CVC社は今後5年間に500店舗を新規開店

国内外のパック旅行などを事業の柱としているブラジル最大手の旅行会社CVC社は、オンラインでエアーチケットやパック旅行を積極的に販売しているが、今後も伝統的な店頭販売による売り上げ拡大を計画している。

CVC社を買収した米国資本のプライベート・エクイティのCarlyle社は、昨年12月にCVC社を新規株式公開(IPO)で6億レアルを調達、2018年まで毎年100店舗を開設して、伝統的な店頭販売を拡大する。

Carlyle社は、2010年1月にCVC社の株式63%を7億レアルで買収、更に家具チェーンTok&Stok社や玩具販売チェーンのRiHappy社の買収、最近では玩具販売チェーンのPBKids社も買収して、ブラジル国内での事業を拡大している。

Carlyle社は、2009年のCVC社の売上が20%増加した翌年に同社を買収したにも関わらず、その後は予想以下の販売増加に留まっていたために、2012年に元アメリカン・エキスプレスの社長を務めたフランシスコ・ロペスを社長に据えた。

2012年のCVC社の売上は、僅かに7.0%の増加に留まったために、フランシスコ・ロペス社長は2013年初めに辞任を要請、2013年3月にOi社並びにTAM社の元社長のルイス・エドアルド・ファルコを後任社長に迎えた。

エアーチケットやパック旅行のオンライン販売では、Decolar.comが圧倒的に強いが、CVCのオンライン販売のマーケットシェアは10%以下となっており、Decolar.comに圧倒的な差をつけられている。(2014年3月17日付けエスタード紙)

今年のクレジットは7.8%増加予想

政策誘導金利(Selic)が10.75%に達して、今後も11.0%前後まで上昇が予想され、またSelic金利の高止まりが継続すると予想されているために、今年のクレジットの伸び率は、昨年を大幅に下回ると予想されている。

今年末のインフレ指数を差引いたクレジット残高は、前年比7.8%増加の1兆4,000億レアルが予想されており、昨年のクレジットは9.8%増加、2011年は11.4%、2012年は10.4%とそれぞれ大幅に増加していた。

昨年の住宅向けクレジット並びに個人向け農村クレジット、社会経済開発銀行(BNDES)による“私のよりよい暮らし”向けクレジットは、24.7%と大幅に増加したにも関わらず、今年は13.8%増加に留まると予想されている。

また今年の自動車購入向けクレジット並びにクレジットカード、個人向けクレジットは自動車購入向けクレジットが5.8%減少すると予想されている影響で、僅か3.8%増加に留まると予想されている。

今年の住宅向けクレジットは、公立銀行が与信審査を更に厳しくするために18%増加に留まると予想されているが、昨年は26%、2010年は47%とそれぞれ大幅に増加していた。

ブラデスコ銀行では、今年の名目クレジットの伸び率を11%から15%と予想しているが、昨年のインフレ指数を差引いた実質クレジットは11.2%増加に留まっていた。(2014年3月17日付けエスタード紙)

 

連邦政府の今年の社会保障院の赤字は401億レアルを予想

連邦政府は、今年の社会保障院(INSS)の赤字を401億レアルと予想しているにも関わらず、ガリバルディ・アルヴェス総裁は、昨年の赤字499億レアル並みに達すると予想している。

中銀並びに国庫庁、社会保障院(INSS)で構成される中央政府の今年の財政プライマリー収支黒字は、GDP比1.55%に相当する808億レアルに設定されているが、連邦政府の今年の社会保障院の赤字予想は、約100億レアル低く見積もられているとアルヴェス総裁は指摘している。

昨年5月の社会保障院の赤字予想は、331億9,900万レアルと2012年の赤字408億2,400万レアルよりも18.67%低く予想されていたにも関わらず、2013年の赤字は前年を22.3%上回った。

今年の社会保障院の赤字予想は前年を19.6%下回っているが、アルヴェス総裁は昨年の赤字499億レアルに達すると予想しており、障害年金の支出が増加の一途をたどっているために、早急な見直しが必要となっている。

ジウマ・ロウセフ政権で唯一、年金制度で変更になったのは、公務員社会保障制度(RPPS)の連邦公務員向け年金ファンド(Funpresp)の設立で、新たに採用された公務員に対する年金制度の導入となっている。(2014年3月17日付けヴァロール紙)

 

【大衆迎合主義的料金】

フェルナンド・エンリッケ・カルドーゾ(FHC)大統領が実施した為替の大衆迎合主義と、ジウマ・ロウセフ大統領が進める料金の大衆迎合主義の間には相違もあるが、幾つかの共通点もある。いずれも、ピンポイントでターゲットを設定している。つまり、彼らの最終目標は再選だ。これが共通点。1998年にFHCは、為替切り下げという不可避の選択を、選挙後の問題へと押しやった。現在、ジウマは同じ対応を取っており、燃料価格と電気料金という値上げが不可避な問題を、2015年に先送りしている。FHCは再選された。ジウマにも再選のチャンスはあるが、勝利は確約されていない。

 

3月13日に発表した配電会社救済に関する120億レアルの包括政策で、ジウマ大統領は、選挙に勝つためにはあらゆるコストを厭わないことを明確にした。この賭けは、例えば、ブラジルの2大公社(ペトロブラスとエレトロブラス)の財政の悪化に現れており、違法な料金設定によってこれらの公社は支えきれないほどの損失を抱え、過去3年で時価総額は60%、70%も値下がりし、それでもなお、不足する現金預金を補うために更に多くの負債を抱えさせて多額の投資を実施するよう強いている。ペトロブラスは既に、大手石油会社の中で最大の負債を抱えているし、エレトロブラスは国外での資金調達が難しくなっている。料金の足かせによる2公社の財政的窒息は、ジウマ政権が発足して漸進的に悪化してきたものだが、再選に向けて支持率の低下を回避するため、状況が改善するのは選挙後になる。

 

配電業界に対する今回の(干ばつに伴う損失を補填する)120億レアルの支援の内、40億レアルは連邦政府が負担、80億レアルは消費者が負担するが、それに加えて、電気料金の引き上げという形で負担するのが選挙後なのだ。それも附帯条件がある。この補償を2015年まで待たなければならない場合、配電会社は破産し、電力供給がストップする。とは言え、そこは問題がないのだと、ギド・マンテガ財務大臣が発表している。つまり、電力取引会議所(CCEE)に対して80億レアルを融資し、更にこの資金を企業に転貸することが「承認される」のだ。こうしたアレンジメントは、予算で計上されていない、それだけに国内総生産(GDP)の1.9%と設定されたプライマリー収支黒字の目標達成に脅威となる特別支出を、緩和するのが狙いだ(ヴァリグ航空への補償も同様の問題)。

 

そして、連邦政府にとって支出の削減であるものが、電力業界の消費者にとっても同じく懐に優しいとは言えないのだ。2015年に電気料金が値上げされれば、消費者は、本来の80億レアルに加えて、ブラジルでは融資額に対して年間30%は下らないという金利を支払う羽目になる。一連の包括政策の発表が、スタンダード・アンド・プアーズ関係者のブラジリア訪問日と重なったのは、単なる偶然の一致ではなく意図的なものだった。ジウマ大統領は、同社がブラジルの信用を格下げしそうなことが、政敵から選挙キャンペーンで大統領に対する批判材料になることを恐れている。

 

だが、電気料金と燃料の値上げを先送りすることは、連邦政府にとって、選挙が実施される年のインフレを更に炎上させないためにも重要なことなのだ。だがこれは、事実ではない。インフレの上昇は小さいにしても、インフレは3月13日に発表されたように増税に繋がり、これらの料金の暴力的な上昇に伴う影響を緩和するため、2015年には中銀がブラジル経済基本金利(Selic)の利上げを余儀なくされる。更に悲惨なのは、あらゆるブラジル人が負担を強いられる、2015年の調整後の手痛い料金だろう。長期にわたって凍結された料金の調整は、爆発的なものになるのは確実だ。新しい為政者(ジウマ自身の可能性もあるが)がペトロブラスとエレトロブラスを衰退の道から助けなければ、この2社は力尽きるだろう。

 

エコノミストのミルトン・フリードマンが言うように、経済には無料でできる昼食というものは存在しない。本当に存在しないのであり、その勘定が届けられる場合には、遅れるほどに高くなるのだ。為替の大衆迎合主義に対する対価として、FHCは、レアルの大幅な切り下げとインフレに対する悪影響、企業の対外債務の増大、外貨準備高の減少、そして、1999年にGDPがわずか0.3%に止まる犠牲を払った。ジウマの料金の大衆迎合主義は、我が国にとってこれ以上の出血を強いる可能性があり、燃料価格と電気料金への値上げというだけに止まらず、インフレを危険な水準まで引き上げ、景気の収縮を引き起こし、失業と社会的危機をもたらすだけの破壊力がある。ただし、それが爆発するのは選挙後だが……。(2014年3月16日付けエスタード紙)

 

スエリー・カルダス:ジャーナリスト、リオデジャネイロ・カトリック大学(PUC-RIO)教授。

 

【市場の開放こそがピビーニョを避ける道だ】

国際的な生産チェーンへの統合が、ブラジルの必要とする生産性に飛躍を与えるだろう

 

現在のブラジルにおける経済的・政治的な討論で、エコノミストのエジマル・バーシャ氏のような明確な立場をとる人物は、わずかといって良い。同氏は、「私がPSDBを支持するのは秘密でも何でもない」と同氏は言う。レアル計画の生みの親の1人であり、現在、リオデジャネイロ市民が集い国益に関して議論する論壇であるカーザ・ダス・ガルサスの理事を務めるバーシャ氏は、現政権が採用するマクロ経済を次期政権が「解体」し、長期的な市場の開放を視野に入れた抜本的な政策を立ち上げることを支持している。

 

バーシャ氏によると、「ピビーニョ(わずかな成長に止まったGDP)」は鎖国の結果である。以下は、「ブラジルが成長する道は、国際貿易に市場を開放する事だと確信している」と主張する同氏とのインタビューである。

 

3月第3週に開催されたレアル計画20周年を祝うイベントで、あなたは、新政権は発足初日に税制改革を再開する必要があるとおっしゃいました。あなたにとり、新政権の取り組みは税制改革に集約されるわけですか?

 

エジマル・バーシャ:それは違う。断言するが、もっと広範囲なものだ。私は要点毎に分析を分けた。最初のポイントは、平均的所得の落とし穴と呼ぶ問題の存在を証明することだ。1981年以降、ブラジルでは、緩やかに上昇してきた。だがこのプロセスは、2004以降、調子が狂ったように見える。そして現在からみると、2004年から2011年に掛けて経済部門が記録した大きな伸びは、国外の状況が安定して推移したことの恩恵を受けただけだというのは明白だ。この期間のコモディティー(国際相場で取引される原材料)相場の値上がりと外資の流入が、並外れた内需の拡大に対する資金を提供した。このサイクルに入った時期は設備に余剰能力を抱えて失業率が高かったため、2011年までの安定期に、ブラジルはそれ以前のサイクルを上回る成長を記録した。そして安定期が転換期に移行したことで、コモディティー相場が値下がりし始め、資金の引き上げが始まり、様々な状況が一転し、ピビーニョが舞い戻った。しかも今回のピビーニョには、通常と異なった問題がある。もしピビーニョにとどまる場合、インフレは低水準に収まるべきだ。だが反対に、ブラジルのインフレは、もはや誰にも判断の付かないアルゼンチンとベネズエラを除いた周辺諸国と比較しても高い水準にある。同じく、ピビーニョには貿易収支黒字が付き物だが、経常赤字も拡大した。これらの一連のデータは、ブラジル経済が病んでいることを意味する。我が国は、低成長と高インフレ、経常収支赤字の複合的な問題を抱え、しかも、これが脱工業化に向かう状況を生み出すという、ブラジル病に直面している。ここで示されているのは、ピビーニョが現政権の産物なのではなく、また周期的なものでもないことだ。これは30年も前のブラジル経済の特性だ。1世紀近くにも及ぶ特性であり、この国は、世界の一等国の仲間入りをするのに限界があるということだ。

 

分析の2番目のポイントとは?

