ペトロブラスは償還期間が100年の社債発行で25億ドルを調達か

ペトロブラス石油公社は、ラヴァ・ジャット作戦での汚職問題などで企業イメージが悪化して資金調達が困難を極めているため海外の自社資産放出を積極的に進めている。

ペトロブラス石油公社はレアル通貨に対するドル高の為替で益々負債が増加してきており、また石油の国際コモディティ価格の減少で収益が悪化、ペトロブラス石油公社の2014年の最終損益は215億8,700万レアルの赤字を計上、このうちラヴァ・ジャット作戦で明らかになった汚職による損失が約62億レアルを計上している。

そのうえ今年2月に米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが同社の優先債の格付けを、Baa3からBa2(投資不適格級)に引き下げ、一段の格下げ方向で見直すと発表したにも関わらず、格付会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)並びにFitchはペトロブラスの格付けを据え置いていた経緯があった。

ペトロブラスは償還期間が100年の社債発行で25億ドルの資金調達を予定しており、海外投資家による社債購入の需要はすでに130億ドルに達しているにも関わらず、25億ドルの社債発行だけにとどめる一方で、年利は8.45%と高金利を余儀なくされている。

ペトロブラスが最後に海外での社債を発行したのは、ラヴァ・ジャット作戦による汚職問題が明らかになる前の2014年3月であり、今回の25億ドルの社債発行の主幹事は金融市場で信用のあるドイツ銀行並びにJPモーガン社が資金調達を行う。

ペトロブラスの純負債総額は3,324億5,700万レアル、ペトロブラスの30年物の社債の年利は7.6%となっているが、今回の100年物の社債の年利は8.45%と非常な高金利を余儀なくされている。(2015年6月2日付けエスタード紙)

KURASHIKI CHEMICAL PRODUCTS DO BRASIL LTDA一行が訪問

KURASHIKI CHEMICAL PRODUCTS DO BRASIL LTDAの吉田朋昭 社長並びに鳴坂仁志 総務・人事担当取締役、後任の辻元陽総務・人事担当取締役が2015年6月1日に商工会議所を訪問、応対した平 田藤義事務局長に帰国する鳴坂仁志 総務・人事担当取締役の後任の辻元陽総務・人事担当取締役を紹介した。

左からKURASHIKI CHEMICAL PRODUCTS DO BRASIL LTDAの鳴坂仁志 総務・人事担当取締役/後任の辻元陽総務・人事担当取締役/吉田朋昭 社長/平田藤義事務局長

第1四半期のGDP伸び率は前四半期比マイナス0.2%

ブラジル地理統計院(IGBE)の発表によると、今年第1四半期のGDP伸び率は、家計消費が過去12年間で最高の落ち込みを記録した影響で前四半期比マイナス0.2%を記録、前年同期比ではマイナス1.6%となっている。

国内経済はテクニカルリセッション入りが見込まれているために、今年第2四半期のGDP伸び率は更に減少すると予想されており、金融市場関係者27人のアナリストは今年のGDP伸び率をマイナス1.0%~マイナス2.20%と予想、平均GDP伸び率はマイナス1.5%が予想されている。

製造業部門やサービス業部門を中心とした国内経済の停滞、ジウマ第2次政権の新経済班による増税政策導入や減税政策の見直し、先行きの雇用不安の増加、インフレ上昇による実質賃金の減少などの要因で、一般家庭の消費意欲減退が牽引して今年のGDP伸び率をマイナス方向に導いているとブラデスコ銀行のチーフエコノミストのオタヴィオ・バーロス氏は指摘している。

GDP伸び率の63%を占める今年第1四半期の家計消費のGDP伸び率は、前年同期比マイナス0.9%を記録して2003年から45回連続で増加していた前年同期比で初めてマイナスに転落している。

2016年からのGDP伸び率の引上げるために採用しているジョアキン・レヴィ財務相による財政再建政策の導入の影響で、今年第1四半期の連邦政府の公共支出は前年同期比マイナス1.5%を記録している。

国内経済のテクニカルリセッション入りや農産物のコモディティ価格下落などの要因にも関わらず、大豆生産の記録更新が牽引して農畜産部門のGDP伸び率は4.0%増加を記録している。

