勤続期間保障基金(FGTS)の金利変更審議を8月に延長

インフレ指数の上昇に伴って現在の政策誘導金利(Selic)が13.75%まで上昇しているにも関わらず、年末には14.5%迄達する可能性があるために、一般消費者は手数料が不要で元本保証でいつでも引出可能、最低預入金額もなく利息が付くポウパンサ預金(貯蓄口座)から金利の高い他の投資向けに預金を引き上げている。

インフレ指数の上昇に伴って実質賃金の減少並びに一般家庭の負債増加、レアル通貨に対するドル高の為替、政策誘導金利の上昇による他の投資収益率との格差拡大、クレジットの与信強化などの要因でポウパンサ預金の引き出しに拍車がかかっている。

今年上半期のポウパンサ預金収支赤字は385億レアルを計上して中銀が統計を取り始めた1995年以降では最大の赤字を計上、一般消費者のポウパンサ預金からの引出傾向を止めるためにはポウパンサ預金の金利計算変更が不可欠となっている。

現在のポウパンサ預金の金利は年利3.0%プラス参考金利(TR)となっているが、2016年1月1日からポウパンサ預金の金利は、現在のポウパン預金の年利6.17%プラス参考金利(TR)への変更が予定されている。

ポウパンサ預金の金利変更プロジェクトは、連立与党のPMDB(ブラジル民主運動党 )やDEM (民主党)の議員達が草案を作成、エドアルド・クーニャ下院議長が支持している。

ポウパンサ預金の金利変更プロジェクトでは、住宅向けクレジット金利が平均38%上昇すると連邦貯蓄金庫では予想しており、住宅販売の落ち込みに拍車がかかると予想されている。

連邦貯蓄金庫では7万5,000レアルの大衆住宅向けの月間クレジット返済額は527レアルから726レアルに上昇、9万7,000レアルの大衆住宅向けの月間クレジット返済額は762レアルから1,019レアルにそれぞれ増加する。(2015年7月8日付けエスタード紙)

 

30%の時短勤務並びにサラリーカットで雇用保護計画(PPE)を創出か

現在の経済危機に対応するためジウマ大統領の暫定令680号として創出された雇用保護計画(PPE)では、30%の時短勤務並びにサラリーカット分のうち労働者支援基金(FAT)から給与額の15%を補填、連邦政府にとっては失業手当よりも支出削減につながる。

連邦政府は国内経済の停滞の影響による自動車業界や化学業界の販売不振による生産調整や在庫調整で人員整理を余儀なくされているために、ドイツ方式の勤務時間短縮並びにサラリーカットで解雇を避ける政策を模索していた。

昨日、連邦政府はブラジル国内の製造業部門の新たな解雇を避ける政策として30%の時短勤務並びにサラリーカットで雇用保護計画(PPE)を発表、生産が大幅に減少している自動車業界並びに化学品業界にPPE計画の適用を開始する。

連邦政府は、解雇を避ける失業率対策として労働者支援基金(FAT)から給与額の15%を補填することを想定した雇用保護計画(PPE)を発表、雇用保護計画(PPE)は、ドイツをベースに企業経営者と労働組合は3年間議論を重ねて合意に達して暫定令として定められた。

この暫定令による雇用保護計画(PPE)は7月7日から有効となるにも関わらず、15日間の期間中に5省庁の代表からなる委員会での内容検討後に実際に有効となる。

この暫定令680号では、仮に雇用保護計画(PPE)で平均サラリーが2,500レアルの5万人が参加した場合を例にとると、連邦政府の支出は1億1,250万レアルで失業保険の支出よりも6,800万レアル減少する。

30%の時短勤務並びにサラリーカットは労働組合の総会で承認される必要があるが、今回の計画では、FATによる補填の上限を1,385.91レアル(失業率でFATが支払う最高額)の65%に相当する900.84レアルに設定、最高適用サラリーは6,000レアルまでとなっている。

サラリーが2,500レアルを例にとると、雇用保護計画(PPE)の適用でサラリーは2,125レアル、企業側は1,750レアル、FATは375レアルをそれぞれ補てん、補てん期間は6か月、更に6か月の延長が認められている。