 

エジマル・バーシャ:2番目のポイントは、戦後に、平均的所得から高所得への移行を達成した国々をリストアップしたときに見えてくるものだ。これらの国は、多くはない。ざっと数えておよそ10か国だ。アジアの虎とイスラエルは工業製品の輸出を足掛かりにした。ヨーロッパの周辺国、つまりポルトガルとスペイン、ギリシャ、アイルランドなどは、ヨーロッパのコミュニティーに対して労働力を提供することも含めて、サービスの提供を足掛かりにした。第3のグループは、オーストラリアとニュージーランドだが、私はノルウェーも含めたい。1960年代末まで、ノルウェーは北欧の最貧国だったが、現在では最も富かな国になっている。これら3か国は、1次産品がベースだった。それぞれに異なる方法を採ったが、共通するのは、いずれの国もより大きな市場に参加し、そこから発展につながるニッチを見つけ出したことだ。これは実証的だ。ステップアップは、国際統合を通して発生した。分析的にも、平均的所得から高所得への変移、そのゲームが冠した名前こそ生産性だということは、明確だろうと思われる。それらの国々のいずれもが、現在の中国とインドが努力しているような、都市生活者が農村に生産性の向上を与えるという簡単なステップを既に終えている。都市の環境は農村よりも生産的であり、それだけに、農村経済から都市経済へ単純に移行することは、輸入品を絶えず代替するという文脈において、貧困から平均的な所得への変移を後押しした。

 

ブラジルでは、労働市場のこうした変化は、既に終えているのではないでしょうか? 現在では、人口移動は、もはや大きな原動力にはなり得ない。

 

エジマル・バーシャ:その通り。これこそ、過剰な人件費を生み出した原因だ。あらゆる人が都市生活者であり、しかも人件費がさらに上昇する余地はない。しかしこの文脈において、我々は生産性とは何かを考えなければならない。その一部は、テクノロジーだろう。近代的な資本財と中間投入財を活用する必要もある。生産性は、規模でもある。スケールメリットを享受するためにより大きな市場へのアクセスも必要だ。それは近代的な生産指標の1つだ。第3に、専門化が必要だ。企業は、得意分野に集中すべきだ。第4に、競争が必要だ。これらの要素は、ある国が国際貿易の中に組み込まれて初めて生まれてくる。我々は、自分たち自身の問題に直面している。ブラジルと世界を比較すると、ブラジルがまさに世界の正反対に向かっていることに、多くの人々が驚く。世界銀行がデータを保有している176か国を比較した場合、ブラジルは、GDPに対する輸入の比率が小さな国で、13%なのだ。この事実を、ある昼食の席でリオデジャネイロ・カトリック大学(PUC-Rio)の友人2人に話したところ、彼らから、質問を受けた。そのデータに間違いが無いのかい?とね。もちろんだ。ブラジルという国は、世界銀行がデータを保有していない北朝鮮を除けば、世界に対して最も閉鎖的な国なのだ。そしてそれは、収支の両面から発生している。つまり、輸入だけでなく、輸出においてもそうなのだ。GDPで測ればブラジルは巨人であり、世界7位だ。だが輸出額で見ると、24位の小人なのだ。GDPでブラジルを上回る残りの6か国は、いずれも、輸出大国だ。欧州連合、アメリカ、中国、日本。すべて、こうした特徴を持つ。ブラジルは、輸出のない大国なのだ。もし、ブラジルが置かれている状況についてまだ疑問が残っているというなら、もう1つ、比較の例を挙げて見よう。1960年代と70年代に、韓国は輸入の代替を足掛かりに成長していたが、1974年のオイルショックを受けて戦略を180度転換した。かの国は、輸出促進に対して強力な政策を政治的に実践し始めた。現在、韓国の輸出はGDP比58%だ。一方のブラジルは、輸出がGDPの12%だ。40年も前に、韓国の国民1人当たりGDPはブラジルと事実上同じだった。だが現在、韓国はブラジルの3倍だ。韓国は先端技術を備えた大規模な輸出企業があり、教育も先進的だ。仮に我々が発展に向けた要件のリストアップに着手するなら、その作業は不断のものになる。しばしば、ブラジルでは不備のある全体リストを作りあげる人がおり、そのリストを手にした時には既にタイムラグから深刻な問題に直面する。あちこちを修復する必要があるなら、目標を達成することはできない。だがハーシュマン(アルバート・ハーシュマン、アメリカのエコノミスト)が我々に教えたように、我々は戦略観点から考えなければならない。何が決定的な、つまり残りの再定義が強いられる変数なのか? 私は、ブラジルが成長する道は国際貿易に対する市場の開放だと、あらゆる理由から断言できると確信している。

 

すると、あなたの説明では、本来向かう方向とはすべての面で逆に進んでいる訳ですね。

 

エジマル・バーシャ:そうだ。現在、我々は非生産的で、高コストな経済状況にあり、膨大な保護政策によって生きながらえている。この国の高いコストは、閉鎖経済の結果だ。このような種々の問題に対する政府の回答は、とりわけ2007年以降がそうだが、更に経済を閉鎖的にするというものだった。脱工業化と我が国の企業の競争力のなさに直面した政府は、輸入税を引き上げる一方で国内で生産された製品、例えば自動車などのようなものへの工業製品税(IPI)の税率を引き下げるという判断を下した。国産化比率と、生産統合、更に保護貿易主義の必要性を謳う政策がある。そこで私は、アナロジーを使って見たい。皆さんは非常に若いし、思い出すこともできないだろうが、まぁ、大丈夫だ。ベロ・オリゾンテ市の「トラム」の間で、1950年代のことだが、シャビエル調整剤が宣伝された。偉大なる女性の友(月経調整剤)だね。ナンバー1は多すぎに。ナンバー2は来ない場合。我々は輸出が不足しており、従って、シャビエル調整剤のナンバー2が必要だ。解放。ところが政府は、調整剤のナンバー1、つまり過多向けの薬を処方しようとしている。どうしてそうなったか、それは輸入が超過だと見たからだ。しかも、業界固有の問題を修正しようと試みている。業界毎に、どこが貿易赤字なのかとね。保健業界では、これは私は知っているが、赤字は110億ドルだ。電子業界、これも私は知っているが、160億の赤字。分野毎の赤字の動きを見て、政府は、社会経済開発銀行(BNDES)の助成的色彩を帯びた融資金を通して、また、国産化比率の規制を通じて、過度に、局部的な保護貿易主義の戦略を組み立てている。これは異常事態だ。しかも、第3の異常事態としてPPB、つまり基礎生産プロセスが存在する。もしあなたが、ブラジルの偉大なる技術的発展の産物である(笑)3穴コンセントの生産に対して助成と保護を求めるなら、1つの提案書を開発商工省(MDIC)に提出するだけで十分で、生産プロセスの諸段階を提示すれば、同省の役員がその製品を生産するのに国産品をどれだけ買わなければいけないかを通知するのだ。どこを向いても同じ対応で、生産性の低いところには政府が非生産性を拡大させ、ごちゃ混ぜの混乱を生み出し、更に拡大させている。些細な例を挙げよう。輸入の波を最も強く被った業界に恩典を与えるような、生産部門の統合政策をどのように深化させるかに関する解析的研究に関心を持つ大学の研究者を対象に、ユネスコ(Unesco)が、プロジェクトのコンテストを開催する。いいかい。ブラジルの誰かがユネスコに対して要請し、かつ資金が援助されたことも間違いのないプロジェクトで、しかも、サンパウロ州の地方都市のある大学だけから、わずか1件の提案しかなされないことも、我々は知っている。我々は、現在のブラジルに存在するこうした数々の悲劇を断ち切る必要がある。

 

保護が必要とする意見の中で、ブラジルが雇用を維持する必要があることや、経済的に脆弱な業界を保護する必要が訴えられています。市場の開放は、苦痛を伴いませんか?

 

エジマル・バーシャ:先ず私は、市場の開放こそ進むべき道だと納得してもらう必要がある。納得してもらえば、戦略を立ち上げなければならないが、この戦略には2つのテストが必要だ。経済政策のテスト、これは、有効性と雇用の創出、技術開発のような基本的要件を達成するもの、そして業界のテストで、過去の戦略が利益団体と主観的現実認識を生み出したことを考慮しなければならないからだ。多国籍企業は、政府が保護主義の水準を引き下げはしないとの暗黙の了解によってブラジルに進出した。私自身、それをこの目で見ている。事業の拡大に関心を持つ化学工業の代表者らと話をすれば、彼らの発言はひとつに集約される。つまり、「ところであなたは、我々が進出した後に輸入税が引き下げられないと確約できますか? 弊社はここで製造したものを輸出できない。もしドライに輸入税が引き下げられれば、弊社は破産、なぜなら国外で極めて安価に生産する競合会社が国内でやりたい放題になりますからな」。どうやって変移するかはひとつの問題だが、達成に向けて私には、3本柱の提案がある。最初の柱はブラジル・コストの削減だ。ブラジルの重い租税負担と複雑な税制に対する財界の不満は、全くその通りだ。物流の不備、港湾と高速道路、空港の脆弱さも、財界のおっしゃる通りだ。そこで最初の柱は、こうした不満に対処することである。そこで私は、次期政権の発足初年度は、見通しをよくして少なくともシステムを単純化するような税制改革に取り組むべきだと考える。ドルネレス(フランシスコ・ドルネレス上院議員)は、国税として税構造全体に影響を与えるVAT(英語のIVA、付加価値税)を提案している。税務当局の要求を満たすために企業必要としている管理部門と法務部門、会計部門、司法担当が煩わされる作業の煩雑さを取り除くという、大きな成果を出すだろう。ただ1つのことなのに、経済の非生産性を増やす。単純化が不可欠なのだ。それは、港湾と空港、高速道路の事業認可プロセスで生産の成果に最低限の条件を盛り込んで肉体に魂を吹き込むことが不可欠なことと同じだ。これは7年 ― 先ずは3年、続いて更に第2次政権で4年 ― の計画になる…。

 

それは、あなたが工業向けレアル計画と呼んだものでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:かつて、注目を集めるために私はそう命名したことがある。

 

すると再度、命名されたのでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:その名前は、もはや使い古された。レアルは、過去のものだ。私はこの名前を、プロジェクトに注目を引く方法として使い、実際にうまくいった。サンパウロ州工業連盟(Fiesp)、サント・アンドレー市金属労組、外務省、そして上院から、私は、講演に呼ばれたよ。人々は、既にプロジェクトの本質を受け止めている。

 

その他の柱とは何でしょう?

