医療経済研究・社会保険福祉協会 医療経済研究機構一行が訪問

日本における社会保険制度および医療経済・医療政策に関する研究を促進することを目的とした一般財団法人 医療経済研究・社会保険福祉協会 医療経済研究機構企画調査部の筆坂哲人企画推進担当部長、同井上通康企画推進担当部長、同機構の玉川淳研究主幹、ジェトロ・ニューヨーク事務所の岸本堅太郎取締役、サンパウロ総領事館の坪井俊宣領事が2013年6月11日に商工会議所を訪問、応対した平田藤義事務局長とブラジル経済情勢一般と日本進出企業の動向について意見交換を行った。

左から通訳のヨシコ・オヤマ女史/医療経済研究・社会保険福祉協会 医療経済研究機構の玉川淳研究主幹/筆坂哲人企画推進担当部長/同井上通康企画推進担当部長/サンパウロ総領事館の坪井俊宣領事/ジェトロ・ニューヨーク事務所の岸本堅太郎取締役/平田藤義事務局長

【意外・法外な物価-ブラジル】Carta Capital 誌掲載

“Brasil, caro pra chuchu” por Luiz Antonio Cintra. Colaboraram: Pedro Henrique França e Samantha Maia

マイホームから美容院まで、ブラジル国内の物価は法外な水準に達している。それは、ごく一部の高所得層の消費を前提にした経済構造の帰結だ

診察料600レアル、200平米のマンションが400万レアル、法外な価格のレストランなど、レアル高と相まって、ブラジル・コストが急上昇している。

ブラジルは、狂気の共同幻想に冒されているかのようだ。不動産の購入に始まり、レストランでの外食、家具の購入、自動車の購入、散髪、ネイルケア、配線交換のための電気技師の出張…。あらゆる所得層にとって、製品を消費したりサービスを受けたりすることは、世界で最も高価であるか、さもなければ世界でもトップレベルの高コストのグループに間違いなく入っている。疑わしい? では、幾つかの例を紹介しよう。

リオデジャネイロ市とサンパウロ市、北東部諸州の州都では、200平米のマンションが400万レアルで販売されているのを目にすることができる。その中でも、国内における不動産価格高騰の震源地、リオデジャネイロ市の場合には、超高級物件で3,000万レアルというものもある。岩塩層下(プレソルト)での石油開発に投資を呼び込んでいるのに加えて、サッカー・ワールドカップ開催の前年、そしてオリンピック開催へと向かう中で、リオデジャネイロ市内には、地域の土地が極めて狭いことが原因で「価格上昇のパフォーマンス」が大きなレブロン区のように、1平米あたりの単価が国内で最も高額な地域が存在する(同区は住民4万6,000人に対して215ヘクタール、住宅は2万2,000戸しかない)。

診察料は、600レアルかそれ以上。レストランも値上がりが激しく、ブラジル地理統計院(IBGE)の統計によると過去10年で140%値上がりしており、とりわけ一等地にある(ただし、それがより優れた料理であることを常に意味するものではない)ものは、値上がりがいっそう著しい。6歳あるいは7歳の子供の学校の月謝は、1,000レアル以上だ。

サンパウロ市内の専門店で、アップルのマックブック・プロ(15インチ・メモリ4GB)は、8,000レアルで販売されている。同じモデルが、ニューヨークには3,900レアル相当で販売されている。この差額で閑散期の航空チケットが購入できるため、ブラジル人の一部にとってマイアミへの買い出しが習慣化する理由になっている。

電気電子製品とアパレル、家庭用品に対する支出の拡大が、ブラジル人による国外でのクレジットカードの利用額が急増した理由だ。中央銀行によると4月には、1969年以降で最高額となる、21億ドルを計上した。国外で観光客は、ブラジルなら800レアルで販売されているディーゼルのズボン(ジーンズ)が360レアル相当で販売されているのに出会うのだ。

乗用車も過去2年にわたり価格が安定しているとはいえ、同様の傾向を歩んでいる。一般的に言って、ブラジル国内の販売価格はアメリカの小売価格の2倍である。ニューヨークでポルシェ・カレラを購入してサンパウロで売却することは、依然、魅力のあるビジネスである。コンバーチブルのニューヨーク市内の販売価格は、12万ドル。だがここでは65万レアルだ。