雇用保護計画(PPE)の適用を受けている従業員の解雇は禁止されており、PPE適用終了後も、減給期間の3分の1にあたる期間にわたって解雇できない。連邦政府はブラジル経済が回復するまで労働者の雇用を保証する必要があると統一労組(CUT)の傘下のABC金属労組のラファエル・マルケス組合長は説明している。

暫定令680号が承認された後、メーカーと労組が一丸となって恒久的に法律を改定されるように国会に圧力をかけ、この経済危機の脱出するための根本的な法令であると全国自動車工業会(Anfavea)のルイス・モアン会長は強調している。

今年の自動車業界はすでに7,600人を解雇、6月は1,300人を解雇、過去12か月間では1万4,500人を解雇しており、また自動車業界では総従業員の27%に相当する集団休暇、レイオフなどで3万6,900人が職場を離れて待機している状態が続いている。

現在のレイオフの機能

-最長5か月間にわたる労働契約の停止であるが、延長が可能

-従業員は5か月間にわたって労働者支援基金(FAT)から失業保険に相当する金額を受け取る。

雇用保護計画(PPE)による変更

-従業員は30%の時短勤務で雇用契約を継続

-従業員はサラリーの85%を受給、企業側はそのうち70%、労働者支援基金(FAT)の15%を支給

-企業側が勤続期間保障基金(FGTS)並びに社会保障院(INSS)の納付金の義務の継続

‐免税を超える収入の従業員は継続して所得税の支払い義務

‐30%の時短勤務並びにサラリーカットは労働組合での総会での承認が必要

(2015年7月7日付けヴァロール紙)

【連邦政府が労働時間と賃金の30%削減を想定する対策を検討】 2015/06/18

連邦政府は、失業率対策として、労働者支援基金(FAT)から給与額の15%を補填することを想定した雇用対策をまとめた。

工業部門などを中心に解雇の動きが拡大していることで、連邦政府の専門部会は、労働者の労働時間と給与を縮小することを中心とした雇用対策を6月末 までにまとめる。エスタード紙が入手した構想では、労働時間の短縮規模は30%で、同じ比率で給与も削減する。ただし労働者に対しては、労働者支援基金 (FAT)から給与額の15%を補填する。

このため、雇用者にとっては、30%のコスト削減効果が得られる。他方、労働者にとっては、失業保険と一時金の支払いに資金を充てるFATから15%補填されるため、賃金そのものは15%減となる。

雇用保護計画(PPE: Plano de Proteção ao Emprego)と名付けられたこの提案に対して、連邦政府関係者、とりわけ経済スタッフの反応は好意的という。この提案に関する議論は、大統領府執務室 官房室が労働省の技術支援を受けて推進している。失業率は4月に過去4年で最高水準まで上昇しており、連邦政府はこの対策を、失業率の上昇を阻止する切り札と位置付けている。なお、大企業は連邦政府に対して、50%の削減(給与はFATが25%を補填)するよう要請している。

ドイツの事例

一連の討論のきっかけは、3年前、当時のABC金属労組が連邦政府に具申したことに始まる。連邦政府と労組の代表者らがこの問題について知見を広げるため、ドイツを訪問している。

ドイツでは、労使が、特定の条件と期間を設けて労使が労働時間と給与の引き下げで合意し、不況下での倒産あるいは解雇の回避を図っている。この制度は2008年の経済危機対策として広く活用されたが、実際には、60年代から80年代に、既に活用されてきた。

労働時間の短縮と給与の削減を導入するには、労使の合意が必要である。このような場合を除けば、憲法では労働者の権利のはく奪は認められていない。 また今回の計画では、FATによる補填の上限を1,385.91レアル(失業率でFATが支払う最高額)とする。この他には、引き下げられた労働者の給与 が最低賃金(788レアル)を下回ってはならない。

レイオフ

雇用者と労働者、連邦政府の間には、とりわけ自動車業界を中心に、失業の拡大を回避する制度が重要であるという一致した見解がある。現在、自動車生 産台数が落ち込んだ結果、レイオフあるいは集団休暇、有給休暇の対象になっている労働者は約2万5,000人にも達している。自動車業界は、直接・間接を 合わせて150万人の雇用を生み出している。

レイオフの対象となった場合、雇用契約は5か月にわたって停止するが、さらに延長することもあり得る。この間、従業員は5か月にわたって失業保険を受け取る。連邦政府が計画しているPPEでは、労働者は引き続き雇用関係を維持し、これに関連した税金や年金、賦課金の納付も継続される。

