ブラジル国債のS&P以外の格下げの可能性は90%か

バンクオブアメリカ・メリルリンチの新興国の長期外貨建てソブリン格付け調査によると、ブラジルはスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)以外の米国の格付け会社ムーディーズ社若しくはフィッチ社による今後のブラジルの格下げの可能性は90%と予想されている。

今月初めに米国の格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、ブラジルの長期外貨建てソブリン格付けを「BBBマイナス」から1段階下の「BBプラス」 のジャンク級に引下げていた。

米国の格付け会社3社のうち2社による長期外貨建てソブリン債のジャンク級への引下げ調査ではトルコの可能性は60%、南アフリカは40%、インドネシアは10%とそれぞれブラジルの90%を大幅に下回っている。

米連邦公開市場委員会の米連邦準備制度理事会(FRB)は米国の8月の失業率は減少したにも関わらず、物価上昇率が目標の2.0%に届かなかったこと、中国の株価暴落による世界経済の減速懸念などで米国金利引き上げは年末まで先送りされたが、米国金利の上昇で新興国から投資金が逃避する可能性がある。

長期外貨建てソブリン債がジャンク級に格下げされた国の投資適格級への平均復帰年数は7.2%を擁しているとイタウー銀行の韓国並びにインドネシア、コロンビア、ウルグアイ、ルーマニアを対象とした調査で判明している。

投資適格級に復帰するまで10年間を要した国の公的債務残高に占める平均GDP比は70% 、現在のブラジルは63%に留まっており、来年の財政プライマリー収支の改善が投資適格級への復帰に大きな要因となっている。(2015年9月19日付けエスタード紙)

 

インタビュー記事【経済成長は次期政権以降 アフォンソ・セルソ・パストーレ】

エコノミストのアフォンソ・セルソ・パストーレ氏は、ブラジルが「袋小路」に入り込んだと受け止めている。この場合、経済政策の変更と成長に向けた各種の改革が必要だが、それでも、同氏は、これらの具体化に連邦政府は関心を持っているとは思えないと受け止める。「それは、このところの調整策を見るだけで十分に理解できる」と言う。「つまり、その場しのぎなのだ」。必要とされる改革が進められないことで、同氏は、経済は停滞に続いてリセッションに向かうと確信している。「現在、私は次の選挙に期待している」と、同氏は言う。以下は、エスタード紙によるインタビューの要約である。

エスタード あなたは、新しい財政調整策をどのように受け止めていますか?

パストーレ 連邦政府は、信頼が得られない発表しかしていない。改革など全くない。構造の調整も存在しない。迫りくる課題を解決しようとする努力も、何ら行われていない。私がそう言うことに、連邦政府に批判的なエコノミストからは全面的な支持が得られるだろう。歳出が増大しているが、これは、歳入の拡大とは全く持って整合性が取れていない。我が国は、構造改革を必要とするしている。その範囲は、年金から教育、税制、さらに、連邦政府税制の優遇や助成、価格の統制によって企業を優遇するという、かのマルコス・リスボア(エコノミストで元経済政策局長)が指摘した「割引(meiaentrada)症候群」にまで及ぶ。最終的に、これらの様々な誤りを受けて2013年に経済成長がストップし、その後、2014年に入るとリセッションの幕開けとなったわけだが、今に至って不況は一層深刻になっている。変化への取り組みが行われることはなかった。歳出を先延ばしする小手先の対策と、大規模な調整は増税と抱き合わせだ。この財政調整は、絶対的に弛緩しきっている。

あなたのご意見としては、変革の兆候はまるで見られないということでしょうか?

そうではない。ジウマ大統領も、大臣すらも、変化を与えようとしていないということだ。あそこから、変化の風は吹いていない。私は、全く変革の気配を感じることはできない。ところでエスタード紙は、9月13日に2つの記事を掲載した。フラガ(元中銀総裁の「RespostasàAlturadaCrise」)と、もうひとつ、ちょっと長めのベルナルド・アピーとマルコス・リスボア、マルコス・メンデス、セルジオ・ラッザリーニのもの(複数のエコノミストが危機の出口戦略が年金改革にあると指摘した記事)だ。このような方策が話題になるのは、今回が初めてではない。既にフォーリャ紙でも別の、マルコス・リスボアとマンスエット・アルメイダ、サムエル・ペッソーアが署名した記事がこれ以前に掲載されている。エスタード紙に掲載された記事に対して、極めて類似した判断の根拠を元に、論評したい。このエコノミストたちは、若手ではない。我が国がこの危機の歯車を緩やかに逆転させる方策について、ほぼコンセンサスがある。この方策は、財政政策の抜本的な見直しを通じたものだ。我々は貧困を減少させる必要があるが、財源を浪費するわけにはいかない。女性が52歳、男性が54歳で定年を迎えるという状況は支えられない。我が国は、労働力の平均的な生産性を上回って最低賃金を引き上げ続けることもできない。2016年には、経済成長がゼロ成長未満なのに、最低賃金は10%上昇する見込みだ。所得の移転を続けることはできないし、特定の経済活動に対して助成を与え続けることもできない。以上は、これらの記事の内容をいくつか列挙しただけだ。

