではない。それは、はるかに政治的な手続きだ。多くの人々は、今後3年間も脆弱な政権が国を引っ張っていくのに耐えなければならないという理由で、弾劾の必要性を正当化している。法律観点から、もし重大な瑕疵があるなら、それは妥当と言えるものになる。だが、単なる政治上と経済上の理由だけなら、私は、現政権が続投することを希望する。

エスタード TSEが大統領選における運動資金を査察するのは、司法上、政権の存続を危うくするのでしょうか? 大統領はこの仮判決を受けても職にとどまり得るでしょうか?

ベルトルディ 私は、この点を大いに議論すべきだと思っている。ジルマ、あるいは他のいかなる大統領も、司法の判断により失脚しない。それは、議会の決定によるのだ。言い換えると、政治的判断だ。この場合にあり得ることは、司法の議論が政治的な議論に燃料を投下し、さらには、弾劾が行われるような方向へ議論を向かわせる可能性があるということ。単なる司法上の判断と受け取られることは難しいと考える。

エスタード 投資家はこのシナリオをどのように見ているのでしょう?

ベルトルディ 数年前から、財界ではブラジル・ブームが到来していた。それは(コングロマリットやファンドなどの)外資が非現実的で不合理なコストをブラジルの資産に支払うという変則な状況につながった。現状を見るに、我が国は深刻な政治危機と、私自身は驚くに値しないと思う不況に見舞われている。もっとも、政治危機のひどさと言ったら、私にとっては、驚くべき深刻さだ。そしてこの2つの組み合わせが、危険なのだ。投資家には、2つのタイプがいる。ルーラが当選するか落選するか、そしてこの先どうなるか分からなかった2002年と比較しよう。当時、ブラジルに参入してきた投資家にとって、政界は素晴らしいビジネスを提供したのだ。ブラジルに期待していなかった用心深い投資家は、アクセルから足を離し、ビジネスをしばらく見合わせた。他方、経済危機をビジネスチャンスと受け止める投資家がいる。農業のように活況を呈した業界もあれば、紙パルプのような堅調な業界もある。我々は消滅することのない大きな国内市場も抱えている。それだけでなく、抱える負債の規模ゆえに、あるいは中にはラヴァ・ジャット作戦に関係したために、必要に迫られて売却される資産もある。

エスタード 現在の為替相場のボラティリティーは不況の脱出に影響するでしょうか?

ベルトルディ 外国為替市場における自国通貨安は、ブラジル国内資産を非常に魅力的なものに変えたが、安定するまでは問題を複雑にする。4レアルで話をつけたら3レアルを受け取るとか、3レアルで手を打ったのに4レアルになっているというリスクを生み出す。だが、投資家の一定のグループは既にブラジルに参入しており、ブラジルを中長期的な視点から俯瞰している。集約化が進むとともに、一部の建設会社の状況から、多くのコンセッショネアで出資会社の変更が進むだろう。私は、ブラジルでまだコンセッションが行われていない分野については楽観視している。その理由は、国家の介入がそれほどなく、社会経済開発銀行(BNDES)の介入も資金不足により比較的小さなものになると思われるからだ。我が国で成熟が期待される基本的な分野には2つあると、私は受け止めている。それは、「プロジェクト・ファイナンス」(金融市場でインフラ向け融資の資金調達)と資本市場だ。こなれた計画のない事業は、従来、BNDESに駆け込むか、あるいは出資者を募ることが簡単であり、そうでなければ、より有利な条件で融資を受けるかだった。

エスタード 企業のプロフィールに変化があるということでしょうか?

ベルトルディ 我が国の企業がより良いものになるだろう。これらの企業は、キャピタル市場に参入するには、優良企業であるべきだ。これにはしばらく時間がかかるかもしれない。ブラジルは、インフラへの投資が必要だ。この交渉の段階で、民間資本が必要になる。もちろん「インベストメント・グレード」(投資適格)は失っているが、事業の推進が不可能になるとは考えていない。中期的、長期的な見方を持ったグループは存在する。私が確信を持って言えることは、次のようなことだ。つまり、ブラジルは不況によって終わりはしない。我々は既に、別のステージへと移行した。そしてブラジルは復活すると思う。さらに言えば、復帰に向かい始めれば、状況は急転する。

エスタード こうした悲観的な状況で、新規投資家の呼び込みにつながるビジネスチャンスがあるのでしょうか? それとも、プレーヤーは既存の企業だけになりそうですか?

