5月の投資の収益率トップはドルの7.24%

5月の投資の収益率トップは、月末にレアルに対するドルの為替が米国の経済指数の改善に伴って大幅に上昇して7.24%を記録、2位のポウパンサ預金の収益率0.50%を大幅に上回る収益率を記録した。

今年5ヶ月間のドル投資の収益率は4.99%でトップ、2位は昨年5月4日以前に預金されてSelic金利連動でないポウパンサ預金の2.53%、5月の株投資の収益率はマイナス4.30%、今年5カ月間ではマイナス12.22%と大幅に下落している。

5月の金投資の収益率はマイナス0.42%、今年5カ月間の金投資の収益率は、マイナス13.61%と株投資の収益率のマイナス12.22%を上回って、最低の収益率を記録している。

昨年5月4日以降のポウパンサ預金の年利はSelic金利が8.5%以下になった場合に、Selic金利の70%プラスTRが適用、5月のSelic金利連動のポウパンサ預金の収益率は0.41%となっている。

5月の10万レアル以上の銀行定期預金証(CDB)の収益率は0.44%、小口銀行間預金ファンド(DI)の投資の収益率は、0.32%とインフレ指数の総合市場物価指数(IGP-M)の0.00%を上回っている。(2013年6月1日付けエスタード紙)


 

ペトロブラスはオデブレヒトへの支払いを43%カット

ペトロブラス石油公社は、買収価格が市場価格を大幅に上回って、スキャンダルの対象になって売却中止を余儀なくされている米国テキサス州のパサデナ製油所を含むオデブレヒト社との海外9カ国の石油・天然ガス、鉱業、石油化学並びに金属・鉄鋼分野のサービス契約の支払いを43%カットする。

ペトロブラスは、オデブレヒト社との総額が8億4,000万ドルに達するPAC SMSプロジェクト契約を43%カットして、4億8,000万ドルの支払いで同社と合意している。

ペトロブラスは石油製油所関連でオデブレヒト社と米国のパサデナ製油所以外にもアルゼンチン、日本、コロンビア、パラグアイ、ボリビア、ウルグアイ、エクアドル、チリ並びにブラジルでのサービス契約を見直す。

ペトロブラスはパサデナ製油所の買収に総額11億8,000万ドルを要したにも関わらず、8年後の昨年の売却価格は僅かに4,250万ドルと20分の1以下まで減少しており、先月、ペトロブラスのグラッサ・フォスター総裁は国会で4時間に 亘って下院議員を前に答弁したが、契約違反は見つかっていないと説明していた。

2005年1月にベルギー資本のトレーディング会社Astra/Transcor社がパサデナ製油所を4,250万ドルで買収、2006年9月にAstra社は、パサデナ製油所の50%を3億6,000万ドルでペトロブラスに譲渡、2012年6月にペトロブラスは残りの50%を8億2,000万ドル支払って、 パサデナ製油所を完全に買収していた。

しかしバサデナ製油所の販売価格が低すぎるために、連邦会計検査院(TCU)の捜査対象になっており、ペトロブラス石油公社 は同製油所の売却の中止を余儀なくされていた。(2013年6月3日付けエスタード紙)

 

10月から161港湾ターミナルの入札開始か

先週水曜日にジウマ・ロウセフ大統領が港湾ターミナル民営化の暫定令595号/12にサインしたために、今年10月から港湾ターミナル民営化の入札開始が予定されている。

港湾ターミナル民営化の入札開始は、サントス港の26港湾ターミナル並びにパラー州の26港湾ターミナルから開始されるが、パラー州での港湾ターミナル民営化ではベレン港、ミラマール港、オウテイロ港、サンタレン港、ヴィラ・ド・コンデ港が予定されている。

2回目の港湾ターミナル民営化の入札には、パラナ州のアントニーナ港並びにパラナグア港、バイア州のアラツ港並びにサルバドール港、サンパウと州のサン・セバスチアン港、アマゾナス州のマナウス港、サンタ・カタリーナ州のインビツーバ港が予定されている。

3回目の港湾ターミナル民営化の入札には、パライバ州のカベデロ港、セアラー州のフォルタレーザ港、マラニョン州のイタキ港、アラゴアス州のマセイオ港、ペルナンブーコ州のレシーフェ港並びにスアペ港、4回目の入札にはリオ州のイタガイ港、ニテロイ港並びにリオ港、サンタ・カタリーナ州のイタジャイ港並びにサン・フランシスコ・ド・スール港、南大河州のポルト・アレグレ港並びにリオ・グランデ港、エスピリット・サント州のヴィトリア港が予定されている。(2013年6月3日付けエスタード紙)