エスタード これほど多くのエコノミストがこうした方策を求めていながら、中央政界ではそれに聞く耳を持たないことについて、どのようにお考えでしょうか?

パストーレ しばらくの間、私は、政治的な支援がないために中央連邦政府ではこの声を聴けないのだと思ってきた。私の印象では、まだ支援があったならば、というものだったがそれは無理な相談のようだ。事態を好転させるには、2つの障壁がある。ひとつは政治危機で、それは、私が作り出したわけではない。これを生じさせたのは、ジウマ大統領その人だ。この危機は、彼女自身がきっかけを作った。その後の事態を好転させることに協力することはできる。2つ目の問題は、純粋にイデオロギー上のものだ。公共支出を潤沢にし、インセンティブを与えれば問題が解決されると彼女が考えていることだ。

エスタード ジウマ大統領は、なぜ政治危機を生じさせたのでしょうか?

パストーレ 大統領が選出された際、彼女は、反対派に配慮しなかった。就任演説で、彼女は反対派に言及しなかった。彼女は、反対派に声を掛けなかった。そして、ブラジル民主運動党(PMDB)を隔離しようとした。彼女は新たな枠組みを作ろうとしたのだ。この時、PMDBでは彼女に対する反発が生じ、PMDBが下院議長を選出した。こうして、大統領に対する反対勢力が足場を得て立ち上がった。対話を手始めに和解を試みるべきところだったが、大統領は、対決姿勢を鮮明にした。要するに、水面下であらゆる手段を講じながら下院の支配権を確保しようと試みたのだが、失敗した。その結果、議会が彼女をコントロールする立場に逆転した。そこで政治的な行き詰まりが生じたのだ。仮にこの行き詰まりに陥らずに和解に向けて努力していたなら、恐らく彼女は、改革プログラムを推進できていただろう。もっともそれは、彼女が、改革プログラムこそ経済成長への道だという信念を持っていた場合に限られる。彼女の脳内は当然として、彼女が抱える企画大臣の脳内にも、そのようなイデオロギーはない。それは、財政調整に関する最新の対応を見るだけで十分だ。財政調整が示したこの人たちの考える進む方向は、支持を取り付け続けるために、ばら撒いてばら撒いて、その上でばら撒き続けることなのだ。だがこれで支持を集めることはできていないし、経済成長も達成できていない。

エスタード エコノミストの多くが、これはレヴィー財務大臣の提唱する調整策ではないと…。

パストーレ ちょっと待って。レヴィーは大臣なのだよ。そして彼は、中の人だ。それなら、これは彼の調整策だ。この調整策を策定していないのは、私の方だ。彼はマルコス・リスボアではないし、サムエルでもラッザリーニでもない。これらのいずれの顔ぶれでもない。この人たちがそれぞれ提唱する調整策、そして私が同意する調整策が、あそこにいるレヴィーのものとは違うというべきだ。

エスタード 弾劾にしろ辞職にしろ、ジウマ大統領の退陣を求める人がいます。どのあなたはこの政治状況をどう受け止めていますか?

パストーレ 政治について、私は理解できない。どのようになるか、私には分からない。経済危機はより深刻になるだろうが、これに反応して社会あるいは政治制度が政権の交代を促すことになるのか、私には分からない。こうした問題を予見、もしくは分析するのは私ではない。私が言えることは、ただ次のようなものだ。つまり現政権の改革は、経済政策を変更し、投資に寄り添うものに変わり、経済発展を後押しするものに変わり、資金の拠出を資金の確保できる範囲に抑え、経済政策を修正するのか、それとも、文字通りこの国が成長しないかのどちらかだ。さらに言えば、景気の後退は長期化するということ。不況は、既に歴史的に見ても最長期に達している。2014年下半期にリセッションに入った。景気サイクル指標委員会(Codace)(ゼツリオ・バルガス財団の景気サイクルを定義する委員会)が既に、それを定義している。今後、リセッションはより深刻になるだろう。私は、景気の下降線が2015年第3四半期、第4四半期も続いて、2016年も同様の状況で年明けを迎えると考えている。2016年もGDP(国内総生産:国が生み出した富を計測する)がマイナス成長に陥る可能性が大きいと、様々な団体が指摘している。今回の不況は、規模から見ても、ブラジルの歴史上、最も長期に及ぶもののひとつだ。同様に、極めて深刻でもある。この不況がいつ終わるのか、投資がどのように回復するのかは、経済がどのように成長軌道に復帰するのかというのと同様に、予想が難しい。換言するなら、現時点で手持ちの情報から見る限り、GDPがある期間にわたってマイナス成長を記録した後、長い停滞期を迎えることになる。私は、景気が回復するのは別の政権に移行してからのことだと考えている。現政権下ではない。

