HIDA一行が訪問

一般財団法人 海外産業人材育成協会(HIDA)の金子和夫理事長並びに同調査企画グループの池永美紀コンサルタント、同総務企画部経営戦略グループの小金丸幸氏、Associacao HIDA-AOTS do Brasil国際担当の板倉純理事、パウロ・ヒライ氏が2015年9月8日に商工会議所を訪問、平田藤義事務局長、吉田則章調査員が応対した。

また日本への帰国後の17日、金子和夫理事長よりご丁寧な御礼状も送付された(写真下に掲載)。会議所は今後もHIDAとの連携を深めていきたい方針。

Akinori Yoshida, Fujiyoshi Hirata, Miki Ikenaga, Miyuki Koganemaru, Jun Sakakura, Kazuo Kaneko e Paulo Hirai

Jun Sakakura, Miki Ikenaga, Miyuki Koganemaru, Fujiyoshi Hirata, Kazuo Kaneko, Paulo Hirai e Akinori Yoshida

Fotos: Rubens Ito / CCIJB

金子理事長からの御礼状 (9月17日受理)

運輸サービス部会に9人が参加して開催

運輸サービス部会(細谷 浩司部会長)は2015年9月8日午前9時から10時30分まで9人が参加して開催、毎年実施している下半期の見学旅行について意見交換会を行った。

今年の運輸サービス部会の見学会として2016年8月から9月にかけてリオ市4会場で開催されるオリンピック並びにパラリンピック会場や関連施設の視察、リオ・デ・ジャネイロ商工会議所メンバーとの交流会実施(安全対策、サポーター支援、通訳等)、見学会の日程スケジュール、プレ競技会観戦、入札条件、見学会の募集要項の詳細などについて意見交換を行った。

参加者は細谷部会長(日通)、川手副部会長(NYK LINE)、長合副部会長(NTT DATA)、小宮氏(ツニブラ)、堤氏(ツニブラ)、桟氏(Boxon)、平田事務局長、吉田調査員、大角編集担当

左から長合副部会長(NTT DATA)/川手副部会長(NYK LINE)/細谷部会長(日通)

BNDES銀行のクレジットは18%減少

ジウマ第二次政権当初からジョアキン・レヴィ財務相を中心に財政削減政策を果敢に進めており、年金・失業給付抑制政策の導入、社会経済開発銀行(BNDES)の11年ぶりの長期貸出金利(TJLP)引き上げ、インフレ抑制のため政策誘導金利(SELIC)引上げなどを実施してきた。

今年上半期の社会経済開発銀行のインフレ指数を差引いた名目クレジット総額は、TJLP金利の引上げやクレジット部門縮小などの影響で前年同期比18%減少の688億レアルに留まった。

また上半期の民間企業によるインフラ整備部門向けプロジェクトなどに対する社会経済開発銀行へのクレジットの相談件数は約50%低下しており、経済リセッションによるインフラプロジェクトの先送りなどの要因で、今後の投資回復が不透明となっている。

社会経済開発銀行のクレジット承認残高は431億レアルと前年同期の50%まで低下しており、ブラジル地理統計院(IBGE)の調査によると、今年上半期の投資総額は前年同期比9.8%と大幅に 減少している。

2008年~2009年の世界金融危機発生で民間銀行はクレジットを縮小したために、連邦政府は公立銀行に対して低金利による投資向けクレジット拡大を要請して国内経済の活性化を図った経緯があった。

しかし社会経済開発銀行の国内企業向けのクレジット金利であるTJLP金利は、政策誘導金利を大幅に下回る金利のために、国庫庁の歳出増加につながってクレジット金利の見直しを余儀なくされていた。(2015年9月4日付けエスタード紙)

ペトロブラスは2019年までに120億ドルのコスト削減を実施

石油の国際コモディティ価格下落によるペトロブラス石油公社の収益悪化やラヴァ・ジャット作戦の汚職疑惑による国内外金融市場での信用下落、ドル高の為替による一段の負債増加などの影響で、ペトロブラスは最大限のコスト削減を余儀なくされている。

先月26日にペトロブラスはコスト削減のための人件費削減計画を発表、2019年までに総額120億ドルに相当する450億レアルを削減して収益性アップを図るとアルデミール・ベンジーニ(Aldemir Bendine)総裁は表明している。

コスト削減対象として、ペトロブラス社員による海外での語学研修、親睦パーティ開催、景品の配布、出版物や手帳の配布中止、取締役以下の運転手付き社用車使用の禁止、タクシー使用や出張、残業の制限などを果敢に実施する。

ペトロブラスは直接雇用従業員8万900人、契約社員などの間接雇用従業員20万人を擁しているが、リオ州マカエ市のカンポス海盆向けの原油開発関連のエンジニア、会計士、事務員など1,200人の契約社員を解雇している。

ペトロブラスはSpassu Tecnologia社と2010年~2012年の間の外注契約として6,000万レアルの契約を結んでいたが、経費節減のためにコスト削減を余儀なくされている。

石油労統一連盟(FUP)とペトロブラスの代表団は、アウトソーシング契約解消による契約社員解雇について話し合いを継続、ペトロブラスは負債軽減のために自社資産放出を発表しているにも関わらず、石油のコモディティ価格下落やドル高の為替による更なる負債増加で人件費削減着手を余儀なくされている。(2015年9月4日付けエスタード紙)

 

港湾入札で10億レアルの臨時歳入か

ブラジル国内経済停滞による製造業部門の生産並びに売上減少で国庫庁への歳入が大幅に減少してきており、今年の中銀並びに国庫庁、社会保障院(INSS) で構成される中央政府の財政プライマリー収支は、100億レアル近くの赤字を計上して1997年以降では最悪となっている。

連邦政府は連邦会計検査院(TCU)による港湾入札に関する審査終了で年末までに8か所の民営化港湾ターミナル入札を予定しており、入札による国庫庁への臨時歳入総額は10億レアルを突破すると予想されている。

入札にかけられる8港湾ターミナルのうち5ターミナルはパラー州の港湾、3港湾ターミナルはサントス港湾、港湾ターミナルのコンセッション期間は25年間、道路コンセッション形式同様に最低入札価格を提示したコンソーシアムが落札する。

今年7月に港湾局が6か所の港湾ターミナル入札条件を発表、サントス港の2港湾ターミナル、ペルナンブーコ州スアペ港の2港湾ターミナル、リオ港の1港湾ターミナル、サンタ・カタリーナ州サンフランシスコ・ド・スール港の1港湾ターミナルとなっている。(2015年9月4日付けエスタード紙)

 

 