 

【低調なGDP成長率の状況打開に向け連邦政府が事業認可を促進へ】

インフラ事業の民営化。2013年9月と10月に、事業入札が集中的に実施される予定で、見込まれる投資額は4,890億レアルに達する。大統領府執務室は今、経済問題がジウマ大統領の再選に向けた選挙運動の成否の鍵を握っていると受け止めている。

2013年第1四半期の国内総生産(GDP)が落胆するような水準だったことで、ジウマ政権は、やり尽くした感のある消費振興をベースにした成長促進政策を放棄し、その役割を投資に戻して戦う戦略を採用した。これに伴い、楽観的に見て9月にも可能ながら本来は12月に始まるべき事業入札計画に対し、一切の遅れを認めないという大号令が下された。

連邦政府の投資計画の要となるロジスティクス企画公社(EPL)のベルナルド・フィゲイレード総裁とミリアン・ベルキオル予算管理大臣は、その成果を残すという点でも、プレッシャーを受けることになる。ジウマ・ロウセフ大統領の有る補佐官の言葉を借りるならば、この2人は、計画の履行を加速させるために鞭をたたかれる事になる。既に発表された民間への事業認可計画で期待される投資は、4,890億レアルである。

大統領府執務室は、2014年にやって来るジウマ大統領再選に向けた選挙運動が成功するには、今や、景気問題が最大の争点になったと受け止めている。「ピビーニョ(わずかな成長に止まったGDP)」に活を入れ成長を促進することに全力を注ぐ。さらに、大統領府執務室はインフレ問題が有権者の期待感に悪影響を及ぼすことを避けるための戦術も模索する。

連邦政府と労働者党(PT)の分析では、生活コストの上昇が大衆の記憶に焼き付いており、投票に影響を与える。ブラジル民主社会党(PSDB)から大統領選に立候補する可能性のあるアエーシオ・ネーヴェス上院議員(ミナス・ジェライス州)が、同氏の選挙運動のスローガンにインフレ退治を採用したのは、何も偶然ではない。ネーヴェス氏のスローガンは「富裕国とはインフレのない国のこと」というもので、「富裕国とは貧困のない国のこと」というジウマ政権の標語を皮肉っている。

第1四半期のGDP成長率がわずか0.6%だったという報告を受け、ジウマ大統領は激怒した。大統領自身も景気の回復が緩やかだということは認識していたが、今回のような貧弱な経済活動に驚きを隠せず、ギド・マンテガ財務大臣に対してこれまで以上に対策を求めた。

財政調整。インフレを伴う低成長という泥沼から脱出するため、ジウマ大統領は投資を加速させようと試みている。だが、この道は単純なものではない。「必要とされる調整」を連邦会計検査院(TCU)が求めるとベルナルド・フィゲイレードEPL総裁が言うように、事業認可には新たな遅れが生じかねない。

それに加えて、民間部門が投資に踏み出すよう納得させる要がある。この点で政府は、これまで失敗続きなのだ。その上、新たな問題が出現した。9月と10月に実施される事業入札の文字通りの「渋滞」だ。

様々な景気刺激策を発表した後、大統領府執務室内の体制は、現在、既に発表された政策の実施に向けた対応一色である。しかも、今後2つの新しい政策発表が加わる。4日にジウマ大統領が発表する、およそ1,400億レアル規模の意欲的な農業収穫融資計画。さらに、18日には、法案の国会提出を受けた新資源業界基本法の発表を予定する。

ブラジル経済基本金利(Selic)が引き上げられたが、PTは、2014年に展開するジウマ大統領の選挙運動の3本柱に、「電気」と「食糧」、「金利」を据える方針。PT関係者らは2013年下半期に金利が低下することに自信を見せる。

もし台本通りに事態が進捗すれば、ジウマ大統領の選挙運動には、減税と利下げ、電気料金の値下げをパッケージするというのが、PTの判断だ。その戦略では、例えば生活必需品セット(基礎食料品や家庭用品などのパッケージ)に対する減税措置と電気料金の値下げといった政策が、所得の分配に貢献し、ブラジルが中産階級で構成される国に変貌するのに寄与した政策の一部として紹介されることになる。(2013年6月2日付けエスタード紙)