 

エジマル・バーシャ:2番目のポイントは、既に述べたように、保護貿易主義的部分を刷新することだ。つまり、関税、政府調達における優先条件、国産化比率政策、助成的融資などを、為替に置き換える。為替は、自分たちだけには有利に働いてくれるようなものではない。もし自分たちにとってだけ有利になるものだったら、膨張するだろう。君が輸入品のコストを引き下げようとすれば、輸出品の価格がぐっと引き上がる。関税による保護を為替による保護に置き換えるなら、そこでは、既に自然と淘汰が働いている。為替による保護の恩恵を受けるのはより効率的な企業または業界で、輸出余力も大きい。現在のような、マイクロマネジメントの機構を維持する必要はないはずだ。もちろん誘導因子のメカニズムを確保する必要はあるだろう。政府は、何が生来備えたアドバンテージなのか、世界的な技術の動向、貿易における競争原理の確保、どこが参入の容易なところなのかについて気を配る必要がある。すなわち、国際的なバリュー・チェーンにブラジル経済の統合させるという、国家にとって大きな役割になる。それは現在の生産的部門を統合する政策を置き換えるものになるだろう。そして第三の柱は、貿易協定だ。市場を開放しよう。だが、素手でこのゲームに参加するのではない。解放の判断は、一方的かつ漸進的に進める。ブラジルに進出している多国籍企業にとってゲームのルールが変わることは明白だが、彼らにもそれに対処する時間を確保するのも当然だ。すべてを国内で生産する事はできなくなり、子会社と国外の子会社を統合することになる。現在の国際貿易は、ポルトガルはワインを輸出してイギリスの繊維を輸入していた時代、つまりデイビッド・リカルド(イギリスのエコノミストで19世紀の古典派の生みの親の1人)の時代と同じではない。現在の貿易は自動車業界がそうであるように、業界横断的で、そして、企業横断的なのだ。しかも最近では、製品横断的ですらある。iPadを製造しているのはどこだろうか? どの水準を話題にしているのかで違ってくる。この製品は、台湾企業が中国で完成させている。国際貿易は、ブラジルが完全に接触を絶ってきた、これら国際的なバリュー・チェーンによって形成されている。地理的条件に問題があるし、これについては少し専門的に話をしたいが。構わないかな?

 

もちろん。ただ、ついでに質問させてください。つまり、メルコスルはどうなるのでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:議論は、まさにそれだ。グローバル・チェーンは地理的なロケーションを伴う。欧州連合がある。北米にも、アメリカ周辺地域。3分の1はアジアだ。そして我々は孤立しているのだが、ここで我々自身のチェーンの構築に着手できる。このことは、現在のメルコスルのゆがんだ政策、それはジョゼー・ロベルト(ジョゼー・ロベルト・メンドンサドゥ・バーロス氏、3月12日にレアル計画に関するイベントでこの問題についてコメントした)が指摘したことそのもので、当初の自動車業界の統合のシナリオは、地域の成長を促し、世界に輸出することになる特定の種類の車を生産するというものだった。だがこれは、完全にグダグダになった。彼が言ったように、どれだけのメーカーがブラジルへ更にやってくるのか知らないが、ここで生産された車は輸出できないので、ところてん式に押し出されてくる。それはプライスレスだ。そういう訳で、当初の経済統合、そして南米という物理的統合というプロジェクトに回帰する必要がある。だがそれは、グローバル化を視野に入れた地域統合だ。ECLAC(国連中南米カリブ経済委員会)の本来の目的だった、地域レベルの輸入代替へ向かうのではない。そのように扱うべきではないのだ。我々は、地域の近接性と国々の得意な産業を活かして、生産を補完し、そうすることで2ステージでは、世界との統合が容易になる。

 

あなたはどこかの時点で、この市場開放のプロセスによりブラジルがどれだけ成長できるか試算されましたか?

 

エジマル・バーシャ:2030年には、ポルトガルが到達するところ、(1人当たりGDPが)2万4,000ドルに達することができる。すなわち、我々は長期的な視点で目標を掲げている。この試算には、ベースとして年率約5%の成長も含む。

 

インフレ対策の計画を導入してこれが機能するまでに数十年を必要としました。おっしゃるような市場開放計画を導入するための政治的余地はあるでしょうか。

 

エジマル・バーシャ:1993年にレアル計画の作業のために招集された経済スタッフが非常にいやいやながら作業についたのだと分かって欲しい。と言うのも皆、そんなものに余力を避けるような政治状況ではないと思っていたのさ。そういう訳で、レアル計画が成功してから政治状況が好意的なものになったのだ。「事前の」状態は最悪だった。当時の政権は、副大統領(イタマール・フランコ、前大統領のフェルナンド・コーロル・デ・メーロの弾劾後に正式に就任)には政権担当者としての法的裏付けがなく、国会でも多数派ではなく、しかも政権は残すところ2年で、既に7カ月間で3人の財務大臣が更迭されていた。このような政治情勢などあるだろうか? 全くの災難だったのさ! この種の計画の場合、政権初年度に政治的な基盤があり、かつ、計画で必要とする政策をすべて導入できるだけの基盤がある場合に実施される。なぜ我々が、緊急社会基金の採択前にURV(実質価値単位)を導入する事の必要性を訴えたのか? どうやって、自分たちに有利なプロセスへとつなげたのか? フェルナンド・エンリッケは、3段階で計画を発表した。最初は、国会への憲法改正案の提出だった。もし国会がこれを承認すれば、我々は物価スライド制度を統合する。物価スライド制に移行した後、我々は新しい通貨を導入する。換言すれば、政治家に対する私の主張はこうだ。「その先で、私はあなた方を選出するだろう。だが私があなた方を選出するのは、その前に財政調整を実施する場合に限られる」。こうした流れがあったのだ。当時は1988年憲法で想定されていた物事を導入する改憲時期だったが、君は、その他の憲法改正が1993年に行われたのは知っているか? それだけでなく、外国人教師がブラジルの公立大学で教鞭をとることを禁止する法律にも、我々は終止符を打たせた。私は、セーラ(ジョゼー・セーラ、当時保健大臣)とジョビン(ネルソン・ジョビン、当時法務大臣)とともに、計画遂行に必要な憲法改正の包括政策も作った。当時の改革は、それは膨大な包括政策だった。それらが、少しでも採択されただろうか? いいや。ゼロだ。これは、フェルナンド・エンリッケの第1次政権のプロジェクトになったのだ。

 

貿易の自由化に関する提議はどのように受け止められたのでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:実際のところ、反応があまりの好評なことに驚いている。実業家は次の様に受け止めている。つまり、「私はゲームの規定に沿ってプレーする」とね。もしゲームの規定がブラジル・コストの維持という文脈の中で保護と助成金を与えるというものなら、彼らは仕事の多くの時間をブラジリアとリオ市のチリ大通り(BNDES本店)詣りに費やし、時々、工場で仕事をするわけだ。実業家は、もし彼が行かなければ競合会社が同じように関係者詣りをすると知っているのだ。つまり、彼は、政府が仕切る中でプレーしなければならない。しかも、彼はこのゲームには満足できない。これこそ、財界関係者の明らかな不満なのだ。有能な実業家なら十分な能力と効率を備えているし、この規定では生き残れないことを知っている。だから規定を変更すると発表する。すべてにおいて透明性を確保し、調整期を設けて誰に対しても公平な規定へと移行させ、政府も改革の遂行能力があるところを見せれば、財界もその変革に同意するのだ。

 

ではBNDESはどうなるでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:経済危機の発生後、BNDESは完全に評価を下げた。資本市場が成長する一方で、BNDESは2つの方向へと進んできた。つまり、民間の融資の補完と、例えばインフラや先端技術のような極めて重要でありながらも民間部門が取り組まないニッチな特殊分野だ。ところが突如、BNDESはあらゆるブラジル人企業家の守護神になった。BNDESに好き放題させるよう国庫財務局の金庫を開放し、BNDESはゴリアテ、いやゴリアテではなくむしろ下僕になった。この贅肉だらけの巨人は、現実には、金融市場を補完する代わりに、金融メカニズムに取って代わりこの国の金融市場の発展を阻害し、リソースの配分を歪ませ、国会の承認が不要な裏予算を創出し、その上、ブラジルの公会計の透明性を失わせている。BNDESはまさに災いとなっており、2008年と2009年の国際金融危機によって引き起こされた誤った認識から異常に膨張する以前の路線へ、回帰する必要がある。

 

あなたの市場開放の提案は、業界選択的、あるいは効率的な業界のみが生き残るということも含むのでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:いいえ、ジョアキン・ムルチーニョ(非能率的な生産者を排除した19世紀から20世紀にかけての財務大臣)に戻るのではない。30年を展望する中で、基本的な業種を見据えておくことは必要だ。どこが有望なのか? 工業政策は継続される。だが、それは業界選択的なものではない。業界というものは、ある種、自ずと伸びるのだ。そこで発生するのは、しばらく時間を必要とするが有望な特定領域の特定なのだ。岩塩層下に関連して政府がノルウェーと同じことをやっていると言うのを見ると、それこそ狂気を感じる。ノルウェーは石油に関連した産業を起こしたのだ。国産化比率、保護、助成のメカニズム…、だが、輸出産業を構築するのだという観点でこの業界を有望だと受け止めた。ノルウェーがやったのはそういうことだ。もしブラジルに有望な業界があるとして、一時的に保護が必要なら、それを与えるべきだがこのような見通しの下に実施すべきなのだ。いつかそれが終わり、そして保護された業界が、国際的に競い合っていけるものになるということ。国際的な競合会社競合の価格設定と異なるため、ブラジル企業にとって国内市場は利用できるものではない。

 

これと並行して、マクロ経済政策、税制や為替はどのようなものになるでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:ここで議論をしているのは、長期の政策だ。長期プロジェクトは、市場競争の統合を軸に構造化されている。しばしば、短期のマクロ経済政策の要件と違反する事もある。例えば為替だ。輸入税を為替に置き換えることと、為替が完全に自由に変動すべきだという考えを、どうやって両立させられるか? この両立は、うまくいかない。我々の主張は、政府は、発足初年において、この国の工業政策を抜本的に改革すると発表するということだ。今後、政府の活動手段はすべて、国外との競争力を身に着けることを基準として、この国を再工業化する方向を向く。そのために、ここでは、ある年数の長期的な計画を導入するということ。この計画には、例えば、7年後には輸入税が平均で5%、最大で10%になるといったことが盛り込まれる。更に、この政策には、現時点で実施されている国産化比率に関する政策の撤廃も含む。業界毎の貿易収支赤字を基準にしてどの業界をどれだけ保護するかなどという判断は下さない。もし赤字があるなら、輸入の削減ではなく、輸出の増大によって解決する。(月経調整剤の)ナンバー2ではなくナンバー1だ。政治的な決断力と信頼性があるなら、金融関係者はそれを見てこういうだろう。「輸入品であふれかえる」と。仮に私が金融市場にいるなら、こう考える。「何てことだ。今後2年で輸入量が増加する。輸入するにはドルがいる。ドルの需要が高まるぞ。もしドルの需要が高まるなら、来年には、現在2.30レアルのドルが2.80レアルになっている。よし、今ドルを買っておくぞ」とね。それで何が起こるだろうか。ドルが今、2.80レアルになる。もし市場の完全な合理性を信頼するならね。それは、もし人々が何をやっているか、何をするのか、そしてどのような政策条件があるのかを知っている場合だ。金融関係者がやることは何か? 先手を打つことだ。レアル計画がこれほど成功したのはなぜか? 彼らは、こう言っていたのだ。「俺たちをこのゲームに早く参加させてくれ」と。

 

それで、インフレの問題は?

