2017年度の新興国への投資総額は1兆1,000億ドルに留まるか

国際金融システムの安定を維持するため、ソブリンリスクを含む金融リスク管理の支援、規制・基準の策定などを行っている国際金融協会(Institute of International Finance「略称 IIF」)では、2017年度の海外投資家による新興国への投資総額は1兆1,000億ドル、2018年度は1兆2,000億ドルに達すると予想している。

2016年の海外投資家による新興国への投資総額は、今年の予想1兆1,000億ドルを44%下回るが、今年は過去最高であった2013年の1兆4,850億ドル、2014年の1兆2,300億ドルをそれぞれ大幅に下回ると予想されている。

2017年の海外投資家による新興国への投資総額1兆1,000億ドルは、新興国諸国の平均GDP伸び率を4.0%近くまで押し上げる効果があり、2015年の平均GDP伸び率1.5%を大幅に上回るが、2007年に記録した平均GDP伸び率9.0%には遠く及ばない。

今年の海外投資家による新興国諸国の国債購入総額は、昨年の2倍に相当する2,420億ドルに達すると予想、その他の金融投資総額は2,930億ドルを予想、しかし製造業部門向け対内直接投資は、4,670億ドルに留まって4年連続で前年を下回ると予想されている。

今年のラテンアメリカ向けの対内投資総額は、2,030億ドルと昨年の2,000億ドルと同じ水準で推移すると予想、2018年の対内投資総額は2,210億ドルに上昇すると予想している。

2018年はブラジル並びにアルゼンチン、チリ、コロンビア、メキシコで地方統一選挙があり、政治関連ボラティリティの影響で今年の対内直接投資の逃避は1,080億ドルで昨年の950億ドルを上回り、統一選挙のある2018年は1,130億ドルに達すると予想されている。

しかしブラジルに関しては、今年11月の労働法改正の施行、コントロールされているインフレ、経済回復基調の兆候やレアル高の為替などの要因で、ラヴァ・ジャット関連汚職や政治危機にも拘らず、対内直接投資は増加傾向を示している。(2017年10月4日付けヴァロール紙)

 

 

今年12月の電力エネルギー供給の入札再開

経済リセッションによる製造業部門を中心とした電力消費減少などの要因で、2016年4月の電力エネルギー供給関連の入札を最後に入札がストップしていたが、今年12月18日及び20日に入札を再開すると国家電力庁(Aneel)では、発表している。

12月18日に行われる電力エネルギー供給入札A-4では、2021年7月1日からの電力エネルギー供給が予定されており、水力発電所並びに風力発電所、太陽光発電所、火力発電所、バイオマス発電所を抱える企業の参加が予定されている。

電力エネルギー供給のA-4入札では、第1次審査としてブラジル国内の電力配電網の全国接続システム(SIN)との統合が可能かどうか審査される。第2次審査として、電力エネルギー調査公社(EPE)に登録されている総発電能力が4万7,996メガワットの1,676事業所のプロジェクトから選択される。

また今年12月20日に行われる電力エネルギー供給入札A-6では、2023年1月1日から電力エネルギー供給が予定されており、水力発電所並びに風力発電所、太陽光発電所、火力発電所、バイオマス発電所、石炭並びに天然ガスによる火力発電所を抱える企業の参加が可能となる。

電力エネルギー供給のA-6入札では、電力エネルギー調査公社(EPE)に登録されている総発電能力が5万3,424メガワットの1,092事業所のプロジェクトから選択される。

国家電力庁(Aneel)では、入札参加条件として300メガワットの発電能力を擁している企業が対象で、電力供給事業への投資ファイナンスが事業完成まで継続出来る保証を要求している。

2014年に落札して2019年に完成予定のプロジェクトを抱えていたBolognesiグループのリオ・グランデ火力発電所は、米国資本New Fortress Energy社に同社のプロジェクト譲渡を試みていたが、建設ライセンスが未だに所得していないために、国家電力庁(Aneel)は建設取消を行っている。(2017年10月4日付けエスタード紙)