エンブラツールが実施した最新調査では、リオデジャネイロ市内のホテルの宿泊費は、世界の主要都市の中でも高額で、マイアミとプンタカナに次ぐ第3位と、ニューヨークとパリを上回る水準だった。リスボンで提供される1杯のコーヒーの価格は、サンパウロ市内のそれを上回るのだが、どちらのコーヒーもミナス・ジェライス州で生産されたコーヒー豆を使用しているのだ。

こうした歪みは、公式指数で統計に表れてきた物価の恒常的な上昇といった、物価が統制できていないことが原因と言えるものではない。同様に、納税メーターの集計グループが執心しているような税負担でこの問題を説明することもできない。この現象には、様々な原因がある。ブラジル・コストはそうした原因の1つだが、それが全てでもない。

ヨーロッパとアメリカが「バーゲン期」にあるため、国際比較は成熟経済が抱える事情による偏向を受ける。しかも、ブラジルの経済的見通しに関する熱狂的なムードが、環境を悪化させた。すなわち、所得の上昇が消費を拡大させ、物価の上昇を促したのだ。この場合、あらゆる部分で、価格の再調整が行われる。利益率が拡大できる場合には、とことんまで確保しようとする。

ジュリオ・セルジオ・ゴメス・デ・アルメイダ氏とルイス・ゴンザガ・ベルーゾ氏が説明するように、過去20年の経済政策は、悲惨な結果を出した誤りの連続と深刻化の歴史だった。レアル高は国内工業を弱体化させ、生産チェーンを破壊し、国際経済システムにおける生産分野でブラジルが占めるポジションを拡大するのを妨げた。両氏は、「ブラジルは、1990年代を過ぎてなお2000年代に入ってすら産業構造を退化させた。つまり、世界の製造業の発展と差別化と歩調を合わせることなく、化石化した生産チェーンとのリンクを継続した」と指摘する。

サンパウロ州工業連盟(Fiesp)市場競争部会のジョゼー・リカルド・ロリス・コエーリョ部会長は、状況を次のように要約する。

「9年前から我が国はインフレ以上に所得を拡大させており、しかも、信用供与が大きく拡大し、これらがサービスと財に向かった。サービスの場合、輸入できないことで事態が悪化した。状況は限界に達しており、短期的に状況が改善する見通しは立っていない」。Fiespがブラジルの工業生産コストを主要貿易パートナー15か国と比較したところ、ブラジル国内で生産した場合は平均32%割高という結果が出た。中国国内で本を印刷する場合、ブラジルの印刷所で印刷するよりも50%割安で、中にはブラジルの印刷コストのわずか35%で済むケースもあった。しかもこのコストには、ブラジルの港湾まで輸送する運賃も含まれるのだ。

「ブラジルの物価高」は、生活コストの高い他国から来た人をも驚かす。フランス人のポーリーン・デュイッテ氏が2005年に交換留学生として初めてブラジルを訪問した時、「現在ほどの状況になかった」と言う。当時、彼女は、フランスに帰国する前に、フォルタレーザ市とリオデジャネイロ市、さらにアルゼンチンで暮らした。サステナビリティーに関する修士号を取得した後、専門を生かしたチャンスを求めて帰国することを決意する。2010年代に入って、ブラジルの潮流が変化してから、舞い戻った。「最初のブラジル生活で私は、学生として月額500ユーロを受け取っており、それで十分に暮らすことができました。ところが再度ブラジルへ戻った2011年、あらゆるものが、大幅に値上がりしてきたのです」と、現在プロジェクト・マネージャーの彼女は言う。

ブラジル人技術者と結婚した彼女は、2人がマイホームをグロリア区に購入する以前、コパカバーナ区で不動産を借りており、その家賃は最初2,600レアルだったものが3,500レアルに跳ね上がった。マイホームはこの1年強で、63%も値上がりして100万レアルの上限を突破した。

ブラジルの国民の半数が住む各地の大都市圏の大部分で不動産ブームが頂点になったのが2011年だと位置付ける専門家によると、フランス人のポーリーン氏は、まさに台風が吹き荒れる中に飛び込んだようなものだった。この問題の専門家で経済調査研究所の研究者、エコノミストのエドゥアルド・ジルベルシュタイン氏は、不動産価格の値上がりがピークに達したのは、2011年5月だと指摘する。リオデジャネイロ市における1平米あたりの不動産価格は、当時、過去12か月に累積44%の値上がりを記録した。不動産価格は依然として値上がりしているが、その値上がり率は緩やかになっており、2013年4月には、前年同月比14%の値上がり。