エスタード 我々は手詰まりなのでしょうか?

パストーレ 我々は、長らく手詰まり状態だよ。今に始まったことではない。そして出口は見ていない。私には、本当に見ていない。現時点で期待できることは、次の選挙で、別の政権が、私たちに別の経済政策を与えてくれるだろうということだ。ジウマ政権では、その変革は期待できない。

エスタード しかし我が国は、残り3年を手詰まりの状態で耐えられるでしょうか? 我々は、それほどの期間にわたって成長できないというリスクがあるのでしょうか?

パストーレ 我が国が耐えられるのかどうか、私には分からない。だが、その代償は大きいものになる。そこから、次のように予想する。つまり、このリセッションを脱しても、一定の期間は経済が成長しな意で推移する。この経済政策によって、経済は冷え込み、その後、しばらくは回復しない。

エスタード すると我々は、新たな失われた10年に向かって歩んでいるのでしょうか?

パストーレ それが10年かどうかは分からないが、十分に長い期間になる。

エスタード この状況で、ドル為替相場はどうなるでしょうか?

パストーレ 「為替はエコノミストを打ちのめすために神が発明した変数」。この言葉は、グリーンスパン(アラン・グリーンスパン、連邦準備銀行:FRBの元議長)のものだが、私は、この言葉がまさに正鵠を射ていると思う。それは、リスクプレミアムに依存する。エスタード紙の読者にはうんざりする話だろうが、付き合ってほしい。つまりブラジルでは、為替はCDS(クレジット・デフォルト・スワップ、ある国のデフォルトリスクのバロメーター)と歩調を合わせている。最新のコラムでは、チャートを添えてそれを示した。このコラム以降、CDSはやや上昇し、為替も同様の足取りだ。そしてCDSが上昇したのは何かが狂っていたのではなく、リスクが上昇したからなのだ。公債の持続可能性に対するリスクが増大した。公債のGDP比率が72%に達した可能性があった。現在、財政に関するデータから見ると、その可能性はさらに高い。こうして、リスク評価が高まる限り、レアルは値下がりする傾向がある。

エスタード 複数のエコノミストが為替について、輸出を通して成長に復帰するという調整機能を果たすとコメントしています。

パストーレ 輸出は何であれ、ある時期には活発化するだろう。だがこれまでのところ、そうした反応はなく、しかも為替相場はあらゆるエコノミストが2015年にあり得ると想定していた水準を上回ってレアル安が進んでいる。輸出は低下し続ける。そして輸入は、通貨安も影響するにしても、その影響以上に景気の低迷を大きな理由として、縮小していく。

エスタード 通貨が2分の1まで値下がりすると、状況は悪化するのか、あるいは、どのようになりそうでしょうか?

パストーレ 少しは悪くなる方向に進むだろう。成長するには、投資が必要だ。先行きが不透明なら、投資比率は低下しやすいからだ。(2015年9月20日付けエスタード紙)

インタビュー記事【ジルマは単に不器用な女性】エコノミスト デルフィン・ネット氏

元大臣で元下院議員にして洞察力の優れたエコノミストでもあるデルフィン・ネット氏(87)は、ジルマ大統領について、誠実だが「我が国の実情に合わないビジョンを持っている」と評し、予算法案については「未熟」、財政政策に関しては「詐欺的」と指摘した。

デルフィン氏は、87年の人生の内24年を下院議員など国会で過ごし、この間、連邦政府の財政政策に反対する文字通り国家経済の破壊をいとわない人々に対峙した人物であり、ジルマ・ロウセフ大統領に対しても手加減せず、「彼女は単純に言って不器用な女性だ」とコメントした。

エスタード紙とのインタビューで、デルフィン氏は、赤字予算案を国会に送付したことは「ブラジルでは近来に例のない未熟な政治であり経済だ」と位置づけ、財政政策については、「詐欺、トリック、ぺてんであり、歳出削減はどこにもなく、タコが自分の足を食うようなもの」と断じた。

連邦政府の計画のコア部分について同氏は、「CPMFは累積的かつ逆進的、インフレ親和的なものであり、成長の足を引っ張る上にツケを支払うのは貧しい人々だ」と断じた。以下は、同氏とのインタビューの要旨である。

エスタード あなたは現在の状況をどのように受け止めていますか?