連邦政府にとっては、税収が見込める上に失業保険の支出を抑えることができ、労働者の給与の一部を補填する以上のアドバンテージがある。

国会への圧力

労働法の弾力的な適用について連邦政府は、即効性のある暫定令(MP)を通じて実施する方針だ。全国自動車工業会(Anfavea)のルイス・モアン会長は、MPが承認され、その後、恒久的に法律を改定するよう、メーカーと労組が一丸となって国会に圧力をかけると話す。

統一労組(CUT)の傘下にある全国金属労組連合会のパウロ・カイレス委員長も、「労働者の尊厳を傷つける解雇を回避するための、予防的措置だ」と指摘する。同委員長はさらに、「火災を消し止める消防士の救援活動のようなタイプの対策だ。現在のような、工業部門が火だるまになっている状況にだけは有 効だ」と付け加えた。同連合会は、国内の業界労組85団体で構成される。組合員数は約100万人だ。ロルサ・シンジカルのミゲル・トーレス委員長も、整理解雇を実施した企業が勤続期間保障基金(FGTS)に対して支払う10%の罰金のような資金を補填の資金源にするよう求めてはいるが、この対策を支持する。同委員長によると、FGTSの罰金を原資にするなら、厳しい不況に見舞われている中で、年間30億レアルの資金が確保できるという。

中央労組としては国内で3番目の規模を持つUGTのリカルド・パタ委員長は、連邦政府の対策について、自動車業界の大量解雇の影響が国内のGDPに 70%の比重を持つ商業とサービス業に波及するのを避けるものと受け止めているとコメントした。(2015年6月18日付けエスタード紙)

(特別記事)ブラジルがドイツの労使契約モデルに注目 2012/11/14

ブラジルとドイツが、労働基準を共同で制定することで合意した。ドイツ労使契約モデルは労使間の直接交渉の幅が広く、ブラジル政府はドイツを基準に策定する方向。
ブラジル政府とドイツ政府は、労働契約モデルを共同で策定することで合意した。ABC地区金属労組のセルジオ・ノブレ委員長が明らかにした。同委員長は9月末、政府と労組の代表からなる訪問団に参加し、ドイツを訪れていた。
大統領府は、ドイツにおける労使関係のモデルを、ブラジルに導入可能か検討している。このモデルにより、企業と労働者は統合労働法(CLT)のグレーゾーン で合意することが可能となり、1943年当時のゼツリオ・バルガス大統領により制定された厳格な規定のCLTに従う必要がなくなる。
訪問団は、ドイツ企業が採用している規定をそのままブラジルに適用することができないが、調整の上適用することは可能、という結論を下した。 この調整作業が、両国の政府と組合、財界の3つのレイヤーの代表から組織される作業部会の目的となる。 ドイツは、この種の協力関係を日本とのみ構築している。
大統領府官房室における検討作業で提案を行ったノブレ委員長は、「ブラジルは、憲 法上も経済上も、労使関係を近代化させる必要がある潮時に来た」とコメント。 同委員長によると、連邦政府は、作業部会における労組代表者による組織、企業内労働組合委員会(CSE)の設立に理解を示し、奨励しているという。
ノブレ委員長のもう1つの提案は、その他の中央労組と共同で提出されたものであるが、不況時に労働市場を支援するための、ファンドの設立である。
「ドイツでは2008年から2009年の国際金融危機に伴う最悪の事態を乗り切るために救急ファンドが実施され、それ以来、輸出競争力を失わずに乗り切っている」とノブレ委員長。
同委員長とその他の中央労組が提案するファンドは、雇用者が被雇用者を不当解雇した場合などに支払われる勤続年限保障基金(FGTS)の罰金の内10%を原資に充てるというもの。
労働時間の短縮。ノブレ委員長によると、この基金は、経済危機を乗り越えるために労使が時短で合意した場合の手取りの減少により発生するコスト補填のため利用される。
「経済危機の初期段階のわずか15日間に限定し、従業員を大量に解雇する代わりに、当該企業の労組代表者らとの合意があれば、時短が適用された労働時間に相当する賃金のみを支払い、基金から、本給の60%を上限に不足分を支援し、また、研修なども実施する」という。
組合側の主張は、労働者支援基金(FAT)から年間230億レアルを費やす失業保険という政府の考えを改めること。 ノブレ委員長は、新しいファンドは「失業保険」のように機能し、雇用削減の代替政策として機能すると説明。
ABC金属労組が提案するCSEは、ABCパウリスタ地区の自動車メーカー内にのみ存在し、交渉の継続性と労使の合意の合法化に責任を負う。
CSEが経済危機下においてこれを緊急に克服するための新たにファンドに加盟する企業との合意に責任をもつことになる。
このような一連の改革についてジウマ政権は肯定的な認識を示すものの、ノブレ委員長は、「労働市場における従業員の離職率のドラスチックな低下があった場合にのみ前進」すると忠告した。
「ドイツでは、労組代表が解雇による人員の入れ替えを回避している。 ブラジル企業においても、労組が代表を置く場合は離職率が低い。業界ごとに個別に、容認できる離職率の水準について見極め、より進んだ企業に対しては恩典を与え、離職率の高い企業に対しては処罰するよう行っていく必要がある」とコメントした。(2012年11月12日付けエスタード紙)

