アラブ系並びにユダヤ系商人がブラス地区の小売業界を席捲

繊維問屋街として半世紀以上に亘って知名度の高いサンパウロ旧市街地のブラス地区では、長年に亘ってアラブ系やユダヤ系商人が繊維製品で商いを行っていたが、過去10年間以上に亘って、営業許可を持たない露天商の路上での安売りとの競争を余儀なくされていた。

また営業許可を持たない露天商は、低価格でのコピー商品販売などで不当競争を余儀なくされていた老舗のアラブ系やユダヤ系商店グループは、対抗措置として、初めにショッピングセンターMega Polo Modaを設立して対抗した。

ブラス地区並びに隣接のパリ地区には、すでに11ショッピングセンターが設立されており、年間売上は16億レアル、間口の狭いBOX小売店を擁しているオーナーは、すでに5000人以上に達している。
ブラス地区でも最も訪問客の多いShopping Vautier Premiumは、ビスケットメーカーのTostins社の工場跡に建設され、1,500店舗に達するBOXを擁しており、ブラジル全国から再販の仕入れに各地方の商店主が買い出しでにぎわっている。

ブラス地区でのショッピングセンター設立は12年前にレバノン系とユダヤ系商人が開始、初めにショッピングセンターMega Polo Moda1及び2を建設して、周辺のショッピングセンター開発の起爆剤となった。

ブラス区のショッピングセンター開発にはファッション関連小売販売大手のC&A社、Riachuelo社、ブラジルで最も伝統的な主にディナーナイフ・フォーク・スプーンなどのカトラリー製品メーカーで、世界120カ国以上の市場に進出しているトラモンチーナ社の宣伝を手掛けたジューリオ・タカノ氏が先導役を担っている。

ショッピングセンターMega Polo Moda1及び2では、他州から購買に来る大口顧客に対して、ショッピングセンター内に顧客専用の事務所や休憩場所を提供して便宜を図っている。

ショッピングセンターMega Polo Modaのアデリーノ・バジリオリ営業取締役は、サンパウロ市内及び他州でのショッピングセンター設立のために、ホールディング企業設立を検討している。

ショッピングセンターMega Polo Modaは、今年8月にゴイアス州ゴイアニア市に200店舗以上のBOXを擁するショッピングセンターを設立、繊維・衣類製品以外にも化粧品分野の小売販売もターゲットにしている。

ブラス地区のショッピングセンターへのBOXでの小売販売には、伝統的に電気製品販売が主流のGaleria Page内にBOXを構えていた人にも開放している一方で、希望者には正規の営業許可取得を義務付けている。

ブラス地区の11カ所のショッピングセンターとして、ショッピングセンターMega Polo Moda1及び2、Page Bras、 Porto Bras、 Vautie、r  Vautier Premium、 New Mall 、Total、 HD Mall、 ALL Bras、 Fashion Brasが全国から訪れる顧客獲得に凌ぎを削っている。(2018年4月1日付けエスタード紙)

今年のブラジルへの外資金融投資は前年比183%増加予想

70ヵ国以上の商業銀行・投資銀行・証券会社・保険会社・投資顧問会社など約500社が加盟している国際金融協会(IIF)の発表によると、2018年の海外からのブラジル国債や株式投資などへの金融投資は、前年の145億ドルを183%上回る411億ドルを予想している。

今年10月に大統領選挙があるにも関わらず、今年のブラジルへの海外投資家の金融投資は、新興国中で最も注目されている国であるが、今年のアルゼンチン向け金融投資は、ブラジルを上回る419億ドル、トルコへの金融投資は513億ドルがそれぞれ予想されている。

一方で今年のロシアからの金融投資引上げは360億ドル、韓国からは770億ドルの投資引上げが予想されている。今年2月のブラジルへの金融投資は好調を維持した一方で、中国並びにポーランド、タイからの金融投資金引上げは顕著であった。

今年3月のラテンアメリカ地域からの金融投資金引上げは21億ドルに達した一方で、アジアの新興国では51億ドルの金融投資金が流入。またアフリカ並びに中近東向け金融投資には32億ドルが流入している。(2018年3月31日付けエスタード紙)