リオデジャネイロ市周辺で最も値上がりの激しかったフアン・レス・ピンス・ビルとカプ・フェラ・ビルでは、アレシャンドレ・アシオリ氏のような実業家が、1平米あたり5万5,000レアルに達する価格で不動産を入手した。「別のコンドミニアムでこの価格帯のものが既に存在する」と、クリスティーズのアフィリエイト会社で最高級不動産会社を専門とする不動産会社ジュディセ&アラウージョのフレデリコ・ジュディセ氏は言う。

しかも、不動産の値上がりの傾向は、2008年以降、とりわけ沿岸部と近郊の中堅・大都市で一般化した。「値上がりの要因は、3つ指摘することができる。1つ目は、過去10年にわたり平均して、国内では毎年150戸の家庭が新たに誕生してきたこと。次に、数年にわたってブラジル人の実質所得が上昇し続けてきたこと。そして最後に、金利の低下と平均の割賦期間が5回払いから15年へと拡大したことに伴う信用供与の条件改善だ」と、2011年からFipeとサイトZapが提携して進めてきた不動産相場の月間集計のコーディネーターを務めるジルベルシュタイン氏は言う。建設期間の長さも、供給のボトルネックにつながるもう1つの要因だ。

信用供与の拡大は、同じく国内観光の敷居を下げたが、国内航空市場は事実上2社の寡占であり、不安定な空港インフラのために航空料金の値下がりが阻まれている。空港は、高コスト体質のブラジルの様々な局面が凝縮されており、その象徴になっている。「国内の空港は人口の25%に相当する富裕層を対象にした市場構造になっており、過去10年、経済の国際化が大きく進む中で何も変わることがなかったのだ」と、応用経済研究院(Ipea)の元所長でエコノミストのマルシオ・ポックマン氏は言う。ポックマンの分析の背景はこうだ。人口の大部分にとってブラジルという国は、常に、単なるコストのかかる国というだけではなく、そもそも、財とサービスへのアクセスができない国なのだ。所得分位の上層に位置するブラジル人たちは、消費バスケットの多くをサービスが占めているためにコスト高の影響を強く受けている。

そしてこの国の状況が改善し始めると、ボトルネックは明白になり、空港が抱える問題はハイシーズンに限られたものではなくなる。自社の財とサービスの値上げして利益率を拡大できるような、思うように市場を支配している企業は、市場規模の拡大と大量消費市場から利益を上げるよりは、短期的に利益を上げることを望む。

「銀行業界はその象徴だ。外資に対して市場を開放したが、業界各社は短期的に利益を計上する流れを維持し、寡占状態がいっそう強まった。1995年に270行あった業界は、現在、200行以下だ」とポックマン氏は言う。エコノミストによるとこの原因の1つは、基本金利が歴史的な低水準まで低下したにもかかわらず、ブラジル国内における信用供与のコストが上昇し続けていることによる。

リオデジャネイロで、国際的NGOでの9か月の研修で、アメリカ人のコナー・コックス氏が、ブログでブラジルの印象を配信している。様々なプラス材料を提供しているのだが、彼は、ブラジルの生活コストに驚く住民たちの住所録に名前を連ねることになった。「ブラジルへ来る前に住んでいたドイツでは、私は、300ユーロ(800レアル以下)でなかなか良い場所に1室を借りることができました。現在、私は940レアルを支払ってサンタ・テレーザにあるマンションを、私を含め4人でシェアしています」。

ポーリーン氏とコナー氏は教育費と保険費、公共交通料金にも違和感を感じている。長男を妊娠しているポーリーン氏は、近い将来、子供が学齢期に達するとフランスに帰国することも検討している。「私はこれまで、勉学に対して金銭的負担をしたことがありません。自立した人になるように育てられた女性ですが、私がここで生活を続けられるのは、夫の給与が私の4倍あるからに過ぎません」。

オザスコ市在住で8歳になる双子を持つルシアーノ・ジュルコヴィッチ氏とジャニーン氏の夫妻は、2人の娘たちの授業料が月額3,000レアル近くになると知って、公立校に入学させることにした。「その他の可能性についても検討を進め、公共サービスには様々な偏見があるものの、公立校は受け入れ可能なオプションで、それも興味深い選択肢だと気づきました」と、ジュルコヴィッチ氏は言う。転校した新学校は教育分野でサンパウロ市内のモデル校として知られることは幸運だと、夫妻は満足している。「私たちがとりわけ注目したのは、社会の多様な人たちとの交流でした」と話す。