また石油並びに鉄鉱石の増産で今年第1四半期の鉱業部門のGDP伸び率は前年同期比12.8%と大幅に増加、製造業部門のGDP伸び率はマイナス7.0%、レアル通貨に対するドル高の為替の影響で輸出は3.2%増加した一方で輸入はマイナス4.7%となっている。(2015年5月30日付けエスタード紙)

 

今年のインフラ整備部門の投資は前年比19%減少か

公共投資部門のコンサルタント会社InterB社では、今年のインフラ整備部門の投資はラヴァ・ジャット作戦によるペトロブラス石油公社関連の汚職問題で大手ゼネコン幹部の逮捕や信用下落による資金調達の悪化などの要因で、大きな影響を受けると予想している。

またInterB社ではラヴァ・ジャット作戦による影響以外にもジョアキン・レヴィ財務相による財政再建策による増税政策の導入や予算の見直しによる歳出削減などの影響で、今年のインフラ整備部門の投資は前年比19%と大幅な減少を見込んでいる。

今年のインフラ整備部門の投資は1,057億レアルを予想して前年比252億レアル減少すると予想、GDP比では1.78%迄減少して2007年の水準まで低下すると予想している。
今年第1四半期の連邦政府の公共投資は前年比30%減少の156億レアルに留まっており、InterB社では今年の輸送関連部門向け投資は前年比20.9%減少の420億レアルを予想している。

また道路関連の公共投資は、5月19日に中国の李克強首相がブラジリアでジウマ・ロウセフ大統領と会談、ブラジルのインフラ整備部門に総額530億ドルの投資を行うと発表している。

李克強首相とジウマ・ロウセフ大統領はいろいろなセクターのインフラ整備部門の35項目にわたる2国間協定を締結、また李克強首相はリオ州での都市交通向け車両の製造ならびにメインテナンス工場の建設を検討しているにも関わらず、今年の都市交通部門向け投資は20.2%減少が予想されている。

InterB社では今年の電力エネルギー部門向け投資は前年比9.3%減少の340億レアルを予想、マット・グロッソ州とパラー州との州境に位置するテレス・ピレス水力発電所の建設は完了したにも関わらず、一般消費者向けの電力エネルギーを供給するための送電網のライセンスの認可が下りていないなどの問題が発生している。(2015年6月1日付けエスタード紙)

 

5月の投資収益率トップは商業ドルの5.81%

5月の投資収益率比較では、ジョアキン・レヴィ財務相による財政再建策のための増税政策の導入や予算の見直しによる歳出削減、レアル通貨に対するドル高の為替などの要因で、サンパウロ平均株価指数(Ibovespa)はマイナス6.17%と最低の収益率を記録している。

5月の投資収益率トップは商業ドルの5.81%と大幅に上昇、今年5か月間の収益率は19.96%を記録、ドルの為替の上昇に伴って投資対象の対局に位置するサンパウロ平均株価指数(Ibovespa)は大幅な落ち込みを記録している。

今年第1四半期のGDP伸び率は、家計消費が過去12年間で最高の落ち込みを記録した影響で前四半期比マイナス0.2%を記録したために、5月29日のIbovespa指数は2.25%下落、今年5か月間の収益率は5.51%増加している。

連邦政府は年金や失業保険などの支出削減のための暫定令(MP)664号並びに665号が国会審議で難航しており、またレヴィ財務相の辞任などの憶測などの要因で、今後の為替やサンパウロ平均株価は大きく左右されると金融スペシャリストは予想している。

5月の確定金利付きファンド(RFファンド)の収益率は、中銀の通貨政策委員会(Copom)による政策誘導金利(Selic)の引上げに伴って0.90%増加、今年5か月間の収益率は4.33%増加となっている。

5月の金投資の収益率は4.94%と商業ドルの5.81%に次ぐ収益率を確保、銀行間預金ファンド(DI)の収益率は0.82%、10万レアル以上の銀行定期預金証(CDBs)の収益率は0.77%となっている。

5月の小口の銀行間預金ファンド(DI)の収益率は0.65%、ポウパンサ預金の収益率は0.62%とインフレ指数の総合市場物価指数(IGP-M)の0.41%を上回ったが、唯一、サンパウロ平均株価指数(Ibovespa)の収益率がインフレ指数を下回った。(2015年5月30日付けエスタード紙)

 