日本進出企業はEUメルコスールEPAよりも早い締結を模索

日本進出企業では、ブラジル並び周辺諸国での一層の投資環境整備強化のために、EUメルコスール並びに韓国メルコスール経済連携協定(EPA)締結よりも早いEPA締結を経団連はブラジル全国工業連盟(CNI)と一緒に模索している。

経団連並びにブラジル全国工業連盟(CNI)では、過去数年間に亘ってEPA協定締結で話し合いを続けているが、2000年~2014年の日本からブラジルの輸出金額は2倍に増加した一方で、ブラジルからの輸入金額は3倍に増加している。

経団連とCNIは2017年8月28日、29日にクリチーバ市で開催された第20回日本ブラジル経済合同委員会に於いて、2015年に公表した日伯EPAに関する共同報告書の対象を日メルコスールに拡大、次回の会合は、今年7月に開催される第21回日本ブラジル経済合同委員会が予定されている。現在メルコスール域内4カ国の日本進出企業を対象にアンケート調査を実施している。

メルコスールとEU並びに韓国とのEPA協定締結が先に行われれば、日本進出企業にとって輸入関税などで不利な立場となり、またメルコスール側から日本とのEPA協定締結の要望が強い。

2010年~2013年の日本企業のラテンアメリカ向け平均直接投資は69億ドル、投資残高は1200億ドル、また日本企業の2001年~2017年のブラジル向け直接投資は338億ドル、特に2011年は75億ドルに達していたが、昨年は僅か5億3700万ドルまで縮小している。

プレソルト油田開発向けにペトロブラスが資本参加をして2011年に設立されたプレソルトの原油・天然ガス開発向けプラットフォームFPSOを建造する目的で設立されたSete Brasil社のFPSO建造キャンセルの影響で、ブラジル国内の造船会社に資本参加していた日本の造船会社が壊滅的な影響を受けていた。

しかしブラジルには150万人~190万人の日系人が生活している上に、ラテンアメリカ諸国は、日本向けの天然資源の41%を輸出する地域であり、また日本の鉄鉱石消費の12%、原油9.0%、銀の8.0%を供給、消費する食料品の60%は、開発途上国からの輸入に依存している。

最近の中国のラテンアメリカ向け投資拡大で、日本の投資は存在感が薄れてきているが、日本の投資はウジミナス製鉄所への投資のように50年単位の腰を落ち着けた長期投資であると日本政府機関のエコノミストは説明している。

安倍晋三政権の経済政策のアベノミクスにおける成長戦略、規制改革といった政策課題では、TPPや日・EUのFTAにもつながり、メキシコでの米国向け自動車生産拡大に拍車がかかった。(2018年4月2日付けヴァロール紙)

ウルグアイ政府の観光産業振興政策

ウルグアイのベンジャミン・リベロッフ(Benjamín Liberof)観光省副大臣が来伯、同国の観光産業振興策についてブラジル在住の日本人、日系人をターゲットに精力的に意見交換を行っている。

2日夜、SP市内のウルグアイ人が経営するレストランに日本および日系のマスコミ報道関係者を招待、サンパウロ市内から空路2時間の距離に位置、メルコスール(南米共同市場)の臍として機能するモンテビデオ空港およびプンタデルレステ観光地を紹介、参加者からブレーン・ストーミング(BS)を通じ忌憚のないアイデアなど懇談を行った。

この懇談会にはベンジャミン副大臣以外に在サンパウロ・ウルグアイ総領事館のFlavia Pisano総領事、Melissa Rosano首席領事、観光省広報局担当官のMaríella Volppe 等が出席した。(フラヴィア総領事やメリッサ首席領事は昨年、当所の7月昼食会に同国の経済財務省のパブロ(Pablo Ferreri)事務次官と伴に参加)

昨年、平田事務局長はベンジャミン氏が観光省の副大臣として、会議所訪問を受けた事があり、今回も日伯間において不可欠となっている観光ビザのフリー化について意見交換を行った。日本からのブラジルへの観光客の延長線上にウルグアイ観光がある事も強調、相乗効果が期待できる筋書き案が背景にある。