デルフィン とても憂慮している。大衆は、大統領は非常に強い意志と激しい願望を持った女性だと知っているが、なぜ「ダマスカスのまっすぐな道」で改宗したのかについては、一度も説明したことがない。彼女は、先ずはテレビの前へ行き、そして伝えるべきだった。「私は間違っていた。連邦政府が採用したモデルは、正しい道だと思っていたが、そうはではなかった」と。だが、そうはならなかった。彼女は誰にも、一切を知らせることも、説明することもなく変節した。どうして信頼できようか?

エスタード ダマスカスのまっすぐな道での改宗とは、どのようなものでしょうか?

デルフィン 彼女は、再選のために活用した不具合だらけの経済計画を変えたのだ。2011年にジルマは重要な修正を行い、公務員年金を承認し、GDP成長率は事実上、ルーラ政権時に準じた水準だった。ところが、追い風としてルーラの変革を助けた風が、向かい風に変わった。

エスタード その風は、インターナショナルな風でしょうか?

デルフィン そうだ。こうして2012年に彼女は、その変化に直面し、インフレが上昇して成長率が低下するという見通しを得て、ちゃぶ台返しをやった。自発亭な経済から介入主義的な政策へ、片っ端から変更した。こうした一連の出来事すべてが、2012年から2014年にかけて財界の信頼を得ようとする努力だったが、経済成長の勢いは衰え、矮小化している。

エスタード そして再選で使った手法とは?

デルフィン 実際のところ、悲劇が起こったのは2014年で、その理由は、「権力者の最初の責務は権力の座に留まり続けること」という政治原理を彼女が導入したからだ。この考えに彼女が囚われた時、彼女は自分の誤った考えに固執し始めた。具体的には、改革を準備していたギド・マンテガ財務大臣に反対し始めたのだ。彼は、ジョアキン・レヴィー財務大臣が最初に発表した対策と同様のものを、すでに組み上げていた。

エスタード するとあなたは、責任はマンテガ前財務大臣にあるという現在の指摘には同意しかねるということでしょうか?

デルフィン ギドには全く責任はない。そして本当のことを言えば、ジルマ政権の財務大臣には誰にだって責任はない。なぜなら、ジルマ政権の財務大臣は、結局のところ彼女自身なのだから。そして選挙のツケとして、2014年の極めて不安定な状況につながった。

エスタード では、レヴィー財務大臣の役割とは何でしょうか?

デルフィン 連邦政府に対する信頼度が地を這っている状況で、彼が取り組む財政調整には大きな困難が伴い、結局は成果を収めることができなかった。というのも、財政調整を単純なる足場だと言い切れなかったためだ。

エスタード そうすると大統領は、ステージの移行とは言っていないのですね?

デルフィン 足場がなくてどうやってステージを移行できようか?

エスタード では、財政政策については?

デルフィン 最初の致命的なボタンの掛け違いは、赤字予算案を国会に提出したことだ。これは、ブラジルでは近来に例のない未熟な政治であり経済だ。市場が受け取ったサインは、次のようなものだ。つまり、連邦政府は匙を投げて責任を放棄、能力も無いので後は神のみぞ知るだから、国会がよきに計らえ。

エスタード 連邦政府の内部抗争は問題を複雑にしていませんか?

デルフィン 内部抗争は、どの政権でも起きているが、大統領には非常に明確なあり方が求められる。つまり、彼が何かを採用する時、代わりに何かを退けるということ。連邦政府は、自身の内部に自己矛盾を抱えてはいけない。でなければ、フランケンシュタインになってしまう。

エスタード 去らなければならない人は、レヴィー財務大臣なのか、ネルソン・バルボーザ予算管理大臣、あるいはアロイージオ・メルカダンテ官房長官でしょうか?

デルフィン 誰が去るべきかはジルマ大統領の問題だが、それは、赤字予算案を連邦政府に持ち込むという極めて危険でモラルに欠け、破滅的な影響を生じさせた人物であるべきだ。

エスタード あなたの話はいずれも、現在の危機的状況はすべてジルマが脆弱な大統領なことが原因だという結論でしょうか?