【我が国の競争力崩壊に特徴づけられたジウマ政権の時代】

スイスのビジネススクール、国際経営開発研究所(IMD)が実施し国内ではドン・カブラル財団(FDC)が調査に協力した世界競争力ランキングで、ブラジルは、2010年の38位から2015年には56位に転落した。このランクダウンが示すのは、政府の行政効率に加え、ビジネス効率とインフラ効率で非効率なのに止まらず、ジウマ政権下の経済政策が悪影響を与えたということだ。

ランクダウンが際立っているのは2010年から2011年(38位から44位)だが、その後も2012年(46位)から2013年(51位)、2014年(54位)、そして2015年まで、順当にランクダウンしてきた。2015年の場合、61か国を対象にした調査でブラジルは、モンゴルとクロアチア、アルゼンチン、ウクライナ、そしてベネズエラを上回っただけであり、ブルガリアとペルー、南アフリカ、さらにはヨルダンをも下回った。

落ちこぼれの仲間入りをしたわけだが、ブラジルの周辺に集まっている国はいずれも、深刻な経済危機や政治危機に見舞われている。IMDのカルロス・プリーモ・ブラガ教授は、「底辺グループは、ブラジルとは比較にならないほどの、深刻な状況にある」と指摘する。その上で、「ブラジルをウクライナと比較するのはお門違いだ」と付け加えた。

IMDは、4項目を軸に各国の競争力を計測した。経済の動向と景気の停滞、財政問題、高いインフレ率でブラジルに厳しい評価が下された。だがそれだけではなく、雇用基準(6位から21位)と国際貿易への参加という点でも、ブラジルは順位を下げたのである。

行政の効率という点でブラジルは60位で、我が国を下回ったのはアルゼンチンだけ、という状態だった。FDCのカルロス・アルーダ氏は、「ビジネスを展開するのにブラジルは、世界で最もやりにくい場所の1つだ」と指摘する。最も深刻な問題は汚職と、政治における透明性のなさである。「贈収賄と汚職という観点で、ブラジルは、評価対象の国の中で、恥ずかしいことに最下位だ」と、アルーダ氏は言う。

ビジネス効率でもブラジルは51位となり4年間で24ランクも下落したが、これは、イノベーションに対する投資不足によるものだ。

そして最後に、2012年から問題が広がっている不安定なインフラという問題があり、水不足と電力不足リスクの深刻化を受けてブラジルはランクを54位に下げた。

IMDのランキングにおけるブラジルの順位は、重い税負担と民営化政策の非効率性、教育への投資の非効率性(教育への投資額はGDP比5%から2014年には同5.8%に拡大しているのに労働者の技能向上と初等教育の質の向上に貢献していない)からも、妥当なものだ。(2015年5月31日エスタード紙)
 

 

論評【メルコスルの錠を開けるために】

スエリー・カルダス

ジウマ・ロウセフ大統領は5月第5週、ウルグアイのタバレ・バスケス大統領、さらに、メキシコのエンリケ・ペーニャ・ニエト大統領と会談した際、加盟国が単独でその他の地域と二国間貿易協定の交渉をする自由を奪い足かせになっているメルコスルの規定に関連し、ブラジルがこれを排除するためにアルゼンチンとベネズエラから距離を置く一方でウルグアイとパラグアイとは関係を親密化することを示唆した。ジウマ大統領は一連の発言について、「バスケス大統領が言うように、メルコスルは常に新しい状況に順応すべきだ」と、メルコスルの「足かせ」に国として堂々と不満を表明したウルグアイに同意する形をとった格好だ。

ルーラ大統領の就任した2003年以来、ブラジルの外交政策は、世界の国々、とりわけ先進国 ― つまり二国間貿易協定を通じて(と言ってもそれが存在すればだが)我が国から財を購入して我が国に投資して技術の発展を促すことができる国々 ― との貿易関係を棄損するイデオロギーに基づいて展開されてきた。そしてこの二国間貿易協定が存在しない理由は、メルコスル共同市場理事会(CMC)の決議第32/200号(CMC32/2000)が、域外との単独交渉を禁止していることによる。これこそ、バスケスが足かせと呼んだものの正体だ。彼の前任、有名なホセ・ペペ・ムヒカ前大統領は、一層直接的に表現している。曰く、「このオバハンは斜視のオッサンよりひどい。オッサンは政治的に過ぎたが、オバハンは頑迷に過ぎる」。アルゼンチンのクリスチーナ・キルチネル大統領とネストル・キルチネル前大統領を名指しで批判したのだ。