一連のブラジル経済の変化の中で、ブラジルの家庭の外食への支出は、信じ難いほどの水準に上昇した。サンパウロ市内の場合、夫婦と5歳の子供がサンパウロ市西部のハンバーガーショップで外食するケースを見てみよう。ハンバーガー3個といくつかの飲み物がテーブルに運ばれ、それから、220レアルの会計がやってくる。ギャルソンを見て、広告会社勤務のダニーロ・コルシ氏とカミリア・キンツェル夫妻は、その金額があまりにも高すぎると受け止めた。「そこで私たちは、高額だと見なせる場所について市民が情報を入手できる場所をオンライン・プラットホームとして立ち上げることを考えたのです」と、コルシ氏は言う。腹に据えかねたコルシ氏は、消費者による評価という狙いで、カミラ夫人と友人のリカルド・ジアセッチ氏、マルコス・タカバヤシ氏とサイトのボイコタSPを立ち上げた。同サイトは現在、1日15万ビュー、5万人の「フォロワー」をフェイスブックに持つ

パン屋で販売される1個6レアルのポン・デ・ケイジョ、1kgが16レアルのポン・フランセース、バスケットが38レアルのポップコーン、300mlで13のミネラルウォーター。ボイコタSPによるサンプルの収集と店舗情報、過剰な価格設定に対する批判は、3,000件を突破した。「ここでは、あらゆる店が価格が高いことを特別な製品を使用しているからだと正当化していますが、グルメな清涼飲料水など存在しません」とコルシ氏は言う。同氏は、この運動がサンパウロ市民の消費行動、つまり一般的にクレームすることを恥ずかしがる文化を変えることになると確信している。

外国人にとっても、こうした驚きを受けるまでに時間はかからない。ブラジルに進出した企業のオフィスと駐在員向けの住宅仲介支援を専門とするスターツブラジルで、2年前にブラジルに赴任した森口信義社長は次のように話す。「一部の不動産の価格は、東京の一等地に相当する価格ですが、もしサンパウロ市内で同じ質を求めようとするなら、価格は2倍に達します」。同社長によると、問題の1つは生産性の低さだ。「レストランの場合、ブラジルでは、日本のレストランで同じ作業をするのに2.5倍の従業員を抱えています」。

日本人たちは、ブラジル国内で定食を食べるのに、日本のほぼ4倍、40レアルを下らない料金に驚愕する。「標準化されたビッグマックでさえ、この国では極めて高い」と、ブラジル日本商工会議所の平田藤義事 務局長も話す。平田事務局長は日本に出張で戻る事があると、日本人の体形に合い、しかも割安な衣類を買い込んでくる。平田事務局長は、「もし競争原理を働かせる為に市場を開放するなら、ブラジルの物価はこんなに割高にはならないでしょう。この国は、インフラの改善を進め、構造改革を推進する必要があります。 現在のブラジルは、人件費の高い国に対しても、価格面で負けているのです」と分析する。

しかもブラジルは、特定的な問題も抱えている。サントスでは、ペトロブラスが岩塩層下(プレソルト)支援を目的とした管理センターの建設に向けて投資を進めているが、そのため、物価が急上昇している。次々と押し寄せる値上げの波に、警備員を退職したマルシオ・デ・メロ・ソアレス氏は、46年暮らしたサントスから、隣のイタニャエンに「移住」した。「2007年以降、賃貸料が大幅に値上がりし、あの町で家を買うなど不可能だ。次第に人々は、周囲地域に移り住むようになっている」。このトンネルに、光明は差しているのだろうか? ポックマンは、現状では光は差していないと言う。「私たちが何か寄与できるとすれば、インフラ分野に莫大な投資が行われることに賭けることだ。空白の30年を経て、ゼツリオ・バルガス時代やジュセリーノ・クビシェキ時代、軍政末期のような規模でインパクトのある投資を、私たちがやりとおせるのかというのが大きな疑問だ。それをやり遂げれば、ブラジル・コストと呼ばれるもののいくらかは、低減できるだろう。それだけでなく、我々は、過剰に逆累進的な税構造を変革する必要がある」。それはつまり、企業の儲けが少ないほど相対的に支払う税金が大きくなるということ。国税制度は結果的に、格差と経済の非効率性を拡大させているのだ。(カルタキャピタル誌2013年6月5日号)  記事:ルイス・アントニオ・シントラ (協力:ペドロ・エンリケ・フランサとサマンサ・マイア 写真:ジョナス・トゥッシとダリオ・デ・ドミニシス、ヴァネッサ・モス)