 

今年初め9カ月間の貿易収支は532億8,300万ドルで記録更新

商工サービス省(MDIC)の発表によると、今年初め9カ月間の貿易収支黒字は、532億8,300万ドルで記録を更新、貿易収支の黒字拡大はレアル高の為替にも関わらず、輸出増加比率が輸入増加比率を上回ったことに起因している。

今年初め9カ月間の輸出総額は前年同期比18.7%増加の1,394億ドル、一方輸入総額は僅か8.5%増加の1,032億ドル、輸出量は5.9%、輸出金額は12.5%それぞれ増加している。

今年初め9カ月間の鉄鉱石の国際コモディティ価格は、前年同期比52.3%と大幅に増加、また半完成品である鉄鋼製品の輸出価格は33.8%、粗糖は20.2%それぞれ大幅に上昇している。

今年初め9カ月間の燃料・潤滑油の貿易収支は、石油の国際コモディティ価格が37.6%増加したために43億ドルの黒字を計上した一方で、昨年同期の貿易収支は4億4,600万ドルの赤字を計上していた。

今年9月の輸出の内訳では、第一次産品輸出は前年同月比36.7%増加の85億4,000万ドル、半完成品は11.1%増加の28億9,000万ドル、完成品は18.0%増加の68億9,000万ドル、輸出全体では24.0%増加の186億7,000万ドル。

また今年9月の輸入の内訳では、資本財輸入が34.5%増加の15億7,000万ドル、中間財は15.1%増加の85億1,000万ドル、消費財は15.9%増加の20億9,000万ドル、燃料・潤滑油は26.4%増加の13億1,000万ドル、輸入全体では18.1%増加の134億9,000万ドルとなっている。

ブラジル貿易会(AEB)のジョゼ・アウグスト・デ・カストロ会長は、ブラジル国内の景気回復に伴ってレアル通貨の上昇や製造業向け消費財、投資向け資本財の輸入増加で、2018年の貿易収支黒字は今年よりも縮小すると予想している。(2017年10月3日付けヴァロール紙)

今年9月の新車販売は11万9,200台を記録

今年9月のバスやトラックを含む新車販売は、明日正式発表されるが、今年の月間の新車販売台数は11万9,200台、営業日数が3日間多かった8月の21万6,500台に次ぐ販売記録を達成、また前年同月比では24.5%と大幅に増加している。

また今年初め9カ月間の新車販売は、前年同期比7.8%増加の162万台、9月の新車販売は前月比8.0%減少にも関わらず、1日当たりの平均販売台数は9,700台で2015年12月以降では最高の販売台数を記録している。

ADK Automotive社のパウロ・ロベルト・ガルボッサ氏は、今年の新車販売は、前年比二桁台の伸び率には達しないものの、7.3%と大幅増加の220万台を予想している。

ブラジル自動車ディーラー協会(Fenauto)では、今年初め9カ月間の中古車販売は、前年同期比8.2%増加の822万台を記録、使用3年までの中古自動車販売は21.8%増加、4年~12年使用の中古自動車販売は前年並み、13年使用以上の中古自動車販売はマイナス3.2%を記録している。

今年9月の新車販売では、最近リリースされたルノー社のKwid車が1万300台を販売してシボレー社のOnix車の1万720台に次いで2位に上昇、フォード社のKa車は8,700台で3位、現代自動車のコンパクトカーHB20車は、8,500台で4位となっている。

好調なKwid車の販売でルノー社のマーケットシェアは、10.6%に上昇して4位、GM社のマーケットシェアは18.2%でトップ、フィアット社は13%、ワーゲン社は12%、フォードは9.7%、現代自動車は8.7%で6位に後退している。(2017年10月3日付けエスタード紙)

2020年のブラジル国勢調査完結には延べ30万人の臨時職員を動員

ブラジル地理統計院(IBGE)では、昨日からブラジルの国内農業国勢調査を開始したが、2020年のブラジル国勢調査完結には、延べ30万人の臨時職員の動員が必要となり、25億レアル~30億レアルの経費が掛かると見込まれている。