第3回日伯貿易投資促進産業協力合同委員会開かれる

2015年9月3日、第3回日伯貿易投資促進・産業協力合同委員会が伯開発商工省会議室(ブラジリア)で開催され、カルロス・ガティーリャ開発商工省生産開発局長と赤石浩一経済産業省通商政策局審議官の両議長の他、両国政府、経済界から約100名が参加、両国経済関係の一層の拡大に向け活発な議論が行われた。ブラジル日本商工会議所からは、村田俊典会頭、近藤剛史自動車部会長、藤田誠メディカル分科会長がプレゼンターとして出席し、ブラジルへのさらなる投資実現に向けた政策提言活動(AGIR)、自動車部門における投資機会、医療機器の市場アクセス、をテーマにそれぞれ発表を行った。また、ブラジル日本商工会議所からは、松永愛一郎政策対話委員会委員長、櫻井淳政策対話委員会副委員長、矢部健太郎政策対話委員会副委員長、平田藤義事務局長、その他大勢が参加した。

(開会挨拶)

ガティーリャ局長:

ブラジル側を代表し、本日ご出席いただいた赤石審議官を代表とする日本側の多数の皆さんに感謝申しあげる。世界を取り巻く経済環境が大きな変動の時期を迎えており、ブラジルも調整が避けられない状況にあると認識している。多くの知識や高い技術力を持ち、ブラジルとの貿易、投資において第5位の日本は、我が国の産業開発においてなくてはならないパートナーである一方、近年の日伯貿易は縮小傾向にあり、これを拡大させていく努力が必要と考えている。現在、ブラジル経済は調整過程にあるが、世界の経済危機はこれまで常に乗り越えられてきている。ブラジルはGDP世界第7位の経済大国であり、南米最大の産業生産基盤を持つなど魅力的な市場があり、日本とは中長期的視点で産業競争力強化に向けたウィンウィンの協力体制を作っていくことが必要と考えている。日伯は長い友好関係を築いてきており、現下の流動的な状況にあっても互いの強い協力関係をもとに産業発展に貢献が出来ると思っている。本日の議題は多岐に渡るが、一つも外すことは出来ない大切なテーマである。本会合だけで解決を図ることはできないので、本日はある程度の方向性を示すことを目指し、今後行なわれる新たな会合に繋げていければと考えている。

赤石審議官:

本会合の開催に尽力いただいたガディーリャ局長をはじめ、開発商工省の皆さんにお礼を述べる。日伯外交120周年という記念すべき年、また経済調整期の中での開催となり、日伯の連携が一層求められていると認識している。先般ポルトアレグレにて開催された第18回日伯経済合同委員会を主催したCNIと経団連の尽力にも感謝する。現在、日本企業700社がブラジルに進出しており、これは中南米への進出日系企業総数の65%を占め、日伯の繋がりがいかに強いかを示すものと言える。これまで本委員会では、移転価格税制等いろいろな課題において成果を得ており、この他の項目についての進展も期待している。今回、フルラン次官との事前会合において、今後更なる進展を図るために本委員会の中間会合を開催することで合意した。日本においては、厳しい構造改革を含むアベノミクスにより経済が上向いてきた。これにより、企業収益が過去最高となり、完全雇用や賃上げも可能となり、されには国民マインドが前向きになってきている。ブラジルはポテンシャルのある国と認識しており、日伯が協力して、共に発展する仕組みづくりを考えていきたい。今年の12月にはルセフ大統領が訪日を予定していると伺っており、本会合が次につながる発展的な会合となるよう率直な議論を交わしたい。

両議長の開会挨拶の後、「日伯経済合同委員会の報告」のなかで、シルビア・メネクチ・デ・オリベイラ・セルミ・CNI産業政策専門員、大前孝雄・経団連日本ブラジル経済委員会企画部会長、森田清隆経団連国際協力本部上席主幹より、8月31日、9月1日両日にリオグランデスル州のポルトアレグレ市で開催された第18回日伯経済合同委員会の結果報告が行われた。続いて、村田俊典ブラジル日本商工会議所会頭より、AGIR活動の進捗報告として優先提言5項目の発表と、同項目をアジェンダとする「ブラジルへの更なる投資実現に向けた政策対話の提案」が行なわれた。

(村田会頭の発言概要)

テーマ:ブラジルへの更なる投資実現に向けた政策対話の提案

【AGIR活動の概要と48項目の提言書の取りまとめ】

カマラが昨年から取り組んでおりますAGIR、これはAction plan for Greater Investment Realizationの略ですが、この活動は、ブラジル進出日本企業の立場で、ブラジルコストの改善やブラジル産業の国際競争力強化に向けてブラジル側と一緒に何が出来るのかについて提案・議論を行なうための活動で、日本企業によるブラジルへの更なる投資実現と日伯間の新たなビジネス機会の拡大を目指そうとするものでございます。この目的の実現に向け、カマラでは昨年、政策対話委員会を設立し、その傘下に5つのワーキンググループを設け、現状、在ブラジル日系企業が積極的な投資活動を控えたり、国際競争力の低下を招いている要因、また各業界におけるサプライチェーンを支える裾野産業がブラジルになかなか育たない理由、高い技術力とノウハウを持ち、ブラジル中小企業の競争力向上に貢献し得る日本の中小企業がブラジル進出を躊躇する原因を調べ、両国経済が共に繁栄し得るための具体的な改善提案書を取りまとめるべく半年間にわたり議論を重ねてまいりました。そして本年3月、ブラジル裾野産業の育成、国際競争力の強化、インフラ分野への投資促進、また、税、労働、通関分野に代表されるブラジルコストの低減といった観点からなる計48項目の提言書を取りまとめた次第でございます。

【ブラジル産業界との情報交換】

昨年、藤井前会頭より本件ご説明申しあげた際、ブラジル側議長を務められたエロイーザ・前生産開発担当次官より、AGIR活動は進出日系企業のみならずブラジル産業界も裨益する重要な活動であるとして、CNIと連携しながら進めてはどうかとのご助言をいただきました。これを受け、CNIのアビジャオディ産業開発担当理事から、ぜひ一緒に取り組もうとのお声掛けをいただき、その後すぐに、CNIが纏められた提言書をお送りくださり、また、AGIR活動の進め方についても都度貴重な助言を頂戴するなど、カマラの活動に対し多大なご理解とご協力をいただいております。カマラでは、提言書の策定過程において、いただいたCNIの提言書を参照しながら、ブラジル産業界の問題意識や提言内容を念頭に置きながら各ワーキンググループでの議論を進めてまいりました。また、提言書を取りまとめたのち、私と政策対話委員一同でCNIを訪問いたしまして、アビジャオディ理事や国際部幹部の方との懇談を通じて多くの部分で双方の問題意識に共通性があることを確認し、両者協力して政策対話に臨んでいこうとの考えを共有した次第です。