ブラジル周辺7か国(ウルグアイ、パラグアイ、アルゼンチン、チリ、ペルー、コロンビア、ヴェネズエラ)に限らず、韓国・ブラジル間がビザフリーなのに対し、日伯外交関係樹立120年余、さらに移民110周年を経た今なお、日伯間においてはビザがフリーに至ってない現実を直視、「人、物、金」が動く日メルコスールEPA(経済連携)協定の中に、やがて組み込まれるであろうビザ問題を採り上げ、ウルグアイ政府の支援・協力をお願いした。

Fotos: Fernanda Bertin

【敗訴後に労働者が訴訟費用を支払う事態が既に出現】

労働法改正以前からの訴訟当事者にも企業の弁護費用支払いを命令

改正された労働法の施行前から係争していたにもかかわらず、敗訴した場合に労働者に企業の訴訟費用の負担を命じられるケースが、1審で見られるようになっている。

敗訴した場合に労働者に対して企業の訴訟費用の負担を命じられるケースが、1審で発生している。1審を担当する裁判官は、2017年11月11日の改正法施行の前に審理が始まっていた訴訟でも、改正された労働法の規定を適用している。

フェラレーゼ&フレイタス弁護士事務所が扱った訴訟では、イタウ・ウニバンコ銀行元行員のミシェレ・デ・オリベイラ・バストス氏が、反倫理的行為と残業、役職の兼務に対する補償を会社側に求めたものの合意に至らず訴訟となったケースで、被告の銀行の弁護費用6万7,500レアルの支払いを命じられたと言う。一方のイタウ銀行に対してリオデジャネイロ州ボルタ・レドンダ労働裁判所第2法廷は、昼食時間に連日15分の時間外労働を行わせたとして7,500レアルの賠償を原告に支払うよう命じた。

「我々は控訴するとともに、提訴した2017年7月には敗訴に伴い相手方の訴訟費用負担を想定するような状況は整備されていいなかったことを主張に加えた」と、アルバロ・フェラレーゼ弁護士は言う。同弁護士はさらに、被告の訴訟費用の算出基準となる訴訟全体の費用を50万レアルと裁判官が定義したことも指摘すべき点だと強調する。「訴訟には金額の算定すら含まれておらず、いったいどのようなパラメータを裁判官が使ったのか私にはわからない」。

フェラレーゼ弁護士はさらに、改革で消滅した基準に基づいて昼食に対して15分の時間外手当の支払いを認めたことについても疑問を呈した。「裁判官はこの訴えに関してその主張を認めたが、改革では、報酬勘定の規定が新たに導入された」。この件に関してミッシェレ氏はノーコメントを希望した。

2018年3月に判決が下された1審の別のケースに、ディーラーのMディーゼル・カミニョンエスとコンソーシアム(無尽講による共同自動車購入制度)運営会社BRクオリティーを相手取った販売員マウリシオ・ローター・カルドーゾ氏の訴訟があり、75万レアルを被告側訴訟費用として会社側に支払うよう同氏に命じた。

カルドーゾ氏は、売買手数料に対する不適切な減額と手当の未払い、反倫理的行為などで総額1,500万レアルの支払いを求めた。マット・グロッソ州ロンドノーポリス労働裁判所第1法廷は会社に対して、原告が支払う金額の半分にも満たない30万レアルの支払いを会社側に命じた。カルドーゾ氏の弁護を担当したムニス・ジュニオル弁護士によると、Mディーゼルの不正会計容疑に関する資料を裁判所に提出しており、今後の訴訟の方向性は変わるだろう、と言う。

もう1つのケースとして2月には、ミナス・ジェライス州コンタージェン市にある自動車部品メーカーの元従業員に対して会社の弁護士費用として1万4,500レアルの支払いが命じられた判決があった。この自動車部品メーカーの弁護を担当したCSMV弁護士事務所によると、この元社員は懲戒免職を受けており、2015年に労災防止社内委員会(Cipa)への再任と健康リスク及び危険作業への手当と残業、家族手当で総額10万レアルの支払いを求めて会社を提訴した。

CSMV弁護士事務所によると被告の会社側はこの訴訟で、原告が会社に提出した診断書の偽造を証明する文書を提供した。さらに専門家も、この人物が健康リスクに暴露された職場で働いていたことを否定した。裁判所は、訴訟を悪意に基づくものと位置付け、原告の弁護を担当したバラダレス・フランチーニ弁護士事務所による「逸脱行為」とする判決を下した。原告は控訴した。(2018年4月1日付けエスタード紙 クレイデ・シルバ記者)