【(論評)卒業ゲート】

絶望した無数の人々が連邦貯蓄銀行(CEF)の支店に押し寄せて家族手当(ボルサ・ファミリア)の給付金を引き出そうとし たことは、貧困層から中産階級へと3,000万人が所得分位を駆け上がったと思われていたブラジルの現実を、少なくとも暴露したように思う。つまり、この 社会福祉プログラムの給付金に依存する人たちの比重というものが、ブラジル社会が抱えるジレンマを研究する専門家が評価していた以上に、確実に大きかった ということだ。国内でもより貧困率の高い13州で、家族手当の給付金レアル70レアルを失うかもしれないという激しい不安に駆られた人々が、ATMに殺到 して押し合いへし合いし、時には倒れて踏みつけられている光景は、レアル計画導入以降の貧困の撲滅に関する無味乾燥な数字と、いかにも対照的だった。

連 邦警察は、連邦政府がこの社会福祉プログラムを撤回することになったというデマの発生源に関する捜査に乗り出した。だが、日ごとに明確になってくるのは、 このデマが、登録された家庭の条件をCEFが明示することなく支払いを前倒しで行うという判断を無分別にも下したのがきっかけで、それが、まるで燎原の火 のように拡散したという事実である。

導入から13年が経過した家族手当は、給付額と受益者を増やしてはいるが、そのコンセプトにおいて は、機能不全に陥っている。実際のところ、所得分配に向けた原動力として、さらには、給付の条件として両親に子供を就学させること、そしてワクチン接種の 日程を守ることを義務付けて成功した。 だが、そこで歩みを止めてしまった。ルーラ政権発足当初から、専門家はこのプログラムの限界を認識していたし、「卒業ゲート」と呼ばれるものに対しても議 論されてきた。言い換えるなら、政府(連邦と州、市役所)が受益者に対して提供するのは、自身で家計のやりくりをする方策を探し出し、その目標を達成する ための道筋なのだということだ。

カルドーゾ政権が就学手当(ボルサ・エスコーラ)と呼ばれるものを立ち上げた2000年から数えると、そ の最初の受益者となった子供たちは現在、20歳から27歳になっており、労働市場に参入する年齢だ。だが、彼らはどうなったのだろうか? 現在、彼らは何 をしているのか? 雇用が保証されているのか?  引き続き畑の面倒を見ているのだろうか?  それとも、都市部に出てきたのだろうか? それを知るすべはない。なぜなら連邦政府は、社会福祉プロゴラムならどのようなものでも実施していること、つま り結果を調査し、その効率を計測して不備だった点と効果を発揮した点を見極め、継続する必要性の可否について判断するということを、実践しなかったのだ。

1,300 万戸以上の登録を受けた社会開発・飢餓撲滅対策省には、そうした調査を実施するための手段も組織も持っており、公共政策に対してプログラムの「卒業ゲー ト」を設置するよう導いてそれを定義するなら、極めて有効なはずだ。あるいは、自然に対象外になるようにしてこのプログラムの適用を終了し、次のステップ は、若年層に労働市場に居場所を提供することに定める。このような場合、社会福祉プログラムに対して評価を実施することは、雇用の創出を振興する方向に照 準を合わせていくためにも有用だろう。

グラミン銀行について。

ノーベル平和賞を受賞したエコノミストで元グラミン銀行頭 取のムハマド・ユヌス氏は、家族手当の卒業ゲートとして機能することができる、ブラジル政府にとって興味深い枠組みを作った。事実、バングラデシュの貧困 層に対するマイクロクレジットでほぼ40年にわたる成功体験を積んできたユヌス氏の手法と理念は、別の国にも導入され評価されている。

広告マーケティング大学(ESPM)での講演のためにサンパウロ市を訪問したユヌス氏は、「家族手当の給付を受けている人が政府から給付を受けないでいられるように社会的企業を立ち上げようとしている姿を、5人あるいは10人選んで紹介するテレビ番組を作ってみたらいかが? 全員が成功はしないとしても、事業家をテレビに登場させることで、そのコンセプトに投資しようとする人が現れるかもしれない」と提案した。

