鉱工業部門は生産投資向け減税を要求

 国内総生産伸び率が6.0%に達していた昨年5月に発表された先端技術開発投資に対する優遇税制適用の生産開発投資政策(PDP)は世界金融危機の影響で進展していない。

 世界金融危機で中国は国内向け景気対策として、インフラ整備や鉄道建設に大型投資を実施して金融危機が終焉した時には競争力強化が見込まれているが、ブラジルは減税政策だけで国内経済の刺激策を採用しているが、金融危機終焉時には元の高率の税率に戻すだけで競争力強化は見込めない。

 金融危機後のブラジルは自動車や鉄鋼輸出が50%、電気モーター60%、履物が40%と完成品の輸出がそれぞれ大幅に減少している。

 サンパウロ州工業連盟(Fiesp)の1,200社対象の投資障害調査では重税が最も高く64%の企業が指摘、続いて政策誘導金利(Selic)36%、低い経済成長率34%、クレジット縮小28%、不安定な為替が27%となっている。(2009年8月3日付けエスタード紙)

 

 

(2009年7月31日)アマゾン・トメアスー日本移民80周年記念委員会サンパウロ支部のナンシー・フクヤマ女史が入植80周年記念誌を携えてを訪問

アマゾン・トメアスー日本移民80周年記念委員会サンパウロ支部のナンシー・フクヤマ女史が2009年7月31日に商工会議所を訪問、応対した田中信会頭、平田藤義事務長に今年アマゾン入植80周年記念誌「アマゾン移民のふるさとトメアスー」を贈呈、入植80周年式典は9月16日に開催され、また9月5日の記念ゴルフ大会への参加を招待した。

入植80周年記念誌では日本移民は1929年にパラー州のトメアスーに入植した日本移民発祥の地であり、同市は州都ベレン市から230キロメートル南に位置、その後は上流域にも拡大。戦後までに約9,600人が移り住んだ。コショウのほか、コーヒー袋用のジュート栽培も成功。日系移民の評価を高めた。

トメアスー市の人口は約4万7,000人。うち日系人は300家族が住居して、郡の総面積の13.5%に相当する7万8,000ヘクタールを所有、北ブラジルでは最古にして最大の日系人集団地を形成している。

また記念誌ではトメアスーの歴史、日系コロニアの歩み、樹木作物による複合栽培農法システム、トロピカルフルーツや生産品の紹介、トメアスー日本人移民史料館、アマゾニア日伯援護協会十字路病院、日系団体による行事などが多くの写真を掲載して紹介されている。

             
左から平田藤義事務局長/田中信会頭/アマゾン入植80周年記念誌「アマゾン移民のふるさとトメアスー」を贈呈するアマゾン・トメアスー日本移民80周年記念委員会サンパウロ支部のナンシー・フクヤマ女史

 

 

7月の自動車販売は好調維持

 全国自動車工業会(Anfavea)の発表では今月29日までの自動車販売(新車登録)台数は僅かに前年同期比1.1%減少の25万3,400台、7月は28万台の販売が予想されて金融危機後では6月の30万200台に次ぐ販売台数が見込まれている。

 今年の国内の自動車生産台数は工業製品税の減税政策や長期ローン販売が追い風となり、また新型モデルがリリースされる下半期は伝統的に販売が増加するために261万台が見込まれ、昨年の244万5,000台を大幅に上回ると予想されている。

 今年7月29日までのバスやトラックを含む乗用車販売総数は170万3,000台と好調に推移しているが、自動車輸出は昨年の73万4,600台から50万台と大幅に落込むと予想されている。(2009年7月31日付けヴァロール紙)
 

 

 

Copom議事録ではSelic金利切下げ終焉

 30日に中銀の通貨政策委員会(Copom)の議事録が発表されたが、今後の政策誘導金利(Selic)の切下げは行なわれる予定がなく、今年1月のSelic 金利13.75%から7月の8.75%と5.0%の大幅な金利引き下げの金融緩和政策の終焉を示している。