 

インタビュー記事【「議論の足場とすべきは貿易の自由化」】

成長は貿易によって生まれるのであり、それだけに公共支出はより貧困層のニーズに応じるよう見直されるべきだとバーシャ氏は言う。

レアル計画の立案者の1人であるエジマール・バーシャ氏は、ブラジルを国際社会の一員に統合する大きな枠組みから組み立てられた国家計画を次期大統領が発表すべきだと主張している。同氏はこの計画について、ブラジル・コストを削減して生産性を高めるための様々な政策の導入につながるようなものであるべきだと話す。また公務員に関する規定の変更と、より富裕な層に対して公的医療制度である統一保健システム(SUS)の利用を制限すべきだと訴えた。

レアル計画の立案者の1人であるエジマール・バーシャ氏は、ブラジル・コストを削減して生産性を高める種々の政策導入につながる大きな枠組みから組み立てられた国家計画を次期大統領が立ち上げブラジルを世界の一員に統合すべきだと主張している。この計画は貿易協定だけでなく、外資系銀行の営業活動に対する規制の緩和、税制改革、インフラのコンセッションといった問題も含む。「市場を開放するために我々は、税金と教育、インフラの観点から我が国の準備を整える必要がある。このことは、成長に対する絶好の起爆剤になるだろう」と、同氏はエスタード紙にコメントした。

またバーシャ氏は、公務員の安定性に終止符を打つ、言い換えれば給与削減の可能性を認める形で公務員に関する規定を「改正すること、さらに、より富裕な層によるSUSの利用を制限すること」も支持した。ブラジル民主社会党(PSDB)の党員でもある同氏は、同党のジェラルド・アルキミン氏が大統領選に立候補することを熱烈に支持しており、労働者党(PT)について同党最大の対立軸と位置付ける一方、自由前線党(PFL)のジャイル・ボルソナロ氏のスピーチには信頼が置けないとコメントした。同氏曰く、「過去の行いが現在の彼に災いしている」。

Estado 新政権がプライオリティーを与えるべき政策にはどのようなものがあるでしょうか?

バーシャ 足場とすべき考えは経済を対外的に開放することになるだろう。これは、成長と、ブラジルが必要とする諸改革に対する大きな起爆剤になるだろう。市場を開放するために我々は、税金と教育、インフラの観点から我が国の準備を整える必要がある。それが広がるのを後押しする、あるいは強制する対策を、考える必要がある。我が国の企業を国際的な競争に晒してこれらの企業に生き残るための効率を身につけさせ、ブラジル・コストに照準を合わせた政策を立ち上げる。議論の足場とすべきは貿易の自由化だ。

Estado 市場の開放をどのように進めるのでしょうか?

バーシャ メルコスールと欧州連合(EU)の貿易協定、ブラジルの経済協力開発機構(OECD)への加盟など、現在進められている対応がある。以下の柱をベースとしてブラジルを国際社会の一員に統合するという大きな枠組みから策定された計画を次期大統領が発表すべきだというのが私の提案だ。その柱とはすなわち、税制改革とインフラのコンセッションに対してフォーカスし、競争力のある為替レートを使って補償する代わりに営業を規制する外資系銀行の締め出しやローカルコンテント規制といった保護貿易主義的対策で満たされた保護措置の緩和と、貿易協定である。その目的は、輸出入を強力に拡大しながら、並行して、生産性が向上するよう促すことにある。

Estado アメリカのドナルド・トランプ大統領の保護貿易主義的な姿勢が足を引っ張るようなことは?

バーシャ あらゆる動きが主に中国を向いていることを示している。だからこそ、アルミ材と鋼材の輸入に対する追徴税について、アルゼンチンとブラジル、カナダ、日本、メキシコ、EUが一時的に課徴対象から除外された。韓国は恒久的に免除された。中国は、これを貿易紛争ではないと示しつつ懸念を表明、むしろ世界の2大経済国が戦術的な動きを見せている。これらはブラジルの経済開放計画の障害になりえない。

Estado 自由化を推進するに当たり、なぜブラジルは困難を抱えているのでしょうか?