【優先要望5項目の選定】

他方、カマラでは、AGIR活動の進め方について、経済産業省や梅田大使はじめ日本大使館の方々からも種々助言を得ながら、両国がウィンウィンの関係を築くための政策対話はどうあるべきかを考えてまいりました。当初、48項目すべてを提案するという案もございましたが、日本政府との協議を重ねる中で、進出日系企業にとっての優先度合いというよりはむしろ、現在ブラジルの産業界が抱える課題をまず念頭に置き、その改善に向け日本官民がよりブラジルに貢献できる提案は何かという視点からこの活動に取り組むことが大切であるとの考えに至り、今回、48項目の中から先ず、お配りしておりますとおり、2分野、5項目からなる提言書を策定したところでございます。

【優先提言5項目の概略】

時間の関係もございますので、提言書の項目のみご説明させていただきます。一つ目の分野は、「裾野産業の育成・中小企業の進出促進」を図るための提言でございまして、この中で3つの項目を取り上げております。

一つ目の項目は、

1)部品メーカーへの税制優遇等、中小企業支援施策の策定です。

二つ目は、自動車業界を想定したものですが、

2)より高いマネジメントスキルを持つエンジニアの養成の必要性を挙げ、人材育成の促進を提案しております。

三つ目は、自動車業界をはじめブラジルの裾野産業の振興を図る上での提言として、

3)利便性のある経済特区、輸出促進特区の設置と効果的な運用を挙げております。

この特区制度につきまして、若干補足説明をさせていただきます。

現在ブラジルでは、北東部を中心に自動車産業を対象とするフリーゾーンや輸出促進特区が設けられていますが、大消費地且つ大工業地帯であるサンパウロ周辺にも同様に、各種税制恩典等を提供する経済特区や輸出促進特区を設けていただきたいと提言しております。これにより、物流コストの削減、メーカーとの効率的な事業連携、更に、技術レベルの高いローカルサプライヤーとの協業を通じた海外市場開拓の機会も得やすくなるものと考えております。また、同特区内では、他国で実績のある各種許認可所管庁を束ねるワンルーフ窓口や手続き代行サービスセンターの設置、更に、中小企業間の協業を支援するビジネスマッチングサービスを実施するなどして、企業が生産、営業活動に専念できる体制を整えることを提案しております。本件につきまして昨年、サンパウロ投資局(Investe Sao Paulo)からの要請に基づきカマラから提案書を提出し、合わせて開発商工省、APEXにもこの旨伝えましたところ、その重要性への理解を得て現在、輸出加工区等を遠隔地のみならず立地の優れた地区へ設置すること、また、特区内に各種サービス専門業者も参入させていく可能性を検討するなどの内容が盛り込まれた法案が国会に上程されております。仮にこれが実現する運びとなりましたら、カマラと致しましても、特区の効率的運用に向けた協力として、他国での事例を参考に、計画初期の段階からお手伝いさせて頂けると考えております。   カマラからの提案書を真摯にお取り扱いいただき、短期間のうちに法案の上程までご対応くださいました開発商工省にこの場をお借りしまして厚くお礼申しあげたいと存じます。

提言書二つ目の分野は、「インフラ整備の促進」に向けた提言で、この中で2つの項目を取り上げております。

一つ目の項目は、金融制度改革についてのもので、4)海外投資家に対するインフラ投資環境の改善として、外貨導入によるインフラ整備の促進を挙げております。

最後の項目となります二つ目は、投資促進のための重要インフラの整備についてのもので、5)電力の効率的利用によるエネルギーコスト削減の必要性を挙げ、スマートグリッドの導入を提案しております。

各提言の背景や内容につきましては、後ほど、お手元の提言書をご参照いただければと存じます。

【MDICへの提言書の提出】

カマラでは先月17日、開発商工省副大臣事務局を訪ね、本提言書の概要をご説明申しあげました。担当官の皆さんには我々の提案をとても好意的にお聞きいただき、提案5項目いずれも開発商工省の課題認識と合致しているとして、これら提案項目に基づく政策対話に早速取り組みましょうとおっしゃっていただきました。特に、インフラ整備の促進に向けた外貨導入策に係わる提案に高いご関心をお寄せいただきましたので、カマラが先般実施しました外貨導入施策に係わるブラジルとメキシコ、チリ、ペルーとの比較調査結果をもとに、現在、インフラワーキンググループにおいて、より具体的な提案書を取りまとめているところでございます。作成でき次第、提出申しあげたいと考えております。この他、スマートグリッドの導入、ブラジル自動車裾野産業の育成に向けた提案につきましても、それぞれのご担当官からWGを作って早く議論しようとお声掛けをいただきまして、カマラとして大変光栄に思っているところでございます。

【結び】

これら項目はいずれも、進出日系企業のみならずブラジル産業界にとっても関心が高く、且つブラジルの産業競争力強化を図るうえで有効と思われる項目と認識しておりますので、カマラといたしましてはなるべく早く、日伯官民による未来志向的な政策対話に取り組みたいと心から願っている次第でございます。本日、開発商工省から具体的なご提案をお伺いできることを期待しております。AGIR活動につきましては、今後も本委員会のご助言、ご指導を頂きながら官民協力して進めてまいりたく存じますので、今後とも何卒よろしくお願いいたします。

(ブラジル側のコメント)

ガティーリャ局長:

両国間の協力にとって重要な項目が挙げられている。モンテイロ大臣もCNI出身で、CNIとも協力しながらの産業政策対話は大変重要な活動であると位置づけている。カマラにおいてこのような活動が行なわれてきたことに感謝申しあげる。

続いて、「貿易と市場アクセス」のセッションが行われ、藤田誠ブラジル日本商工会議所メディカル分科会長から、“医療機器等の販売に係る審査の迅速化”として、同分科会のこれまでの活動成果の概要説明が行われた。

(藤田分科会長の発言概要)

テーマ:医療機器等の販売に係る審査の迅速化

2年前の第一回の当委員会の時から、ANVISAによる医療機器の輸入販売承認審査において、ブラジル国外の工場のGMP査察に2年以上、薬事登録審査に1年以上かかっており、日本で流通している最新の医療機器でも、ANVISAによるGMPの承認が未取得の工場で生産されている医療機器は、ブラジル国民のために使用していただくまでに最低3年以上はかかっている、という課題をとりあげ、日本政府(厚労省・PMDA)の協力を得ながら、課題に取り組んでまいりました。

この2年の間、ANVISAと日本のPMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 :日本の薬事規制当局)が非常に良好な関係を築き、お互いに情報交換を緊密に行いながら、昨年2014年8月1日、ブラジリアにて、ブラジル保健省と日本厚生労働省との間で「医療・保健分野における協力に関する覚書」に署名がなされ、翌日の8月2日には、サンパウロにて、日伯医療分野規制に関するセミナーが開催され、日本からは安倍首相も出席されるという一大イベントが催されました。

また、8月20日にはブラジリアの日本大使公邸にて、前ANVISA長官と私どもメディカル分科会の会合が実現し、メディカル分科会からANVISAに相談ができる体制を作っていただきました。そして9月初は、前ANVISA長官が日本を訪れ、厚労省や医療機器産業連合会などとの会合及びいくつかの日本企業を訪問されました。このような過程を経て、今回大きな進展がありました。