 

世界ランキング
過去12カ月の不動産価格の変動率(単位:%)
香港 23.6
ドバイ(アラブ首長国連邦) 19.0
ブラジル 13.7
トルコ 10.5
ロシア 10.2
オーストリア 10.1
台湾 9.7
中国 9.3
インド 8.5
コロンビア 8.3
出典:コンサルタント会社ナイト・フランク(2012年12月まで)
ホテルの宿泊料
レジャー料金ランキング
都市 平均額
マイアミ 293.6
プンタカナ 278.9
リオデジャネイロ 246.7
ニューヨーク 245.8
シドニー 201.7
パリ 196.2
カンクーン 193.9
ロンドン 189.1
バルセロナ 174.7
フロリアノーポリス 155.6
レシーフェ 143.5
サンパウロ 140.4
フォルタレーザ 126.8
サルバドール 126.1
ネイティブ 123.7
マナウス 117.4
ブエノスアイレス 115.8
フォス・ド・イグアス 104.7
サンチアゴ 100.5
出典:エンブラツール

 

Carta Capital誌掲載写真 :  スターツの森口代表(左)と平田事務局長 (Jonas Tucci/Carta Capital)

今年のGDP伸び率を前回予想の2.77%から2.53%に大幅に下方修正

中銀の最終フォーカスレポートによると、連邦政府による一連の経済活性化政策の導入にも関わらず、一向に国内経済の回復傾向の兆候が表れていないために、今年のGDP伸び率は前回予想の2.77%から2.53%に下方修正、2014年も3.4%から3.2%に下方修正されている。

5月の中銀の通貨政策委員会(Copom)は、インフレ圧力の増加に伴って政策誘導金利(Selic)を全会一致で0.5%引上げて8.0%に決定、7月のCopom委員会では更に0.5%のSelic金利の引き上げが予想されており、今年末には8.75%まで上昇すると見込まれている。

フォーカスレポート作成に協力する多くの金融アナリストは、2014年11月のCopom委員会でSelic金利は9.0%に引き上げられると予想、2013年末並びに2014年末のインフレ指数である広範囲消費者物価指数(IPCA)は5.80%に据え置かれている。

今年末のレアル通貨に対するドルはR$2.10,2014年末にはR$2.15とそれぞれ予想、今年の貿易収支黒字は73億5,000万ドル、経常収支赤字は730億ドル、2014年は790億ドル、今年の対内直接投資は600億ドルが予想されている。(2013年6月11日付けエスタード紙)


 

ドル介入にも関わらず、昨日の終値は0.56%ドル高のR$2.148

昨日、中銀は今年初めて1日に2回のドル介入を行ったにも関わらず、一時ドルの為替はR$2.16まで上昇、昨日の終値は0.56%ドル高のR$2.148と2009年4月30日以降ではドル高の最高水準に達している。

米国の予想を上回る雇用創出や景気回復に伴って、米連邦準備制度理事会(FRB)による量的緩和縮小並びに金利の上昇予想で、世界的に米ドルがその他の通貨に対して上昇してきている。

先月、中銀の通貨政策委員会(Copom)は、政策誘導金利(Selic)を全会一致で8.0%引き上げ、今月4日、ギド・マンテガ財務相が海外投資家のブラジル国内での国債などの確定金利付き投資を促すために、6.0%の課税を義務付けている金融取引税(IOF)の免税を発表したにも関わらず、ドル高を抑制する効果に結びついていない。

またスタンダード&プアーズ社は、ブラジルの長期格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げたことで、ブラジル経済の信頼性が損なわれていることも更なるドル高の為替に結びついている。

ドル高の為替は輸出促進に結びつく一方で、輸入製品の価格上昇に結びつくためインフレ圧力の上昇につながり、連邦政府はレアルに対するドルをR$2.15以下に抑えるために、2回に亘ってドルの為替介入を行った。