【雇用保護(PPE)関連記事】30%の時短勤務並びにサラリーカットで雇用保護計画(PPE)を創出か

現在の経済危機に対応するためジウマ大統領の暫定令680号として創出された雇用保護計画(PPE)では、30%の時短勤務並びにサラリーカット分のうち労働者支援基金(FAT)から給与額の15%を補填、連邦政府にとっては失業手当よりも支出削減につながる。

連邦政府は国内経済の停滞の影響による自動車業界や化学業界の販売不振による生産調整や在庫調整で人員整理を余儀なくされているために、ドイツ方式の勤務時間短縮並びにサラリーカットで解雇を避ける政策を模索していた。

昨日、連邦政府はブラジル国内の製造業部門の新たな解雇を避ける政策として30%の時短勤務並びにサラリーカットで雇用保護計画(PPE)を発表、生産が大幅に減少している自動車業界並びに化学品業界にPPE計画の適用を開始する。

連邦政府は、解雇を避ける失業率対策として労働者支援基金(FAT)から給与額の15%を補填することを想定した雇用保護計画(PPE)を発表、雇用保護計画(PPE)は、ドイツをベースに企業経営者と労働組合は3年間議論を重ねて合意に達して暫定令として定められた。

この暫定令による雇用保護計画(PPE)は7月7日から有効となるにも関わらず、15日間の期間中に5省庁の代表からなる委員会での内容検討後に実際に有効となる。

この暫定令680号では、仮に雇用保護計画(PPE)で平均サラリーが2,500レアルの5万人が参加した場合を例にとると、連邦政府の支出は1億1,250万レアルで失業保険の支出よりも6,800万レアル減少する。

30%の時短勤務並びにサラリーカットは労働組合の総会で承認される必要があるが、今 回の計画では、FATによる補填の上限を1,385.91レアル(失業率でFATが支払う最高額)の65%に相当する900.84レアルに設定、最高適用 サラリーは6,000レアルまでとなっている。

サラリーが2,500レアルを例にとると、雇用保護計画(PPE)の適用でサラリーは2,125レアル、企業側は1,750レアル、FATは375レアルをそれぞれ補てん、補てん期間は6か月、更に6か月の延長が認められている。

雇用保護計画(PPE)の適用を受けている従業員の解雇は禁止されており、PPE適用 終了後も、減給期間の3分の1にあたる期間にわたって解雇できない。連邦政府はブラジル経済が回復するまで労働者の雇用を保証する必要があると統一労組 (CUT)の傘下のABC金属労組のラファエル・マルケス組合長は説明している。

暫定令680号が承認された後、メーカーと労組が一丸となって恒久的に法律を改定されるように国会に圧力をかけ、この経済危機の脱出するための根本的な法令であると全国自動車工業会(Anfavea)のルイス・モアン会長は強調している。
今年の自動車業界はすでに7,600人を解雇、6月は1,300人を解雇、過去12か月間では1万4,500人を解雇しており、また自動車業界では総従業員の27%に相当する集団休暇、レイオフなどで3万6,900人が職場を離れて待機している状態が続いている。

