6月の雇用は2万5,400人と同月雇用では1998年以降では最低記録

就労・失業者管理センター(Caged)の調査によると、新規雇用人数から解雇人数を差引いた6月の雇用創出は2万5,400人に留まって、同月の雇用創出は1998年以降では最低となっている。

6月の製造業部門の解雇人数は2万8,500人を記録、調査対象の製造業部門の12セクターでは、全て解雇人数が雇用人数を上回っているが、サービスセクター並びに農畜産セクターの臨時雇用人数が雇用創出を引上げている。

今年初め5カ月間の製造業部門の生産は前年同期比マイナス1.6%を記録、6月の製造業部門の解雇人数は、2万8,500人のうちサンパウロ州が1万6,400人を占めており、特に自動車セクターが5,500人と1/3を占めている。

LCA Consultores社エコノミストのファービオ・ロマン氏は、例年8月から9月にかけて年末商戦向けに製造業部門は増産のために雇用が増加するにも関わらず、ブラジルの国内経済が停滞しているために、今年は例年よりも大幅な雇用減少につながると予想している。

6月はワールドカップ開催の影響を受けて小売セクターの雇用は7,000人減少したが、昨年6月の小売セクターの雇用は5万8,000人増加、また6月の建設業セクターの雇用は1万2,400人減少している。

第2四半期のブラジルの製造業部門の雇用はマイナス約6万人、そのうちサンパウロ州は2万3,000人と全体の39%を占めており、また6月のサンパウロ州の製造業部門の解雇数は全体の57%、南大河州は12%に相当する3,500人を占めている。(2014年7月18日付けヴァロール紙)

中国の習近平国家主席とジルマ大統領が32件の経済関係強化で調印

ブラジルを訪問中の中国の習近平国家主席とジルマ大統領が32件の経済関係強化で調印、これにはエンジン工場や建設機械の工場建設、エンブラエル社の60機のジェット機の販売、鉄道の共同建設などが含まれている。

ブラジルの大西洋岸からアンデス山脈を横断し、ペルーの太平洋岸に至る鉄道路線の建設の一部区間である中国資本のChina Railway Construction Corporation(CRCC)とブラジル資本カマルゴ・コレア社が共同で、マット・グロッソ州のルッカス・ド・リオ・ヴェルデ市とゴイアス州カンピノルテ市を結ぶ鉄道を共同で建設する。

中国Exinmbank と社会経済開発銀行(BNDES)は、主にアフリカ大陸での大型プロジェクトの投資開発に対して共同で投資を行うことで調印、エンブラエルから中国に販売する商用ジェット機60機を天津航空並びに中国工商銀行に販売やリースを行う。

中国輸出入銀行が50億ドルをヴァーレ社へ融資、中国企業がサンパウロ州カンピーナス市に都市バス向けのエンジン工場に9,500万ドルを投資して建設、サンパウロ州ジャカレイ市に3億ドルを投資して建設機械工場を建設する。

ブラジル中央電力(Eletrobras)並びにフルナス電力公社(Furnas )と中国資本State Grid社はベロ・モンテ水力発電所の電力配電網を共同で建設、また中国政府は2012年12月にブラジルで牛海綿状脳症(BSE)が発生したためにブラジル産牛肉の輸入禁止をしていたが、輸入禁止措置を解除した。(2014年7月18日付けエスタード紙)

 

5月の中銀の経済活動指数(IBC-Br)は前月比マイナス0.18%

ブラジル地理統計院(IGBE)の国内総生産(GDP)伸び率の発表前に、中銀は先行指標として経済活動指数(IBC-Br)を発表、5月のIBC-Br指数は前月比マイナス0.18%を記録したために、経済スペシャリスト達は第2四半期のリッセッション入りの可能性を否定していない。

経済スペシャリスト達は、5月のIBC-Br指数が前月比マイナス0.18%と予想よりも上回った要因として、小売部門の売り上げが0.5%増加と予想のマイナス0.1%を大幅に上回った。

5月の小売部門の売り上げが予想を上回った要因として、“母の日”商戦の売上並びに6月12日開催のワールドカップを前にテレビ販売が小売部門の売り上げを押し上げた。

Franklin Templeton社エコノミストのヴァグネル・アウヴェス氏は、第2四半期のIBC-Br指数をマイナス0.5%と予想しており、四半期のIBC-Br指数が連続2回続けてマイナスになるのは、リセッション入りの可能性が強いと説明している。