人 口1億3,000万人を抱える貧困国であるバングラデシュには、家族手当に相当する社会福祉プログラムがなく、同氏はマイクロクレジットによって貧困を減 らすことを決意する。これは、ごく少額を極めて貧しい農家に対して融資するというものだ。着手したのは1976年で、自己資金を投入し、資本が縮小するこ とがないように、かつ、借り手の支払い能力の範囲内に収まるように融資の枠組みを組み立てた。このマイクロクレジットのシステムが、後のグラミン銀行の出 発点であり、極めて貧しい人たちに照準を合わせた銀行として世界初の試みになったばかりでなく、2006年にムハマド・ユヌス氏がノーベル平和賞の受賞に つながったのである。

彼は2011年に同銀行の頭取を辞任したが、グラミン銀行は現在も、最大の株主であるバングラデシュ政府と共同で、 事業を継続している。家族手当と同様、660万人の受益者の97%が女性であり、信用供与に担保はないが、債務不履行率は1.2%と、国際的な大手銀行の 水準を大きく下回る。

2011年にムハマド・ユヌス氏は銀行を去り、新たな試みに身を投じている。同氏は、このコンセプトを促進し「社会 的企業」の実践のための国際組織、ユヌス・ソーシャル・ビジネスを設立。既に日本と韓国、イタリア、ドイツ、アメリカ、フランス、トルコで活動している。 最大の「社会的企業」は、ヨーグルト分野の多国籍企業のダノンと共同でバングラデシュに設立したヨーグルトメーカーで、低所得層の家庭に戸別に販売する。 投下資本に対する利回りは確保するが、利益は計上せず、栄養が強化されたヨーグルトの低価格化のために振り向ける。

ユヌス氏は2008年にもブラジルを訪問しており、ルーラ前大統領と意見を交換し、写真も撮影している。だが、表面上は、彼の理念が前大統領の心を動かすことはなかったようだ。だが、ジウマ・ロウセフ大統領は違った考えを持っていかもしれない。ジ ウマ大統領は、テレビでの政府公報と自己宣伝のために現在支出されている数百万レアルという資金が、もし彼が示唆したように、ごく普通のブラジル人が備え ている独創的で商魂たくましい本能を刺激する目的で活用され、彼らをテレビに登場させるなら、注目すべき成果を上げるに違いないことを理解している。

よ り規模が大きく貧困地帯まで隅々に行き渡るマイクロクレジットは、こうした小さな実業家の事業を支援するために金融部門を備える。ユヌス氏がバングラデ シュで行ったように、近視眼的な世温情主義ではなく、(BNDESのような)低利の融資と負債の割賦返済の実践は、卒業ゲートに向かう道筋として、また、 家族手当の継続にとっても、好ましいものになるだろう。(2013年6月2日付けエスタード紙)

スエリー・カルダス ジャーナリストでリオデジャネイロ・カトリック大学(PUC-RIO)コミュニケーション学教授

【(論評)卒業ゲート】

絶望した無数の人々が連邦貯蓄銀行(CEF)の支店に押し寄せて家族手当(ボルサ・ファミリア)の給付金を引き出そうとしたことは、貧困層から中産階級へと3,000万人が所得分位を駆け上がったと思われていたブラジルの現実を、少なくとも暴露したように思う。つまり、この社会福祉プログラムの給付金に依存する人たちの比重というものが、ブラジル社会が抱えるジレンマを研究する専門家が評価していた以上に、確実に大きかったということだ。国内でもより貧困率の高い13州で、家族手当の給付金レアル70レアルを失うかもしれないという激しい不安に駆られた人々が、ATMに殺到して押し合いへし合いし、時には倒れて踏みつけられている光景は、レアル計画導入以降の貧困の撲滅に関する無味乾燥な数字と、いかにも対照的だった。

連邦警察は、連邦政府がこの社会福祉プログラムを撤回することになったというデマの発生源に関する捜査に乗り出した。だが、日ごとに明確になってくるのは、このデマが、登録された家庭の条件をCEFが明示することなく支払いを前倒しで行うという判断を無分別にも下したのがきっかけで、それが、まるで燎原の火のように拡散したという事実である。

導入から13年が経過した家族手当は、給付額と受益者を増やしてはいるが、そのコンセプトにおいては、機能不全に陥っている。実際のところ、所得分配に向けた原動力として、さらには、給付の条件として両親に子供を就学させること、そしてワクチン接種の日程を守ることを義務付けて成功した。 だが、そこで歩みを止めてしまった。ルーラ政権発足当初から、専門家はこのプログラムの限界を認識していたし、「卒業ゲート」と呼ばれるものに対しても議論されてきた。言い換えるなら、政府(連邦と州、市役所)が受益者に対して提供するのは、自身で家計のやりくりをする方策を探し出し、その目標を達成するための道筋なのだということだ。