 

エジマル・バーシャ:ペルシオ(ペルシオ・アリーダ、レアル計画の立案者の1人)が既に言ったように、我々は「機能不全になった新しいマクロ経済マトリクス」というコンテクストにおいて過去数年にわたって生じた歪みを、すべて「解消」させる必要がある。機能不全なものの一部には、基礎的料金、とりわけ電力と石油の価格統制を通じてインフレを抑制しようとするプロセスも含まれる。明らかに、解体する必要がある。だがこのプロセスはどのように進めるのか? 一気にするのがいいか、それとも、何らかの調整弁を入れるのか?

 

あなたは、何が適切とお考えですか?

 

エジマル・バーシャ:それは、その時の状況次第だろう。この判断を下すには、マクロ経済の状況を評価しなければならない。君らの出版した本の中に、1970年出版の、インフレーション:漸進主義かショック療法かというのがある。シモンセン(マリオ・エンリッケ・シモンセン、元財務大臣)は、ショック療法を欲した。ブリョンエス(オターヴィオ・デ・ゴウヴェイア・ブリョンエス、同じく元財務大臣)は、漸進主義だった。そして漸進主義が勝った。まさにそのために、我々は、インフレを低減させることができなかった。あの時にショック療法で対処することが最善だったか? そうだ。今ならそういえる。1年か2年は苦渋を味わっただろうが、その後の20年を失わなかった。政治的に、そうすることが可能だろうか? もし野党が政権を取った場合に敵対心が異常なまでに激化することを私たちは知っている。その結果、価格の歪みが悪化したのを埋め合わせるために政府が別の対策と組み合わせるとどうなるか? 生活コストが上昇する。それがインフレ・サイクルへと繋がっていくのを回避するのはどうすれば良いか? これらはすべて、マクロ経済の状況と政治の世界に持ち込まれる政治状況が何なのかを、より確実に評価できるかどうかに依存する。肝心なのは、大衆を動員する事。つまり、「さあ、我々はこれから、それをやるよ」と見せることだ。では、否定的な見通しなくどうやってやり遂げるか? それが透明性のある経済政策という問題なのだ。為替が明日には値下がりすると言われないのは、現在、人々の思うように市場が値下がりしているからだ。見通しがどのように形成されるのか、それをどのように有利に、自分に敵対するものではなく、手なずけて利用しなければならない。

 

ただ、この「解体」プロセスをどのように進めるのが良いのか、説明いただけますか?

 

エジマル・バーシャ:それは再び三本柱を据え直す必要がある。だが同時に、我々はアルミーニオ(アルミーニオ・フラガ中央銀行元総裁)が提示した問題を考慮する必要がある。一度ぐらついたものを再構築した場合、その時点で、金融・財政制度の構築プロセスを継続する必要がある。なぜなら、この3本柱は、ペルシオが指摘したようにふらついているのだ。この制度は驚くほどの高金利をベースに機能していた。そして我々は、国際的な金利水準をベースにこの3本柱が機能することを望んでいる。従って、我々は引き続き、より大きな能力とインフレに対処しながらもより低い金利を可能にするような通貨政策を支援するような制度を構築し続ける必要がある。これについては、私の論説「3本柱に加えて(Alémdotripé)」で所見を述べている。

 

方向性としては?

 

エジマル・バーシャ:公共支出の増加を規制した上で、純負債額と総負債額に上限を設け、長期的なインフレ目標を設定する。このすべては、このプロセスの一部になる。

 

あなたは、2014年の大統領選に立候補を予定する人物の誰かに、これの提案を示したのでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:はっきり言って、これについて議論しているよ。君たちは、私とアエーシオ(アエーシオ・ネーヴェス、ミナス・ジェライス州選出の上院議員で共和国大統領選にブラジル民主社会=PSDBから立候補する可能性が高い)の間柄を知りたいのだろう。誰もが知っていることだが、私はPSDB党員だ。だが私は選挙運動には関係していない。アエーシオが私に何か質問すれば、私は自分の考えを答えるだけだ。

 

あなた方は、これについて話をしたのでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:いいえ。私がアエーシオと最後に話をしたのは、彼の演説に対してだ。レアル計画に対する彼の取り組みに関する演説だ。

 

あなたは選挙運動についてどのように見ていますか?

 

エジマル・バーシャ:我々の側では、内部的に融和があった。フェルナンド・エンリッケの時代以降では今回が初めて、挙党体制で1人の候補を支援することになる。アエーシオの努力はそこにあったし、目的は達成された。党は一丸となる。今は、地方の調整だ。アエーシオが現時点でコメントしているのはこのことだ。最終ステージは、サッカー・ワールドカップ終了後、テレビの政見放送がスタートする時だ。そこで我々は、公開討論をやる事になる。

 

今回の選挙では、経済問題は大きな比重を持つでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:確実に、そうなる方向に進んでいる。不満がくすぶっている。それは広範囲にわたる不満である。雇用はまだ堅調だが、他方、価格は統制できない状態になりつつある。約束された将来に対する不安が存在する。公共サービスの質に対する強い不満もある。変化が求められている。それは世論調査に表れ始めている。人々は不満を持ち、何か新しいことを欲しているのだ。(2014年3月15日付けエスタード紙、アレクサ・サロモン記者・ヴィニシウス・ネーデル記者)

国際的な生産チェーンへの統合が、ブラジルの必要とする生産性に飛躍を与えるだろう

 

現在のブラジルにおける経済的・政治的な討論で、エコノミストのエジマル・バーシャ氏のような明確な立場をとる人物は、わずかといって良い。同氏は、「私がPSDBを支持するのは秘密でも何でもない」と同氏は言う。レアル計画の生みの親の1人であり、現在、リオデジャネイロ市民が集い国益に関して議論する論壇であるカーザ・ダス・ガルサスの理事を務めるバーシャ氏は、現政権が採用するマクロ経済を次期政権が「解体」し、長期的な市場の開放を視野に入れた抜本的な政策を立ち上げることを支持している。

 

バーシャ氏によると、「ピビーニョ(わずかな成長に止まったGDP)」は鎖国の結果である。以下は、「ブラジルが成長する道は、国際貿易に市場を開放する事だと確信している」と主張する同氏とのインタビューである。

 

3月第3週に開催されたレアル計画20周年を祝うイベントで、あなたは、新政権は発足初日に税制改革を再開する必要があるとおっしゃいました。あなたにとり、新政権の取り組みは税制改革に集約されるわけですか?

 

エジマル・バーシャ:それは違う。断言するが、もっと広範囲なものだ。私は要点毎に分析を分けた。最初のポイントは、平均的所得の落とし穴と呼ぶ問題の存在を証明することだ。1981年以降、ブラジルでは、緩やかに上昇してきた。だがこのプロセスは、2004以降、調子が狂ったように見える。そして現在からみると、2004年から2011年に掛けて経済部門が記録した大きな伸びは、国外の状況が安定して推移したことの恩恵を受けただけだというのは明白だ。この期間のコモディティー(国際相場で取引される原材料)相場の値上がりと外資の流入が、並外れた内需の拡大に対する資金を提供した。このサイクルに入った時期は設備に余剰能力を抱えて失業率が高かったため、2011年までの安定期に、ブラジルはそれ以前のサイクルを上回る成長を記録した。そして安定期が転換期に移行したことで、コモディティー相場が値下がりし始め、資金の引き上げが始まり、様々な状況が一転し、ピビーニョが舞い戻った。しかも今回のピビーニョには、通常と異なった問題がある。もしピビーニョにとどまる場合、インフレは低水準に収まるべきだ。だが反対に、ブラジルのインフレは、もはや誰にも判断の付かないアルゼンチンとベネズエラを除いた周辺諸国と比較しても高い水準にある。同じく、ピビーニョには貿易収支黒字が付き物だが、経常赤字も拡大した。これらの一連のデータは、ブラジル経済が病んでいることを意味する。我が国は、低成長と高インフレ、経常収支赤字の複合的な問題を抱え、しかも、これが脱工業化に向かう状況を生み出すという、ブラジル病に直面している。ここで示されているのは、ピビーニョが現政権の産物なのではなく、また周期的なものでもないことだ。これは30年も前のブラジル経済の特性だ。1世紀近くにも及ぶ特性であり、この国は、世界の一等国の仲間入りをするのに限界があるということだ。

 

分析の2番目のポイントとは?

 

エジマル・バーシャ:2番目のポイントは、戦後に、平均的所得から高所得への移行を達成した国々をリストアップしたときに見えてくるものだ。これらの国は、多くはない。ざっと数えておよそ10か国だ。アジアの虎とイスラエルは工業製品の輸出を足掛かりにした。ヨーロッパの周辺国、つまりポルトガルとスペイン、ギリシャ、アイルランドなどは、ヨーロッパのコミュニティーに対して労働力を提供することも含めて、サービスの提供を足掛かりにした。第3のグループは、オーストラリアとニュージーランドだが、私はノルウェーも含めたい。1960年代末まで、ノルウェーは北欧の最貧国だったが、現在では最も富かな国になっている。これら3か国は、1次産品がベースだった。それぞれに異なる方法を採ったが、共通するのは、いずれの国もより大きな市場に参加し、そこから発展につながるニッチを見つけ出したことだ。これは実証的だ。ステップアップは、国際統合を通して発生した。分析的にも、平均的所得から高所得への変移、そのゲームが冠した名前こそ生産性だということは、明確だろうと思われる。それらの国々のいずれもが、現在の中国とインドが努力しているような、都市生活者が農村に生産性の向上を与えるという簡単なステップを既に終えている。都市の環境は農村よりも生産的であり、それだけに、農村経済から都市経済へ単純に移行することは、輸入品を絶えず代替するという文脈において、貧困から平均的な所得への変移を後押しした。

 

ブラジルでは、労働市場のこうした変化は、既に終えているのではないでしょうか? 現在では、人口移動は、もはや大きな原動力にはなり得ない。

 