6月のIBC-Br指数は自動車セクター並びに建材セクターを中心とした製造業部門の生産の落ち込み並びに在庫の増加が牽引して、5月よりも悪化する可能性があるとヴァグネル・アウヴェス氏は予想している。

5月の過去12カ月間のIBC-Br指数は1.93%増加、また3月~5月のIBC-Br指数は0.33%増加、中銀は今年のGDP伸び率を1.0%と予想しているが、イタウー銀行では今年のGDP伸び率を前回予想の1.0%から0.7%に下方修正している。(2014年7月18日付けエスタード紙)

 

論評【改革の再開】

スエリー・カルダス

サッカー・ワールドカップが終了して応援団たちが家路に向かい、ブラジルに日常が戻るとともに選挙キャンペーンが幕を開けた。テレビでも街頭でも、候補者たちは、国民が繁栄してお金に困らず、食べ物が食卓に並び、子供たちが学校に通い、健康的な家庭に恵まれた幸福な国という幻影を約束するだろう。だが現実の生活において彼らは、机に向き合いながら、次期政権が担う今後4年の作業プランを策定すべきなのを知っている。次期大統領は、ジルマ政権が次の政権に置き土産とした地雷(公共料金の先送りと、財政政策における会計処理の錬金術、経済運営に対する不信など)を撤去回収するのに加えて、戦略と方向性の策定、実効性の確保に向けた目標の設定、更に、レアル計画で想定されつつも中断あるいは着手すらされなかった歓迎すべき対策の推進再開に向け、行動計画を組み上げる必要がある。

この行動計画には、我が国の近代化を促進する改革を再開すること以外にも、公的機関の事務処理と民間経済を加速させること、そして持続的な成長に向かうルートを拡張することも含まれる。これらが不足しているために慢性的な停滞に陥っており、過去20年にわたって経済と社会の発展を脇へ押しやったブラジルは、世界でも最もコストの高い国となり、ここで生み出される財は、高額であると同時にその技術品質は国外と比較して落差がある。フェルナンド・エンリッケ・カルドーゾ(FHC)とルーラは、この問題を手なずけようと国会に幾つかの法案を提出したが、これらは、あらゆる財力を駆使するロビーに対してセンシティブで何事にも楽観的な族議員が受け入れるかどうかに依存していたため、骨抜きにされ、効果を削がれてしまった。

改革の第1歩が政治だと見なされるのだが、これには、政治家というものに対するモラルの涵養と教育の施し、これは政党の合従連衡や利己的な所属政党の変更というものに対してもそうだが、そして、政党公認候補枠の売買への規制と、選挙キャンペーンをより適切にするよう資金調達に関して規制が不可欠だ。だが、上下両院議員たちは、この問題にメスを入れることに抵抗する。唯一、評価できる変化は「フィッシャ・リンパ(汚職議員排除法)」なのだが、これは130万人の国民が署名した大衆イニシアティブによる提案だった。

所得の分配を進めて社会正義の推進に役立つ税制改革は、FHC政権とルーラ政権を通じて進捗せず、現在、国内の税制は、社会に不正義を与えている。つまり、より貧しい者は、所得に対する税負担率で、富める者よりもより重い負担を強いられている。ジウマ・ロウセフ大統領は、年金に対する賦課金を企業が支払う代わりに売上税を納入する対策を講じるに止まり、しかも、その恩恵は広く行き渡るのではなく、選別された一部の業界のみ優遇して運用している。

社会保障改革は、政治的に最も難しいものだが、社会に対して即座に影響を与える。法人の利益と、社会保障サービス(INSS)で民間と比較して公務員が優遇されている問題にメスを入れようとすると、国会では、克服不可能なほどの抵抗を受ける。最終的に、2012年になって公務員の定年に関する規定が、INSSの民間労働者と同じ条件となり、これに伴う減額を補完する年金ファンドが設立されたが、この新制度が適用されるのは、新法施行後に定年退職する公務員だけである。その結果、収支が均衡するのは2040年に入ってからになる。その上、新制度への移行を完了した時点で、我が国の年金システムが命脈を保つためには、新たな改革を必要とするだろう。