カルドーゾ政権が就学手当(ボルサ・エスコーラ)と呼ばれるものを立ち上げた2000年から数えると、その最初の受益者となった子供たちは現在、20歳から27歳になっており、労働市場に参入する年齢だ。だが、彼らはどうなったのだろうか? 現在、彼らは何をしているのか? 雇用が保証されているのか?  引き続き畑の面倒を見ているのだろうか?  それとも、都市部に出てきたのだろうか? それを知るすべはない。なぜなら連邦政府は、社会福祉プロゴラムならどのようなものでも実施していること、つまり結果を調査し、その効率を計測して不備だった点と効果を発揮した点を見極め、継続する必要性の可否について判断するということを、実践しなかったのだ。

1,300万戸以上の登録を受けた社会開発・飢餓撲滅対策省には、そうした調査を実施するための手段も組織も持っており、公共政策に対してプログラムの「卒業ゲート」を設置するよう導いてそれを定義するなら、極めて有効なはずだ。あるいは、自然に対象外になるようにしてこのプログラムの適用を終了し、次のステップは、若年層に労働市場に居場所を提供することに定める。このような場合、社会福祉プログラムに対して評価を実施することは、雇用の創出を振興する方向に照準を合わせていくためにも有用だろう。

グラミン銀行について。

ノーベル平和賞を受賞したエコノミストで元グラミン銀行頭取のムハマド・ユヌス氏は、家族手当の卒業ゲートとして機能することができる、ブラジル政府にとって興味深い枠組みを作った。事実、バングラデシュの貧困層に対するマイクロクレジットでほぼ40年にわたる成功体験を積んできたユヌス氏の手法と理念は、別の国にも導入され評価されている。

広告マーケティング大学(ESPM)での講演のためにサンパウロ市を訪問したユヌス氏は、「家族手当の給付を受けている人が政府から給付を受けないでいられるように社会的企業を立ち上げようとしている姿を、5人あるいは10人選んで紹介するテレビ番組を作ってみたらいかが? 全員が成功はしないとしても、事業家をテレビに登場させることで、そのコンセプトに投資しようとする人が現れるかもしれない」と提案した。

人口1億3,000万人を抱える貧困国であるバングラデシュには、家族手当に相当する社会福祉プログラムがなく、同氏はマイクロクレジットによって貧困を減らすことを決意する。これは、ごく少額を極めて貧しい農家に対して融資するというものだ。着手したのは1976年で、自己資金を投入し、資本が縮小することがないように、かつ、借り手の支払い能力の範囲内に収まるように融資の枠組みを組み立てた。このマイクロクレジットのシステムが、後のグラミン銀行の出発点であり、極めて貧しい人たちに照準を合わせた銀行として世界初の試みになったばかりでなく、2006年にムハマド・ユヌス氏がノーベル平和賞の受賞につながったのである。

彼は2011年に同銀行の頭取を辞任したが、グラミン銀行は現在も、最大の株主であるバングラデシュ政府と共同で、事業を継続している。家族手当と同様、660万人の受益者の97%が女性であり、信用供与に担保はないが、債務不履行率は1.2%と、国際的な大手銀行の水準を大きく下回る。

2011年にムハマド・ユヌス氏は銀行を去り、新たな試みに身を投じている。同氏は、このコンセプトを促進し「社会的企業」の実践のための国際組織、ユヌス・ソーシャル・ビジネスを設立。既に日本と韓国、イタリア、ドイツ、アメリカ、フランス、トルコで活動している。 最大の「社会的企業」は、ヨーグルト分野の多国籍企業のダノンと共同でバングラデシュに設立したヨーグルトメーカーで、低所得層の家庭に戸別に販売する。投下資本に対する利回りは確保するが、利益は計上せず、栄養が強化されたヨーグルトの低価格化のために振り向ける。

ユヌス氏は2008年にもブラジルを訪問しており、ルーラ前大統領と意見を交換し、写真も撮影している。だが、表面上は、彼の理念が前大統領の心を動かすことはなかったようだ。だが、ジウマ・ロウセフ大統領は違った考えを持っていかもしれない。ジウマ大統領は、テレビでの政府公報と自己宣伝のために現在支出されている数百万レアルという資金が、もし彼が示唆したように、ごく普通のブラジル人が備えている独創的で商魂たくましい本能を刺激する目的で活用され、彼らをテレビに登場させるなら、注目すべき成果を上げるに違いないことを理解している。