スタンダード&プアーズ社は、長期格付け見通しを「ネガティブ」から「安定的」に引き上げたこともブラジルのレアル通貨に対するドル高に結びついており、今年のレアル通貨は対ドルで5.04%値下がりしている。(2013年6月11日付けエスタード紙)

 

積水化学工業の高機能プラスチックスカンパニーの荒井一朗国際部長が訪問

積水化学工業の高機能プラスチックスカンパニーの荒井一朗国際部長が2013年6月11日に商工会議所を訪問、応対した平田藤義事務局長とブラジル市場のポテンシャル並びに日本進出企業の動向などについて意見交換を行った。

 

左から積水化学工業の高機能プラスチックスカンパニーの荒井一朗国際部長/平田藤義事務局長

PwCジャパンが会議所を訪問

2013年6月11日、PwCプライス・ウォーターハウス・クーパーズジャパンが会議所を訪問し、同社の日本企業ブラジル進出支援事業について案内を行ない、200名程度の規模でブラジル経済セミナーの実施を計画中であることを告知した。また応対した平田藤義事務局長と、当会議所の活動及び新規入会企業の動向などについても意見交換を行った。一行はPwCの秦久朗パートナー、あらた監査法人のジェイソン・ヘイズパートナー、PwCブラジルのパウラ・タシマ取締役、同日系企業ビジネス・サポートのカロリーナ・サカマ・リーダー

左からPwCブラジルのパウラ・タシマ取締役/同日系企業ビジネス・サポートのカロリーナ・サカマ・リーダー/あらた監査法人のジェイソン・ヘイズパートナー/PwCの秦久朗パートナー/平田藤義事務局長

多くのブラジル企業はアルゼンチン国内の事業撤退を検討か

クリスティーナ・キルチネル大統領の経済政策やドルの流失を防ぐための金融規制などが日常茶飯事的に変更になるために、アルゼンチン国内で事業を行っている外資系企業にとっては長期投資が難しくなってきている。

ヴァーレ社の初期投資総額が60億ドルに達するメンドーサ州リオ・コロラドのカリウム鉱山開発プロジェクトは、開発コストが約2倍に当たる110億ドルまで増加していることやアルゼンチン政府の政治的介入でプロジェクト推進が困難をきたしているために、3月に開発プロジェクト中止を発表して2,700人の従業員を解雇している。

カマルゴ・コレアグループのAlpargatas社はアルゼンチン経済の減速に伴って、アルゼンチン国内での履物の生産を20%、衣類の生産を10%それぞれ減産、アルゼンチンのセメントメーカーLoma Negra社を擁するカマルゴ・コレア社は、サンタ・クルース州に建設を予定している水力発電所のライセンスの再契約をアルゼンチン政府にキャンセルされている。

建材メーカーのDuratex社は、4月に水道管関連工場を閉鎖して輸入関連製品部門以外の従業員を解雇、1月のアルゼンチン・ペトロブラス石油公社は2年間に亘って電力料金が凍結されて収益が悪化しているために、アルゼンチンで最大の石油精製並びに電力エネルギー送電企業のEdedur社の48.5%の株式を3,500万ドルでの放出を余儀なくされた。

ペトロブラスはクリスティーナ・キルチネル大統領の信頼が厚い実業家クリストバル・ロペスとEdedur社の譲渡で6カ月間に亘って交渉していた経緯があり、またペトロブラスは石油開発事業以外のアルゼンチン国内の事業の放出を発表している。

JBS社は2011年にアルゼンチンでの5食肉工場のうち4工場を閉鎖してアルゼンチンの国内向けの食肉生産に限定、Marfrig社は今年初めに2工場の閉鎖を発表している。

しかしブラジル資本のトラックメーカーのRandon社の昨年のアルゼンチンでの売上は4440万ドルを計上しており、2010年から2012年にかけて800万ドルを投資して1カ月当たりのトラック生産台数を90台から150台に引上げている。(2013年6月11日付けヴァロール紙)


 

【インタビュー「投資家はさらに疑い深くなっている」】

エレナ・ランダウ氏は、業界の改革半ばで規定を転換することが経済成長を押し下げると指摘する。

当座しのぎの応急措置的な対策を講じてジウマ政権が政治的に干渉することで、電力業界内部のバランスが崩れることにつながっているだけでなく、高速道路などその他の事業認可に参加しようとする投資家の間に不信感を募らせている。ランダウ氏は、ブラジル民主社会党(PSDB)党員として、カルドーゾ(FHC)政権が民営化を推進した90年代に国立経済社会開発銀行(BNDES)の理事を務めた。