バーシャ 貿易はプラス要因だと経済学者は確信しているが、それを政治家に説明するのが非常に難しい。政治家にとって、輸出が善であり輸入が悪なのだ。国内市場を保護するということが彼らに並はずれた訴求力を持っている。しかし歴史的経験だけでなく経済理論からも、比較的自由な貿易体制の方が成長に恩恵をもたらすことを十分に教えてくれている。

Estado 我が国は財政に問題を抱えています。何をなすべきでしょうか?

バーシャ ある種の、焦点のずれがある。例えば問題は、財政の絶対原則そのものを問うのではなく、むしろ、絶対原則が抱える問題を解決するための道を探し出すことなのだ。政府が直接、あるいは官民パートナーシップ投資計画(PPP)の契約条件を担保として投資するだけの余力を生じさせる予算枠を確保するために財政の絶対原則のどの条項をどう改正するのか考えなければならない。その答えは、歳入に対する縛りを解くことにある。歳入には予め財源としての割り振り先が決められている。柔軟性を与えなければならない。もうひとつの問題は政府で、公務員に対して過度の支出が行われていると認識した場合でも憲法の条文が名目賃金の不可逆性と公務員の雇用の保障を定めているために、それを対策の手段がない。この問題は解決すべきだ。すなわち、給与の削減を認める、あるいは、人員が余剰になるか不要になるか、過度にコストを負担するようになった場合に解雇できるようにすべきだ。

Estado あなたは2017年、とりわけ社会保障改革に関して、ブラジル民主社会党(PSDB)の姿勢を批判しました。それでも今後、同党を支援するのでしょうか?

バーシャ フェルナンド・エンリッケ・カルドーゾ(元大統領)のレガシーの継承、そして同政権下で推進した改革政策の継続に対する守護神として同党が歩んでいくことは、今や明白だ。ジェラルド・アルキミンはこの点でとても献身的に取り組んでいる。それは、彼の経済ブレーンの中心になっている、ペルシオ・アリーダという人物も同様だ。改革政策に対する意志の固さを特徴づける、これ以上の人がいるだろうか? 同じタイプの人物はもうひとり存在し、その人物の名前はアルミーニオ・フラガと言う。彼も同様に、そこ(計画策定グループ)にいるだろう。私も貢献するつもりだ。他の面々も、その時期が来れば参加するだろう。

Estado 倫理面から見て同党はいかがですか?

バーシャ 幸運にも、ラヴァ・ジャット作戦に関連した問題は、PTとは対極的にPSDBに対して象徴的な影を落としていない。アエーシオ・ネーヴェスは大統領職を巡るレースからこっそり離脱して彼個人の問題に対処している。除名すべきだという人もいる。私もその対応には好感を抱けそうだが、政治という舞台で私たちは問題を相対化する必要がある。PSDBは、最大の対立軸、すなわちPTよりもはるかに良質なのだ。アルキミンは、経済面だけで行動計画の公約を掲げようというのではない。彼が政界に身を投じた時、金銭的に何ら富裕でもなかった。だが優れた行政手腕を備えていたのだ。

Estado あなたはPTを最大の対立軸と呼びました。それは2018年の選挙にも言えることでしょうか? あるいはそれはジャイル・ボルソナロ下院議員になるでしょうか?

バーシャ ここへきてようやく、右派が対立軸として台頭してきたことを喜ばしく思う。PTはPSDBが右派だと演出したが、実態は常に、社会問題を政治活動の根本として扱い、所得の分配を重視してきた。PSDBは、ボルサ・エスコーラ(就学手当)、すなわち、ボルサ・ファミリア(家族手当)のもとになった制度を通じて、教育制度を改革した。我々は、給与所得者に対して根本的なところで恩恵を与えたレアル計画を立ち上げた。

Estado 経済問題について、右派のプロジェクトに歩み寄る余地はありますか?