ベルトルディ いずれのケースもあり得る。日本と韓国のような企業が、ブラジルで、プレゼンスの拡大を狙っている。中国はもはや、以前ほどの活気がない。企業は、利益を上げようとブラジルへの進出を希望するのだ。景気の低迷期に進出すれば、いつかは値上がりする資産を手に入れることができ、将来、様々なビジネスにつながる。ブラジルで大きな収益を確保したり本国では成長することが期待できないといった理由で、ブラジルで経営に取り組んでいる様々なグループが存在する。ブラジルにビジネスチャンスがあると見て新規参入するグループだけではないのだ。

エスタード しかしこの場合、為替相場が足を引っ張りませんか?

ベルトルディ 高くつくが、金融面でリスクヘッジをするメカニズムがある。固定為替相場は必要ないが、どこが限界かをテストするという考えは必要だろう。(より明確な)為替バンド制があれば、計算することは可能だ。明らかなことは、少なくとも今後18か月にわたって、政策金利の大幅な利下げはあり得ないということだ。そくすると、ブラジルで調達する資金は非常に高価になり、国内の投資の足を引っ張る。恐らく、外資によりチャンスが巡ってくるだろう。

エスタード あなたは経営難に直面している企業が資産を売却しようとしており、国外の投資家にビジネスチャンスが広がっているとおっしゃいました。これらの資産を買収しようという投資家がいるのでしょうか?

ベルトルディ これはそれぞれの業界と企業の事情次第だ。困難に直面していないが、将来的に売却を検討している企業もある。多くの企業がそうなっているように、収入が下落する時、売上に対する負債の比率は急上昇し、この負債を処理するのに問題を抱えることになる。外貨建ての債務の問題もある。2008年(に発生したデリバティブ)の危機で、「リスクヘッジ」により必ずしも全てが保護されていなかった企業が存在したことを、多くのグループが学んだ。そして、為替で利益を上げている投資家もいる。不幸にも、一部のグループは、この経済危機を脱する時には現在よりもはるかに小規模で、脆弱な状態になっており、これまで以上に厳しい状況だと言い募ることになるだろう。

エスタード 汚職スキャンダルで多くの取引が麻痺しました。

ベルトルディ 最初の段階で、経済に対して大きな悪影響が出る。いくつかの業界で、予想されていたような停滞が発生した。行き過ぎた捜査から悪影響を受けかねないということはある。我々は、これがどのように発生したかについては理解しているが、どこで収束するかについては分かっていないのだ。

エスタード 課徴金減免制度に対する企業の合意の動きは、拡大するでしょうか?

ベルトルディ 主に国家、そして競合していたはずの企業が関与する事業がらみの汚職は何であれ、ブラジル国内で発生した事件は、ビジネスでより高い透明性の確保につながる。正しい方向に進む過程の一部なのだと言える。中期的には、国内の状況は大いに改善するだろう。より公正な価格が提示され、公共工事がより現実的なコストで実現され、市場競争はより広範囲かつ効率的なものになる。

エスタード このプロセスで企業企業が生き残ることは可能でしょうか?

ベルトルディ 生き残る。我々は言っているのは、ペトロブラスやエレトロブラスなどのような、大企業についてだ。根本的なところで、ペトロブラスはいくつもの不運に見舞われた。仮に原油相場が1バレル=100ドルなら、状況は今日とは異なっていたはずだ。それは、ブラジルで発生している様々な出来事と同じだ。私は懸念するのは、不況と政治危機、コモディティー相場の低迷だ。コモディティー相場が若干でも良ければ、状況は大きく異なっていただろう。これは、逆風の連鎖だ。5、6年前から我々は、ブラジルにとって有利に働く国外情勢の追い風を受けてきた。つまりこれは、現状に不満を言う以上に、我々は、そうした過去の色々な追い風を利用しなかったことを嘆くべきなのだ。

エスタード 課徴金減免制度での合意は、どうあるべきでしょうか? 個人を罰して会社を保全するのでしょうか? あるいは、企業は支払い能力の限界まで罰せられるべきでしょうか?

ベルトルディ 個人だけを罰するロジックにことさら固執するべきではない。大きな利益を得たのは企業だ。私は個人に対する責任を完全に不問にしろと言う気はないが、捜査の主眼は、不正で利益を確保した法人に置くべきだと考える。むしろ、処罰は釣り合いの取れたものであるべきだ。処罰の大部分は企業の収入に基づいているが、多くのケースで、収入は会社の利益とは関係がないのだ。極めて薄利で経営していながら、想像を絶する多額の罰金が科された企業も存在する。このため、痛みを伴う罰金の適用は良識を持って行うべきで、企業の存亡にかかわるものではいけないと考える。

エスタード ラヴァ・ジャット作戦はブラジルの汚職問題にメスを入れるのに十分な教育的効果があるとお考えでしょうか?