エコノミストかつ弁護士として、現在セルジオ・ベルムデス弁護士事務所で活躍する55歳の同氏は、「こうした連邦政府の介入主義は、現在では通用しません。市場の覇者となる企業を選び、部分的な減税を実施し、市場を閉鎖的にするというこの政策は、70年代に既に試みられた、もはや過去のもの」と話す。以下は、エスタード紙とのインタビューである。

電力業界の事業認可の更新に関連する暫定令第579号(MP579)を採択して以降、連邦政府は、様々な規定の変更を進めています。こうした変更は、あるいは先行きの不透明感を煽ることはありませんか?

MP579には、電気料金の削減という否定できない目的がありました。トップダウンの判断だったために、社会と業界監督庁に対して暫定令の体裁を取って導入されることになり、本来の目的が失われてしまいました。この事例は、電力業界に対する計画性のなさを如実に示しています。長期的な投資を得るためには明確かつ安定した規定が求められます。業界の規定が変更される場合には、透明性が保たれる必要があります。電力業界で起きたことは、現政権によるインフラ整備と言うよりは、長期的な視野を確立する代わりに枝葉の問題を解決しようとして業界にショックを与えたのです。投資家は、これまで以上に疑い深くなっています。

投資家の批評の1つは、電力業界に対する政府の対応に政治的バイアスがかかっていることです。この批判を、正当なもの、つまり過度の政治的干渉があるとお考えでしょうか?

業界に対して政治的干渉があることに疑問の余地はありません。電力公社のエレトロブラスを通じて干渉していることが確認できます。MP579に関して言えば、この暫定令は、事業認可の更新を求める業界各社に対して損失をもたらすことが明白です。一部の企業が(事業認可の更新に)署名しなかったことで、配電事業への電力供給不足が発生しました。これらは全て、最悪の計画性と不均衡な業界の状況が積み重なった結果です。しかもエレトロブラスの配電会社は、既に宣告された介入による要求事項があるにもかかわらず、民間の配電会社と同等の国家電気通信庁(Anatel)の厳格な監査を受けていない。

FHC政権を通じて実施された民営化は、Anatel設立以前に実施されました。民営化では、電力価格を引き下げることもサービスを改善することも、前提条件として求められませんでした。あなたは、電力業界におけるFHC政権の民営化モデルと現在の事業認可モデルを、どのように比較されますか?

この点で私は、あなた方と異なる見解を持っています。FHC政権下の民営化は、公会計の統制が求められた安定化計画の一環として、サービスの質を求めただけでなく投資も要求されました。現在の政府は、介入主義的というだけでなく、公会計の統制についても信頼できない状況です。FHC政権では、国庫財務局の資金を確保することが(民営化の)目的の1つでした。このため、資産の売却益の設定が基本的な重要事項であり、そこから、民営化当初に導入される料金が設定されたということも明白です。高速道路の場合、ルーラ政権下で通行料金の値下げが実施されましたが、それは、財政に対する懸念がなかったからです。一方、ルーラ政権下では通行料金が資本利益を提供しませんでした。FHC政権下の民営化では、品質指数は大幅に上昇しました。料金は低下しませんでしたが、それは、過去10年間に徴収する料金に対して求められる負担が拡大したからであって、配電会社の報酬が拡大したとは言い切れません。

高速道路と鉄道の事業認可は実施に移されていません。これは、政府が提示する条件あるいは投資家に求める条件に問題があるのでしょうか?

どちらも、少しずつ影響しているでしょう。第1に、一部だけを切り離して推進することはできません。もし物流モーダルの変革を希望するなら、モデルを構築する必要があります。2012年に空港事業に参入した投資家にはある条件が与えられており、2013年に参入する投資家には別の条件が付与されます。政府は、鉄道事業で投資家の内部収益率(IRR)を引き上げる一方で、既に事業認可を受けている鉄道会社には料金の上限を引き下げるという判断が突然下されました。その結果、既存の鉄道会社は投資に対する意欲を失ったのです。

このほど政府は、高速道路の事業認可に関するIRRの引き上げを決定しました。このIRRは、事業入札を魅力的なものにして多数の応札企業が名乗りを上げると見られますが、魅力的な水準はどのあたりに設定されるべきでしょうか?