バーシャ ボルソナロが一種のトランプ米大統領のように演出する理由を知るのは非常に難しい。発言していることを実際にやり遂げるのかどうか、それを信じて良いものかわからない。過去の行いが現在の彼に災いしている。彼はレアル計画に対して最も激しく反対した人物だ。私が連邦政府で働いていた時、私たちはいつも同じ便でブラジリアに足を運んでいた。彼は空港で列から出てきて私を罵倒し、フェルナンド・エンリッケを殺してやると言っていた。これは、喫緊の治安問題で今では信頼を得ているボルソナロの、本当の姿だ。彼は、ひとつの課題しか抱えることができない人間だ。パウロ・ゲデスは、エリートを絡め取ろうという意図で幅を持たせるために彼が登用した。

Estado 選挙で改革について議論を戦わせる余地が拡大したと受け止めていますか?

バーシャ 問題をどのように扱うのかによる。そのためには、公に仕える国家というものが必要で、具体例を示す必要がある。ブラジルの社会政策は3つの憲法原則に基づいている。すなわち、普遍性と統合性、無償性だ。それがブラジルの社会保障なのだ。実際のところ、この憲法原則を適用したことで何が起きただろうか? 我が国は、社会支出と呼ばれるものに資金をだだ洩れさせて浪費し、その資金は中産階級あるいは富裕層にまで流れ出た。SUSは、より貧しい人たちのために確保されるべきだ。教育では、注力すべきは初等教育であるべきだ。

Estado 年金制度に関連した議論を活発化するには何が必要でしょうか?

バーシャ 公平性に関する議論は、選挙対策上、議員がより簡単に食いついてくる。もし年金制度を改革しなければ、異常な手法で負担率を引き上げない限り将来の世代は老後を過ごすための資金を持ちえない。だから政治的なメッセージはこうでなければならない。すなわち、支出を本当に必要なところに振り向け直す。(2018年4月1日付けエスタード紙)

 

【新労働法の施行を受け反倫理的行為にかかわる損害賠償と安全リスクに対する補償を求める訴訟が事実上姿を消す】

2017年11月に労働法が改正されたことで、「いちかばちか」で賠償を求める労働訴訟が事実上、姿を消した。新法では、原告である労働者の主張が認められなかった場合、労働者に企業が支払った弁護士費用の負担が命じられるのだ。

労働制度改革に伴う新法が施行されてから満3か月が経過し、この間に新たに法廷に持ち込まれた労働訴訟の件数が、前年同期の57万1,000件から29万5,000件へと半減した。しかも訴因は、この数字以上にシンプル化した。反倫理的行為にかかわる損害賠償と安全リスクに対する補償を求める訴状が事実上、姿を消したのだ。

新法では、労働者が原告として企業を訴えその主張が認められなかった場合、企業の弁護士費用を労働者が負担することになる(弁護士費用の敗訴側負担)。反倫理的行為にかかわる損害賠償と安全リスクに対する補償の要求はその証明が難しく、新たな規定に基づくと訴訟において真っ先に否認される案件と位置付けられることから、弁護士たちはクライアントである労働者に対して、新たな訴訟にその主張を含めないこと、係争中の案件の場合はその訴因を取り下げることを進めている。また労働制度改革により月給が2,200レアルを上回る労働者には、無料で提訴できる権利もなくなった。

労働裁判の起訴状の訴因には、伝統的に、残業代と解雇予告手当の支払い、さらには反倫理的行為にかかわる損害賠償の要求がコンビを組んで並んでいた。LOバプチスタ弁護士事務所の経営パートナー、ファビオ・チョン・デ・リマ弁護士は、「労働者にとって当時は何かを請求されるようなことは一切なくゼロ・リスクだったので、頻繁に提訴しており、中には全く理にかなっていない主張まであった」と話す。だが、「こうしたいちかばちかの訴訟は終わった」。

例えば、反倫理的行為にかかわる損害賠償は、主に原告の主張に頼るために証明が難しい。他方、健康リスクに対する補償は裁判所が指名した専門家による技術的検証が求められ、しかも労働者が敗訴した場合には、同様にそのコストも、この場合には裁判所に納める形で負担しなければならない。

ジアムンド・ネット弁護士事務所の経営パートナー、ルイス・フェルナンド・ケヴェドは、「過去の労働裁判には無責任で、ある種の行き過ぎた要求があった。だが今、その要求は、原告が証明できる要件に照準を合わせている」と言う。またジョアン・アカシオ・ムニス・ジュニオール弁護士も、「これに伴い、以前なら歩けば棒に当たると言えるほどありふれた、反倫理的行為にかかわる損害賠償を請求する訴訟が、払底した」と話した。