デルフィン 彼女は、ブラジルの現実にそぐわないビジョンをブラジルに対して抱いている。

エスタード あなたが経済支配介入納付金(Cide)の課徴率を引き上げ金融取引暫定賦課金(CPMF)の再導入に反対なのは、どういう理由でしょうか?

デルフィン Cideの課徴率の引き上げは、非常に優れたものになるだろう。CPMFは累積的かつ逆進的、インフレ親和的なものであり、成長の足を引っ張る上にツケを支払うのは貧しい人々だ。再導入の話題が出るのは、連邦政府の計画が詐欺、トリック、ぺてんであり、歳出削減はどこにもなく、最終の出所を別に置き換えたものであり、削減されたように見えるのは、あるところで削減された面だけを見ているからに過ぎない。そして、社会福祉機構(Sシステム)の予算を流用するという。何てことだ! Sシステムの予算で捻出した1レアルが、連邦政府の手に委ねられると1レアルから無限に再生産されるのだ。連邦政府が非能率的だということに、誰が疑問を挟むだろうか?

エスタード ジルマ大統領なら…。

デルフィン 私はそう思わない、そして彼女も同様だろう。彼女はそれを知っていて、ただ学ばないだけなのだ。

エスタード ではCideは?

デルフィン CPMFが19世紀の制度なのに対してCideは21世紀の制度だ。なぜなら、君が化石燃料の消費を減らせばCO2の排出も減少し、過去に崩壊させた業界、砂糖アルコール業界を救済することになる。この業界には80社がひしめき、経済政策の誤りから崩壊の危機に瀕している。君がその選択をするほど、この業界全体が復活に向かう。

エスタード 政策が導入される可能性はどれでしょうか?

デルフィン 連邦政府は、統一中央労組(CUT)と労働者党(PT)と協議する必要があり、この労組は文字通り公務員労組だ。このため、導入はほぼ考えられないし、ゼネストが発生して歳入がさらに落ち込むだろう。自分の足を食べるタコだ。増税は連邦政府の計画の55%を占める。歳出削減は、削減と信じられるものは19%、内部で財源をいじったものが26%だ。言い換えると、連邦政府が公務員給与で1レアルを削減するふりをするごとに、他の財源と増税から3レアルを受け取りたいと考えているわけだ。要は基本的には努力など皆無ということだ。

エスタード あなたは、大きな問題が2014年に生じたとおっしゃいましたが、多くのアナリストがそれ以前に始まっていたと主張していることについては。ルーラ政権の責任についてはどうでしょうか?

デルフィン 2011年までは追い風が吹いており、それが世界の秩序で、中国が組み入れられたのもその秩序だ。我々は、まるで天国にでもいるような気分を味わい、ルーラはそれを、より広範囲かつ安定した成長のために十分に利用した。その後、経済システムに対する極端で異常、過度の介入が行われたことが、あらゆる問題の根源になったと確信している。電力業界をいじり、港湾をいじり、投資率と成長率が極端に下落して財界の「貪欲なスピリット」を霧散させたような混乱した状況を生み出した。

エスタード ルーラ大統領が左派であることに疑問の余地がありませんが、ジルマ大統領はブリゾリスタ(レオネル・デ・モウラ・ブリゾーラ氏らの国家資本主義)で国家主義者、国家統制主義の旧来の民主労働者党(PDT)出身だということに、2人の違いがあるのでしょうか?

デルフィン ルーラは実利主義で、並外れた知性の持ち主だ。他方、ジルマは確かに知性があるが、エンジニア、それもブリゾリスタとしてのエンジニアとして、とにかく自分が足を向けたところは何でも破壊し、リオ・グランデ・ド・スル州がもはや誰の手にも救いようがなくなったように破壊する。彼女は介入主義者で、価格システムを心から信じていない。プレソルト(岩塩層下)で彼女が選んだ道を見るがいい。それは完全に独りよがりの思い付きだ。ペトロブラスに、手に負えないような役割を押し付けた。ブラジルでは、簡単に統制できると考える左派ほど幼稚な人はいない。

エスタード 現在ブラジルでは、誰が左派と言えるでしょうか?