現在のレイオフの機能
-最長5か月間にわたる労働契約の停止であるが、延長が可能
-従業員は5か月間にわたって労働者支援基金(FAT)から失業保険に相当する金額を受け取る。
雇用保護計画(PPE)による変更
-従業員は30%の時短勤務で雇用契約を継続
-従業員はサラリーの85%を受給、企業側はそのうち70%、労働者支援基金(FAT)の15%を支給
-企業側が勤続期間保障基金(FGTS)並びに社会保障院(INSS)の納付金の義務の継続
‐免税を超える収入の従業員は継続して所得税の支払い義務
‐30%の時短勤務並びにサラリーカットは労働組合での総会での承認が必要
(2015年7月7日付けヴァロール紙)

【連邦政府が労働時間と賃金の30%削減を想定する対策を検討】 2015/06/18

連邦政府は、失業率対策として、労働者支援基金(FAT)から給与額の15%を補填することを想定した雇用対策をまとめた。

工業部門などを中心に解雇の動きが拡大していることで、連邦政府の専門部会は、労働者 の労働時間と給与を縮小することを中心とした雇用対策を6月末 までにまとめる。エスタード紙が入手した構想では、労働時間の短縮規模は30%で、同じ比率で給与も削減する。ただし労働者に対しては、労働者支援基金 (FAT)から給与額の15%を補填する。

このため、雇用者にとっては、30%のコスト削減効果が得られる。他方、労働者にとっては、失業保険と一時金の支払いに資金を充てるFATから15%補填されるため、賃金そのものは15%減となる。

雇用保護計画(PPE: Plano de Proteção ao Emprego)と名付けられたこの提案に対して、連邦政府関係者、とりわけ経済スタッフの反応は好意的という。この提案に関する議論は、大統領府執務室 官房室が労働省の技術支援を受けて推進している。失業率は4月に過去4年で最高水準まで上昇しており、連邦政府はこの対策を、失業率の上昇を阻止する切り 札と位置付けている。なお、大企業は連邦政府に対して、50%の削減(給与はFATが25%を補填)するよう要請している。

ドイツの事例

一連の討論のきっかけは、3年前、当時のABC金属労組が連邦政府に具申したことに始まる。連邦政府と労組の代表者らがこの問題について知見を広げるため、ドイツを訪問している。
ドイツでは、労使が、特定の条件と期間を設けて労使が労働時間と給与の引き下げで合意し、不況下での倒産あるいは解雇の回避を図っている。この制度は2008年の経済危機対策として広く活用されたが、実際には、60年代から80年代に、既に活用されてきた。
労働時間の短縮と給与の削減を導入するには、労使の合意が必要である。このような場合 を除けば、憲法では労働者の権利のはく奪は認められていない。 また今回の計画では、FATによる補填の上限を1,385.91レアル(失業率でFATが支払う最高額)とする。この他には、引き下げられた労働者の給与 が最低賃金(788レアル)を下回ってはならない。

レイオフ

雇用者と労働者、連邦政府の間には、とりわけ自動車業界を中心に、失業の拡大を回避す る制度が重要であるという一致した見解がある。現在、自動車生 産台数が落ち込んだ結果、レイオフあるいは集団休暇、有給休暇の対象になっている労働者は約2万5,000人にも達している。自動車業界は、直接・間接を 合わせて150万人の雇用を生み出している。

レイオフの対象となった場合、雇用契約は5か月にわたって停止するが、さらに延長する こともあり得る。この間、従業員は5か月にわたって失業保険を受け取る。連邦政府が計画しているPPEでは、労働者は引き続き雇用関係を維持し、これに関 連した税金や年金、賦課金の納付も継続される。

連邦政府にとっては、税収が見込める上に失業保険の支出を抑えることができ、労働者の給与の一部を補填する以上のアドバンテージがある。

国会への圧力

労働法の弾力的な適用について連邦政府は、即効性のある暫定令(MP)を通じて実施する方針だ。全国自動車工業会(Anfavea)のルイス・モアン会長は、MPが承認され、その後、恒久的に法律を改定するよう、メーカーと労組が一丸となって国会に圧力をかけると話す。