エジマル・バーシャ:その通り。これこそ、過剰な人件費を生み出した原因だ。あらゆる人が都市生活者であり、しかも人件費がさらに上昇する余地はない。しかしこの文脈において、我々は生産性とは何かを考えなければならない。その一部は、テクノロジーだろう。近代的な資本財と中間投入財を活用する必要もある。生産性は、規模でもある。スケールメリットを享受するためにより大きな市場へのアクセスも必要だ。それは近代的な生産指標の1つだ。第3に、専門化が必要だ。企業は、得意分野に集中すべきだ。第4に、競争が必要だ。これらの要素は、ある国が国際貿易の中に組み込まれて初めて生まれてくる。我々は、自分たち自身の問題に直面している。ブラジルと世界を比較すると、ブラジルがまさに世界の正反対に向かっていることに、多くの人々が驚く。世界銀行がデータを保有している176か国を比較した場合、ブラジルは、GDPに対する輸入の比率が小さな国で、13%なのだ。この事実を、ある昼食の席でリオデジャネイロ・カトリック大学(PUC-Rio)の友人2人に話したところ、彼らから、質問を受けた。そのデータに間違いが無いのかい?とね。もちろんだ。ブラジルという国は、世界銀行がデータを保有していない北朝鮮を除けば、世界に対して最も閉鎖的な国なのだ。そしてそれは、収支の両面から発生している。つまり、輸入だけでなく、輸出においてもそうなのだ。GDPで測ればブラジルは巨人であり、世界7位だ。だが輸出額で見ると、24位の小人なのだ。GDPでブラジルを上回る残りの6か国は、いずれも、輸出大国だ。欧州連合、アメリカ、中国、日本。すべて、こうした特徴を持つ。ブラジルは、輸出のない大国なのだ。もし、ブラジルが置かれている状況についてまだ疑問が残っているというなら、もう1つ、比較の例を挙げて見よう。1960年代と70年代に、韓国は輸入の代替を足掛かりに成長していたが、1974年のオイルショックを受けて戦略を180度転換した。かの国は、輸出促進に対して強力な政策を政治的に実践し始めた。現在、韓国の輸出はGDP比58%だ。一方のブラジルは、輸出がGDPの12%だ。40年も前に、韓国の国民1人当たりGDPはブラジルと事実上同じだった。だが現在、韓国はブラジルの3倍だ。韓国は先端技術を備えた大規模な輸出企業があり、教育も先進的だ。仮に我々が発展に向けた要件のリストアップに着手するなら、その作業は不断のものになる。しばしば、ブラジルでは不備のある全体リストを作りあげる人がおり、そのリストを手にした時には既にタイムラグから深刻な問題に直面する。あちこちを修復する必要があるなら、目標を達成することはできない。だがハーシュマン(アルバート・ハーシュマン、アメリカのエコノミスト)が我々に教えたように、我々は戦略観点から考えなければならない。何が決定的な、つまり残りの再定義が強いられる変数なのか? 私は、ブラジルが成長する道は国際貿易に対する市場の開放だと、あらゆる理由から断言できると確信している。

 

すると、あなたの説明では、本来向かう方向とはすべての面で逆に進んでいる訳ですね。

 

エジマル・バーシャ:そうだ。現在、我々は非生産的で、高コストな経済状況にあり、膨大な保護政策によって生きながらえている。この国の高いコストは、閉鎖経済の結果だ。このような種々の問題に対する政府の回答は、とりわけ2007年以降がそうだが、更に経済を閉鎖的にするというものだった。脱工業化と我が国の企業の競争力のなさに直面した政府は、輸入税を引き上げる一方で国内で生産された製品、例えば自動車などのようなものへの工業製品税(IPI)の税率を引き下げるという判断を下した。国産化比率と、生産統合、更に保護貿易主義の必要性を謳う政策がある。そこで私は、アナロジーを使って見たい。皆さんは非常に若いし、思い出すこともできないだろうが、まぁ、大丈夫だ。ベロ・オリゾンテ市の「トラム」の間で、1950年代のことだが、シャビエル調整剤が宣伝された。偉大なる女性の友(月経調整剤)だね。ナンバー1は多すぎに。ナンバー2は来ない場合。我々は輸出が不足しており、従って、シャビエル調整剤のナンバー2が必要だ。解放。ところが政府は、調整剤のナンバー1、つまり過多向けの薬を処方しようとしている。どうしてそうなったか、それは輸入が超過だと見たからだ。しかも、業界固有の問題を修正しようと試みている。業界毎に、どこが貿易赤字なのかとね。保健業界では、これは私は知っているが、赤字は110億ドルだ。電子業界、これも私は知っているが、160億の赤字。分野毎の赤字の動きを見て、政府は、社会経済開発銀行(BNDES)の助成的色彩を帯びた融資金を通して、また、国産化比率の規制を通じて、過度に、局部的な保護貿易主義の戦略を組み立てている。これは異常事態だ。しかも、第3の異常事態としてPPB、つまり基礎生産プロセスが存在する。もしあなたが、ブラジルの偉大なる技術的発展の産物である(笑)3穴コンセントの生産に対して助成と保護を求めるなら、1つの提案書を開発商工省(MDIC)に提出するだけで十分で、生産プロセスの諸段階を提示すれば、同省の役員がその製品を生産するのに国産品をどれだけ買わなければいけないかを通知するのだ。どこを向いても同じ対応で、生産性の低いところには政府が非生産性を拡大させ、ごちゃ混ぜの混乱を生み出し、更に拡大させている。些細な例を挙げよう。輸入の波を最も強く被った業界に恩典を与えるような、生産部門の統合政策をどのように深化させるかに関する解析的研究に関心を持つ大学の研究者を対象に、ユネスコ(Unesco)が、プロジェクトのコンテストを開催する。いいかい。ブラジルの誰かがユネスコに対して要請し、かつ資金が援助されたことも間違いのないプロジェクトで、しかも、サンパウロ州の地方都市のある大学だけから、わずか1件の提案しかなされないことも、我々は知っている。我々は、現在のブラジルに存在するこうした数々の悲劇を断ち切る必要がある。

 

保護が必要とする意見の中で、ブラジルが雇用を維持する必要があることや、経済的に脆弱な業界を保護する必要が訴えられています。市場の開放は、苦痛を伴いませんか?

 

エジマル・バーシャ:先ず私は、市場の開放こそ進むべき道だと納得してもらう必要がある。納得してもらえば、戦略を立ち上げなければならないが、この戦略には2つのテストが必要だ。経済政策のテスト、これは、有効性と雇用の創出、技術開発のような基本的要件を達成するもの、そして業界のテストで、過去の戦略が利益団体と主観的現実認識を生み出したことを考慮しなければならないからだ。多国籍企業は、政府が保護主義の水準を引き下げはしないとの暗黙の了解によってブラジルに進出した。私自身、それをこの目で見ている。事業の拡大に関心を持つ化学工業の代表者らと話をすれば、彼らの発言はひとつに集約される。つまり、「ところであなたは、我々が進出した後に輸入税が引き下げられないと確約できますか? 弊社はここで製造したものを輸出できない。もしドライに輸入税が引き下げられれば、弊社は破産、なぜなら国外で極めて安価に生産する競合会社が国内でやりたい放題になりますからな」。どうやって変移するかはひとつの問題だが、達成に向けて私には、3本柱の提案がある。最初の柱はブラジル・コストの削減だ。ブラジルの重い租税負担と複雑な税制に対する財界の不満は、全くその通りだ。物流の不備、港湾と高速道路、空港の脆弱さも、財界のおっしゃる通りだ。そこで最初の柱は、こうした不満に対処することである。そこで私は、次期政権の発足初年度は、見通しをよくして少なくともシステムを単純化するような税制改革に取り組むべきだと考える。ドルネレス(フランシスコ・ドルネレス上院議員)は、国税として税構造全体に影響を与えるVAT(英語のIVA、付加価値税)を提案している。税務当局の要求を満たすために企業必要としている管理部門と法務部門、会計部門、司法担当が煩わされる作業の煩雑さを取り除くという、大きな成果を出すだろう。ただ1つのことなのに、経済の非生産性を増やす。単純化が不可欠なのだ。それは、港湾と空港、高速道路の事業認可プロセスで生産の成果に最低限の条件を盛り込んで肉体に魂を吹き込むことが不可欠なことと同じだ。これは7年 ― 先ずは3年、続いて更に第2次政権で4年 ― の計画になる…。

 

それは、あなたが工業向けレアル計画と呼んだものでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:かつて、注目を集めるために私はそう命名したことがある。

 

すると再度、命名されたのでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:その名前は、もはや使い古された。レアルは、過去のものだ。私はこの名前を、プロジェクトに注目を引く方法として使い、実際にうまくいった。サンパウロ州工業連盟(Fiesp)、サント・アンドレー市金属労組、外務省、そして上院から、私は、講演に呼ばれたよ。人々は、既にプロジェクトの本質を受け止めている。

 

その他の柱とは何でしょう?

 

エジマル・バーシャ:2番目のポイントは、既に述べたように、保護貿易主義的部分を刷新することだ。つまり、関税、政府調達における優先条件、国産化比率政策、助成的融資などを、為替に置き換える。為替は、自分たちだけには有利に働いてくれるようなものではない。もし自分たちにとってだけ有利になるものだったら、膨張するだろう。君が輸入品のコストを引き下げようとすれば、輸出品の価格がぐっと引き上がる。関税による保護を為替による保護に置き換えるなら、そこでは、既に自然と淘汰が働いている。為替による保護の恩恵を受けるのはより効率的な企業または業界で、輸出余力も大きい。現在のような、マイクロマネジメントの機構を維持する必要はないはずだ。もちろん誘導因子のメカニズムを確保する必要はあるだろう。政府は、何が生来備えたアドバンテージなのか、世界的な技術の動向、貿易における競争原理の確保、どこが参入の容易なところなのかについて気を配る必要がある。すなわち、国際的なバリュー・チェーンにブラジル経済の統合させるという、国家にとって大きな役割になる。それは現在の生産的部門を統合する政策を置き換えるものになるだろう。そして第三の柱は、貿易協定だ。市場を開放しよう。だが、素手でこのゲームに参加するのではない。解放の判断は、一方的かつ漸進的に進める。ブラジルに進出している多国籍企業にとってゲームのルールが変わることは明白だが、彼らにもそれに対処する時間を確保するのも当然だ。すべてを国内で生産する事はできなくなり、子会社と国外の子会社を統合することになる。現在の国際貿易は、ポルトガルはワインを輸出してイギリスの繊維を輸入していた時代、つまりデイビッド・リカルド(イギリスのエコノミストで19世紀の古典派の生みの親の1人)の時代と同じではない。現在の貿易は自動車業界がそうであるように、業界横断的で、そして、企業横断的なのだ。しかも最近では、製品横断的ですらある。iPadを製造しているのはどこだろうか? どの水準を話題にしているのかで違ってくる。この製品は、台湾企業が中国で完成させている。国際貿易は、ブラジルが完全に接触を絶ってきた、これら国際的なバリュー・チェーンによって形成されている。地理的条件に問題があるし、これについては少し専門的に話をしたいが。構わないかな?

 

もちろん。ただ、ついでに質問させてください。つまり、メルコスルはどうなるのでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:議論は、まさにそれだ。グローバル・チェーンは地理的なロケーションを伴う。欧州連合がある。北米にも、アメリカ周辺地域。3分の1はアジアだ。そして我々は孤立しているのだが、ここで我々自身のチェーンの構築に着手できる。このことは、現在のメルコスルのゆがんだ政策、それはジョゼー・ロベルト(ジョゼー・ロベルト・メンドンサドゥ・バーロス氏、3月12日にレアル計画に関するイベントでこの問題についてコメントした)が指摘したことそのもので、当初の自動車業界の統合のシナリオは、地域の成長を促し、世界に輸出することになる特定の種類の車を生産するというものだった。だがこれは、完全にグダグダになった。彼が言ったように、どれだけのメーカーがブラジルへ更にやってくるのか知らないが、ここで生産された車は輸出できないので、ところてん式に押し出されてくる。それはプライスレスだ。そういう訳で、当初の経済統合、そして南米という物理的統合というプロジェクトに回帰する必要がある。だがそれは、グローバル化を視野に入れた地域統合だ。ECLAC(国連中南米カリブ経済委員会)の本来の目的だった、地域レベルの輸入代替へ向かうのではない。そのように扱うべきではないのだ。我々は、地域の近接性と国々の得意な産業を活かして、生産を補完し、そうすることで2ステージでは、世界との統合が容易になる。

 

あなたはどこかの時点で、この市場開放のプロセスによりブラジルがどれだけ成長できるか試算されましたか?