昨年の11月と今年の1月に2つの大きな法改正が承認され、GMPに関しては、更新期間が2年から4年に延長また、相互協定を締結した国外の規制当局が保有する情報を活用できること、及び ANVISAが認証した国内外の監査機関への委託を承認することが承認されました。また、製品登録に関しては、更新期間が5年から最大10年へ延長されることが承認されました。このことは、非常に大きな進展であり、改善に結びつくと期待しています。また、今月9月10日には、第2回の日伯医療分野規制に関するセミナーが今度は東京で開催され、新しい長官のDR. バルボッサも出席されます。引き続き、ANVISAとPMDAの良好な協力関係が継続されることが期待されています。

今後についてですが、薬事登録については、サンプル数は少ないのですが、申請から承認まで平均1年以上かかっていたものが7ヶ月以内と改善されている傾向が見れます。一方、GMP査察については、このように査察待ちの件数は増加しており、査察までの期間も1年以上増加し、状況は悪くなっております。従い、特に紫にハイライトしている部分、法改正がなされた点について、実効性がまだない状態ですので、その実効性がいつ出てくるのか、について、継続的にフォローアップをしていく必要があると考えております。これらが実効性を持てば、ANVISAにおける効率化やマンパワーの向上につながり、審査の迅速化に寄与していくようになると期待しております。

これらの点について、PMDAとも相談しながら、ANVISAと確認をしてまいりたいと考えております。薬事登録についても、GMP査察のように、ANVISAが指名する第3者機関や他国の認証が使えるようになると、更に直接的に改善が進むのではないかと思います。

また、昨年取り上げた課題のひとつで、INMETROに関する点については、進展がありませんでした。引き続き、相談できるようにしていきたいと考えております。

これらGMP監査や薬事登録は、人命に関わる重要な手続きであり、ANVISAとしても国民の健康を守る責任があり十分な審査が必要であることは理解しております。是非協議を継続していただき、安全と効率化を両立できるようになることを望んでいます。

毎回繰り返しておりますが、この要望の根底にあるのは、「ブラジルに貢献したい、ブラジル国民の健康に貢献したい」という日本の医療関連企業の気持ちであることをご理解ください。つまり、日本企業の高度で高品質な医療機器を少しでも早くブラジル国民のために使えるようにしたいということです。

是非、ブラジル国民の健康に貢献するため、引き続き、ポジティブにこの提案をとらえていただきたいと思います。

この他、「貿易と市場アクセス」のセッションでは、各機関からの下記プレゼンテーションをもとに、両国の貿易、投資拡大に向けた活発な議論が交われた。

3.1. ブラジル産の加熱処理された牛肉の輸出展開

フェリッペ・ロペス農務省検疫担当官

3.2 総理訪伯及び前回からのフォローアップ

経済産業省

後藤勝良 NEXIニューヨーク事務所次長

3.3 医療機器

藤田誠 ブラジル日本商工会議所・メディカル分科会長

3.4 医療関連のプロジェクト

友納睦樹 富士フィルムブラジル社長

3.5 アルミ産業の協力状況

中富道隆 日本アマゾンアルミニウム社長

ギエルメ・ケシシアン 開発商工省

3.6 知財分野における協力状況

松下公一 特許庁・総務部 国際協力室室長

イゴール・ナザレ 開発商工省

3.7. 香水・化粧品分野での協力

グスタボ・カンポス 開発商工省

3.8. 航空分野における協力

レオナルド・クレバー・デ・アサイデ 外務省商業防衛・保護局長

(ブラジル側のコメント)

レオナルド・ロドリゲス・ペレイラ ANVISA医薬・健康製品マネージャー

来る9月10日の医療セミナーの参加のためANVISAバルボサ長官が訪日する予定をしており、その際に詳細が議論できる時間をとってあるので、この委員会では簡潔に述べさせていただきたい。8月末に3つの新規制が発表された。まず、診察の際に活用される医療器具や機器に関し、品質を維持しながらも手続きの簡易化を行うことになった。また、2014年から2015年にかけて、特に登録済みのリスクの少ない製品に関しては、登録期間が90日から30日と短縮されており、登録の迅速化を図っている。日本で開催されるセミナーでは、具体的な数字を使って審査期間に関する詳細が議論される予定で、そこでは日本での審査期間なども参考にさせていただきたい。さらに工場審査に関しては、日本がMDSAPに参加することで申請短縮に近づいていると考えており、これも医療セミナーにて詳しく議論できればよいと考えている。

続いて、下記により「4.投資」、「5.造船産業の協力」、「6.エネルギー分野の協力及びスマートシティ/スマートグリッド」、「7.固形廃棄物」、「8.自動車部門における投資機会」のセッションが行なわれ、各機関からの下記プレゼンテーションをもとに、両国の貿易、投資拡大に向けた活発な議論が交われた。

8.自動車部門における投資機会のセッションでは、近藤剛史ブラジル日本商工会議所自動車部会長より、“自動車産業の投資機会の拡大“をテーマに、カマラの産業競争力強化・中小企業育成WGや自動車部会の活動をもとに在ブラジル日系自動車産業界からの提言が行われた。

(近藤自動車部会長の発言概要)

1.ブラジル自動車市場の将来予想と課題

2015年上半期(1-6月)のブラジル国内の自動車販売は、ブラジル経済の悪化、それに伴う失業率の上昇などに伴い、132万台、年率286万台と前年比20%減少となっており、また、自動車生産は、更に深刻な状況であり、レアル安の影響に伴い輸出は増加しているものの、国内販売の激しい落ち込みをカバーするには至らず、約128万台と前年同期に比べ23%減少となっております。ブラジル自動車工業会(ANFAVEA)の2015年の国内市場の見通しは、昨年の350万台に対して、22%減少となる278万台(約70万台の減少)と予測していますが、 当自動車部会では、さらに厳しい見通しになるものと覚悟しております。なお、市場がピークであった2012年の380万台からしますと、わずか2年で、約100万台の市場が減少する、これまで経験したことのない大変厳しい状況に、ブラジルの自動車産業は置かれております。こうした状況に伴い、欧米メーカーを中心として、ブラジル国内の販売店は、上期に、492店舗が閉鎖し、既に12,000人が解雇され、自動車メーカー各社は、昨年からの累計で約36,000人ものレイオフ・解雇・集団休暇を実施しております。

2.自動車産業における投資機会の拡大に向けて

それでは、本日のテーマの『自動車産業の投資機会の拡大』に、移らせていただきます。ブラジル政府は、2012年から国産化推進の自動車政策に取り組んでおり、政府の取り組みに呼応する形で、自動車各社は、現調率の向上に向け、例えば、エンジン工場の新設、サプライヤーと一体となった工程改善・原価低減活動など、ブラジル国内の自動車産業の基盤強化に取り組んでまいりました。この国産化推進の取り組みを、より実効あるものにするためには、『生産性向上を通じたブラジル産車両・部品の国際競争力の強化』、『ブラジル産車両・部品の輸出促進政策』に、官民挙げて、一体的に取り組むことが必要であると考えております。本日は、時間も限られておりますので、ポイントを絞って、提言させていただきます。