IRRの魅力的な水準というのは、業界が抱えるリスクと市場に依存するため、業界ごとに異なります。電力業界では、時間とともにリスクが縮小するので、投資利益率は長期的には引き下げられます。(マンテガ)財務大臣の姿勢で問題なのは、5%から7%に引き上げられたIRRが、明日には7%から8%に変化しかねないことです。投資家は彼らが抱えるリスクに対して利益率を評価し、過去の事例に注意を払います。今の時点で連邦政府が7%のIRRを保証した30年におよぶ高速道路事業に参入したとして、政府が電力業界や鉄道業界に対して突如として公的利益を理由に利益率を改訂したようなことが高速道路にも起こらないと、誰が保証できるでしょう。部分的な対応を正当化するため政府が主張する公的利益の実態とは何でしょうか? それは、ブラジルの市場競争を拡大しインフレを低減させることです。

ではあなたは、インフラ分野の資金調達に関するモデリングとBNDESの参画についてどのようにお考えですか?

インフラに対してBNDESが参画することに疑問を挟む余地はありません。BNDESが現在抱えている問題は、国庫管理局から注入される資金で、それなくしては予算が成り立たないことです。その資金は3,000億レアル以上に達しており、財政に深刻な影響を与えています。そしてこの3,000億レアルが、年間80億レアル以上の助成を付けて、選ばれた分野に振り向けられるのです。問題は、もしBNDESが別の分野に進出した場合、民間のキャピタル市場を締め出すことなのです。ブラジルは次第に、助成を実施するBNDESに対する依存を高めています。(2013年6月3日付けエスタード紙)

事務局便り JD-036/13: 安全対策情報 [在サンパウロ総領事館]

JD-036/13

2013年6月11日


会員各位


在サンパウロ総領事館から安全対策情報を頂きました。以下転送申上げます。

 

—– Original Message —– 

From: Embaixada do Japao

 To: <secretaria@camaradojapao.org.br>

 Sent: Monday, June 10, 2013 3:48 PM

 Subject: [在サンパウロ総領事館]安全対策情報

 

在留邦人の皆様へ

 


                          平成25年6月10日

                          在サンパウロ日本国総領事館 

 


サンパウロ安全対策情報


  先週末から,地下鉄やバスの料金値上げに抗議するデモが,サンパウロ市内各地で敢行され,一部怪我人も出ています。

  当地報道等によると,下記のとおり11日に同様のデモが行われる予定ですので十分注意してください。


 1 デモ開始予定日時

   6月11日(火)午後5時~


 2 デモ参加者集合場所

   パウリスタ大通りコンソラサン駅周辺の公園 (Praca perto da Estacao do metro Consolacao)

   ※デモ隊の規模・進行方向については不明


 3 留意事項


 (1)デモに近づいたり,好奇心で参加したりすることのないこと。

 (2)デモ等に遭遇した際には,強盗事件,混雑を利用したスリ等の窃盗事件,投石等の被害に巻き込まれないよう十分注意すること。

 (3)上記デモ開始日時及び場所はあくまで予定であり,また,他の場所においてもゲリラ的に同様のデモが発生する恐れもあるので,新聞・テレビ等でしっかり情報収集するとともに,外出前に自分の目で周辺の安全を確認して巻き込まれないよう十分注意すること。


                              (以上)



 このメールは、在留届にメールアドレスを記入された方、このメールサービスの配信を希望された方、に配信しています。

 パスワードを取得することにより、ご自身でこのメールサービスの登録解除及び配信先メールアドレスの変更を行うことができます。つきましては、パスワードを発行されていない方で、パスワードの発行を希望される方は次のURLより、 http://www.mailmz.emb-japan.go.jp/cgi-bin/cmd/index.cgi?emb=sp.br「利用者情報/削除」をクリックし、「パスワードを忘れた場合」の文字をクリックします。

 次にパスワード再発行ページにて、旅券等に記載してある「ローマ字姓」、「ローマ字名」「生年月日(西暦)」、「メールアドレス」を入力の上、「パスワード」の発行をお願い致します。


 なお、このメールサービス配信停止は、https://www.mailmz.emb-japan.go.jp/cgi-bin/cmd/index.cgi?emb=sp.brで行ってください。

 

 在サンパウロ日本国総領事館

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 TEL 3254-0100