 

エジマル・バーシャ:2030年には、ポルトガルが到達するところ、(1人当たりGDPが)2万4,000ドルに達することができる。すなわち、我々は長期的な視点で目標を掲げている。この試算には、ベースとして年率約5%の成長も含む。

 

インフレ対策の計画を導入してこれが機能するまでに数十年を必要としました。おっしゃるような市場開放計画を導入するための政治的余地はあるでしょうか。

 

エジマル・バーシャ:1993年にレアル計画の作業のために招集された経済スタッフが非常にいやいやながら作業についたのだと分かって欲しい。と言うのも皆、そんなものに余力を避けるような政治状況ではないと思っていたのさ。そういう訳で、レアル計画が成功してから政治状況が好意的なものになったのだ。「事前の」状態は最悪だった。当時の政権は、副大統領(イタマール・フランコ、前大統領のフェルナンド・コーロル・デ・メーロの弾劾後に正式に就任)には政権担当者としての法的裏付けがなく、国会でも多数派ではなく、しかも政権は残すところ2年で、既に7カ月間で3人の財務大臣が更迭されていた。このような政治情勢などあるだろうか? 全くの災難だったのさ! この種の計画の場合、政権初年度に政治的な基盤があり、かつ、計画で必要とする政策をすべて導入できるだけの基盤がある場合に実施される。なぜ我々が、緊急社会基金の採択前にURV(実質価値単位)を導入する事の必要性を訴えたのか? どうやって、自分たちに有利なプロセスへとつなげたのか? フェルナンド・エンリッケは、3段階で計画を発表した。最初は、国会への憲法改正案の提出だった。もし国会がこれを承認すれば、我々は物価スライド制度を統合する。物価スライド制に移行した後、我々は新しい通貨を導入する。換言すれば、政治家に対する私の主張はこうだ。「その先で、私はあなた方を選出するだろう。だが私があなた方を選出するのは、その前に財政調整を実施する場合に限られる」。こうした流れがあったのだ。当時は1988年憲法で想定されていた物事を導入する改憲時期だったが、君は、その他の憲法改正が1993年に行われたのは知っているか? それだけでなく、外国人教師がブラジルの公立大学で教鞭をとることを禁止する法律にも、我々は終止符を打たせた。私は、セーラ(ジョゼー・セーラ、当時保健大臣)とジョビン(ネルソン・ジョビン、当時法務大臣)とともに、計画遂行に必要な憲法改正の包括政策も作った。当時の改革は、それは膨大な包括政策だった。それらが、少しでも採択されただろうか? いいや。ゼロだ。これは、フェルナンド・エンリッケの第1次政権のプロジェクトになったのだ。

 

貿易の自由化に関する提議はどのように受け止められたのでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:実際のところ、反応があまりの好評なことに驚いている。実業家は次の様に受け止めている。つまり、「私はゲームの規定に沿ってプレーする」とね。もしゲームの規定がブラジル・コストの維持という文脈の中で保護と助成金を与えるというものなら、彼らは仕事の多くの時間をブラジリアとリオ市のチリ大通り(BNDES本店)詣りに費やし、時々、工場で仕事をするわけだ。実業家は、もし彼が行かなければ競合会社が同じように関係者詣りをすると知っているのだ。つまり、彼は、政府が仕切る中でプレーしなければならない。しかも、彼はこのゲームには満足できない。これこそ、財界関係者の明らかな不満なのだ。有能な実業家なら十分な能力と効率を備えているし、この規定では生き残れないことを知っている。だから規定を変更すると発表する。すべてにおいて透明性を確保し、調整期を設けて誰に対しても公平な規定へと移行させ、政府も改革の遂行能力があるところを見せれば、財界もその変革に同意するのだ。

 

ではBNDESはどうなるでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:経済危機の発生後、BNDESは完全に評価を下げた。資本市場が成長する一方で、BNDESは2つの方向へと進んできた。つまり、民間の融資の補完と、例えばインフラや先端技術のような極めて重要でありながらも民間部門が取り組まないニッチな特殊分野だ。ところが突如、BNDESはあらゆるブラジル人企業家の守護神になった。BNDESに好き放題させるよう国庫財務局の金庫を開放し、BNDESはゴリアテ、いやゴリアテではなくむしろ下僕になった。この贅肉だらけの巨人は、現実には、金融市場を補完する代わりに、金融メカニズムに取って代わりこの国の金融市場の発展を阻害し、リソースの配分を歪ませ、国会の承認が不要な裏予算を創出し、その上、ブラジルの公会計の透明性を失わせている。BNDESはまさに災いとなっており、2008年と2009年の国際金融危機によって引き起こされた誤った認識から異常に膨張する以前の路線へ、回帰する必要がある。

 

あなたの市場開放の提案は、業界選択的、あるいは効率的な業界のみが生き残るということも含むのでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:いいえ、ジョアキン・ムルチーニョ(非能率的な生産者を排除した19世紀から20世紀にかけての財務大臣)に戻るのではない。30年を展望する中で、基本的な業種を見据えておくことは必要だ。どこが有望なのか? 工業政策は継続される。だが、それは業界選択的なものではない。業界というものは、ある種、自ずと伸びるのだ。そこで発生するのは、しばらく時間を必要とするが有望な特定領域の特定なのだ。岩塩層下に関連して政府がノルウェーと同じことをやっていると言うのを見ると、それこそ狂気を感じる。ノルウェーは石油に関連した産業を起こしたのだ。国産化比率、保護、助成のメカニズム…、だが、輸出産業を構築するのだという観点でこの業界を有望だと受け止めた。ノルウェーがやったのはそういうことだ。もしブラジルに有望な業界があるとして、一時的に保護が必要なら、それを与えるべきだがこのような見通しの下に実施すべきなのだ。いつかそれが終わり、そして保護された業界が、国際的に競い合っていけるものになるということ。国際的な競合会社競合の価格設定と異なるため、ブラジル企業にとって国内市場は利用できるものではない。

 

これと並行して、マクロ経済政策、税制や為替はどのようなものになるでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:ここで議論をしているのは、長期の政策だ。長期プロジェクトは、市場競争の統合を軸に構造化されている。しばしば、短期のマクロ経済政策の要件と違反する事もある。例えば為替だ。輸入税を為替に置き換えることと、為替が完全に自由に変動すべきだという考えを、どうやって両立させられるか? この両立は、うまくいかない。我々の主張は、政府は、発足初年において、この国の工業政策を抜本的に改革すると発表するということだ。今後、政府の活動手段はすべて、国外との競争力を身に着けることを基準として、この国を再工業化する方向を向く。そのために、ここでは、ある年数の長期的な計画を導入するということ。この計画には、例えば、7年後には輸入税が平均で5%、最大で10%になるといったことが盛り込まれる。更に、この政策には、現時点で実施されている国産化比率に関する政策の撤廃も含む。業界毎の貿易収支赤字を基準にしてどの業界をどれだけ保護するかなどという判断は下さない。もし赤字があるなら、輸入の削減ではなく、輸出の増大によって解決する。(月経調整剤の)ナンバー2ではなくナンバー1だ。政治的な決断力と信頼性があるなら、金融関係者はそれを見てこういうだろう。「輸入品であふれかえる」と。仮に私が金融市場にいるなら、こう考える。「何てことだ。今後2年で輸入量が増加する。輸入するにはドルがいる。ドルの需要が高まるぞ。もしドルの需要が高まるなら、来年には、現在2.30レアルのドルが2.80レアルになっている。よし、今ドルを買っておくぞ」とね。それで何が起こるだろうか。ドルが今、2.80レアルになる。もし市場の完全な合理性を信頼するならね。それは、もし人々が何をやっているか、何をするのか、そしてどのような政策条件があるのかを知っている場合だ。金融関係者がやることは何か? 先手を打つことだ。レアル計画がこれほど成功したのはなぜか? 彼らは、こう言っていたのだ。「俺たちをこのゲームに早く参加させてくれ」と。

 

それで、インフレの問題は?

 

エジマル・バーシャ:ペルシオ(ペルシオ・アリーダ、レアル計画の立案者の1人)が既に言ったように、我々は「機能不全になった新しいマクロ経済マトリクス」というコンテクストにおいて過去数年にわたって生じた歪みを、すべて「解消」させる必要がある。機能不全なものの一部には、基礎的料金、とりわけ電力と石油の価格統制を通じてインフレを抑制しようとするプロセスも含まれる。明らかに、解体する必要がある。だがこのプロセスはどのように進めるのか? 一気にするのがいいか、それとも、何らかの調整弁を入れるのか?

 

あなたは、何が適切とお考えですか?

 

エジマル・バーシャ:それは、その時の状況次第だろう。この判断を下すには、マクロ経済の状況を評価しなければならない。君らの出版した本の中に、1970年出版の、インフレーション:漸進主義かショック療法かというのがある。シモンセン(マリオ・エンリッケ・シモンセン、元財務大臣)は、ショック療法を欲した。ブリョンエス(オターヴィオ・デ・ゴウヴェイア・ブリョンエス、同じく元財務大臣)は、漸進主義だった。そして漸進主義が勝った。まさにそのために、我々は、インフレを低減させることができなかった。あの時にショック療法で対処することが最善だったか? そうだ。今ならそういえる。1年か2年は苦渋を味わっただろうが、その後の20年を失わなかった。政治的に、そうすることが可能だろうか? もし野党が政権を取った場合に敵対心が異常なまでに激化することを私たちは知っている。その結果、価格の歪みが悪化したのを埋め合わせるために政府が別の対策と組み合わせるとどうなるか? 生活コストが上昇する。それがインフレ・サイクルへと繋がっていくのを回避するのはどうすれば良いか? これらはすべて、マクロ経済の状況と政治の世界に持ち込まれる政治状況が何なのかを、より確実に評価できるかどうかに依存する。肝心なのは、大衆を動員する事。つまり、「さあ、我々はこれから、それをやるよ」と見せることだ。では、否定的な見通しなくどうやってやり遂げるか? それが透明性のある経済政策という問題なのだ。為替が明日には値下がりすると言われないのは、現在、人々の思うように市場が値下がりしているからだ。見通しがどのように形成されるのか、それをどのように有利に、自分に敵対するものではなく、手なずけて利用しなければならない。

 

ただ、この「解体」プロセスをどのように進めるのが良いのか、説明いただけますか?

 

エジマル・バーシャ:それは再び三本柱を据え直す必要がある。だが同時に、我々はアルミーニオ(アルミーニオ・フラガ中央銀行元総裁)が提示した問題を考慮する必要がある。一度ぐらついたものを再構築した場合、その時点で、金融・財政制度の構築プロセスを継続する必要がある。なぜなら、この3本柱は、ペルシオが指摘したようにふらついているのだ。この制度は驚くほどの高金利をベースに機能していた。そして我々は、国際的な金利水準をベースにこの3本柱が機能することを望んでいる。従って、我々は引き続き、より大きな能力とインフレに対処しながらもより低い金利を可能にするような通貨政策を支援するような制度を構築し続ける必要がある。これについては、私の論説「3本柱に加えて(Alémdotripé)」で所見を述べている。

 

方向性としては?