既に企業を提訴していた労働者も、訴因からこれらの項目を取り下げるよう請求し始めた。「判決は、正当な権利があり証明できると労働者が確信している訴因に対してのみ維持される」と、CSMV弁護士事務所のテレーザ・クリスチーナ・カルネイロ弁護士は説明する。

多くの弁護士事務所が、違憲であると見なされるポイントについて最高労働裁判所(TST)が態度を示すのを待ち受けて公判を停止している。アガメノン・マルチンス・ソシエダーデ弁護士事務所は、200件もの公判停止案件を抱えている。

サン・ベルナルド・ド・カンポ市に本社を置く同弁護士事務所は、労働裁判だけを扱う有数の弁護士事務所だ。過去数年、処理した訴状が月間2,000通に達していた。アガメノン・マルチンス氏は、「弁護士費用の敗訴側負担か専門家による技術的検証コストかにかかわらず、顧客に対して偶発的に発生しかねないリスクを負担することを当弁護士事務所は判断した」とコメントした。(2018年4月1日付エスタード紙 クレイデ・シルバ記者)

過去8年間で病院ベッド数は3万1,400床減少

連邦政府は、ブラジル国内の病院業界のサービス改善を目的に、2015年に外資参入規制を緩和したにも関わらず、2010年から2017年にかけて、ブラジル国内の民間病院のベット床は、全体の10%に相当する3万1,400床減少している。

現在の民間銀行のベッド床総数は26万4,000床、公立病院を合わせたベッド床総数は、40万9,000床まで減少しているとブラジル病院連盟(FBH)の調査で判明している。

2017年末のブラジル国内の民間病院数は1367病院と2010年の1797病院から大幅に減少、過去8年間で430カ所の民間病院が閉鎖に追い込まれている。2017年末の無料診察の公立病院は4,400病院を抱えている。

2010年当時と同じベッド床まで引き上げるための3万1,400床の建設には、300億レアルの投資が必要で、特に病院閉鎖が拡大した人口の少ない地方都市での病院増設が急務とブラジル病院連盟(FBH)のブルーノ・ソブラル・デ・カルヴァーリョ顧問は指摘している。

過去8年間のブラジル国内の民間病院ベッド床の地域別比較では、無料診察の慈善病院の比率が高い北東部地域では19.3%減少、北部地域は13.3%減少、南東部地域は12.9%減少、中西部地域は4.0%減少した一方で、南部地域は唯一2.0%増加している。

ブラジル国内の人口1,000人当たりの公立及び民間病院の平均ベッド床は2.0床に過ぎないが、世界保健機関(WHO)では、人口1,000人当たりのベッド床は3.0床を推奨している。

過去8年間でブラジル国内の1,800病院が閉鎖に追い込まれたが、その68%はベッド床が50床以下の地方病院であり、ブラジル国内での黒字を計上する病院経営には、最低でもベッドが150床以上必要となっている。

ブラジル国内でベッド床が151床~500床を擁する病院は、全体の僅か8.3%に留まっているが、2010年~2017年にかけてベッド床を拡大した病院グループは、僅か49病院グループに留まっている。

ブラジルでは、国民に対して統一保健医療システム(SUS)での無料診療や通院・入院治療などの医療サービスだけでは充分に対応できないために、多くの国民は、高額の民間医療保険の加入を余儀なくされている。

ブラジルのトップ100グループの大手民間病院でも民間医療保険を通した診察や治療での払戻には74日を擁しており、また病院収入に対する税金支払いは37.23%に達して、大手民間病院でも病院経営が非常に難しい。

2010年~2017年にかけて閉鎖を余儀なくされた民間病院の53%は、統一保健医療システム(SUS)の患者対応を余儀なくされていた。(2018年3月29日付けヴァロール紙)

強制預託金解除で257億レアル相当を市場に放出

ブラジル中央銀行は、景気刺激策の一環として銀行クレジット促進並びにスプレッド金利低下、コスト削減などを目的に、4月若しくは5月から中銀向け強制預託金の比率引き下げを発表した。