メルコスルは、1991年に域内の経済と政治、文化の統合を掲げて誕生したのであるが、その後の24年を通じて、域外、つまり世界に対して共通関税を適用するという単なる関税同盟の状態にとどまっている。そこで歩みを止め、政治と文化、金融、投資に関する計画は前進しなかった。2012年にはベネズエラが正式に加盟し、ルーラ前大統領が持ち込んだイデオロギーへの傾倒の度合いを強めた上に、ウルグアイとパラグアイが構想したような、他の加盟国の参加を必要とせずに加盟国ごとに貿易協定に向けた交渉が可能なように規定を変更しようとする動きと対立した。2008年の国際金融危機以で経済に打撃を受けたにアメリカと欧州、日本がその後に互恵的な関係にある国々から輸入を優先していたこととも相まって、このような制限は、とりわけブラジルに有害なものだった。ブラジルこそメルコスルに制限事項を持ち込んだ立役者だと浮かれている場合ではないのだ。

ジウマ・ロウセフ大統領は5月29日、メキシコシティで、長らく続いてきた貿易協定を拡大する文書に署名したのに合わせ、コモディティー相場の下落を受けてブラジルが、二国間貿易協定を通じて国際市場を開拓するとの考えを示した。大統領は、どのようにメルコスルの規定をかわすのか、詳細に触れるどころか説明すらしなかったが、通商関係の拡大に向けて域外と協定を結ぶ道を初めて指示したのである。その数日前には、マンガベイーラ・ウンジェル戦略担当大臣が、より踏み込んだ発言をしている。「アルゼンチン経済が抱える問題のために、我が国にとって重要性を次第に増している協定締結の道が閉ざされている。共通の計画あるいは戦略、枠組みがなければ、メルコスルは、精神の宿らない躯(むくろ)だ。強力な共同体はどのようなものだろうと、単なる通商上の利益だけで組織できるものではない」。ジウマ大統領はこの発言に、賛成とも不賛成とも、態度を示さなかった。

ブラジルは現在、深刻な経済危機に見舞われている。国内的には、混乱する財政に対する信頼と再編が必要だ。とりわけ輸出の落ち込みと国際市場におけるシェアの低下という危険な状況によって過去4年で巨大に膨れ上がった、経常収支赤字を縮小する必要がある。

ジョアキン・レヴィー財務大臣と彼の店頭的自由主義が、大統領自身の生み出した病害退治のために大統領の政策に取り入れられた(もし彼女が何かを学んだとするならそれは、経済の不思議さというものだろう!)。メルコスルは彼女が構築したものではないが、それでも大統領は、軌道を修正し、必要があれば、自国の悲惨な状態にある経済を通じて駄目出しされることになったアルゼンチンとベネズエラのイデオロギーと距離を置くこともできるはずだ。しかし一方で、仮に加盟国すべてが愚かさに気づきイデオロギー的な偏見から自由になれるなら、偏狭な地域貿易の枠から自由になり、5か国はメルコスルという「仏に魂を入れる」ことで得られる成果を心行くまで享受できるだろう。(2015年5月31日付けエスタード紙)

ジャーナリストでリオデジャネイロ・カトリック大学(PUC-RIO)教授
 

 

パラ州ビジネスミッション

■全体を通して

国土面積は日本の22.5倍、州単位でも数倍あるところも珍しくない。ブラジルはそんな国である。日本企業が多く集積するサンパウロに住んでいると、「知ったつもり」になっていることも、実は「よく知らなかった」ことが往々にしてあることに新鮮な驚きを覚えることが多い。カマラとジェトロで共催企画した今回の「バラ州経済ミッション」も発想の出発点はそこにあった。