 

エジマル・バーシャ:公共支出の増加を規制した上で、純負債額と総負債額に上限を設け、長期的なインフレ目標を設定する。このすべては、このプロセスの一部になる。

 

あなたは、2014年の大統領選に立候補を予定する人物の誰かに、これの提案を示したのでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:はっきり言って、これについて議論しているよ。君たちは、私とアエーシオ(アエーシオ・ネーヴェス、ミナス・ジェライス州選出の上院議員で共和国大統領選にブラジル民主社会=PSDBから立候補する可能性が高い)の間柄を知りたいのだろう。誰もが知っていることだが、私はPSDB党員だ。だが私は選挙運動には関係していない。アエーシオが私に何か質問すれば、私は自分の考えを答えるだけだ。

 

あなた方は、これについて話をしたのでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:いいえ。私がアエーシオと最後に話をしたのは、彼の演説に対してだ。レアル計画に対する彼の取り組みに関する演説だ。

 

あなたは選挙運動についてどのように見ていますか?

 

エジマル・バーシャ:我々の側では、内部的に融和があった。フェルナンド・エンリッケの時代以降では今回が初めて、挙党体制で1人の候補を支援することになる。アエーシオの努力はそこにあったし、目的は達成された。党は一丸となる。今は、地方の調整だ。アエーシオが現時点でコメントしているのはこのことだ。最終ステージは、サッカー・ワールドカップ終了後、テレビの政見放送がスタートする時だ。そこで我々は、公開討論をやる事になる。

 

今回の選挙では、経済問題は大きな比重を持つでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:確実に、そうなる方向に進んでいる。不満がくすぶっている。それは広範囲にわたる不満である。雇用はまだ堅調だが、他方、価格は統制できない状態になりつつある。約束された将来に対する不安が存在する。公共サービスの質に対する強い不満もある。変化が求められている。それは世論調査に表れ始めている。人々は不満を持ち、何か新しいことを欲しているのだ。(2014年3月15日付けエスタード紙、アレクサ・サロモン記者・ヴィニシウス・ネーデル記者)

 

3月の懇親昼食会に170人が参加して開催(定例理事会・第64回定期総会)

3月の懇親昼食会にパラグアイのグスターボ・レイテ商工大臣を迎えて、2014年3月14日正午から2時過ぎまでマクソウドホテルに170人が参加して開催、司会は平田藤義事務局長が務めた。

初めに特別ゲストとして、コーチ・エィ(Coach A)の鈴木 義幸 取締役社長、島田 晴雄 島田塾 会長 /千葉商科大学 学長、グスターボ・レイテパラグアイ商工大臣、オスカール・ロドルフォ パラグアイ総領事、在サンパウロ日本国総領事館 の佐野浩明 首席領事 、永田健JICAブラジリア 代表、木多喜八郎文協 会長、ススム・ニヤマ アリアンサ日伯文化連盟 副会長、山田 康夫 県連副会長、貞方 賢彦ブラジル日本商工会議所第13代会頭、Marcos Suto JCIブラジル青年会議所 会頭、元パラグアイ駐日特命全権大使の田岡 功大統領アシスタントなどが紹介された。

連絡事項として村田俊典 財務委員長は、規制・制度環境の改善に向けたブラジル日本商工会議所の体制整備について、「ブラジル日本商工会議所の機能強化実施項目(案)」において経済産業省中南米室より提起された首題体制整備に関し、機能強化担当委員会を新設するが、そのスケジュールとして、3月~4月上旬に各部会の意見収集実施、4月中旬に常任理事会への中間報告、5月中旬に常任理事会への強化委員会設立案の提示、6月中旬に総会(臨時)への強化委員会の設立付議、7月1日に強化委員会を発足すると説明した。

インターコンチネンタルホテルのカーチア・ミヤダ国際セールスマネージャーは、「第2回和食フェスティバル」について、4月8日から11日の夕食並びに12日の昼食、夕食に横浜インターコンチネンタルホテルの園部氏並びに関氏の和食シェフェを迎えて和食フェスティバル開催を案内、代表者交代では丸紅ブラジルの伊吹洋二社長は前田社長から引き継いで3年勤務して意気込んでいたが、6回でピッチャー交代の感じでワールドカップが見られないのが非常に残念であり、残りの3イニングを投げたかったが、投げられないので後任の社長に私ができなかった仕事を全うしてほしい、貿易部会長は、ブラジル住友商事の岡社長が引き継ぎを快諾、また平田事務局長の熱意には非常に感謝していると述べた。

ヤクルト商工の天野一郎社長は、37年間ブラジルに住んでおり、今後も会長として仕事も会議所活動も継続するので引き続き宜しくお願いしますと述べ、後任の島田永眞社長はブラジル勤務10年、先輩の築いたもの、ブラジル人に愛されているヤクルトを引き継ぎ、ブラジル社会に貢献してゆきたいと述べた。

南米安田保険の遠藤 秀憲社長は、日本人学校の理事長をしており、会議所では、相互啓発委員長としてカマラゴルフ、見学会、忘年会を担当、“縁”を感じて人間的に成長でき、後任の奥村信社長は、2009年からブラジル勤務で安心してタスキを渡せると述べ、後任の奥村 幹夫新社長は2009年に赴任、マリチマ保険代表から安田に来て合併作業に取り組んでおり、業務を拡大して日伯のかけ橋になりたい、また会議所活動にも貢献したいと述べた。

ホンダ・サウスアメリカの武田川 雅博社長は、2011年に着任して3年になり、会議所では自動車部会長を担当、2015年からサンパウロ州イチラピーナ市の自動車工場が完成、7月に定年を迎える述べ、後任にはホンダ本社初めての外国籍のイサオ・ミゾグチ社長を紹介、後任のイサオ・ミゾグチ社長は、私は2.5世でイサオと呼んで下さいと述べ、サン・ベルナルド生まれて機械工学科を卒業、マナウスに25年間勤務、南米人として南米で頑張っていきたいと述べた。

ジェトロサンパウロ事務所の石田 靖博所長は、本日の昼食会に170人が参加しているのはグスターボ・レイテパラグアイ商工大臣が特別ゲストとして参加した効果と感謝しており、またブラジル+ワンとしてのビジネス上での考え方として、安い人件費や電力エネルギー、まれな労働争議、大きな若年層を擁しているパラグアイでは、実業家のオラシオ・カルテス大統領の信任が厚いグスターボ・レイテ パラグアイ商工大臣は外資系企業の誘致に熱心であり、今日の午後4時から商工会議所でセミナーを開催するので参加してほしいと説明した。

グスターボ・レイテパラグアイ商工大臣は、パラグアイのGDP伸び率は南米でトップ、オラシオ・カルテス大統領は外資誘致のためにビジネス環境整備に熱心であり、企業向け減税インセンティブ、パラグアイと日本の関係は良好であり、日本生まれの元駐日特命全権大使の田岡功大統領アシスタントに大いに力になってもらっていると述べた。

藤井晋介会頭は日本のコーチング業界をリードするCoach A社の鈴木 義幸取締役社長並びに島田塾を主宰する千葉商科大学の島田 晴雄学長の略歴をそれぞれ紹介、鈴木 義幸取締役社長は「組織のリーダーシップ開発とコーチング」と題して講演。鈴木社長は、米国の広告代理店に入社、ミドルテネシー州立大学院で臨床心理学を学んだあと、テネシー州立女子刑務所に勤務したが、スラングが激しいのであまり理解できなかった。

1996年に日本に帰国して1997年にコーチ・トエンテイワン社を設立、2001年にコーチ・エィを設立、従業員は163人で上海、ニューヨーク、バンコック、シンガポール、香港に支店を開設して駐在員をサポート、近い将来はブラジルに支店開設を予定、コーチングはリーダー開発の手法であり、野球やサッカーのコーチングを例に出して説明、ほめる、盛り上げるがアドバイスはしない、問いかけて気付いてもらうと説明した。

また①、会社の未来を創る ②、ビジョンを組織の末端まで浸透させる ③、組織の現状を把握する ④、社員を成長させる ⑤、経営者が成長していく、会社は未来を共有システムであり、未来は人との対話の中に生まれるものであり、共営者と10年後の未来を話し合ってほしい、また1年前と比較してどのような点が成長したのかをチェックする必要があり、周囲からのフィードバックも非常に重要であるが、企業のトップになると部下からの指摘や意見が挙がってこないために、コーチング コンサルタントを利用すると気づくことがあり、全ての人にコーチは必要であると説明、最後にExpartへの問いかけとして、日本でのやり方で使えるものと使えないものは何か、もし、優秀なリーダーがあなたの後任として着任したら何を終わらせ、何を始めると思いますか、 この国の部下があなたに求めていることを知るために、どんなことをしているか、日々どんな質問をしているか、いち早く適応するためには、自分にどんな質問をし続けるのが効果的か、目標をいち早く部下と強く共有するために、どんな手段が考えられるか、あなたは何を変える必要があって、変える必要がないものは何か、この国で成功することのあなたにとっての意味はなにか、ローカル社員にどのように敬意を表していますか、 どんな足跡をこの地に残したいのか、あなたの使命を一言で言うと、本社に戻った時、海外拠点をどのようにサポートしますかなどと説明した。

島田塾を主宰する千葉商科大学の島田 晴雄学長は、「ブラジルに来て考えた日本:その可能性と課題」 と題して、島田塾10周年を記念して5泊9日でブラジルを訪問、すでにペトロブラス石油公社、エンブラエル、トヨタ、東山農場を見学、ブラジルに来た理由として、2010年の7.5%のGDP伸び率を記録した国、ワールドカップやオリンピックが開催される国を実際に見てみたいとの思いからブラジルを選んだと説明した。

島田学長は、2012年の0.9%のGDP伸び率、2013年の2.3%、2014年も継続すると予想されている低いGDP伸び率、ブラジルコスト、高い税金、進んでいない構造改革、10.75%の高金利などブラジルは非常に厳しい状況にあるが、ブラジルは世界でも珍しい復元力を持った国であり、歴史を考えてみるとクビチェック大統領が未来都市のブラジリアを建設したが、マレーシアはブラジリアを参考にしている。

石油ショックによるエタノール開発、セラード開発、カラジャス鉱山開発、イタイプー水力発電所の建設、トランスアマゾナス建設など大型の国家プロジェクトを続けたが、年率1000%以上のハイパーインフレからカルドーゾ政権は、レアルプランを導入してハイパーインフレを奇跡的に抑え込み、エリートでないルーラ大統領は外交で力を発揮、ジウマ大統領はルーラ大統領の遺産を引き継いだ。

ブラジルは構造改革を進めてブラジルコストを下げたら素晴らしい国になり、ブラジルは白人が55%、モレーノが40%、黒人が5%、アジア系が1.0%で多様性があり、優秀な人間が非常に多く、また非常に性格が明るく毎年カーニバルを行っている。