まず、1点目の『生産性向上を通じた国際競争力強化』に関して、3点提案いたします。

1点目は、高技能・高技術を有するエンジニアや熟練労働者など、官民連携した人材育成の促進

2点目は、輸入税率の低減、手続きの簡素化を通じた、新旧を問わず、生産性向上に資するグローバル設備の導入に向けた支援

3点目は、中小企業向け経済特区、輸出促進加工区の設置、更には、行政サービスのワンストップサービスの提供を通じた、競争力のある中小企業の誘致・支援であります。

これらの取り組みを通じて、生産性向上を図り、ブラジル国内の製造基盤を強化することが何よりも重要であると考えております。2点目の『輸出促進政策』については、これまで、ブラジル政府は、輸出売上高の一部を還元する輸出払い戻し税を導入するなど輸出促進に積極的に取り組んでいただいております。今後、さらに、ブラジル製車両のブラジルからの輸出を拡大するには、短期の経済情勢や為替動向、貿易収支動向に影響を受けずに、中長期的な視点にたった、一貫した政策の継続・強化が必要であります。弊社でも、昨年から、ブラジル生産車両を、従来のアルゼンチンに加え、ウルグアイ・パラグアイへも輸出を開始いたしましたが、依然として、輸出拡大には、コスト競争力の面で、課題を抱えております。ブラジル政府には 、輸出払い戻し税などの輸出促進に関するインセンティブの一貫性を持った政策の実行、更なる促進施策の導入をお願いいたします。ブラジル政府からの支援もいただきながら、将来、ブラジルの自動車産業を、盤石な産業基盤の元、高い国際競争力を有する『中南米地域の生産・輸出拠点』にしていきたいと考えております。

4. 投資

4.1. 農業分野への投資協力

マウリシオ・フレーリー・クラド 農務省 海外投資協力担当官

4.2. 物流インフラ投資計画の新プロジェクト

ダニエル・シゲルマン 運輸省運輸活動振興局長

4.3. 投資協定

ジョージ・デ・オリベイラ  外務省サービス交渉局相談役

5. 造船産業の協力

星野芳隆 在ブラジル日本国大使館 公使

ジョアン・ルイス・ロッシ 開発商工省生産開発局担当官

6. エネルギー分野の協力及びスマートシティ/スマートグリッド

フェルナンド・ロウレンソ 開発商工省

ファビオ・カバルカンチ ANEEL有効エネルギー調査・開発局アドバイザー

7. 固形廃棄物

カルロス・マンダリノ 開発商工省生産開発局

8. 自動車部門における投資機会

8.1 開発商工省(マーガレッチダイレクター代行)

8.2 近藤剛史 ブラジル日本商工会議所・自動車部会長

8.3 石田靖博 ジェトロ・サンパウロ所長

(ブラジル側のコメント)

カルロス・ガティーリャ 開発商工省生産開発局長

先ずは、ブラジルへの投資を検討していただいていることに感謝を申しあげるとともに、JETROのミッションを歓迎したい。InovarAuto政策は、産業保護があるために競争力を生み出すのではなく、技術力や効率性の向上の為に産業競争力があるとされることを目指し、一層の技術力の向上とイノベーション政策へと向かっていくことを望んでいる。ブラジル人は、今自動車を購入しなくても、来年再来年には購入する。不景気の雑音は聞こえてくるが、来年の上半期後半頃の景気回復に期待しているし、自動車市場が長期に停滞することはないと思っている。輸出政策に関しては、最近6ヶ月間の間にウルグアイやメキシコとの条約改正を実施し、アルゼンチン、コロンビア、パラグアイとの条約改正も間近、アメリカ、ヨーロッパ、アジア諸国との新しい条約も検討している。自動車産業は二国間条約のリーダーともいえ、国内需要のみならず、南米大陸諸国との貿易を可能としている。例えば、コロンビアとの条約を締結すれば、自動車輸出が3000台から50000台に増加すると見られている。ブラジル国内での地位を築ければ、ブラジルの輸出政策を活用できる。

(閉会)

・赤石浩一 経済産業省通商政策局審議官

本委員会では、ガティーリャ議長のイニシアティブもあり多くの案件の議論が多少の時間超過で可能になり、日伯両側の協力をしていただいた関係者に感謝を評す。多くの議論の中で、特にAGIR活動の重要性が認識でき、今後の協力や解決についてのAGIRの新案を今後もしっかり議論していくことが出来ればと考えている。それ以外の分野でも次回の会合を待たずに、日伯経済合同委員会での提言についても様々な意見交換が行なわれ、その他の個別案件に関しても今回の会合を踏まえて議論が進展していくものと信じている。次回は東京での開催になるが、冒頭でも説明したとおり、来年1月くらいに、分科会を派遣して、今回提案した課題に関する中間会合、小委員会を設けて、本格的な会合は来年の夏6月くらいに調整して開催する様進めていきたい。今回の会合は始めて参加させていただいたが学ぶことも多く、国際会議にしては友好的な会議で嬉しく思う。引き続き問題の解決、そして次回の会合に向けての今後の協力をお願いしていきたい。

・カルロス・ガティーリャ 開発商工省生産開発局長

モンテイロ大臣そしてブラジル政府を代表し、先ずは日本側の関係者に感謝を述べる。全ての案件の議論が可能になったのも、信頼関係があるからであり、この会合では合意というよりは信頼関係を築けたことに異議があると思う。日伯の距離はあるが、ブラジルは民主主義、組織機能性、大きな国内市場、そして過去10年間に約6000万人の労働市場への参入、産業のベースとなる技術やサービスが整っており、後はきちんと発展するよう努めるのみである。この発展には、友好国である日本との協力が重要な意味を示している。この委員会は大変重要なものであり、来年の日本開催の会合にも参加するようにしたい。

Durante 9° Reunião MDIC-METI foram discutidas parcerias em diversos setores como: mineração; agricultura; automotivo; resíduos sólidos; equipamentos médicos; higiene pessoal, perfumaria e cosméticos, entre outros. (Fotos: Washington Costa/MDIC)

中銀の通貨政策委員会はSelic金利を14.25%に据え置く

前回までインフレ圧力を軽減するために更なる金融引締め政策採用を余儀なくされていた中銀の通貨政策委員会(Copom)は、昨日夜に現在の政策誘導金利 (Selic)14.25%を全会一致で据え置くことを決定、前回まで7回連続しての更なる金融引締め政策を緩和している。

中銀の通貨政策委員会(Copom)は、テクニカルリセッション入りの確認やインフレ上昇率の低下などの要因でSelic金利の14.25%据え置きを決定したにも関わらず、2006年12月以降では最高金利を継続している。