 連邦政府はブラジルの国内経済のリセッションからの脱出のために、Selic金利の大幅な引下げや経済活性化政策として自動車、白物家電や建材部門への工業製品税(IPI)の減税や免税措置を採用してきた。

 次回のCopom委員会は9月1日及び2日に開催されるが、大半の金融市場関係者はSelic金利8.75%の現状維持が今後も継続すると予想している。

 しかし6月の同委員会では今年のインフレ率を4.33%、来年は4.3%を予想していたが、7月には4.53%、来年は4.41%とそれぞれ上方修正している。

 また6月の委員会では今年の財政プライマリー収支黒字を2.5%、来年は3.3%と予想していたが、7月は2.0%、来年は2.65%とそれぞれ下方修正、金利引き下げ効果は9ヵ月後、またインフレ抑制効果は金利切下げの12ヵ月後から効果が表れる。(2009年7月31日ヴァロール紙)

 


 

ペトロブラスは岩塩下原油の30%を要求

 来週、岩塩下原油開発に関する石油法改正案が国会に提出されるが、ペトロブラス石油公社は岩塩下原油が埋蔵されている海域の原油採掘開発の独占権を擁し、採掘原油比率の30%を要求している。

 しかしペトロブラスに支払う採掘原油比率は更に検討されるが、同社では連邦政府が指定した石油開発会社との共同開発をする有望な鉱区からの採掘原油の配分比率を30%以上要求している。

 ペトロブラスは初めに岩塩下原油開発関連プロジェクトを担当しているジウマ・ローセフ官房長官に60%の採掘原油の配分比率を要求していた。

 社会経済開発銀行(BNDES)はペトロブラスの2009年から2013年の石油関連事業に対して250億レアルを融資するが、今年5月には中国国家開発銀行から100億ドルの融資をすでに受けている。(2009年7月31日付けエスタード紙)


 

メルコスールとヨーロッパ連合は自由貿易協定合意で再開

 世界貿易機構(WTO)の多角的貿易交渉のドーハ・ラウンドは10年近くも経過しているが、先進国の農産物補助金削減や発展途上国からの農産物輸出への障害などで合意に到らず、また世界金融危機の影響で更に締結が先送りされる見通しとなっている。

 スペインのミゲル・モラチーノス外相とブラジルのセルソ・アモリン外相は世界金融危機からの脱出を早めるためにはメルコスールとヨーロッパ連合国との自由貿易協定締結の重要性を認めて、2010年内の締結に向けて交渉を再開する。

 2005年10月にメルコスール加盟国のアルゼンチンが自国の自動車市場を保護のために交渉継続を拒否したために、この自由貿易交渉は中断していた。

 またヨーロッパ連合国はメルコスールからの農産物輸出に対して高いハードルを設けていたが、貿易交渉締結後はブラジルからの牛肉の輸出が期待できる。(2009年7月31日付けエスタード紙)


 

(2009年7月31日)AS CONSULT社のAchim Schudt博士が日本訪問に先立ち会議所を表敬訪問

AS CONSULT社オーナーのAchim Schudt博士が日本訪問に先立ち、2009年7月31日の商工会議所を訪問、応対した平田藤義事務局長と日本のリサイクル火力発電所見学を前に、日本のビジネスや経済について意見交換を行なった。

                    

                    左から平田藤義事務局長/AS CONSULT社オーナーのAchim Schudt博士

繊維部会では業種別部会長懇談会の発表資料作成や部会活動などについて大いに意見交換

 チームワークの素晴しい繊維部会(金原彰部会長)は2009年7月30日午後3時から5時まで10人が参加して開催、8月18日に開催される業種別部会長シンポジウムの発表資料作成では参加者がそれぞれ今年上期の回顧と下期の展望を発表、また今後の部会活動についても大いに意見の交換を行なった。