デルフィン 現在のブラジルでは、左派と右派はコロコロ変わる交通信号だ。実際にはジルマは介入主義者であり、彼女はその考えを絶対に変えないのは確実だが、それでもジョアキンを選んだし、それは単純に、調整計画に信用が得られないという問題を克服するのに好都合だったからだ。

エスタード 財界からの信頼も失っただけでなく、大統領は、労働者党(PT)の票田である社会的地盤からも支持を失いつつあります。

デルフィン 誤りを犯したこと、そしてなぜ経済政策を変更するのかを彼女が説明しなかったことで、彼女に投票した3分の1は実際に裏切られたと感じており、彼女に反対投票をした3分の1は、「どうだ? こうなるといっただろう?」と言っている。彼女の手元に残っているのはわずか8%だ。

エスタード あなたは、誰に投票しましたか?

デルフィン ジルマだよ。だが私は、アエーシオこそまさに「適任」だったと思っている。彼は、ジルマが直面しているのとまったく同じ困難に直面するはずだ。そこに横たわっている問題を解決しようと取り組むことは誰にとっても単純な問題ではない。だが彼は、全く異なるコンセプトでこの問題に取り組むはずで、極めて低いコストで調整を進め、成長軌道に乗せるまでの期間をもっと短縮できたはずだ。

エスタード 弾劾されたコーロル大統領よりも低い8%まで支持率がおちこんでいるなら、弾劾は解決策の1つになりえるでしょうか。

デルフィン もし逸脱した行為が証拠によって証明されたのであれば、弾劾は憲法が保証する手段のひとつだ。そうであれば、憲法に反するものは何もなく、何ら問題もない。ただ現状を見ると、客の注文に気安く応じる屋台の揚げパイ屋ではないのだから、愛国の抗議デモや鍋叩きによる抗議に応じて弾劾するかどうかを決めるようではいけない。大統領には、リコールはないのだ。社会は既に票を投じたのであり、その誤りのツケを払ってそこから学び、2018年に投票するということだ。それは第2章であり、2018年の選挙は新たな証明となる。

エスタード ではあなたは、仮にジルマ大統領が立候補できるのなら、2018年にまた彼女に投票するのでしょうか?

デルフィン いいえ。何より先ず、彼女はもう立候補できない。私としては、彼女は絶対的に正直で、誠実な目的を持っている女性だが、それでいて不器用な女性なのだということは伝えておきたい。

エスタード イタマール・フランコ大統領の時代にあったように、万一の事態が発生するとして、テーメル副大統領は大統領に適任でしょうか?

デルフィン 私はそう思う。我々は、親しい間柄だ。テーメルには資質があり、彼は並外れた人物であり、紳士、そして、思慮深く、あらゆるものを身に着けているが、私は、証拠が出てくるまではそれは考えないことにしよう。ただ、彼もまた、適任者だというに止めておくよ。
 

 

農林水産省の国際経済連携チームとの意見交換会

農林水産省国際経済連携チームの仙台光任参事官、白神二三夫国際専門官との意見交換会は、2015年9月19日(土)午後15時45分から在サンパウロ総領事館多目的ホールにて開催、ブラジル日本商工会議所会員を含め約20人が集まった。

最近の日伯農業関係の動きとして、昨年8月1日の日伯首脳会談での両国の関係省庁や機関による対話を開始することが約束され、昨年は穀物輸送日伯合同会議や日伯農業・食料対話などが開催され、また本年もこれまで6月にはアブレウ大臣による日本企業向け講演会開催や7月にはアブレウ大臣が訪日、今後も10月に穀物輸送インフラ改善に関わるセミナー及び年末には第2回日伯農業・食料対話の開催が予定されている。

日本企業の現状の課題や要望として、会議所からも課税・労働・通関・インフラ・産業競争力強化のワーキンググループ活動やブラジル政府との政策対話活動の説明を行なった。日本の加工食品メーカーや外食産業などは、アジア市場に比べてブラジル市場に関する情報が少ないことや、ブラジル市場進出には興味のある企業においてもブラジルコストやブラジルでの法人設立の難しさを指摘、また日本の中小企業進出にはビジネス環境改善の重要さを訴えた。

日伯間の農業・食料のグローバルチェーン構築に関しては通関の迅速化、特にANVISAやMAPAの審査の迅速化の重要性、ANVISA担当官による解釈の違いでの登録や通関における不透明さ、また原料品や加工品の分類判定で担当所管の決定に数年かかる問題、輸出入の際の賞味期限の解釈などについて意見交換が交わされた。穀物輸送インフラに関しては、以前の貧弱なインフラの印象よりはやや改善している感じを受けるが、トラック輸送の賃上げや労働法見直し要求のストライキ問題が毎年起こることなどが指摘された。