新興国ブラジルはその発展に伴って地方の経済的魅力も増している。実際に外国企業は着々と布石を打っている。まずはその実態を見てみようという積極的な気持ちにご賛同いただいた企業が多く集まり、募集定員一杯の参加者から構成される立派なミッションになった。3日間の活動で視察できたのはパラ州のほんの一部ではあるが、トメアス農協、アルノルテ社、アルブラス社、ヴィラデコンデ港、スーパーY.YAMADAなど経済活動の主役となる事業体の幹部と交流しその歴史、ビジネスモデル、規模感を実感できたこと、また、パラ州政府の企業誘致の熱意に触れたことはブラジルの地方を理解する上での大きな助けとなった。

本ミッションへの期待は大きく、各訪問地で一方ならぬ歓待を受けた。願わくば、これを機会に日本企業との間に新たなビジネスが生まれ、パラ州との継続的関係に発展してくれることを期待している。その可能性を今後しばらくは追い続けることが残された仕事と考えている。関係者、参加者の皆さんに今一度感謝の意を表します。(終) (ジェトロサンパウロ事務所 所長 石田 靖博)

相互啓発委員長の感想文

トメアスの地に足を踏み入れる機会を得た。ベレンからの道程は、緑と赤土の大地を切り裂くようにひたすら続く。雨季から乾季に差し掛かっているが、時折ぬかるみを避けながらバスは走る。 物売りの喧騒を耳にし、賑やかな佇まいになったかと思うと、そこは河口の街並み。 向こう岸まで牽引船が引っ張るフェリーが濁流の河を行ったり来たりしている。 1時間ほど待っただろうか、フェリーで河を渡ると、さらに延々と続く大地。八十数年前に初めてこの地を訪れた先代の方々の想いを偲ぶ。

トメアスの街は、広大な原始林の中にしっかりと根付いている。長年の努力と苦労から育まれた経験と知識が今に生かされている。胡椒一辺倒の農法から、アサイ、クプアスといったアマゾン原産の永年作物を陰木を複合的に栽培することによって、まさに新時代を迎えている。広大なジュース工場には巨大なコンテナが横付けされている。目の前にある凝縮された熱帯果実が世界各地の食卓に届けられているかと思うと幸せな気持ちになる。

トメアスの驟雨は一瞬のうちにやって来る。果実畑を見せていただいていると、遠くの空に暗雲が一気に広がった。「そろそろ、来ますかね。」ぽつり雨の中、畑道を駆け、近くの民家の軒先をお借りして雨宿り。激しいにわか雨が一気に大地を潤す。アマゾンの森林生態がここにある。そして、ここではアマゾンの自然の摂理に調和した農法を実践している。自然と闘ってきた先代の方々と、それを忠実に受け継ぐ今を支える方々の絶え間ない切磋琢磨の結晶である。

トメアスはアマゾンにおける日本人の故郷である。ここには昭和初期からの日本の文化と伝統が脈々と受け継がれている。お会いした方々は、謙虚にしてきちっと一本筋の通った逞しさを兼ね備えておられる。自然という如何ともし難い難敵と常に対峙しながら、決して逃げることなく正面から立ち向かう潔さが漂っている。 ブラジルにおける日本人の原点がここにある。先代からの艱難辛苦と絶え間ないご努力に改めて畏敬の念を表したい。(ブラジル日本商工会議所 相互啓発委員長 安田篤)

豊富な資源開発に挑むパラー州の訪問

5月27日、22時半、定刻通りベレン空港に着陸、やはりサンパウロに比べれば蒸し暑い!宿泊先の快適なホテルでシャワーを浴び午前0時に就寝、翌朝6時に目が覚め、珍しい特有な果物がカフェーダマニャンの食欲を誘ってくれた。

世界5位の埋蔵量
7時半ホテルを出発、約2時間後にバルカレナのアルノルテ、アルブラスの工場に到着、工場概要の説明を受けた。広大なアマゾンでアルミの原料であるボーキサイトの鉱床が発見されたのは今から約半世紀前の事だ。ブラジルはアフリカのギニア共和国、オーストラリア、ベトナム、ジャマイカ、に次ぐ世界第5位の埋蔵量を誇る。

日伯の絆 ~大規模資源開発(ナショナルプロジェクト)の歴史~
アマゾンアルミは日伯の経済協力の象徴的な資源プロジェクトである。私の単身渡伯は丁度、世界有数のボーキサイト鉱床の発見だと騒がれた時期に重なる。7年後の1974年、田中総理が來伯、エルネスト・ガイゼル大統領と国家経済開発の一環としてアマゾン地域開発のため豊富な水資源を利用、水力発電所及びアルミニウム精錬計画について討議、年産60数万トン規模に及ぶアルミニウム精錬計画の調査実施のための合弁会社設立につき合意したのが始まりだ。