中銀のCopom委員会がSelic金利の14.25%据え置きを決定した昨日のレアル通貨に対するドルの為替はR$3.753まで高騰して、過去12年間では最高のドル高の為替を記録している。

レアル通貨に対するドルの為替は輸入品価格上昇でインフレ圧力につながっており、中銀の2016年のインフレ指数の消費者物価指数(IPCA)の中央目標値4.5%の達成は困難になると予想されている。

今年のインフレ指数の消費者物価指数(IPCA)は2003年以降では初めて連邦政府の許容上限値6.5%を突破すると予想されており、中央目標値4.5%の達成は2017年になると見込まれている。(2015年9月3日付けエスタード紙)

 

 

8月の新車販売は23%下落

全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)の発表によると、8月のバスやトラックを除く新車販売は前月比8.9%減少、前年同月比22.9%減少の19万9,853台に留まっている。

全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)のアラリコ・アスンプソン・ジュニオール(Alarico Assumpcao Junior)会長は、8月の新車販売が大幅に減少している要因としてブラジル国内経済のリセッション入り、失業率の上昇、一般消費者の景況感悪化を挙げている。

8月のトラック並びにバス販売は前月比9.7%減少、前年同月比44.4%減少の7,416台、今年8か月間のトラック並びにバス販売は前年同期比40.35%減少の6万4,762台、今年のトラック並びにバス販売は前年比41.75%減少が予想されている。

また今年8か月間のバスやトラックを含まない新車販売は前年同期比20.4%減少の168万9,000台、今年の新車販売は失業率の増加、実質収入の減少、延滞率の増加による与信強化、クレジット金利の上昇などの要因で前年比22.9%減少が予想されている。

Fenabrave連盟の調査によると、与信審査の強化でクレジット承認が大幅に減少、また販売不振で今年はすでに347店舗の新車販売ディーラーが閉店した影響で自動車小売業界では1万7,000人の従業員が解雇されている。

8月末の自動車メーカーやディーラーの新車在庫は31万台に達して営業日数換算では47日と7月の45日分から更に在庫が増加して適正在庫上限の30日を大幅に上回っている。

レアル通貨に対するドル高の為替で自動車輸出にとっては追い風となっているにも関わらず、大半の輸出先が市場規模のラテンアメリカ地域となっているために、国内販売低下を補うにはマーケット規模が非常に小さい。

自動車業界で唯一、販売増加が見込まるのは農業機械であり、ブラジルの穀物生産が記録を更新すると予想されるために、今年12月以降の大幅な販売増加が見込まれている。(2015年9月3日付けエスタード紙)

7月の過去12か月間の製造業部門の生産は5.3%下落

ブラジル地理統計院(IBGE)の調査によると、7月の製造業部門の生産は前月比1.5%減少、最も悲観的な予想をしていたエコノミストの0.6%減少を大幅に下回る生産減少を記録している。

また7月の過去12か月間の製造業部門の生産は5.3%下落してリーマンブラザーズ証券会社破産をきっかけとした世界金融危機後の2009年12月以降では最大の落ち込みを記録している。

ブラジル経済の停滞並びに新車販売向け工業製品税(IPI)減税政策停止、在庫調整のために多くのメーカーが集団休暇を採用した影響で昨年12月の製造業部門の生産は前月比1.8%ト大幅に下落していたが、今年7月の製造業部門の生産落ち込みはそれに匹敵する落ち込みを記録している。

MB Associados社チーフエコノミストのセルジオ・ヴァーレ氏は、連立与党による財政収支悪化につながる減税政策支持、ジョアキン・レヴィ(Joaquim Levy)財務相の発言力低下、ミッシェル・テメル(Michel Temer)副大統領の政治工作担当辞任などの影響で、8月の製造業部門の生産は更に悪化する可能性が強い。

7月の製造業部門の生産は前月比1.5%減少、前年同月比8.9%減少、今年7か月間では6.6%減少、過去12か月間では5.3%減少、7月の資本財セクターの生産は前月比1.9%減少、前年同月比27.8%減少、過去12か月間では16.8%減少している。

前記同様に中間財セクターは2.1%減少、5.6%減少、3.2%減少、消費財セクターは1.1%減少、10.1%減少、6.2%減少、そのうち非耐久消費財は3.4%減少、9.2%減少、4.35減少、耐久消費財セクターは6月の生産が前月比で13.7%減少していたために9.6%増加となっているが、前年同月比13.7%減少、過去12か月間では12.1%減少している。(2015年9月3日付けエスタード紙)

 

「外交関係樹立120周年記念セミナー」に300人が参加して開催

ブラジル日本商工会議所、日本経済新聞社、サンパウロ州工業連盟(FIESP)主催、ブラジル全国工業連盟(CNI)、在ブラジル日本国大使館、ブラジル連邦政府外務省後援、オ・エスタード・デ・サンパウロ紙協力の「外交関係樹立120周年記念セミナー」は、2015年9月2日午後2時から6時までサンパウロ州工業連盟(FIESP)貴賓室に300人近くが参加して開催された。

初めにFIESPのトマス・ザノット国際部長は開会挨拶で、梅田邦夫大使、ブラジル日本商工会議所の村田俊典会頭、ジョゼ・アウグスト・コレアDEREX取締役、国際協力銀行(JBIC)の矢島浩一代表取締役副総裁、日本経済新聞社の平田善裕常務執行役員の参加にお礼を述べた。

ブラジル日本商工会議所の村田俊典会頭は、CNIやインベスト・サンパウロ、ドイツ商工会議所、米国商工会議所から多数参加してこの記念セミナーに多大な関心を寄せており、講演内容を楽しみにしているが、1970年代はウジミナスやセニブラ、アマゾンアルミ、イシブラス、セラード開発などの日伯経済協力の象徴ともいえる大型プロジェクトを通じて密接な経済関係を構築、両国は修好120周年を迎えて世界で一番遠いにも関わらず、世界で最も緊密な関係にあり、2006年には地デジ日伯方式を採用して世界各地域で地デジ日伯方式の拡大を続けている。

ブラジル日本商工会議所の会員数は増加の一途を続けており、政策対話委員会を設立してビジネス環境整備に取り組んでおり、またビジネス交流には人的交流が重要であり、ブラジル国民に対する短期滞在数次査証発給と同等の査証発給など早期解消につながってほしいと説明、梅田邦夫大使は今回のセミナー開催は日本政府を代表して感謝しており、ブラジルに進出している日本企業は700社となっているが、2014年は数社の増加に留まっており、いかに投資増加するかが課題となっている。今後はいろいろなアイデアを出してゆきたい。日伯関係の現状として昨年の安倍総理の来伯で両国関係は着々と進展、120周年記念行事として数百に及ぶ関連事業を進めており、9月12日の花火祭り、10月末の秋篠宮の来伯、12月のジウマ大統領の訪日でクライマックスを迎えるが、5月には賢人会議開催、7月にはマウロ・ルイス・ビエラ外相の訪日、8月にはマガジン・ルイザ社のルイザ・トラジャーノ社長、ブルーツリーホテルの青木智恵子社長など女性経営者と安倍首相の会談、ペトロブラスの造船関連問題の解決の一環としてタスクフォースの設立、現在のブラジルは政治経済で大きな問題に直面しているが、反面チャンスを迎えており、皆さんの実行力や信頼、潜在能力に期待しているとエールを送った。