統一労組(CUT)の傘下にある全国金属労組連合会のパウロ・カイレス委員長も、「労 働者の尊厳を傷つける解雇を回避するための、予防的措置だ」と指摘する。同委員長はさらに、「火災を消し止める消防士の救援活動のようなタイプの対策だ。 現在のような、工業部門が火だるまになっている状況にだけは有 効だ」と付け加えた。同連合会は、国内の業界労組85団体で構成される。組合員数は約100万人だ。ロルサ・シンジカルのミゲル・トーレス委員長も、整理 解雇を実施した企業が勤続期間保障基金(FGTS)に対して支払う10%の罰金のような資金を補填の資金源にするよう求めてはいるが、この対策を支持す る。同委員長によると、FGTSの罰金を原資にするなら、厳しい不況に見舞われている中で、年間30億レアルの資金が確保できるという。

中央労組としては国内で3番目の規模を持つUGTのリカルド・パタ委員長は、連邦政府 の対策について、自動車業界の大量解雇の影響が国内のGDPに 70%の比重を持つ商業とサービス業に波及するのを避けるものと受け止めているとコメントした。(2015年6月18日付けエスタード紙)

特別記事【ブラジルがドイツの労使契約モデルに注目】2012/11/14

ブラジルとドイツが、労働基準を共同で制定することで合意した。ドイツ労使契約モデルは労使間の直接交渉の幅が広く、ブラジル政府はドイツを基準に策定する方向。
ブラジル政府とドイツ政府は、労働契約モデルを共同で策定することで合意した。ABC地区金属労組のセルジオ・ノブレ委員長が明らかにした。同委員長は9月末、政府と労組の代表からなる訪問団に参加し、ドイツを訪れていた。

大統領府は、ドイツにおける労使関係のモデルを、ブラジルに導入可能か検討している。このモデルにより、企業と労働者は統合労働法(CLT)のグレーゾー ン で合意することが可能となり、1943年当時のゼツリオ・バルガス大統領により制定された厳格な規定のCLTに従う必要がなくなる。

訪問団は、ドイツ企業が採用している規定をそのままブラジルに適用することができないが、調整の上適用することは可能、という結論を下した。 この調整作業が、両国の政府と組合、財界の3つのレイヤーの代表から組織される作業部会の目的となる。 ドイツは、この種の協力関係を日本とのみ構築している。

大統領府官房室における検討作業で提案を行ったノブレ委員長は、「ブラジルは、憲 法上も経済上も、労使関係を近代化させる必要がある潮時に来た」とコメント。 同委員長によると、連邦政府は、作業部会における労組代表者による組織、企業内労働組合委員会(CSE)の設立に理解を示し、奨励しているという。

ノブレ委員長のもう1つの提案は、その他の中央労組と共同で提出されたものであるが、不況時に労働市場を支援するための、ファンドの設立である。

「ドイツでは2008年から2009年の国際金融危機に伴う最悪の事態を乗り切るために救急ファンドが実施され、それ以来、輸出競争力を失わずに乗り切っている」とノブレ委員長。

同委員長とその他の中央労組が提案するファンドは、雇用者が被雇用者を不当解雇した場合などに支払われる勤続年限保障基金(FGTS)の罰金の内10%を原資に充てるというもの。

労働時間の短縮。ノブレ委員長によると、この基金は、経済危機を乗り越えるために労使が時短で合意した場合の手取りの減少により発生するコスト補填のため利用される。

「経済危機の初期段階のわずか15日間に限定し、従業員を大量に解雇する代わりに、当該企業の労組代表者らとの合意があれば、時短が適用された労働時間に相当する賃金のみを支払い、基金から、本給の60%を上限に不足分を支援し、また、研修なども実施する」という。

組合側の主張は、労働者支援基金(FAT)から年間230億レアルを費やす失業保険という政府の考えを改めること。 ノブレ委員長は、新しいファンドは「失業保険」のように機能し、雇用削減の代替政策として機能すると説明。

ABC金属労組が提案するCSEは、ABCパウリスタ地区の自動車メーカー内にのみ存在し、交渉の継続性と労使の合意の合法化に責任を負う。

CSEが経済危機下においてこれを緊急に克服するための新たにファンドに加盟する企業との合意に責任をもつことになる。

このような一連の改革についてジウマ政権は肯定的な認識を示すものの、ノブレ委員長は、「労働市場における従業員の離職率のドラスチックな低下があった場合にのみ前進」すると忠告した。

「ドイツでは、労組代表が解雇による人員の入れ替えを回避している。 ブラジル企業においても、労組が代表を置く場合は離職率が低い。業界ごとに個別に、容認できる離職率の水準について見極め、より進んだ企業に対しては恩典 を与え、離職率の高い企業に対しては処罰するよう行っていく必要がある」とコメントした。(2012年11月12日付けエスタード紙)