より規模が大きく貧困地帯まで隅々に行き渡るマイクロクレジットは、こうした小さな実業家の事業を支援するために金融部門を備える。ユヌス氏がバングラデシュで行ったように、近視眼的な世温情主義ではなく、(BNDESのような)低利の融資と負債の割賦返済の実践は、卒業ゲートに向かう道筋として、また、家族手当の継続にとっても、好ましいものになるだろう。(2013年6月2日付けエスタード紙)

スエリー・カルダス ジャーナリストでリオデジャネイロ・カトリック大学(PUC-RIO)コミュニケーション学教授

高速鉄道コンセッションの最低収益率は7.2%に引上げ

道路民営化コンセッションや鉄道民営化コンセッションの入札は、収益率が低く設定されていたために、入札に参加する大手ゼネコンの投資意欲がそがれていたが、物流システム計画公社(EPL)は、道路民営化コンセッションの最低収益率を5.5%から7.2%を引上げて、多くの入札企業の参加を促す。

サンパウロ市経由のリオ市とカンピーナス市を結ぶ高速鉄道の最低収益率を7.2%に設定、最高収益率は10%以下を予定しているとEPL公社のベルナルド・フィゲイレード総裁は説明している。

今年の9月から10月にかけて実施が予定されている道路コンセッションの入札では、道路コンセッションの収益率の引き上げに伴って、高速道路の通行料金は、前回設定した料金価格よりも33.4%から62.3%の上昇が予想されている。

国家陸路輸送庁(ANTT)では道路民営化コンセッション期間を30年間に延長、初めに入札が予定されている第1区間は、バイア州の国道101号線で772.3キロメートル、最高通行料金は100キロメートル当たり11.51レアル、前回の公聴会で公開された価格7.45レアルを大幅に上回っている。

第2区間は、エスピリット・サント州とミナス州を結ぶ国道262号線で376.9キロメートル、最高料金価格は7.82レアルから11.38レアル、第3区間は、ゴイアス州とトカンチンス州を結ぶ国道153号線で751.9キロメートル、最高料金価格は5.84レアルから9.48レアルに引上げられている。

第4区間は、ゴイアス州とトカンチンス州を結ぶ国道50号線で425.8キロメートル、最高料金価格は5.21レアルから8.17レアル、第5区間は、連邦直轄地ブラジリア、ゴイアス州並びにミナス州を結ぶ国道60号線/153号線/262号線で1,165.5キロメートル、最高料金価格は3.36レアルから5.43レアルとそれぞれ大幅に引き上げられる。

第6区間は、南マット・グロッソ州の国道163号線/267号線/262号線で1,423.3キロメートル、最高料金価格は7.10レアルから9.47レアル、第7区間は、マット・グロッソ州の国道163号線で821.6キロメートル、最高料金価格は3.17レアルから4.66レアルとそれぞれ大幅に引上げられているが、料金改正では連邦会計検査院(TCU)の承認が必要となっている。(2013年5月31日付けエスタード紙)

 

ジェトロサンパウロの紀井寿雄調査担当ディレクターが訪問

2013年5月29日、ジェトロサンパウロ事務所の紀井寿雄調査担当ディレクターが会議所を訪問し、応対した平田藤義事務局長とアルゼンチンの経済現状や将来動向、また昼食会の特別講師などについて意見交換を行った。

左からジェトロサンパウロ事務所の紀井寿雄調査担当ディレクター/平田藤義事務局長

Sprint 社とJyoho Tecnologia社一行が訪問

ソフトバンクが約200億ドルで買収の米スプリント・ネクステル社のブラジルSprint 社のアントニオ・カルロス・シロネRegional Sales Director、ルミコ・マツムラProject&Program Manager、ソルーションビジネスのJyoho Tecnologia社のパウラ・ヒライ氏、ウイルソン・ヒライ氏が2013年5月29日に商工会議所を訪問、Sprint 社のシロネRegional Sales Directorは、応対した平田藤義事務局長に会議所活動に参加してビジネス拡大するため入会を希望している旨を伝えた。

左からJyoho Tecnologia社のパウラ・ヒライ氏/ウイルソン・ヒライ氏/ブラジルSprint 社のアントニオ・カルロス・シロネRegional Sales Director/ルミコ・マツムラProject&Program Manager/平田藤義事務局長