労働法と労働組合法の改革は、FHC政権下では特定仲裁官(司法上の教育を受けていない労組役員)の廃止に限定され、ルーラ政権下では、後退した。ルーラが労組の指導者だった頃、常に必要性を論じていた国による組合費の強制徴収は、彼の政権下では廃止されるどころかそれまで交付金を受けていなかった中央労組にまでその一部をばら撒くという判断を下した。個別の法律の寄せ集めで75年の歴史を持つ統合労働法(CLT)に基づく労働法は、時代遅れな上に現実離れしている。この労働法の下で労働組合は公的資金の投入によって命脈を保っているのであって、そのために彼らの自立性も奪われている。

だが、ミクロ経済改革を進めることは、経済活動を迅速かつ効率的にする。例を示そう。現在の官僚的な煩雑な手続きによる障壁で、ブラジルでは法人を設立するのに3か月から6か月を要する。ブラジル国外では、平均すると設立までの期間は3日だ。つまり、変化が必要なのだ。(2014年7月13日付けエスタード紙)

スエリー・カルダス:ジャーナリストでリオデジャネイロ・カトリック大学(PUC-RIO)教授
 

CIR 070/14: コンサルタント部会開催のご案内

 

CIR 070/14 

2014年7月17日

コンサルタント部会会員の皆様

 

コンサルタント部会長 

 

関根 実

 

 

コンサルタント部会開催のご案内

 

8月21日(木)に下期業種別部会長シンポジュームが開催されますが、コンサルタント部会から発表する内容に関してご議論を頂きたく、ご多忙の処、

以下の通りご参集頂きますようお願い申し上げます。

 

部会開催日時:2014年8月1日(金) 12:00-14:00

       お弁当(お1人R$22の予定)を頂きながらの部会になります。

 

開催場所:ブラジル日本商工会議所 大会議室

 

 

議題:

1)2014年下期業種別部会長シンポジュームでの発表テーマについて

  テーマ:「2014年の上期の回顧と下期の展望」

  副題:  どうする日伯関係 -ビジネス環境改善に向け、いま為すべきこと-

2)機能強化委員会Working Groupへの関与について

3)その他

 

 

申込み: 部会の出欠を事務局チサト(secretaria@camaradojapao.org.br又は tel.: 3178-6233)、29()までに連絡頂くようお願い致します。

 

 

 

CIR-069/14 金融部会開催のご案内 【7月25日(金)9時~11時】 

CIR-069/14

2014年7月17日

金融部会会員各位

ブラジル商工会議所

金融部会長 酒井浩一郎

 

金融部会開催のご案内 【7月25日(金)9時~11時】 

 

拝啓 時下益々ご清栄のこととお慶び申上げます。

来る8月21日(木)に開催予定の2014年度下期業種別部会長シンポジウム開催を控えまして、金融部会を7月25日(金)(9時~11時)に、下記の通り開催させて頂きたいと存じます。当日はシンポジウムでの金融部会パートについての意見交換を中心に、9月開催予定の金融部会主催講演会、および機能強化委員会につきましてもテーマとさせて頂く予定でございますので、何卒ご出席の程、宜しくお願い申し上げます。出欠の可否につきまして、7月23日(水)までに 事務局セイジ (secretaria@camaradojapao.org.br) までご回答頂きたくお願い申し上げます。

 

 

  • 日時  2014年7月25(金) 9時~11時                 
  • 場所  ブラジル日本商工会議所・会議室 (Av. Paulista, 475- 13º. and. São Paulo/SP – tel.: (11) 3178-6233)
  • 内容

(1) 8月21日(木)開催 2014年度下期業種別部会長シンポジウムについて(注1)

(2) 9月17日(水)開催予定 金融部会主催講演会について

(3) 機能強化委員会・ワーキンググループ委員推薦について(注2)

(4) その他

 

(注1)2014年度下期業種別シンポジウムにつきましては以下の通り開催予定です。

      テーマ:「2014年上期の回顧と下期の展望

      副題: どうする日伯関係 -ビジネス環境改善に向け、いま為すべきこと-

      日時:   2014年8月21日(木)                

      会 場: ホテル マクスードプラザ(Maksoud Plaza – Alameda Campinas, 150 – Tel: (11) 3145-8000)

 

(注2)機能強化委員会・ワーキンググループ委員について

7月15日付にて、機能強化委員会より以下のとおりワーキンググループ委員の推薦につき依頼を受けております。(添付資料もご参照願います。)つきましては、金融部会会員各位におかれましては、自薦・他薦いずれの形でも結構でございますが、ご検討頂きたく宜しくお願い申し上げます。