政策対話委員会に8人が参加して開催

政策対話委員会(松永愛一郎委員長)は2015年7月7日午後4時から5時過ぎまで8人が参加して開催、9月上旬に開催が予定されている貿易投資促進委員会においてAGIRの活動をどのように盛り込んでいくか等について幅広く意見交換が行なわれた。AGIRの48項目全ての提言となると多岐に渡っており、優先項目の選別作業、日本本省との調整、またブラジル政府とのワーキンググループの設置要請についての議論が行なわれた。項目の絞り込み作業では、CNIと共通する項目や今までの5つのワーキンググループで議論されてきた優先項目等を考慮しながら作成していくことが合意された。また今後の政策対話委員会の取り組み方やスケジュール調整などについても協議され、7月17日開催の常任理事会で報告することにしている。

参加者は村田会頭、松永委員長、櫻井副委員長、大塚委員、平田事務局長、天谷アドバイザー、吉田調査員、大角編集担当

 

 

 

KANEMATSU社人事総務部人事企画課の塚本達雄氏が訪問

KANEMATSU社人事総務部人事企画課の塚本達雄氏並びにKANEMATSU AMERICA DO SUL社の佐子隆広社長が2015年7月7日に商工会議所を訪問、応対した平田藤義事務局長にブラジルにおけるヒューマンリソース調査について説明した。

左から平田藤義事務局長/KANEMATSU社人事総務部人事企画課の塚本達雄氏/KANEMATSU AMERICA DO SUL社の佐子隆広社長

今年上半期のポウパンサ預金収支赤字は385億レアル

元本保証でいつでも引出可能、最低預入金額もなく利息が付く6月のポウパンサ預金(貯蓄口座)の預金額から引き出し額を差し引いたポウパンサ預金収支は62億6100万レアルの赤字を計上している。

インフレ指数の上昇に伴って実質賃金の減少、一般家庭の負債増加、レアル通貨に対するドル高の為替、政策誘導金利の上昇による他の投資収益率との格差拡大、クレジットの与信強化などの要因でポウパンサ預金の引き出しに拍車がかかっている。

今年1月のポウパンサ預金(貯蓄口座)の預金額から引き出し額を差し引いたポウパンサ預金収支は55億レアル、2月は63億レアル、3月は114億レアル、4月は58億レアル、5月は32億レアルとそれぞれ赤字を計上している。

今年上半期のポウパンサ預金収支赤字は385億レアルを計上して中銀が統計を取り始めた1995年以降では最大の赤字を計上しており、今後の政策誘導金利の上昇に伴って更に赤字が拡大すると予想されている。

6月のポウパンサ預金への積立総額は1,628億レアル、引出総額は1,691億レアル、ポウパンサ預金残高は6,465億レアルまで減少してきているために、住宅購入向けクレジット縮小が余儀なくされている。

ポウパンサ預金の65%は商業銀行による住宅購入向けクレジットに割り当てられており、そのうち連邦貯蓄金庫が住宅クレジットの70%を占めているが、ポウパンサ預金の減少並びに政策誘導金利の上昇、与信強化などでクレジットが縮小してきている。

住宅向けクレジットは購入金額の80%から50%にカット、特に高級住宅向けクレジットは70%から40%にカット、また中古住宅購入向けクレジット限度額は75万レアルまで下げられている。(2015年7月7日付けエスタード紙)

 

フォーカスレポートでは今年のインフレ指数を9.04%に上方修正

中銀の最終フォーカスレポートによると、今年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は9.04%、2016年のIPCA指数は5.45%にそれぞれ修正、今年から来年にかけてインフレ指数は3.59%下落すると予想して、過去20年間では最大のインフレ指数低下を記録すると予想している。

ハイパーインフレに悩まされてきたブラジルは、物価安定化政策「レアルプラン」を導入し、1994年7月に市中の通貨をすべて米ドルにリンクした新通貨に切り替えた効果でハイパーインフレは収束した経緯があった。

1996年のIPCA指数は9.56%、翌年の1997年のIPCA指数は5.22%を記録して1年間でIPCA指数は4.34%低下、当時は連邦政府による目標インフレ指数の設定はなく、また1999年1月の変動相場制へ移行するまでは固定相場制を採用していた。