最後に、参加企業から第2回日伯農業・食料対話に向けて、議事録を作成して今までの課題の整理、また前回の会合で日本側から提言された具体的な案件に関して進捗状況の報告をして欲しいということが述べられ会合が終了、会議所事務局からは平田藤義事務局長、吉田章則調査員が参加した。

 

 

日本農薬株式会社一行が訪問

日本農薬株式会社の友井洋介取締役 兼 専務執行役員(社長室長、兼 秘書室長)並びに同海外営業部企画業務部企画グループの吉岡正樹専任課長、NICHINO DO BRASILの梅田雅一営業取締役、SipcamNichinoの新井章夫社長並びに内田俊哉企画担当取締役が2015年9月18日に商工会議所を訪問、平田藤義事務局長が応対した。昨今の厳しい情勢下において今後の政治経済情勢について忌憚のない意見交換を行った。

Yukio Arai, Toshiya Uchida, Yosuke (Hank) Tomoi, Masaki Yoshioka, Masakazu Umeta e Fujiyoshi Hirata

Foto: Rubens Ito / CCIJB

中銀は今年の経常収支赤字30%減少を予想

今年の経常収支赤字は、ブラジル経済のリセッション並びにレアル通貨に対するドル高の為替の影響で、700億ドルと昨年の103億6000万ドルから30%以上減少すると中銀のアレシャンドレ・トンビーニ総裁は上院議会経済問題担当委員会(CAE)で説明している。

過去12か月間のレアル通貨に対するドルの為替は66%上昇、経済リセッション入りで今年の国内総生産(GDP)伸び率は大幅に減少、しかし二桁台の伸び率が予想される貿易収支黒字、今年8か月間の利益・配当金送金の30%減少などの要因で、経常収支赤字の減少に結び付くと予想されている。

今年の経常収支はGDP比4.17%の赤字計上が予想されており、昨年の経常収支のGDP比4.4%の赤字から減少が予想されており、更なる利益・配当金送金の減少並びに更なるドル高の為替になるとGDP比4.0%を割る可能性も指摘されている。

ドル高の為替は輸入製品の減少並びに輸出の増加で経常収支赤字の減少に結び付く一方で、海外での資金調達並びに外資系企業による対内直接投資に対する意欲減少につながる。

また新興国が持続的経済成長を維持するには経常収支赤字をGDP比3.0%に抑える必要があるにも関わらず、特にブラジルは国内の貯蓄率が低いため製造業部門向け直接投資の外国資本への依存度が非常に高い。

今年初め7か月間の対内直接投資は前年同期比33%減少したにも関わらず、経常収支赤字の84%をカバーしており、またドル高の為替の影響で特に輸入減少による貿易収支黒字が改善しているために、今年の対内直接投資は経常収支赤字を充分にカバーすると予想されている。

中銀の最終フォーカスレポートによると、今年の経常収支赤字は更なるドル高の為替予想で前回予想の770億ドルから735億ドルに下方修正、来年も674億5000万ドルから650億ドルに下方修正されている。

今年のレアル通貨に対するドルの為替予想は、1か月前のR$3.48 からR$3.70、来年はR$3.60からR$3.80とそれぞれ更なるドル高の為替を予想、経常収支赤字は更に減少すると予想している。

スイス・クレジット銀行チーフエコノミストのニルソン・テイシェイラ氏は、来年の経常収支赤字はGDP比2.1%に相当する300億ドル、ドルの為替はR$4.50、今年の経常収支赤字はGDP比3.9%、ドルの為替はR$4.25を予想している。

スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)によるブラジルの長期外貨建てソブリン格付け「BBBマイナス」から1段階下の「BBプラス」のジャンク級に引下げ前のイタウー・ウニバンコ銀行経済班では、今年のレアル通貨に対するドルの為替をR$3.55、来年はR$3.90と予想していたが、格下げ後はR$4.00、来年はR$4.25を予想していた。(2015年9月18日付けヴァロール紙)

米国金利引上げでブラジルは新興国で最も混乱をきたすと予想

米国の8月の失業率は減少したにも関わらず、物価上昇率が目標の2.0%に届かなかったことで金利の利上げを先送りしたと米連邦公開市場委員会の米連邦準備制度理事会(FRB)は説明、しかし一番の先送り要因として中国の株価暴落による世界経済の減速懸念があった。

米国金融の中心街ウォールストリートで開催された金融セミナーでは、財政再建政策が一向に進展しない政治混乱、ジャヴァ・ジャット作戦による汚職問題の拡大、国内経済リセッションに見舞われているブラジルは、利上げによる影響を新興国の中で最も受けると指摘されている。