パウロ・スカフェFIESP会長は、ブラジル人は日系コロニーに対して信頼や尊敬を擁しており、日本企業進出の土壌は整っており、ペトロブラスの汚職問題で政治危機に直面しているにも関わらず、乗り越えることは明らかであるために、今が投資チャンスであると強調、アフォンソ・フランコ・ネット経済政策局長は、ジョアキン・レヴィ財務相は急用で参加キャンセルを余儀なくされたが、外交関係樹立120周年記念セミナーでは日本企業からの投資を期待していると伝言を持ってきた。日本はブラジルにとって有用な投資パートナーであり、トヨタ、ホンダ、日産などの自動車関連投資、JBICによるファイナンスなど数えきれない投資が行われており、今後はセラード開発同様にMAPITOBAs地域への農業並びにインフラ、ロジスティック整備投資でブラジルコストの削減に協力を期待していると述べた。

国際協力銀行(JBIC)の矢島浩一代表取締役副総裁は、「ブラジルへの期待-経済協力の新たなステージ」と題して、JBIC銀行は輸出入銀行として1950年に設立、リオ支店は1958年に開設、JBICは日本及び国際経済社会の発展に寄与するために、日本にとって重要な資源の海外における開発及び取得の促進、日本の産業の国際協力の維持及び向上、地球温暖化防止等の地球の環境保全を目的とする海外における事業の促進を掲げる4ミッションを柱に事業活動を実施、ブラジルコストの課題、5月の賢人会議での石油・天然ガス生産、自動車セクター・産業活動、インフラ、再送可能エネルギー、第3国への支援、貿易投資促進会議によるEPAや AGIRについての報告などについて説明した。

パネルディスカッション1では「どう拡大するビジネス交流-新たな成長の種は? 課題は?」と題して、モデレーターは日本経済新聞社の鈴木亮編集委員が担当、ブラデスコ銀行チーフエコノミストのオタービオ・デ・バーロス氏は「ブラジル経済の現状と課題」と題して、マーガレット・サッチャー元首相のYou may have to fight a battle more than once to win it.(勝つためには、一度ならず戦わなければならないこともある。)の名言を引用して、ブラジルの経済危機脱出には財政再建、支出削減、インフレに関係なく金利の低下、生産性の向上、インフラ整備などの問題のネックを指摘してブラジルは山積みの問題を抱えているが、必ず解決できると強調した。

三菱商事の白木清司副社長執行役員、中南米統括は2011年11月に着任、事業の再強化、事業投資におけるマーケットリーダー、人材の育成を強化、ビジネス障害のネックになっているブラジルコストは時間をかけて改善していく必要があり、世界7位のGDPの潜在ポテンシャルは非常に魅力的である一方で、社会政策、構造改革の早急に着手する必要があり、国際コモディティ価格の下落やラヴァ・ジャット作戦による汚職問題発覚でブラジルが抱える問題が明確となって今が問題解決のチャンスであり、競争力を付ける機会となっており、中長期的に見て自動車や飛行機製造など立派な工業国になる。2018年には国際コモディティ価格は改善、三菱グループは10年から30年先を見据えて事業をターゲットにしており、日本はブラジルの政治問題を憂慮しているが、一喜一憂しないことが肝要であり、官民合同会議ではEPA締結やビジネス環境改善のためのAGIRでの前向きな提言を生かすも生かさないも両国が挙国一致で向っていくことで解決できると強調、ブラジルの政治家や官僚に対してブラジルを良くしたい意思を感じ、同志、立志、高志の3志から信頼が生まれることをブラジルで4年半一緒に仕事をして確信していると述べた。

ブラジルトヨタ社の近藤剛史社長は、トヨタのラインアップとしてカローラ車並びにエチオス車はブラジル国内生産、ハイラックス車及びSW4はアルゼンチンから輸入、アルゼンチン向け自動車輸出は3.4万台、アルゼンチンから5.8万台、両国の生産店販売とも年々増加、コスト低減のためにウルグアイ及びパラグアイへ輸出、エンジン・トランスミッションの現地生産、お客様サービス調査では業界N01.労使協定「労使宣言」を締結、競争力強化を通して従業員の長期雇用確保は従業員・家族に幸せにつながると説明した。

ロバート・ボッシュ社のウォルフラン・アンダースCFOは、同社はブラジルに進出して60年以上事業活動を行っており、現在のブラジルはインフレや失業率が高く、企業経営者や一般消費者の景況感は最悪、レアル安の為替は輸出拡大に追い風となっている反面、50%以上のレアル安の為替では輸入が困難になっていると説明した。

ブラジルGE社のジルベルト・ペラルタCFOは、ブラジル進出は1世紀近い95年、ブラジルでのビジネス障害はつきもので日本人は忍耐強いのでブラジルの危機を乗り越えることができるが、ブラジルに進出している企業は忍耐が必要で撤退しないようにすることが重要である。ブラジルの政治家は好き放題なことを言って国会は混乱を極めて、わが社の主力事業の医療機器や航空機分野のビジネスは為替の影響を大いに受けているが、必ず良くなるとために忍耐強く待つことが成功につながると指摘した。

質疑応答

鈴木亮編集委員  ブラジルで成功するには忍耐強く、長くやることか、この危機は無駄にしてはいけない。

オタービオ・バーロス氏 短期的には政治経済危機は継続するが、中長期的には脱出可能、私の経験では8回の経済危機に直面したがすべて乗り越えてきている。

白木氏 日本企業にとって危機克服や社会貢献で最も重要なのは人材確保、ブラジルの製造業は中間層が増加したが、競争力の改善余地があり、ブラジルの労働者に多機能のジョブができるようにマインドアッププログラムを組み入れてほしい。

近藤氏 初めに標準作業できる技能者を養成、また創意工夫できる人を大切にする。

ウォルフラン・アンダース氏 ドイツ式教育とSENAIシステムを導入している。

ジルベルト・ペラルタ氏 SENAIと協力して基本スペシャリティ教育に力を入れている。

鈴木亮編集委員  2016年のリオのオリンピックの影響は?