中銀のフォーカスレポートでは、過去12回連続で今年のIPCA指数は上方修正され、前回予想のIPCA指数は9.00%を上回ったが、最終フォーカスレポートでは大幅な電力料金やガソリン価格の公共料金の値上げ、上昇一途のレアル通貨に対するドルの為替、年利が14.0%を突破すると予想されている政策誘導金利(Selic)などの要因で、今年のIPCA指数は9.04%に上方修正されている。

2016年のIPCA指数は過去6回連続で5.5%に据え置かれていたが、昨日発表された2016年のIPCA指数は5.45%に下方修正、また今年9月の政策誘導金利(Selic)は14.50%に達すると予想されており、2016年3月まで14.50%を維持すると予想されている。

今年の公共料金の平均値上げ幅は14.9%、2016年は5.96%まで減少すると予想、また今年のGDP伸び率はマイナス1.5%、2016年のGDP伸び率は0.5%増加すると予想されている。(2015年7月7日付けエスタード紙)

 

2015年のブラジル医薬品業界の売り上げは1,320億レアルを予想

過去数年間のブラジル医薬品業界の売り上げは、一般消費者の収入増加による医薬品の売り上げ増加、民間健康保険プランの拡大、健康志向などの影響で拡大の一途をたどっている。

2014年の医薬品の小売業界やメーカー、卸売業者などによるブラジル医薬品業界の全体の売り上げは1,250億7,000万レアル、今年のインフレ指数を差し引かない名目売り上げは前年比5.7%増加の1,321億5,000万レアルが予想されている。

昨年の医薬品メーカーの売り上げは476億5,000万レアル、今年は501億8,000万レアル、前期同様にドラッグストアーやスーパーなどの小売業界の売り上げは508億3,000万レアル、541億8,000万レアル、卸売業者の売り上げは265億9,000万レアル、277億9,000万レアルがそれぞれ予想されている。

昨年の連邦政府や地方政府(州・市)へのブラジル医薬品業界の売り上げは115億8,000万レアル、そのうち連邦政府は全体の63.39%に相当する73億4,000万レアル、州政府は30.31%の35億1,000万レアル、市役所は6.3%の7億3,000万レアルとなっている。

2010年のジェネリック医薬品のマーケットシェアは全体の17%を占めていたが、2014年のマーケットシェアは24%まで拡大しているために、各医薬品メーカーの収益率が悪化してきている。

2014年のドラッグストアーやスーパーなどの小売業界の売り上げは508億3,000万レアル、今年は541億8,000万レアルが予想されているが、特に貧困層向け補助政策や製造業部門の投資拡大による一般消費の増加に伴って北東部地域並びに中西部地域でのドラッグストアー網が拡大してきている。(2015年7月6日付けヴァロール紙)

ペトロブラスは3年半で負債削減のために580億ドルの自社資産放出

ペトロブラス石油公社は、2015年~2019年の投資5か年計画の予算を前回よりも更に41%カットして1,303億ドルまで削減、また2018年末までに投資向け資金調達並びに負債削減のために580億ドルの自社資産放出並びに大幅なコスト削減を図る。

またペトロブラス石油公社は2016年末までに151億ドルに達する自社資産放出を実施、埋蔵量が豊富で開発コストが比較的低い陸上鉱区や岩塩層下(プレソルト)原油開発鉱区を除く、開発コスト負担の大きな鉱区を優先的に放出して資金調達をする。

ペトロブラスはBTG パクツアル銀行と共同出資しているアフリカ諸国の資産放出、南米地域の燃料配給網、アルゼンチンのペトロブラス・エネルジア社やバイア・ブランカ製油所、ペトロブラスのアルゼンチンYPF社などもオファー次第では放出する計画を立てている。

ナフサを供給してペトロブラスが資本参加しているブラスケン社の株式の一部放出、またペトロブラスはプレソルトを中心とした投資金調達のために石油配給事業のBR Distribuidora社の新規株式公開(IPO)などを実施して資金調達を図る。

2004年に国内の原油精製のために建設が開始されたリオ石油製油所コンビナート(Comperj)では、プレソルトで生産される天然ガスの精製向けに10億ドル以上の大型投資を発表しており、すでに外資系企業を中心に3社から資本参加の申し込みがある。(2015年7月6日付けヴァロール紙)