ベルトルディ ブラジルでは、汚職に対する教育効果は様々なものがある。我々は、常にそこから学んだと考えるのだが、そうではない。過去にはメンサロン(政界買収工作費贈収賄事件)があったし、今回はラヴァ・ジャット作戦だ。ラヴァ・ジャット作戦の津波が引いた後、汚職が少なくなったブラジルが立ち上がってくることは間違いない。私は、汚職の規模というのは直接的に、国家が経済に介入する規模に比例していると思う。ラヴァ・ジャット作戦は非常に興味深い教訓を与えてくれる。かつては脊髄反射のように習慣化していた汚職に対し、人々は将来、手を染めるまでに2度、3度と逡巡することになるだろう。(2015年10月12日エスタード紙)
 

コラム記事【方向転換という錯覚】アフォンソ・セルソ・パストーレ

アフォンソ・セルソ・パストーレ

この度の景気後退が、これまで以上に深刻で長期になるという証拠が、毎月のように発見されては積み上げられていく。このグラフでは、GDPのピーク時の四半期を100とした場合に、1995年と1998年、2001年、2003年、2008年の景気後退がどのように推移したかを比較した。1995年と2008年のようにわずか2四半期で終了した短期の景気後退もあれば、より長期の、1998年のように5四半期に至るものもあったということ。現在の不況は2014年第2四半期に始まっており、今のところ、いつ終わるか分からない。2015年第3四半期に記録するGDPのマイナス成長は、1%以上になる模様で、様々な経済指標が第4四半期にも再びマイナス成長を記録することを示している。2015年の年末まで、ピーク時と比較した場合のGDPの累積的な落ち込みは、6パーセントポイント近くになる模様で、事実上、2008年に記録したリセッションの水準まで経済が後退する。一方、期間に目を向ければ、これは近年に経験した不況の中でも最長のものになる。

労働者党(PT)(と多数の政治家)に同情的な一部のエコノミストが主張するのとは裏腹に、ジョアキン・レヴィー財務大臣の提案した「財政調整」は、現在の不況のきっかけではない。これらの人々は、この政策がブラジルを経済成長軌道に押し上げるために放棄すべき偽りの経済政策だと主張している。だが、工業生産は既に2013年の半ばから下落していたのであり、家計消費と固定資本に対する投資など、これに続く様々な経済指標もこうした傾向を示してきた。例えば広範囲小売販売指数は、2013年第1四半期の半ばから大きく下落してきたし、同じことは資本財の生産と輸入だけでなく、建設資材の生産でも示されてきた。今回の不況は財政調整によるものではなく、むしろ、財政責任の完全な放棄を含め、連邦政府が過去数年にわたって失政を次から次へと重ねてきたからだ。

財政政策面の失敗を確認するひとつの指標が、GDPに対する負債の水準の推移だ。これは2011年末以降、13パーセントポイントも上昇した。予算外で社会経済開発銀行(BNDES)に資金を移転するのを中断し、通貨スワップを通じて中銀が外国為替市場に介入するのを制限しているにもかかわらず、GDP比70%以上に拡大しかねない負債比率の上昇を食い止めるには、GDP比3%前後のプライマリー収支黒字が必要になる。

その黒字を確保するには裁量的経費の削減だけでは不十分なため、財政調整は義務的経費の削減を組み合わせなければならないが、そのためには国会が、増税を含めた対策を承認しなければならない。

恒久的な歳出増加を抑制する改革計画には、政治的支持が得られていないどころか連邦政府の側にもそれを断行する信念すらない。結果として連邦政府は、金融取引暫定賦課金(CPMF)の再導入を国会に提案することにした。この対策は歳出のコントロールが安定するまでの「ブリッジ」だと宣伝されているが、私にはこれは、「かつて踏み込んだことのない場所に踏み出していくためのブリッジ」のように思われる。このブリッジの対岸にあるのは、2018年の選挙をルーラ大統領に有利に進めるために、政治面でいつか再び影響力を行使できるようにする何かなのだ。

対岸に至るための連邦政府のフライト計画は、歳出の拡大のどの部分に対して大統領が拒否権を維持し続けるのかを軸に、下院議員たちとの合意で落ち着きそうだ。だがそれ以上に連邦政府にとって重要なことは、時間稼ぎだ。CPMFの再導入に向けた憲法修正案の承認という夢も放置して、弾劾プロセス入りを遅らせる。クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のレートや為替相場、長期化している高金利といった資産価値への影響を考慮すれば、即座に国会と合意して対策を講じることは好ましいものだった。ドル為替相場が1ドル=4レアル以上でブラジルのCDSがロシアを上回るような状況でこれらの資産価格に大きなボラティリティーが発生して損失を被っている金融市場のプレーヤーは、それを歓迎するはずだ。だがそれらは、成長軌道に復帰し始めるどころか、国の総負債の力点が均衡し始めることすらも意味しない。