オタービオ・バーロス氏 オリンピックはワールドカップ同様に成功してほしい。ラヴァ・ジャット作戦による汚職問題がなければもっとスムーズに進んだが、1964年の東京オリンピックは日本を変えたが、リオのオリンピックは良い影響を与えると思う。

ジルベルト・ペラルタ氏 FRBの利上げでレアル通貨に対するドルの為替は更に上昇するが、投資チャンスに結びつく。

ウォルフラン・アンダース氏 レアル安の為替をチャンスに変えることができるか。

白木氏 ロングタームのビジョンを持って今後数年間どうするか検討、バリューチェーンを通して投資をしていきたい。30年、50年先をとらえていかなければいけない。

近藤氏 為替安定による輸出政策の安定を要求、日本の高度な品質を保ちつつ安定した企業活動を続けていきたい。

パネルディスカッション2の「ヒトの交流が築く次の120年-経営の現地化は進んでいるか? ヒトの往来の現状は? いま日伯人脈は?」、ウジミナス社のパウロ・ペニド顧問は、日本が第2位次大戦後に海外で初めて投資をしたのはウジミナスで日本における海外技術移転・技術協力の原型の一つと言われており、製鉄所のあるイパチンガ市は以前と見違えるほどに発展しており、いろいろな面で地域社会貢献の見本になっていると説明、ブラジル在住38年になるヤクルト商工の天野一郎会長は、1930年にヤクルトの生みの親である代田 稔医学博士はヨーグルトを食べている人は長寿であることに着目、乳幼児のアレルギーや感染症の予防などを目的に乳酸菌普及に尽力した。1964年に台湾に進出、1966年にブラジル工場を建設、5,500人のヤクルトレディに乳酸菌の効用を理解してもらって訪問販売を行っているが、アットフォームな環境で多くの販売員は長期勤務をしていると説明した。

安田マリチマ保険のフランシスコ・カイウビ・ビジガル社長は、2013年にマリチマ社を買収、買収後は両社のカルチャーの良い点を抜粋して日伯カルチャー企業が誕生、マリチマ社の社員を日本で研修してグローバル文化企業になりつつあり、トルコの保険・年金会社「ハルク・エメクリリク」買収後にマリチマ社買収の経験を活かしていると説明、ギーキー社創業者のクラウジオ・ササキ氏は、個々の生徒の学力に適した教材を自動的に提供するシステムに強みを持ち、主に高校生を対象に大学入試模擬試験やオンライン学習を提供する企業を2011年に創設、個人のそれぞれの能力に適した教育方法を採用、教育内容に賛同した三井物産が投資していると説明、カミカド社創業者のミノル・カミカド氏は、私は日系三世で果物販売の露天商から玩具小売販売、タイヤディーラーから1987年に家庭用品販売のカミカド社を創立、2011年に衣料品小売大手のRenner社が資本参加、日本のファッションデザイナー高田 賢三氏と組んで「夢」ブランド品を販売、カミカド氏は、日本や中国へ頻繁に出張してブラジル国内で人気のでる販売品目を模索、また社員には色々な角度からビジネスを分析する眼力を養うように指導していると述べた。

質疑応答

鈴木亮編集委員  日本的な風土や経営に対する疑問は?

パウロ・ペニド氏 時々、疑問を持つが話し合って解決しており、また教育があれば解りあえる。ブラジルにはドイツ系などの学校は存在するが、なぜ日本政府支援による学校がないのか?

フランシスコ・カイウビ・ビジガル氏 異文化で初めは理解するのは難しかった。話し合いで理解できる。

天野一郎氏 各支店に約20人のヤクルトレディーがいて教育している。

ミノル・カミカド氏 日本人は忍耐力があり、ブラジル人は創造性があり、お互いの長所を融合する。

鈴木亮編集委員  今後の社内教育や次の120年に向かって人材交流について?

パウロ・ペニド氏 信頼関係を植え付けることが重要。

天野一郎氏 医者との人材交流促進。免疫学会を5回開催。11月5日から6日に30周年セミナーを開催予定。

フランシスコ・カイウビ・ビジガル氏 日本に行く前は考えられないようなおもてなしを受けて感動。いかに両国の文化を理解することが重要であるか理解できた。

クラウジオ・ササキ氏 大学に入るには日本人を減らさないと入学できないと聞かされて育った。ブラジル人が日本的な教育を受ければブラジルはもっと素晴らしくなる。ブラジルの教育は議論する点が素晴らしい。日本の若者をブラジルで教育すると新しい視点が開ける。

ミノル・カミカド氏 シュラスコでオニギリがないと味気ないのと同じで日本とブラジル式を融合すればよい教育システムができる。

日本経済新聞社の平田喜裕常務執行役員は閉会の辞で、登壇者並びに参加者に対して厚くお礼を申し上げます。外交関係樹立120周年の節目で内容の濃い議論ができ日本から来た甲斐があった。今後も両国関係をさらに深めるために頻繁に開催したい。12月のジウマ大統領の訪日、来年のリオのオリンピックに日本から多くの要人が来伯、このチャンスをとらえて今後もセミナーを開催していきたいと述べた。

O Seminário Econômico Brasil-Japão foi um dos eventos comemorativos dos 120 anos do Tratado de Amizade, Comércio e Navegação entre as duas nações.

Thomaz Zanotto (diretor do Departamento de Comércio Exterior e Relações Internacionais-Derex da Fiesp), Kunio Umeda (embaixador do Japão no Brasil) e Paulo Skaf (presidente da Fiesp)

Paulo Skaf (presidente da Fiesp), Toshifumi Murata (presidente da Câmara) e José Augusto Correa (José Augusto Corrêa, diretor-titular-adjunto do Departamento de Relações Internacionais e Comércio Exterior-DEREX da FIESP)

 

 

Paulo Skaf (presidente da Fiesp) e Toshifumi Murata (presidente da Câmara)

Koichi Yajima (diretor-executivo do JBIC – Japan Bank for International Cooperation) e Afonso Arinos Mello de Franco Neto (secretário de Política Econômica do Ministério da Fazenda)

Wolfram Anders (presidente da Câmara de Comércio e Indústria Brasil-Alemanha e CFO da Robert Bosch) e Gilberto Peralta (CEO da GE Brasil)

Octavio de Barros (economista-chefe do Banco Bradesco e vice-presidente da Câmara de Comércio Brasil-França) e Ryo Suzuki (moderador do seminário e editor-sênior do Nikkei Inc.)

Koji Kondo (vice-presidente da Câmara e presidente da Toyota do Brasil Ltda.) e Seiji Shiraki (vice-presidente executivo da Mitsubishi Corporation do Japão e presidente para a América Latina da mesma empresa)

Ichiro Amano (vice-presidente da Câmara e chairman da Yakult Indústria e Comércio) e Paulo Penido (conselheiro da Usiminas)

Claudio Sassaki (co-fundador da Geekie) e Francisco Caiuby Vidigal Filho (presidente da Yasuda Marítima Seguros)

 

Minolu Camicado (fundador da Camicado) e Claudio Sassaki (co-fundador da Geekie)

Texto e fotos: Rubens Ito / CCIJB