それから2年後の1976年、ガイゼル大統領は関係閣僚や高官を帯同(当時、鉱山動力省の植木シゲアキ大臣も随行)、三木総理と会談、翌年度以降からアルミニウム工場建設に協力する共同声明書を発表。(その後のアマゾンアルミニウムの沿革などは当所のサイト参照)http://jp.camaradojapao.org.br/upload/files/2%20Nippon%20Amazon%20Aluminio.pdf

このように日本がブラジルに協力したナショナル・プロジェクトは1956年クビチェック政権時代のメタス計画に呼応、日本が50年代に官民挙げて取り組んだウジミナス製鉄所、ブラジルへの経済協力のモデルと言われた南米一のイシブラス造船所(90年代に撤退)、70年代に日本企業との合弁によるツバロン製鉄所(日本:川鉄=現JFE、ブラジル、イタリアの3国協力、2005年頃にJFE撤退)、日伯紙パルプのセニブラ、アルブラス、アルノルテ等々が設立され、同年代の後期に推進されたセラード開発などが代表的なナショナルプロジェクトとして知られている。(詳細:現代ブラジル事典2005年発行参照)

豊富な資源の罠に苦戦・苦悩する巨大産業の裏
長い間、電子産業を中心にミクロの世界に身を置いた者にとっては、特に70年代から次々に本格化した壮大なナショナルプロジェクトを脇から羨ましく眺めていただけに工場に辿り着くまで鼓動が鳴りやまなかった。

ジャングルを切り開いた工場を見学、赤褐色に染まったアルミナ精製プロセスは、一見石油化学コンビナートにも似ている。どのパイプがどこに繋がりパイプの中を何がどのように流れているのか説明を聞いても分り難い。構内をバスで見学したが余りの規模の大きさに圧倒された。 ようやくエレベーターを使い38メートルの屋上からアルミナの析出槽を眼下に、工場の全景を一望する事で感覚的に理解できた。

アルミナを電気分解、アルミの製造プロセスはその現場を観た人でないと実感できない珍現象にも遭遇した。その電解プロセスを見学した後に腕時計の分針は7分遅れていた。4V程度の低電圧下で何と18万アンペアの電流が流れている。大きなボルト・ナットでも鉄製の構造物にカチンと大きな音を立てて吸着される強い電磁場の中に身も時計も曝されていたからだ。

さらに驚かされたのは人口150万人都市ベレン市の電力消費量が700MWhに対し、このたった1つのアルミ工場だけで800MWhの電力が消費されている。電力コストが製造コストの何と40%を占めているそうだ。今までアルミ製造に詳しい専門家達から良く「アルミは電気の塊」と聞かされて来て頭では分かっていたつもりであったが、電解炉を前に痛切な悩みを聞き入り一応・納得はできた。

しかし、豊富な水資源を利用し水力発電が可能な地域で且つ膨大な埋蔵量を誇るボーキサイトを手元で産出しながら、何故アルミ製造に必要な電力をそっくり売電した方が儲かるコスト構造にはどうしても理解し難い。本末転倒、パラドックスそのものと言わざるを得ない。

アルミ事業から撤退或は売却に追い込まれた同業他社の実例を聞き、如何なる理由があれ、国家の安全保障の一つを担うエネルギー・インフラの整備は最優先課題として取り組まなければならないはずだ。

同じ事が400~600億トンの埋蔵量を誇る鉄鉱石についても言える。中国に輸出された鉄鉱石が鋼材や鉄鋼製品の形等で逆流、貿易収支を脅かし製鉄産業も競争力を失いつつある。「神様はブラジル人」と手放しに喜べない。資源の罠に陥った国家的な喫緊課題と言えそうだ。(ブラジル日本商工会議所 事務局長 平田藤義)

■三日目:州政府との交流と現地スーパー訪問
最終日は、メンバーの半数近くが夕方の便でサンパウロに戻ることになっている中で、午前中は州知事表敬組と州のサイエンスパーク視察組に分かれて行動を開始した。表敬組メンバーは梅田大使をはじめとする外務省、経産省そしてジェトロ所長で一行は知事公舎に集合して会合を持った。サイエンスパーク視察にはそれ以外の全員が参加した。