 今年上期の回顧では世界金融危機直後のNY綿花相場急落からの回復、綿糸需要の低迷、綿花から大豆生産への移行、国内衣料市況の低迷、工業製品税(IPI)の減税による耐久消費財の好調の影響による衣料品購買低下、レアル安による価格競争力の低下、衣料品の貿易減少、在庫の増加、母の日商戦の冬物衣料の惨敗、顧客の資金繰りの悪化などが話題になった。

 下半期の展望では世界の期末在庫の減少、綿花栽培の競合作物の大豆相場の動向、中国経済の回復、レアル高による綿糸輸入増加、これまで以上のコスト競争力や企業の体質強化の必要性、低価格の輸入品との競合、インフレ率を大幅に上回る最低サラリーの大幅調整、金利の低下などが指摘されたが、大半の企業は下半期の業績回復を見込んでいる。

 また部会活動報告では部会員への常任理事会議事録発送、今後の見学会の実施予定、サンパウロ州内の工場での禁煙対策の調査などで多岐に亘る意見の交換が行なわれた。

 参加者は金原部会長(日清紡)、河本副部会長(東洋紡)、高木副部会長(ダイワ)、本間氏(オーミ繊維工業)、上野氏(クラシキ)、柴垣氏(サンヨーテックス)、岡田氏(ユニチカ)、河本氏(YKK)、佐々木副領事(サンパウロ総領事館)、平田事務局長

              

    チームワークの素晴しい繊維部会では業種別部会長シンポジウムの発表資料作成や部会活動で大いに意見交換

                                                

                                                  進行役の金原彰部会長

 

 

 

岩塩下原油開発で新公社設立か

 エジソン・ロバン鉱山エネルギー相は岩塩下原油開発ではノルウエー方式に相当する政府系ファンドを設立、収益を教育や保健分野に投資するプロジェクトを推奨している。

 第2プロジェクト案として生産される原油は全て連邦政府に帰属するが、原油採掘会社には生産比率に従って連邦政府から原油採掘代が支払われる。

 第3プロジェクト案として岩塩下原油開発から販売まで全てをコントロールする新石油公社の設立プロジェクトであるが、すでに原油の埋蔵が確認されているサントス海盆やカンポス海盆に鉱区を持つ外資石油開発企業は連邦政府の決定に注目している。

 ロバン鉱山エネルギー相は岩塩下原油採掘ではすでに30ヵ所以上で試験的にボーリングして埋蔵量確認されなかったのは1ヵ所だけであると強調しているが、ノルウエー資本StatoilHydro社のジョージ・カマルゴ氏はカンポス海盆の原油開発では30%の確率で原油埋蔵の可能性を見込んでいる。

 先週、来年の大統領選候補ジウマ・ローセフ官房長官はペトロブラス石油公社が全ての岩塩下原油海域の鉱区を保持、ペトロブラスと共営企業が入札企業を管理するプロジェクトを支持している。(2009年7月30日付けエスタード紙)


 

今後は鉱工業部門で雇用増加か

 ゼツリオ・ヴァルガス財団(FGV)では企業の景況感を示す業況判断指数が改善してきて、第3四半期の鉱工業部門の雇用が増加すると予想している。

 1,115社対象の雇用調査では23.2%が第3四半期の雇用を予定、15.3%は人員整理を予定しているが、金融危機後では初めて雇用予定が人員整理予定を上回った。

 14セクターのうちで化学セクターを除く13セクターで雇用増加が見込まれ、特に輸送関連材料セクター、衣料・履物や金属セクターでの雇用が期待できる。

 連邦政府の減税措置が適用されている自動車や白物家電などの耐久消費財セクターで雇用の回復を牽引しているが、金融危機直直後にはこれらのセクターでは大幅な人員整理が行なわれていた。

 鉱工業部門の83.3%は適正在庫となっているが、5.7%は在庫不足で生産増加のために第3四半期の雇用増加が見込まれている。(2009年7月30日付けエスタード紙)