中国の経済指標悪化一巡が12月上旬までに確認されると予想されており、12月中にはFOMCでの利上げ開始が予想されているが、ブラジルはトルコやロシアよりも利上げの悪影響を受けると予想されている。

モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)のゴルジアン・ケメン氏は、ジウマ大統領の支持率が史上最低を記録していることも、財政再建政策進展の足かせになっていると指摘している。

米国のゼロ金利政策で余剰資金が還流していた新興国のトルコ並びにブラジル、ロシアなどでは、利上げに伴って米国への資金引上げ開始で大幅な通貨安となって新興国のインフレが上昇すると懸念されている。(2015年9月18日付けエスタード紙)

9月の日伯法律委員会に50人が参加して開催

9月の日伯法律委員会(松下理一委員長)は2015年9月17日午後4時から6時まで50人が参加して開催、進行役は矢野クラウジオ副委員長が務め、初めにEY間接税務担当のマリア・ハルコ・モリ上席マネージャーは、インプットに対するPIS/COFINS税のクレジットについて、社会統合計画(PIS)は民間企業の労働者の失業保険や金銭的援助の財源、社会保険融資負担金(COFINS)は社会保障や医療、福祉の財源に充てられ、消費財に対するPIS/COFINS税に対するクレジットの注意点や変更などについて説明、

Deloitte Touche Tohmatsuのフェリッペ・デ・リマ・プラッド税務担当部長は公共デジタル会計システムSPED( Sistema Público de Escrituração Digital)におけるBloco Kについて、新たに義務付けられる生産及び在庫管理デジタル化システムのKブロックはメーカーにとって全 ての在庫量を毎月、提示しなければならないために、 製品のシークレット情報が漏れる可能性があるためにメーカーの抵抗は強いが、2016年から開始される予定となっているために、各メーカーでは準備を早急 に整える必要があることなどを説明した。    

Abe, Guimarães e Rocha Neto Advogadosのパウロ・ツリニ民法担当弁護士は、民事再生法適用企業の信用回復 (Lei n.º 11.101/2005)” について説明、Trench, Rossi e Watanabe Advogadosのカルロス・エドアルド・モラエス シニア弁護士は、暫定法680号/2015における雇用保護プログラム (MP 680/2015)” について、暫定令は労働時間、給与ともに30%の削減を行うことでレイオフや解雇を避けることが主な目的だが、これにより企業側は解雇にかかるコストや景気回復後の雇用コストを節約でき、政府にとっては失業保険の出資削減や大規模レイオフや解雇によってもたらされる社会不安の減少につながることなどを説明した。

PdfEY間接税務担当のマリア・ハルコ・モリ上席マネージャー インプットに対するPIS/COFINS税のクレジット

PdfDeloitte Touche Tohmatsuのフェリッペ・デ・リマ・プラッド税務担当部長 公共デジタル会計システムSPEDにおけるBloco K

PdfAbe, Guimarães e Rocha Neto Advogadosのパウロ・ツリニ民法担当弁護士 民事再生法適用企業の信用回復 (Lei n.º 11.101/2005)”

PdfTrench, Rossi e Watanabe Advogadosのカルロス・エドアルド・モラエス シニア弁護士 暫定法680号/2015における雇用保護プログラム (MP 680/2015)”

O encontro teve como objetivo reunir associados para discutir os mais atuais 
tópicos que permeiam as questões jurídicas e tributárias. (Fotos: Rubens Ito/CCIJB)

Carlos Eduardo Morais (Trench, Rossi e Watanabe Advogados), Marina Haruko Mori Biondo (EY), Paulo Trani (Abe, Guimarães e Rocha Neto Advogados), Felipe de Lima Prado (Deloitte Touche Tohmatsu), Cláudio Yukio Yano (PwC) e José de Carvalho Jr. (Deloitte Touche Tohmatsu)

Rubens Ito / CCIJB

KAWASAKI MOTORES DO BRASIL LTDA一行が訪問

KAWASAKI  MOTORES DO BRASIL LTDAの安武敞二副社長並びにアユミ・キクタ総務担当課長、KAWASAKI  DO BRASIL LTDAのマリオ・イチロ・ホンダ人事担当課長が2015年9月17日に商工会議所を訪問、応対した平田藤義事務局長とKAWASAKI  MOTORES DO BRASIL LTDAの入会について意見交換を行った。

左から平田藤義事務局長/マリオ・イチロ・ホンダ人事担当課長/安武敞二副社長/アユミ・キクタ総務担当課長