日本は1995年から2012年までデフレで失われた20年で世界唯一の国であり、どうしたらデフレマインドから脱却できるか、アベノミクスではベースマネーを開始したが、日本国民はおとなしすぎるために、1000%以上のハイパーインフレ時でもカーニバルをやってきたブラジル人に学ばなければならないと説明、また日本からブラジルに協力できる分野として農業並びに8000キロメートルの海岸を擁するために養殖業、中小企業のテクノロジーの移転などいろんな分野で計り知れない協力が可能であると説明。講演後、藤井会頭から講演者2人に記念プレートが贈呈された。

懇親昼食会の前に定例理事会・第64回定期総会が開催され、藤井会頭は、2013年の事業報告並びに2013/14年度ブラジル日本商工会議所活動方針について簡単に説明、村田俊典 財務委員長は2013年度収支決算報告並びに2014年度収支予算計画(案)を説明、中村敏幸監事会議長は2013年度の監事会意見として、ブラジル日本商工会議所の2013年度(2013年1月1日より、同年12月31日まで)の事業報告書並びに貸借対照表、収支決算書、財産目録(什器及び造作)を検査、適性であると認めたことを報告、挙手による採択ですべての事項で承認された。 

Pdf第64回総会資料

パラグアイのグスターボ・レイテ商工大臣

藤井晋介会頭

島田 晴雄 島田塾 会長 /千葉商科大学 学長

コーチ・エィ(Coach A)の鈴木 義幸 取締役社長

 

Fotos: Rubens Ito / CCIJB

パラグアイ投資セミナーにグスタボ・レイテ商工大臣を迎えて開催

ジェトロサンパウロ事務所(石田 靖博所長)並びにブラジル日本商工会議所(藤井晋介会頭)共催によるパラグアイ投資セミナーは、2014年3月14日午後4時から6時まで40人以上が参加して開催、講師はパラグアイの投資誘致を所管する商工省からグスタボ・レイテ商工大臣を迎えて開催した。

進行役は紀井寿雄調査担当ディレクターが担当、初めにジェトロサンパウロ事務所の石田 靖博所長は、グスタボ・レイテ商工大臣を迎えてパラグアイ投資セミナー開催に対してお礼を述べ、日本企業にとってパラグアイはブラジル向け輸出拠点になると強調、安い人件費、電力エネルギー、まれな労働組合の問題発生、シンプルな税制、投資家保護、若年層が豊富、行政の非官僚化、日本企業の誘致に熱心であることなどを説明、またアンケート調査への協力も依頼した。

初めにグスタボ・レイテ商工大臣はオラシオ・カルテス大統領のパラグアイへの投資に対する長期ビジョンについて説明、レイテ商工大臣は今までのパラグアイのイメージは密輸やコピー所品の基地のイメージが世界的にできていたが、オラシオ・カルテス大統領は、パラグアイを近隣諸国への輸出基地とするために、マキラ制度と呼ばれるパラグアイに所在する企業が輸出用の資本財やサービスを生産するシステムで、生産は国際契約を通じて海外の親会社が行い、世界中の全ての国に出荷することができ、マキラ制度を活用してパラグアイをブラジル向け生産加工拠点とする際に、利用価値が高いとブラジル企業が関心を高めていると強調した。

パラグアイは世界で最もきれいな電力エネルギー輸出国であり、甘味料のステビアでは世界2位の生産国、世界3位のマテ茶の輸出、世界4位の大豆の輸出国、世界4位のキャサバ粉の輸出国、世界4位の大豆油輸出国、世界5位の大豆粕の輸出国、世界6位の大豆生産国、世界6位のトウモロコシの輸出国、世界8位の牛肉輸出国、世界10位の小麦の輸出国と余り知られていない農産物の生産国であると説明した。

また直接投資先としてのパラグアイのバンテージとして南米の戦略的位置、豊富な天然資源、豊富で安い電力エネルギー、多い若年層、メルコスールで最も安い生産コストなどを挙げ、パラグアイは南米の心臓部に位置し、ブラジル並びにアルゼンチン、ボリビアと国境を接しており、パラナ河並びにパラグアイ河、ラプラタ河と米国のミシシッピー河と同様の水上輸送で大幅なコスト削減が可能となると説明した。

またチャコ地域やパラナ地域の地下には非常に豊富な地底湖を擁しており、ピリタ地域には豊富なシェールガスの埋蔵の可能性があり、カランダイ地域では天然ガスの埋蔵が確認されている。

パラグアイには900万ヘクタールに及ぶ植林向けの土地があり、1,390メガワットの安価な電力エネルギーの供給能力があり、34歳以下の人口比率は73.7%とブラジルの65.7%、チリの60.1%、アルゼンチンの59.9%、ウルグアイの54.8%を大幅に上回っている。

パラグアイは中南米13カ国が加盟するラテンアメリカ統合連合(ALADI)に加盟しており、メルコスールの中での税率や関税で最もベネフィットがあり、パラグアイの投資としてインフラ整備、港湾や空港整備、輸出向けロジスティックやローカル配送網、不動産、植林事業、農畜産、ファイナンスセクターが挙げられる。

ブラジルからパラグアイと投資ではジュース、履物、合板、コーヒーやマテ茶のエッセンスの抽出、商用車部品、皮革などがあり、またパラグアイには日本企業のフジクラ社が2,000万ドルを投資して自動車向けワイヤハーネス(組み電線)生産してブラジルのワーゲン社の納入、Louis Dreyfus社は1億6,000万ドルを投資して大豆並びにトウモロコシ、小麦などを生産、ADMは1997年に進出して1,300人の従業員を雇用、カーギル社は1978年に進出して年間90万トンの大豆を加工してパラグアイの輸出に貢献、広島県に本社を置く造船の大手である常石グループがヴィジェタで造船所を建設し、第一号のバージの進水式典が2013年10月に行われたことなどをグスタボ・レイテ商工大臣は強調して、日本企業のパラグアイ進出を促した。最後に参加者から色々な質問がされて、パラグアイへの投資の関心が非常に高かった。

グスタボ・レイテ商工大臣

 

Fotos: Rubens Ito / CCIJB

2月の月間電力消費量は記録更新

全国エネルギーシステム組織化機構(ONS)の発表によると、南東地域/中西部地域の水力発電所の貯水ダムの水位は、2001年以降では最低水位を記録しており、2月9日のこの地域の平均水位は37.6%まで減少している。

しかし異常な高温並びに旱魃に近い僅かな降雨が続いている影響で、一般家庭では扇風機やクーラーによる電力消費が上昇の一途をたどっており、2月の電力消費は、前年同月比7.8%増加の69.397メガワットに達している。

また2013年7月に国家電力統合システム(SIN)に統合された工業製品生産のフリーゾーンを抱えるアマゾナス州マナウス市の電力消費を含むブラジルの2月の電力消費は、前年同月比9.3%増加の70.360メガワットに達している。

例年になく異常な高温と旱魃並みの降雨の地域は、ブラジルの電力消費の78%を占める南部地域並びに南東部地域、中西部地域であり、また今年のカーニバルが3月になったために、2月の労働日数が例年以上に増加したために、製造業を中心に電力消費の上昇につながっている。

2月の電力消費の地域別比較では、異常な高温による電力消費の上昇と好調な農業関連産業による電力消費の上昇で南部地域が前年同月比12%増加、マナウスフリーゾーンを含む北部地域は28%増加している。

3月11日の南東地域/中西部地域の水力発電所の貯水ダムの水位は、貯水能力の僅かに35.7%に留まっているために、今後の降雨次第では、節水制限を強いられる可能性がある。

3月11日の北部地域の水力発電所の貯水ダムの水位は貯水能力の82.7%に達して電力発電に余剰があるために、今月11日の北部地域から北東地域への送電は2.525メガワット、南東部地域への送電は2.017メガワット、南部地域から南東部地域への電力送電は0.558メガワットで渇水している地域へ余剰電力を送っている。(2014年3月13日付けエスタード紙)

 

ワールドカップ前にブラジル企業の社債発行が目白押し

政策誘導金利(Selic)が10.75%まで上昇しており、またインフラ関連投資に対する海外投資家並びに個人投資家に対する所得税の免税で、債券の利率は高くなるにも関わらず、信用度が高い優良企業にとって社債発行のチャンスとなっている。

しかし今年は6月12日から開催されるサッカーのワールドカップ並びに10月の大統領選があるために、ブラジルの大企業にとってワールドカップ開催前に社債発行を行う必要がある。

今後ブラジル企業によるワールドカップ前の社債発行総額は110億レアルに達すると予想されているが、今現在、社債発行が確認されているのは、化粧品メーカーのナツーラ社並びに保険会社のSulAmerica、水力発電所サント・アントニオ・エネルジア、グアルーリョス空港の民営化コンセッション企業のGRUなどで総額46億レアルの社債発行が確認されている。

今年初めの2カ月間のブラジル企業による社債発行は、前年同期比39%減少の22億レアル、そのうち10億レアルはヴァーレ社の社債発行となっており、Itau BBA社のフェリッペ・ヴィルベルグ氏は、「4月と5月が今年の社債発行にとって最適である」と説明している。

保険会社のSulAmerica社は7億5,000万レアルの社債発行を予定、水力発電所サント・アントニオ・エネルジア社は7億レアル、化粧品メーカーのナツーラ社は6億レアルの社債発行を予定している。

またIochpe-Maxion社は5億7,000万レアルの社債発行を予定、 小売業のLojas Renner社は4億2,000万レアル、 Centrovias社は4億レアル、 AES Tiete社は3億レアル、 GRU Airport 社は3億レアル、Ferreira Gomes Energia社は2億1,200万レアル、 RCI社は2億レアル、 Vianorte社は1億5,000万レアルの社債発行を予定している。(2014年3月13日付けヴァロール紙)

 

国家配給公社は2013年/2014年の大豆生産予想を下方修正

現在、大豆の収穫が南部地域や中西部地域で行われているが、先月の2013年/2014年の大豆生産予想は9,001万4,000トンであったが、3月の予想は2月の予想を5.1%下回る8,544万3,000トンに国家配給公社(Conab)では下方修正している。

2013年/2014年の大豆生産予想は2012年/2013年の大豆生産よりも4.8%増加が見込まれているが、南部地域並びに中西部地域の降雨不足の影響で、米国を追い抜いて世界トップの大豆生産国になるかは見通しがたっていない。

今年初めの降雨不足の影響で、大豆生産ではマット・グロッソ州に次ぐパラナ州の3月の大豆生産予想は、前年比7.7%減少の1,468万1,000トン、3位の南大河州の大豆生産は、1.8%減少の1,231万4,000トンが予想されている。

ブラジル最大の大豆生産のマット・グロッソ州の2013年/2014年の大豆生産は、前年比12%増加の2,635万7,000トンが見込まれており、国家配給公社(Conab)では、2013年/2014年の穀物生産は前年比0.7%増加の1億8,870万1,000トンと予想しているが、ブラジル地理統計院(IBGE)では1億9,030万トンを予想している。

国家配給公社(Conab)では、2013年/2014年の原綿生産予想は164万4,000トン,米は1,277万トン、フェジョン豆は338万5,000トン、トウモロコシは7,518万3,000トン、小麦は552万8,000トン、その他の穀物は474万8,000トンを予想している。(2014年3月13日付けヴァロール紙)