とりわけ先行きが不透明な点は、固定資本に対する投資の見通しだ。これが回復に向かうことを疑うに足る理由は、少なくとも4つ存在する。第1に、世界経済の成長ペースの鈍化に伴い、国外の情勢はブラジルに不利になっていること。第2に、家計消費の下落傾向だ。第3の理由はペトロブラスに関連したもので、同社の新たな投資の削減は、資本財業界と建設業界、造船業界に打撃を与える。

第4の理由は、投資適格を失った影響として、国内の大企業が国外から資金を調達する際のコストの上昇である。この最後の影響に疑問を持つ人がいるなら、ぜひ、ニューヨークの流通市場に上場する企業が提示するボーナス金利が急上昇しているのを手早く調査してみることだ。資本コストの重要な構成要素の値上がりで企業は、内部留保の拡大を優先し、投資をさらに削減する。

GDPが成長に向かう唯一の希望は、為替相場でドル高レアル安が一層進むことで後押しされる輸出だ。貿易収支黒字は拡大し続けており、2016年にはさらに大きな黒字が見込まれるが、これは実際には、輸出の回復ではなく輸入がより大きく落ち込むのが理由であり、輸出も引き続き減少しているのだ。名目為替相場がレアル安になるだけで輸出を後押しすることはない。輸出を後押しするには、輸出が可能な財の価格上昇が、レアル建ての単位労働コストの上昇を上回る必要がある。

だが、実質賃金の厳格な規定(2016年にもリセッションの中で最低賃金が実質上昇するのだ)により、レアル建ての単位労働コストは下落し始めておらず、不幸にも厳しい不況が、輸出する工業製品の価格にレアル安の恩恵が反映されるのを阻止(あるいは少なくとも限定的なものに)している。収入が増加するわけでもなければ、コストが下落するわけでもない中で、工業製品を輸出することで期待できる利益の見通しが変化するはずもない。

明るいニュースは、パススルーの低さがより大きなインフレ圧力の回避に役立つことだ。反対に悪いニュースは、これがまさに、輸出の後押しを妨げることだ。

このように、輸出によって景気に強く弾みがつくようようなことは、確認できないのだ。最も楽観的に想定しても、非常に長期にわたる内外価格差と大きな通貨安があって初めて、景気に対するそのような後押しが得られるということだ。政治的な支援の拡大という部分を考慮すると、経済状況が改善する見通しはさらに不透明なものになる。政治的な支援の拡大という部分を考慮すると、経済状況が改善する見通しはさらに不透明なものになる。連邦政府は、政治的影響力を持つ分野で支出を拡大できる議員を重用して大臣職を割り振った結果、財政調整で必要になる連邦政府の提案を支持する声はさらに小さくなるのだ。

不幸なことに、これは失われた信頼を取り戻す道筋をつけるようなものではない。ブラジルに必要なのはルーラ前大統領が見繕った人物を適当にジョアキン・レヴィー財務大臣のような厳格な大臣の首と挿げ替える「信頼のショック療法」だというPT内部にはびこる巨大な幻想を打ち砕くものでもない。不幸なことに、私は、現在のリセッションの終了後には、長期にわたるGDPの停滞期、あるいは低成長期が控えていると懸念している。(2015年10月11日付けエスタード紙)


 

株式会社イカイ一行が訪問

株式会社イカイ採用企画部企画二課の武富伸一郎課長、同採用企画部の服部宏巳係長、同第一事業部総務課の谷口エリアネ主任が2015年10月9日の商工会議所を訪問、応対した平田藤義事務局長とブラジルの政治経済、日本進出企業の事業展開など多岐にわたって意見交換を行った。

左から平田藤義事務局長/株式会社イカイ採用企画部の服部宏巳係長/採用企画部企画二課の武富伸一郎課長/同第一事業部総務課の谷口エリアネ主任

日ブラジル外交関係樹立120周年記念セレモニー案内で訪問

サンパウロ市議会議会学校のChristy Ganzert Pato校長、 Lara Mesquita教頭、アウレリオ・ノムラ市会議員のオリジオ・シミズ秘書が2015年10月9日に商工会議所を訪問、 応対した平田藤義事務局長に11月10日午後7時からサンパウロ市議会で開催される日ブラジル外交関係樹立120周年記念セレモニーへの会議所関係者を招待した。

左手前から平田藤義事務局長/アウレリオ・ノムラ市会議員のオリジオ・シミズ秘書/サンパウロ市議会議会学校のLara Mesquita教頭/サンパウロ市議会議会学校のChristy Ganzert Pato校長