 

5月の小売販売は前月比0.5%増加

ブラジル地理統計院(IBGE)の調査によると、5月の小売販売は“母の日”並びに“ワールドカップ”向けの家具並びに家電、テレビ、情報機器などが牽引して前月比0.5%増加した。

過去3カ月連続で小売販売が落ち込んでいたにも関わらず、5月の小売販売が前月比0.5%増加したことに対して、IBGE統計院小売サービス部門担当のジュリアーナ・ヴァスコンセーロス部長は、今後数カ月間の小売販売の推移を見ないと今年の小売販売の伸び率は予測が難しいと説明している。

またRC Consultores社エコノミストのチアゴ・ビスクオラ氏は、6月はワールドカップ並びに営業時間の短縮で小売り全体の売上は減少すると予想している。

過去12カ月間の小売販売は4.9%増加しているが、一般家庭の負債増加並びにサラリー上昇率の低下、雇用創出の減少などの要因で昨年の小売販売伸び率9.0%に達するのは非常に難しく、今年の小売販売は4.5%増加に留まるとチアゴ・ビスクオラ氏は予想している。

5月の小売販売では食料品値上げでスーパーマーケットの売上を押し上げており、またワールドカップ効果によるテレビ販売の増加、“母の日”向けプレゼントの家具や家電販売が増加した。

しかし5月の自動車や建材を含む広範囲小売販売は前月比0.3%減少、特に自動車販売が1.9%減少、5月の自動車販売は、前年同月比6.3%と大幅に落ち込んでいるために広範囲小売販売の減少を牽引している。

テンデンシアス社では今年の広範囲小売販売は前年比2.0%増加を予想、建材販売は3.5%増加を予想、自動車販売は0.7%減少を予想している。

5月の小売部門の燃料・潤滑油セクター販売は前月比0.1%増加、前年同月比1.9%増加、今年5カ月間では5.5%増加、過去12カ月間では6.2%増加している。

前記同様に食料品、飲料、嗜好品セクターは0.1%増加、3.1%増加、4.1%増加、3.4%増加、ハイパーマーケット・スーパーマーケットセクターは0.2%増加、3.1%増加、4.1%増加、3.3%増加、繊維、衣料、履物セクターは0.2%増加、3.1%増加、4.1%増加、3.3%増加している。

また前記同様に広範囲小売販売部門の自動車、オートバイ、自動車パーツセクターは1.9%減少、6.3%減少、5.6%減少、3.6%減少、建材セクターは0.3%減少、2.1%増加、3.4%増加、5.4%増加している。(2014年7月17日付けエスタード紙)

 

中銀は政策誘導金利を全会一致で11.0%に据え置く

中銀の第2四半期のインフレレポートでは、インフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)を6.1%から許容上限値6.5%に接近する6.4%に上方修正したにも関わらず、昨日、中銀の通貨政策委員会(Copom )では、政策誘導金利(Selic)を全会一致で11.0%に据え置くことを決定した。

,AE Projeçõesの80金融機関を対象の政策誘導金利(Selic)の調査によると、回答した全ての金融機関は中銀がSelic金利を11.0%に据え置くと予想していた。

Franklin Templeton社エコノミストのカルロス・タデウ・デ・フレイタス氏は、インフレの高止まり並びに国内総生産の相次ぐ下方修正で、中銀のCopom委員会にとっては難しいシナリオに直面していると指摘している。

またSul America Investimentos社チーフエコノミストのニュートン・ローザ氏は、インフレを抑えるためにSelic金利を引き上げることはブラジル経済のリセッションにつながるために、中銀はSelic金利を動かすことができないと説明している。

Rosenberg Associados社では今年末までSelic金利を11.0%に据え置くと予想、全国工業連合(CNI)では11.0%のSelic金利は製造業部門の生産活動の障害になっていると指摘、また過去12カ月間のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)が許容上限値を超える6.52%になっているためにSelic金利引下げを要請している。(2014年7月17日付けエスタード紙)

 

35電力関連企業の国家電力庁(Aneel)への負債は31億レアル

連邦総弁護庁(AGU)は、35電力関連企業に対して国家電力庁(Aneel)への31億レアルの負債の返済を命じているが、そのうち18億レアルは今年6月までに累積している罰金となっている。