昼は、ジャテーネ知事ら幹部をお呼びした50人規模の昼食交流会がパラ料理店REMANSO DO BOSQUEで行われた。その席で州知事は政府の幹部を一人ずつ紹介し各テーブルでは日―パラの人的交流に花が咲いた。料理の内容は、地元で採れる魚や果物の素材を使ったトロピカルかつエキゾチックなもので、サンパウロではなかなか味わえない味覚に参加者一同が舌鼓を打った。

午後の経済セミナーは州政府のご好意で急遽会場を政府公舎に変更し、格式ある会場で行われることとなった。ミッションメンバーが少し早めに会場に到着してみると、会場入り口ホールでは、華やかな民族衣装を纏った踊り子たちが音楽に合わせて舞踊を披露し、我々の到着を歓迎してくれた。冒頭、日本とブラジルの国歌が吹奏され厳かな雰囲気の中で経済セミナーは始まり、代表挨拶の後、ジャテーネ州知事が熱のこもったプレゼンテーションを行った。内容的には3月にサンパウロで行ったものとほぼ同じと言う印象だったが、知事自らの企業誘致にかける熱意はメンバーにも伝わってきた。今回は何よりもメンバーが知事と知り合いになれたことが一番の収穫である。

夕方、セミナーが終わると当日帰宅組を送り届けるためにバスはベレン国際空港に向かった。帰宅組を降ろした後は、残ったメンバーで市内のスーパーY.YAMADAを買い物を兼ねて視察。メンバーの店舗訪問を知ったオーナーが従業員を待機させていて訪問一同は恐縮した。店舗は思っていたより大規模でサンパウロで売っているものは大抵棚に並んでたので、改めてブラジルの国内物流の良さに感心した。日本人に馴染みが深くてここに無いものと言えば乳酸菌飲料のヤクルトくらい。メンバーの中には、初日のトメアス農協訪問時に試飲したアサイジュースとスーパーの試飲コーナーのそれとを試飲比較するメンバーもいた。アサイ由来と言えば、お土産に貰ったアサイビールはここに有って、サンパウロには無い物の一つか。その他もろもろ、現地の人々の生活を感じることができたスーパー訪問は収穫が大きかった。(終) (ジェトロサンパウロ事務所 所長 石田 靖博)

各種プレゼン資料

1- GOV Apresentação SP – Japoneses -2015 v_Final (3)

2- ACP OK apresentação japão 1.1 ingles

3- FIEPA – Pará Investimentos

4- Instituto SENAI de Inovacao em Tecnologias Minerais

5- FRUTA FRUTA_2015.05.29_Para mission seminar

6- ADM Seminário Japão-Pará, Terra de Oportunidades

7- Pará e JICA 50 anos de confiança

写真提供 : ジェトロサンパウロ事務所

 

 

CIR-064/15: 進出日系企業法務・労務・税務勉強会のご案内(6月16日、23日、30日)

CIR-064/15

2015年5月29日

会員各位

ジェトロ・サンパウロ事務所 

ブラジル日本商工会議所

日伯法律委員会 

企業経営委員会 

 

進出日系企業 法務・労務・税務勉強会のご案内

 

拝啓 時下益々ご清栄のこととお慶び申上げます。

 

昨年ジェトロ・サンパウロ事務所と当所日伯法律委員会/企業経営委員会の共催で、進出日系企業を対象に法務・労務・税務勉強会を実施し、大変な好評を頂きましたので本年も開催致したいと思います。

 

弁護士からの講演と参加企業間の意見交換、質疑応答を行う勉強会で参加費無料です。

 

ご関心のむきは、以下の案内書及びお申込書をご熟読、ご記入の上、要領に従い、To: ジェトロ・サンパウロ事務所(sao@jetro.go.jp Cc: 会議所事務局(secretaria@camaradojapao.org.br) までお願い致します。(詳細のお問い合わせは下記のジェトロ担当者様までお願い致します)

 

 

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2015年5月

ジェトロ・サンパウロ

 

進出日系企業法務・労務・税務勉強会

 

  1. 目 的
  2.  