中銀は、強制預託金の比率引き下げによる金融市場へのクレジット効果は257億レアルに相当すると発表、この257億レアルは、中銀の2月末の強制預託金総額3,950億レアルの5.0%に相当する。

中銀ではクレジットコスト削減のために、強制預託金の規制簡素化、全てのクレジットカード使用可能な現金自動預け払い機(ATM)の統一化、小売業者に対する現金払い並びに分割払い、クレジットカードや一般的に特別小切手税と呼ばれる口座借越残クレジット金向け金利自由化などを継続して検討している。

銀行口座預金に対する強制預託金比率を40%から25%、ポウパンサ預金に対する強制預託金比率を24.5%から20%、特に農村ポウパンサ預金に対する強制預託金比率を21%から20%にそれぞれ下げることを国家通貨審議会(CMN)は承認している。

中銀法規制担当のオタヴィオ・ダマゾ取締役は、今回の強制預託金比率の引き下げは、世界金融危機前の2008年のレベルまで低下して、銀行の金利スプレッド引き下げに繋がると説明している。

今回の強制預託金比率の引き下げは、政策誘導金利(Selic)の0.25%引下げよりも効果が薄いとコンサルタント会社MB Associados社エコノミストのセルジオ・ヴァーレ氏は説明している。

またヴォトランチン銀行チーフエコノミストのロベルト・パドヴァーニ取締役は、現在の銀行クレジットの需要は企業を中心に非常に弱いので、強制預託金比率の引き下げ効果は限られていると説明している。(2018年3月29日付けエスタード紙)

在伯大使とのEPAに関する意見交換会へ出席

 2018年3月28日、在サンパウロ総領事館多目的ホールで開催された山田 彰ブラジル駐箚日本国特命全権大使とのEPAに関する意見交換会へ会議所EPA準備タスクフォースメンバーら関係者が出席し、意見交換を行った(EPA準備タスクフォース第2回勉強会)。

 昨年8月第20回日本ブラジル経済合同委員会において、日メルコスールEPAに関する共同報告書を本年7月の次回合同委員会までに作成することが合意され、これを受け会議所内でも日本・メルコスール経済連携協定準備タスクフォースを設立。前日の3月27日にブエノスアイレスにおいて開催されたメルコスール大使会議のフィードバックを兼ね、日伯経済関係の中で活躍する会議所会員日本企業との意見交換、要望の吸い上げを行うべく在伯大使館、在サンパウロ総領事館の主導で本会合が行われた。会合の中で、日メルコスールEPAに関するアンケート調査結果、メルコスール各国大使間の議論の報告、EUメルコスールや韓国等他国のEPA交渉に向けた動向、自動車産業等各業種からの代表者による日本企業の要望、その他今後のフリーゾーンの意義等、参加者からの質疑応答を交え意見交換が行われた。

 

官側からの参加者:

在ブラジル日本国大使館 山田 彰大使/会議所名誉会頭、山中 修公使

在サンパウロ日本国総領事館 野口 泰総領事/会議所名誉顧問、蛭子英稔領事

 

会議所からの参加者:(順不同、敬称略)

大久保敦(ジェトロサンパウロ/企画戦略委員長)、芦刈宏司(三井物産/日伯経済交流促進副委員長)、二宮康史(ジェトロサンパウロ/企画戦略副委員長)、佐久間太郎(双日ブラジル/政策対話副委員長)、櫻井淳(伯国三菱商事/政策対話副委員長)

米長浩(ブラジルトヨタ)、植田真五(三菱重工/機械金属部会長)、羽田徹(日曹ブラジル/化学品部会長)、矢澤吉史(NTTブラジル/運輸サービス部会長)、関 宏道(味の素/食品副部会長)、髙田正純(NEC/電気電子副部会長)、岡本将紀(損保ジャパン/金融副部会長)、長野昌幸(ブラジル三井住友海上)、篠原一宇(パイオニアブラジル/ISG /コンサルタント副部会長)、岩瀬恵一(ジェトロサンパウロ次長)、

カマラ事務局:平田藤義事務局長、日下野成次総務補佐

3月27日メルコスール大使会議の様子(写真提供:在アルゼンチン日本大使館)