ブラジル地理統計院による最後に実施された農業国勢調査は、2006年ですでに10年以上経過しており、またブラジル全体の最後に実施された国勢調査は2010年となっている。

昨日から開始されたブラジルの国内農業国勢調査には、1万9,000人の臨時調査員が今後5か月間かけてブラジル全国の農業関連に従事する530万世帯に対して聞き取り調査を行う。

農業国勢調査では、農業従事者の人口並びに農地面積、恒久的農地、一時的農地、自然牧草地、人口牧草地、自然林、植林、主要な農畜産物及び作付面積、輪作性作物、永続性作物、種苗生産、体系的農業生産調査(LSPA)などが調査される。

農業国勢調査向け予算は、今後3年間で16億レアルが見込まれているが、今年の臨時予算は5億500万レアル、2018年の予算は2億8,000万レアルが確保されている。(2017年10月3日付けエスタード紙)

 

対内公的債務残高はGDP比73.7%に上昇

2017年8月の対内公的債務残高は、GDP比73.7%に相当する4兆7,690億レアルに達して統計を取り始めた2006年以降では最高の債務残高を記録、2013年12月の51.5%から大幅に上昇している。

2015年から始まった経済リセッションから対内公的債務残高は悪化傾向を続けており、今年8月の中銀並びに国庫庁、社会保障院(INSS)で構成される中央政府並びに地方政府(州・市)を合わせた連邦政府の財政プライマリー収支は、95億3,000万レアルの赤字を記録している。

8月の連邦政府の財政プライマリー収支の95億3,000万レアルの赤字は、7月の161億4,000万レアルの赤字を大幅に下回っており、また前年同月の222億7,000万レアルの赤字よりも大幅に改善している。

今年初め8か月間の連邦政府の財政プライマリー収支は、608億5,000万レアルの赤字を計上、特に社会保障院(INSS)の赤字が唐突しており、今年8月の社会保障院の赤字は168億9,000万レアル、今年初め8か月間の赤字は1,132億7,000万レアルの赤字に達している。

昨日中銀では今年末の連邦政府の財政プライマリー収支赤字はGDP比76.2% を予想しているが、社会経済開発銀行(BNDES)による国庫庁への500億レアルの返済がされない場合の今年末の連邦政府の財政プライマリー収支赤字は、GDP比77.5%に達すると予想されている。

4E Consultoria社エコノミストのブルーノ・ラヴィエリ氏は、社会経済開発銀行(BNDES)による国庫庁への500億レアルの返済は時間稼ぎにはなるが、2023年の連邦政府の財政プライマリー収支赤字は、GDP比90%以上に達すると予想している。(2017年9月30日付けエスタード紙)

 

今年初め8か月間の企業買収・合併案件は14%増加

板ガラス、高機能材料、建築用製品 、建材流通ならびにガラス容器の4つの事業分野をビジネスの中核としているサンゴ バ ン グループ(Saint Gobain)は、過去12カ月間にブラジル企業7社を買収したが、今年初め8か月間では3企業を買収している。

ブラジル並びにアルゼンチン、チリを統括する南米サンゴ バ ン社のThirry Fournier社長は、経済回復傾向にあるにも拘らず、ブラジル企業の買収案件費用は比較的安いので、今年末までにブラジル企業3社との買収交渉を行っていると説明している。

今年初め8か月間のブラジル企業の完全買収案件は、前年同期比14.3%増加の240件、ブラジル企業への資本参加などを含めたM&A案件は、7.0%増加の406件に達するとPwC社のロジェリオ・ゴロ氏は説明している。

過去2年間のブラジル企業のM&A案件は、経済リセッションやラヴァ・ジャット汚職問題で落ち込んでいたが、今年は経済回復傾向やインフレ鎮静、継続する政策誘導金利の引下、労働法改正などの要因で、今後のブラジル企業のM&A案件は増加すると予想されている。