本勉強会は、ブラジルでの円滑なビジネスの遂行の一助とすべく、日本人駐在員が最低限の法務・労務・税務などの知識を得ることを支援するとともに、各社が直面した問題等を参加者間で共有することで、様々なトラブルを未然に防ぐノウハウなどを習得することを目指します。

 

  1. 開催概要(予定)
  2.  

 

  •  

2015年6月16日、6月23日、6月30日(計3回)

  •  
  1. :00~16:30 (2時間半/回)

場 所

  •  

定 員

ブラジル進出日系企業15社程度(※1)(※2)

  •  
  • 法人設立、入国法(ビザなど)
  • 労働法(雇用・解雇、労務管理など)
  • 税制法(連邦税、州税、市税など)

講 師

ジルセウ佐藤 弁護士(Fator Accessoria & Consutoria)

  •  
  • 原則、全ての勉強会に参加頂く。(やむを得ず欠席の場合は極力代理の方を立てるようお願いします)
  • 各社が経験したトラブルや懸念事項なども、勉強会の場で情報共有し、議論に積極的に参加頂く。
  •  

無 料

主 催

ジェトロ・サンパウロ事務所、ブラジル日本商工会議所

 

  •  
  •  

 

  1. 申し込み先/問い合わせ先
  2.  
  3.  
  4.  
  5.  
  6.  

以 上

 

 

進出日系企業法務・労務・税務勉強会

参加申込書

 

1.企業情報

企業名

 

業種

□商社     □製造業    □金融業 

□サービス業(    ) □その他(    )

従業員数

(駐在員数)

    人

(    人)

設立年

(ブラジル)

     年

住所

 

電話番号

 

 

2.参加者情報

参加者

 

部署名/Title

 

E-mail

 

 

3.参加希望の動機

□法務・労務・税務の基礎を学びたい

□現在、トラブルを抱えている/懸念している事項がある

(                           )     

□その他

(                            )

 

本勉強会は、原則、全ての会合に参加頂くことを条件とさせて頂いております。本人欠席の場合は、極力、代理出席者を立てるようお願いします。

 

以 上

 

今年初め4か月間の財政プライマリー収支黒字は2001年以降では最低

ジョアキン・レヴィ財務相を中心とする第2次ジウマ政権の新経済班は、今年の財政プライマリー収支黒字を達成するため一連の増税政策の導入や公共投資削減を発表して歳出削減に努めている。

4月の公共支出削減は100億8,000万レアルに達して前年同月比40%減少したにも関わらず、今年初め4か月間の中銀並びに国庫庁、社会保障院(INSS)で構成される中央政府の財政プライマリー収支黒字は、前年同期の約半分に相当する145億9,000万レアルにとどまって2001年以降では最低の黒字を計上している。

4月の過去12か月間の中央政府の財政プライマリー収支黒字は354億レアルに留まっているために、今年の中央政府の財政プライマリー収支の目標黒字である552億レアルの達成は非常に難しいと予想されている。

ジョアキン・レヴィ財務相は、今年の財政プライマリー収支の目標黒字であるGDP比1.2%に相当する663億レアルを達成のため増税政策や歳出削減政策の導入を発表していた。

年金や失業保険などの支出削減のための暫定令(MP)664号並びに665号も上院で修正された影響で連邦政府の支出が予想を上回ると予想されており、ネルソン・バルボーザ企画相は暫定例665号による失業手当並びにサラリーボーナスによる支出削減効果を90億レアルと見込んでいたにも関わらず、上院での可決で50億レアルの支出削減になると予想されている。

連邦政府はジウマ大統領の看板政策である経済活性化計画(PAC)や保健省、教育省の予算の大幅削減を最大限に実施する予定であるにも関わらず、4月の連邦政府のインフレ指数を差し引いた実質支出は3.7%増加している。

今年初め4か月間の公共支出は前年同期比34.4%減少、経済活性化計画(PAC)の支出は38%減少の135億3,000万レアルに留まったにも関わらず、石油の国際コモディティ価格減少に伴って、国税庁への石油派生品による歳入は38.8%減少している。

今年初め4か月間の国庫庁のインフレ指数を差し引いた実質歳入額は3.3%減少の4,321億9,000万レアル、実質歳出額は30.3%増加の3,402億2,000万レアルを記録している。(2015年5月29日付けエスタード紙)