また残りの13億レアルは燃料消費勘定(CCC)並びに一般消費者向け電力エネルギー値下げ並びに火力発電所の支出カバーのため電力エネルギー開発会計(CDE)への負債となっている。

2013年の電力エネルギープロジェクトの40%は電力発電開始の予定を過ぎており、電力送電コンセッションを落札したプロジェクトの71%は、送電開始が平均13カ月遅れているために罰金支払いを命じられている。

罰金支払いを命じられている電力会社は環境ライセンスの認可の遅れ、連邦政府による土地接収の遅れ、先住民族保護地区の回避、契約を遂行するために強制的な電力購入などでプロジェクトが計画通り進まないと指摘している。

国家電力庁(Aneel)への大きな負債を抱えているのは、パラー州中央電力(CELPA)並びにマット・グロッソ中央電力(CEMAT)、フルナス電力公社(Furnas )、サンパウロ州電力エネルギー配給会社(Aes Eletropaulo社)となっている。(2014年7月17日付けエスタード紙)

 

論評【オランダ病(2)】

セルソ・ミンギ

ブラジルはオランダ病と呼ばれる病気を患い、苦しめられるのか否か?

ブラジルはオランダ病に罹患して苦しめられるのか、それとも患うことなくやり過ごすのだろうか? マウロ・ボルジェス開発商工大臣は、7月第1週、病気がどの程度まで進行しているのかには触れなかったが、リスクは高いと認めた。

元財務大臣のルイス・カルロス・ブレッセル=ペレイラ氏は、この病気が少なくとも90年代初頭からブラジルの持病になっているとし、ショック療法が必要だと断言する。つまり、(少なくとも30%の)為替の切り上げと、コモディティー輸出に対する賦課金の導入だ。

前回のコラムでは、この判断の根拠に議論の余地があることまでを書いた。為替相場があるべき水準を外れてレアル高の傾向を示しているのは認めよう。そして、ドル安が行き過ぎれば、工業部門の活力と競争力が削がれるというのもそうだ。

だが判断の根拠には、様々な理由から議論の余地がある。まず、輸出されるブラジル製品には、歯止めのきかないレアル高を引き起こすだけの大規模なドルを獲得可能な品目が存在しない。一次産品の輸出が、既に輸出全体の50%以上を占めるのは事実であるが。

それでも、貿易オペレーションに起因する外貨の流入は、金融オペレーションに起因する外貨流入量の半分以下なのだ。ドルの流入で最大の窓口になっているのが外国投資と金融市場への投資なのだから、輸出に賦課金を押し付けるのが不適当に思われる理由は、まさにここだ。潤沢な資本こそ、まさにレアル高の重要な要因として指摘できる。

経済大国の中央銀行の施策で引き起こされる「通貨の津波」が影響した為替効果をジウマ大統領が非難したこと、あるいは、ギド・マンテガ財務大臣が通貨戦争と呼んだ同様の為替問題は、どちらも、レアル高の要因としては、コモディティーの輸出に伴う大規模な貿易収支黒字によって触発されたものとは異なる性質を有している。

その上、良かれ悪しかれ、ブラジルの生産部門は生産と流通のいずれでもグローバル・チェーンに組み込まれている。全てを国内で生産するなど不可能なのだ。コンポーネントと部品、機械、原料など、工業部門は次第に国外からの供給に対する依存を強めるのであり、ブレッセル=ペレイラ氏が主張するように借入資本だけが国外からの供給に依存しているのではない。国内通貨を大幅に切り下げることは、国内の生産チェーンのすべてにわたってコストを増大させるだろう。

当然の帰結を導き出したのは、マウロ・ボルジェス開発商工大臣の方だ。同大臣は、オランダ病に罹患したとする判断の根拠に同意しつつ、別の対策を講じるよう勧告している。彼の対策とは、コモディティーの輸出業者の収入に賦課金を設ける事ではなく、工業部門の競争力を引き上げることだ。

これはインフラへの投資と税負担の減免、教育、人材の育成、労働法の改革、技術の改善に対するインセンティブ、法務リスクの低減、過度に煩雑な官僚主義の排除などを通じて達成される。

それは、ジウマ政権が工業政策と呼ぶ手法、つまり生産・流通チェーンを歪ませ、工業部門の損耗を回避できないような取り組みとは全く異なる。(2014年7月12日付けエスタード紙)