サンゴ バ ン社は、自社傘下の建材販売Telhanorte社のサプライヤーでファイナンスが悪化していたAdespec社並びにTekbond社、Tumelero社の買収で10億レアルを投資している。

ドイツ資本チッセンクルップ社は、グループ傘下のTernium 社をリオ州内のAtlantico製鉄所に56億レアルで譲渡して、電気自動車開発に大型投資を行う。PwC社のロジェリオ・ゴロ氏は、今年末までのブラジル企業のM&A案件は290件に達すると予想している。

今年初め8か月間のブラジル企業の完全買収案件240件のうちブラジル資本による企業買収は55%に相当する132件であったが、年末までには外資系企業によるブラジル企業買収が50%以上を占めると予想されている。

JBS社の親会社J&Fは、ジョエズレイ・バチスタ氏及びウエスレイ・バチスタ氏の共同経営で、世界的に有名で100カ国以上に輸出されているブランドサンダルHavaianasを擁するAlpargatas社を35億レアルの現金払いで、Itausa社並びにモレイラ・サーレス一族の投資会社である Cambuhy/Brasil Warrantに売却している。

ラヴァ・ジャット作戦汚職関連問題で連邦警察の捜査を受けたオデブレヒト・トランスポルテ社は、資金調達のためにガレオン国際空港の自社権益を中国資本HNA社への譲渡でサインした。 オデブレヒト・トランスポルテ社は、ガレオン国際空港の自社権益である31%の株式をシンボリックな価格の6,000万レアルで中国資本HNA社に譲渡した。(2017年10月1日付けエスタード紙)

論評【石油開発 PS契約かコンセッション契約か?】

スエリーカルダス*

石油業界に再び注目が集まる中、岩塩層下の石油開発制度には変更なく、このことが様々な議論を呼んでいる。

9月27日に実施された石油開発鉱区事業入札の結果を見る限り、石油開発への無関心な状態が終わりを告げてブラジルの石油資源に対して大企業が再び関心を持ち始めたように思われる。このような状況にある今、次の2つの年月を経た重要な事項について考え直すことに意義があると思われる。すなわち、ペトロブラスによる石油市場の独占を定めた法律の終了から20年が経過したことと、岩塩層下という有望なエリアの石油探査で生産物分与契約(PS契約)を規定する法律が12月で施行から満7年を迎えることだ。

ペトロブラスが単独で石油探査を推進する能力を失っていたことは、カンポス堆積盆地の深海で巨大な埋蔵石油資源が発見された1970年代から明らかだった。すべてが、単一の企業にとって手に余る巨大さだった。それでも、連邦政府がそれを認めたのは、ようやく1997年、カルドーゾ政権のことだ。これ以降、無数の企業がブラジルに進出し、石油探査プロジェクトを加速度的に拡大することで新規投資と雇用、所得、そして富を生み出した。こうして石油・ガスの生産は、平均で、1997年の90万バレル/日から2017年には250万バレル/日に拡大、業界の雇用は3倍に成長した。

従来を上回る深海域で、岩塩層の下に石油資源が存在することは1980年代から既に知られていた。だが、2007年になってようやく採算性と分布域を測定することが可能になるとともに、原油を揚採する技術が確立されたのである。その後、紆余曲折の後、最終的にルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ元大統領が、岩塩層下の鉱区を対象に生産物分与契約(PS契約)を義務付けた法律を裁可した。これは、生産した原油の75%を連邦政府、25%を投資するコンソーシアムが権利を確保するというもので、ペトロブラスが最低でも30%の出資比率を保有して油井で唯一のオペレーターになることをも義務付ける。

この対応は、何もかもがボタンを掛け違えるものとなり、独占的な権利をペトロブラスに取り戻そうとする試みは、実際のところ同社がそれを欲しなかったとはいえ、これに失敗した。燃料価格を凍結したことで財務状況をひっ迫させ、政治家に食い物にされ、労働者党(PT)政権によって無分別かつ当然の権利のように酷使され、 返済不能な負債を背負わせられ、ペトロブラスは、岩塩層下への投資能力、それも単独の事業主としてそれを展開するだけの資金力を失った。これに伴い、2013年にリブラ油田を対象に唯一実施された石油開発鉱区事業入札では、ペトロブラスと仏トタル、英=蘭のシェル、中国企業2社が組織したコンソーシアムの単独入札という結果に終わった。まさに、それだけだ。石油開発鉱区事業入札は凍結され、ブラジル経済はリセッションに沈み込んだ。

信頼を失墜した我が国と大統領、ラヴァ=ジャット汚職捜査で判明したようにモラルを失ったペトロブラスの有様を見て、投資家はブラジルから我先に逃げ出した。岩塩層下の石油資源は引き続き深い海の底に埋没したまま放置され、ブラジル国民はこの富を享受できなかった。2016年11月に法律が改正され、ペトロブラスはしがらみから自由になり、石油開発鉱区事業入札が再開(2019年までに8回実施される予定)、世界最大の石油会社でありながらブラジル市場に見切りをつけていたエクソンを含め、投資家も復帰した。法律は改正されたが、岩塩層下を対象にしたPS契約制度は変更されておらず、景気が回復する今、それを大きく左右する論争を巻き起こした。

PS契約を終了してこれをコンセッション契約に置き換える(独占的権利を保有する連邦政府は高い税率により権利の放棄が補償される)ことには、国家石油・天然ガス・バイオ燃料監督庁(ANP)のデシオ・オドネ総裁という支持者もいる。PS契約では、連邦政府は生産された原油の75%を確保し、企業あるいはコンソーシアムが25%を受け取る。そしてこの分配以前の段階で、探査及び生産(E&P)に関連して企業が申告した全てのコストを差し引く。オドネ総裁の主張はまさにそこで、余剰品や消耗品を利用して経費を膨らませることで企業が利益を確保しようとしかねないというのだ。

「PS契約は、ブラジルで行われた最大の誤りだ。これによって投資家は、連邦政府に引き渡す原油の量を削減するために何らの基準もなく支出を水増しできる。工業部門がPS契約を優先するという動きがアフリカ諸国で始まったことは偶然ではない」とオドネ総裁は非難する。

同総裁は、岩塩層下のエリアでは石油資源を発見できないリスクが最小限のため、その他のエリアとは異なる扱いが必要だと認める。だが、連邦政府は特別参加税の税率を引き上げることで「より大きな」歳入に繋げることができるというのが同総裁の主張だ。これによって「より透明で、効率的、コストを削減し生産性が引き上げられる」。

今のところ、PS契約は有効であるが、オドネ総裁は、この問題に関する議論を立ち上げ継続することを厭わないと話している。(2017年9月30日付けエスタード紙)

*ジャーナリスト
 

論評【為替のマントラ】

セルソ・ミンギ

ブラジルの工業部門が抱える競争力に関する課題において、国外市場に対するものと同様に国内市場に対するものであっても、為替というのはその原因のごく一部に過ぎない。

何年にもわたって、実業家が訴えてきた決まり文句は、ブラジルにおいてドルは余りにも安く(レアル高で)推移しており、このブラジル通貨の値上がりによって民間部門の競争力が葬り去られようとしているというものだった。そして「脱工業化を抑制する」ために、レアルの強力な切り下げを求めてきた。

サンパウロ州工業連盟(Fiesp)、そして機械・設備業界の方々は、それ以外について何も主張して来なかった。例えば9月27日、繊維工業を代表してフェルナンド・ピメンテル氏は、この主張を蒸し返した。

国内生産部門の大部分は競争力を持たない、言い換えるなら、外国市場に打って出るどころか輸入品とも競争できない。原則的に、この状態に為替が関与しているのは一部に過ぎない。

競争力に乏しいのは、それ以外の要因が多くを占める。すなわち、他の多くの国々よりも非常に高いブラジル・コスト、不安定なインフラ、順応できない業界を生き永らえさせる過剰な保護主義、ビジネスを阻害する極めて官僚主義的で煩雑な手続き、高い資本コスト、余りにも高い利子、低い教育水準と人材の能力…などだ。

これらを相殺するための方法のひとつが通貨の切り下げだ。これは、国内の生産コストをドル換算で低廉化し、輸入品の価格を引き上げる手法である。問題は、この切り下げを常に促進できるわけではない点だ。

為替というのは、通貨の価格のひとつ(もうひとつは金利)であり、そして、その相場は需要と供給の掟に従う。中央銀行の役割のひとつは、経済政策が意図する水準へ、このバランスゲームを規制するために介入することである。国内通貨の価値を引き上げる必要があれば中央銀行は市場で外貨の供給を拡大させる、あるいは拡大に道を開くことで、ドルはレアルに対して値下がりする。反対に切り下げる場合には、国内の為替市場でドル買いを拡大、あるいはドルの供給を絞る。

現在のブラジルで採用されている為替制度は、反則的な変動為替制度だ。そこでは、相場は需要と供給できまるのだが、大きな変動を排除する目的で何らかの介入が行われる。対外収支が極めて良好で外国直接投資(FDI)がその他の収支の赤字の3倍に達するという今の状況下では、ブラジルが潤沢なドルと共存することは避けられない。

実業家と多数のエコノミストが、より積極的な介入をすべきだと説く。彼らは、中央銀行がより多くの外貨を買うか、行政措置あるいは税金の賦課により資本の流入を抑制してくれることを求めている。

だがこれには、2つの問題がある。第1に、中央銀行によるドル買いには、インフレ要因であるレアルの発行か、既に極度な高水準にある公債のさらなる発行が求められる。第2の問題はグローバル市場でドルがだぶついていることで、これは中央銀行に統制できない変数だという点だ。このようにして、これらの資金の大部分は引き続きビジネスを目的としてブラジルに流入し、外貨の供給を拡大させる。

経済状態がより健全であればあるほど、外資の流入は増加し、為替相場は相対的に現地通貨高を維持する状況となる。逆説的だが、為替市場でドルの需要を最大限に喚起する最も容易な方法は、危機的状況が経済を崩壊させるに任せることである。(2017年9月29日付けエスタード紙掲載)
 

 

インダストリー4.0促進プログラムの発表セミナーがFIESPにて開催

2017年9月29日、サンパウロ州工業連盟(FIESP)本部にてインダストリー4.0促進プログラム(Programa Rumo à Indústria 4.0)の発表セミナーが開催された。本プログラムはFIESP、サンパウロ州工業センター(CIESP)、全国産業職業訓練機構サンパウロ支部(SENAI-SP)並びにブラジル商工サービス省(MDIC)の傘下にあるブラジル産業開発庁(ABDI)のブラジル官民合同事業。

リカルド・テーハSENAI-SP技術部長、ルイス・アウグスト・デ・ソウザ・フェレイラABDI総裁、ラファエル・モレイラMDIC特別補佐官、ジョゼ・リカルド・ロリース・コエ-リョFIESP副会長らがスピーチを行った後、インダストリー4.0に関する専門家らが講演を行った。

同プログラムは企業や民間人を対象にインダストリー4.0のコンセプトをセミナー、ワークショップなどを通じて広く紹介、説明することを主目的とし、ブラジルにある民間企業のインダストリー4.0到来への対応準備状況や期待などについてのアンケート実施やホットサイトの立ち上げなど様々なツールを活用しブラジル国内でのインダストリー4.0の認知度を深める事に努めるという。

インダストリー4.0は製造業の高度化を目指すコンセプトで、生産工程や流通工程のデジタル化により、生産や流通の自動化、バーチャル化を大幅に高めることで、生産コストと流通コストを極小化し、生産性を向上させることを狙いとしている。

商工会議所からは平田藤義事務局長が出席、ルイス・アウグストABDI総裁は開会スピーチで事務局長に対し、今後本件に関し、日本企業の協力も期待していると述べた。